有価証券報告書-第181期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/26 16:45
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【項目】
174項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
① 会社の経営の基本方針
当社グループは、「グループ企業理念」のもと、洋紙、白板紙、特殊紙、紙加工及びパルプの主要5事業を核として、魅力ある商品とサービスを広く社会に提供し、顧客、株主、取引先、地域社会をはじめとする総てのステークホルダーの支持と信頼に基づいた企業グループの安定的かつ持続的な成長と企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。
特に環境については、当社グループの環境への取り組みの基本方針である「ミニマム・インパクト」をより深化させ、これからもCO2排出量の削減、海外植林事業及びエコロジー技術などの積極的な取り組みを進め、地球環境の保全に向けた環境重視経営をさらに強化してまいります。
② 目標とする経営指標
当社グループでは、企業としての本来の事業活動の成果を示す売上高及び営業利益を重要な経営指標と位置付け、この向上を通じて、企業価値の拡大を図ってまいります。
③ 中長期的な会社の経営戦略
当社グループでは、あらゆる事業環境の変化に対応し得る真のグローバル企業を目指し、2011年4月に、2020年を目標とする長期経営ビジョン「Vision 2020」を策定しております。その「Vision 2020」における企業の具体像は、環境経営を推進し、あらゆる企業活動において環境を重視する企業、また、高い技術を有し、優れた品質とコスト競争力を持った魅力ある商品を提供する企業、そして、着実な成長とあくなき挑戦を、情熱をもって続ける企業であります。
「Vision 2020」の達成に向けた第1ステップとして2011年4月より「G-1st」計画、第2ステップとして2014年4月より「C-next」計画を策定し、取り組んでまいりました。そして、「Vision 2020」へ向けた最終ステップとして、2017年4月から2020年3月までの中期経営計画「V-DRIVE」をスタートさせ、海外事業拡大、工場競争力再強化及び連結経営体制基盤強化を基本方針として様々な経営戦略を実行してまいります。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
① 経営環境認識
景気は概ね安定した回復基調が底堅く推移しておりますが、国内紙パルプ産業につきましては、情報メディアの電子化による印刷・情報用紙の需要減少、物流経費や原燃料価格の高騰、社会構造の変化等の影響により、一段と厳しい事業環境になってきております。
② 対処すべき課題
イ 洋紙事業戦略
洋紙事業につきましては、一昨年秋より続く原燃料価格の高騰や物流経費の上昇によるコストアップ等に対応するため、昨年11月、印刷・情報用紙の価格改定を公表しました。
また、当社は縮小する国内洋紙市場に対応するため、戦略的に輸出を拡大し、マシンの稼働率を高め、最適生産体制を維持してきました。その結果、2018年の輸出数量は年間約30万tとなり、過去最高の輸出数量となりました。あわせて、国内洋紙の需給バランスの適正化を図るため、A3オンコートマシンの新潟工場6号抄紙機を本年3月末をもって停機いたしました。しかし、昨年来の自然災害や諸事情により国内印刷用紙の供給量が極端に不足している事態に対応し、国内製紙メーカーとして供給責任の一端を果たすため、本年5月及び6月の期間に限定し新潟工場6号抄紙機を再稼働いたしました。
ロ 白板紙事業戦略
白板紙事業につきましては、食品、医薬及び高級化粧品等のパッケージ分野が堅調に推移しており、現在は、関東工場に加え、紀州工場においても食品用途向け一次容器用の原紙の生産を行っております。
また、環境配慮の観点から、昨年10月より、主力製品のマリコートとNEW-DVの全種類を森林認証紙といたしました。来年開催される東京オリンピック・パラリンピックにおいては、森林認証紙の需要に対し確実にお応えしてまいります。
更に、中国の江門星輝造紙有限公司が営業開始後5年目を迎えました。中国政府の環境規制強化の中、昨年11月には、一年振りに古紙輸入ライセンスを再取得し、安定した生産を行っております。
引き続き、国内・海外白板紙事業ともに、徹底したコストダウンと高効率操業を追求してまいります。
ハ 特殊紙事業戦略
特殊紙事業につきましては、フランスのBernard Dumas S.A.S.に続き、新たな収益基盤を確立するため、昨年、中国最大の経済都市である上海から西へ170kmに位置する浙江省長興県において、感熱紙事業を行うことを決定いたしました。
中国国内におきましては、eコマースの普及による多種多様な商品の物流が年々増加し、商品配送用に使用されるラベル用感熱紙の需要が急拡大しております。当社は、紀州工場で生産した感熱紙用原紙を浙江省の新工場に供給し、感熱紙の生産・販売を行います。今後は、商業生産開始に向け、江門星輝造紙有限公司と東拓(上海)電材有限公司で培った中国ビジネスの経験を活かし、垂直立ち上げを図ってまいります。
ニ 紙加工事業戦略
紙加工事業につきましては、昨年、食品・化粧品包装分野をはじめとしたラミネート事業拡大のため、8色グラビア印刷機を導入しました。また、主力の液体容器分野におきましては、イタリアIPI S.r.l.の無菌充填包装システム「NSA-EVO」の販売を開始したほか、昨年12月の製品価格改定の公表など更なる成長にむけた基盤整備を推進してまいります。
ホ パルプ事業戦略
パルプ事業につきましては、カナダのAlberta-Pacific Forest Industries Inc.が、2015年の買収以降、当社グループの連結売上高と収益に大きく貢献しており、今年度も中核事業として安定した業績が見込まれております。引き続きパルプ事業は、当社グループの第5のコア事業として更なる成長を目指します。
ヘ CSR、グループガバナンスに関する取り組み
当社グループは、持続的な企業価値向上を図るため、国連が提唱するSDGs(持続可能な開発目標)の内容を踏まえ、国際規格ISO26000に準拠した活動推進目標を定め、継続的かつ実効性の高いCSR活動を展開しております。
環境施策については、日本経済新聞社が毎年実施している「企業の環境経営度調査」において、CO2排出量の削減による温暖化対策や森林保全活動などの生物多様性対応、国際的な森林認証に適合した製品対策等が評価され、紙パルプ業界では、3年連続で首位を獲得しております。また、当社グループでは、昨年より紙の輸送の一部をトラック輸送から環境負荷の少ない貨車輸送へ切り替えるなどモーダルシフトを推進してきたほか、昨年造船した国内最大級の大型チップ船は、従来船と比較し燃費性能が約15%向上するなど環境性能に優れており、チップの輸送能力向上も同時に実現いたしました。更に、環境保全に対する考えを当社グループで共有し、推進していくために、グループ環境憲章を制定いたしました。
原材料調達においては、環境、社会、人権に配慮したCSR調達を推進するため、グループ原材料調達基本方針を制定するとともに、サプライチェーン全体で「最高のものづくり」を追求していきます。
あわせて、CSR活動の実効性を高め、当社グループの経営管理レベルの向上を図るため、昨年、経営管理の要点を網羅的に記載したマネジメントブックを作成いたしました。現在、マネジメントブックに基づくチェックリストを活用し、当社グループの連結経営体制の基盤を強化しております。
ト 研究開発の推進
当社研究所は、昨年4月から新潟県工業技術総合研究所との間においてセルロースナノファイバー(CNF)を利用した表面コーティング剤や、電磁波等を遮断する紙の開発に向けた共同研究を始めたほか、従来のインターンシップを発展させ、長岡技術科学大学と連携して紙・パルプの新しい可能性に向け研究開発を推進しております。
更に、次世代素材であるCNFと、先端素材である炭素繊維を融合させた新しい複合材料の開発を進め、オールセルロースのCNF強化材料であるバルカナイズドファイバー(VF)に炭素繊維を少量配合することで、周囲環境の変化による伸縮を抑制しつつ、加工適性及び強度を維持し、従来のVFに比べて2割ほど軽量化した複合素材を開発することに成功いたしました。すでに当社の子会社である北越東洋ファイバー㈱で量産技術も確立しております。
今後も、当社グループは、すべてのステークホルダーの皆さまからの信頼をもとに、次世代を見据えた進化と成長を目指してまいります。
(株式会社の支配に関する基本方針)
当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
(1) 当社の基本方針の内容の概要
当社は、先進の技術と従業員の強固な信頼関係をベースとして、環境負荷を低減した紙素材の提供を通して、顧客・株主・取引先・地域社会等に貢献できる会社となり、同時に企業価値の長期安定的な向上を図ることを、経営の最重要課題と認識しております。従いまして、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させる者でなければならないと考えております。
当社は、株式の大量買付であっても、当社自身の企業価値を増大させ、株主共同の利益を向上させるものであれば、これを一概に否定するものではありません。会社の支配権の移転については、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと認識しております。
しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て却って企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するもの、株主に株式売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が買付の条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための充分な時間や情報を提供しないもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なからず見受けられます。
当社の属する製紙産業は、設備の投資から回収まで長期間を要するものであり、中長期的視点での経営判断が必要とされます。当社は適宜・適切な設備投資を実施し、国際競争力を確保して参りましたが、こうした努力が当社の株式の大量買付を行う者により中長期的に確保され、向上させられなくてはなりません。また、当社の競争力の源泉は設備の比較優位性だけでなく、需要家の皆様から当社製品の品質と短期間での納品をはじめとしたお客様の要請に応えるきめ細かなサービスに対して、多くの御支持を頂いていることにあります。さらに、当社グループ従業員の一体感を持った、高いモチベーションや、当社とその事業がなされる地域社会との関係も重要と考えられます。これらが当社の企業価値、ひいては株主共同の利益の確保・向上にとって不可欠であると考えております。
当社としては、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、このような当社の企業価値の源泉を十分に理解したうえで、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させる者でなければならないと考えております。従いまして、当社の企業価値、ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある株式の大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えます。
(2) 基本方針実現に資する特別な取組みの概要
当社グループは、1907年の創業以来、一貫して紙素材を社会に提供することにより、社会経済の発展と生活文化の向上に努めております。また、国際的な競争力を有し、持続的な成長を可能とすることにより企業価値の長期安定的な向上を図ることを、経営の最重要課題と捉えております。そのため、いかなる事業環境下においても持続的な成長を目指し、更に企業価値を向上させるため、2020年を目標とする長期経営ビジョン「Vision 2020」の最終ステップとして、前述のとおり、2017年4月より中期経営計画「V-DRIVE」をスタートさせました。ここで掲げた基本方針、経営目標を実現することにより、企業価値、ひいては株主共同の利益の向上に努めてまいります。
(3) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、2016年6月28日開催の第178回定時株主総会において、有効期間を2019年3月期にかかる当社定時株主総会の終結時までとして「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下「旧プラン」という。)の更新が承認されましたが、その後の経済情勢等の変化等や買収防衛策をめぐる動向を踏まえつつ、当社の企業価値、株主共同の利益を確保・向上させるための方策として、旧プランの継続の是非や内容について検討を行ってまいりました。かかる検討の結果、当社は、2019年5月17日開催の取締役会において「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」という。)の更新を決議し、同年6月26日開催の第181回定時株主総会において、本プランは株主の皆様のご承認をいただき、更新されました。
本プランは、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを目的として、当社株式の20%以上の買付等が行われる場合に、買付者等に対し、事前に意向表明書の提出や当該買付等に関する情報の提供を求め、当社が、当該買付等についての情報収集・検討等を行う期間を確保した上で、株主に対して当社経営陣の計画や代替案等を提示したり、買付者等との交渉等を行っていくための手続を定めるものです。
買付者等が、本プランに定める手続に従うことなく買付等を行う場合や、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付等である場合など、買付等が本プランに定められた客観的な発動要件に該当し、対抗措置を発動することが相当であると認められる場合は、当社は、会社法その他の法律及び当社定款が当社取締役会の権限として認める措置(以下「対抗措置」という。)をとり、当該買付等に対抗することがあります。当社取締役会は、具体的にいかなる対抗措置を講じるかについては、その時点で最も適切と当社取締役会が判断したものを選択することとしますが、現時点における具体的な対抗措置としては、新株予約権の無償割当てを行うことを予定しており、その場合には、当該買付者等による権利行使は認められないなどの差別的行使条件及び当該買付者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得するなどの差別的取得条項が付された新株予約権を、その時点の全ての株主に対して新株予約権無償割当ての方法(会社法第277条以降に規定されます。)により割り当てます。
なお、対抗措置の発動または不発動等、株主意思確認総会の招集の判断については、当社取締役会の恣意的判断を排するため、当社経営陣から独立した者のみから構成される独立委員会の判断を経るとともに、株主に対して適時に情報開示を行うことにより透明性を確保することとしています。
本プランの有効期間は、2022年3月期に係る定時株主総会の終結時までとし、本プランの有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本プランを変更または廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランは当該決議に従いその時点で変更または廃止されます。また、当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されます。
本プランの導入(更新)時点においては、本新株予約権の無償割当て自体は行われませんので、株主及び投資家の皆様の権利に直接具体的な影響が生じることはありません。他方、対抗措置が発動され、新株予約権無償割当てが実施された場合、株主の皆様が新株予約権の行使及び行使価額相当の金銭の払込みを行わないと、他の株主の皆様による新株予約権の行使により、その保有する当社株式が希釈化することになります。ただし、当社は、買付者等以外の株主の皆様から本新株予約権を取得し、それと引換えに当社株式を交付することがあります。当社が係る取得の手続を取った場合、買付者等以外の株主の皆様は、新株予約権の行使及び行使価額相当の金銭の払込みをせずに当社株式を受領することとなり、その保有する当社株式の希釈化は原則として生じません。
(4) 上記の取組みに対する取締役会の判断及びその理由
本プランは、当社株式に対する買付等が行われた場合に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。従いまして、本プランは、当社の基本方針に沿うものであって、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)も完全に充足しています。
また、本プランは、経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえた内容となっております。
当社は、本プランの導入にあたり、当社取締役会の恣意的判断を排除し、株主の皆様のために本プランの発動等の運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として、独立委員会を設置しております。独立委員会は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社の社外取締役もしくは社外監査役または社外の有識者のいずれかに該当する委員3名以上により構成されます。また、独立委員会の判断の概要については株主の皆様に情報開示をすることとされており、当社の企業価値・株主共同の利益に資する範囲で本プランの透明な運営が行われる仕組みが確保されています。本プランの発動については、予め定められた合理的な客観的発動要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものといえます。
このように、本プランは高度の合理性を有しており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

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