有価証券報告書-第115期(2025/04/01-2026/03/31)
② 戦略
長期ビジョン「Daio group transformation 2035」に基づいた第5次中期事業計画では、経営基盤の再構築のための3年間と定めて3つのテーマである「営業キャッシュ・フロー創出力強化」「将来成長のための厳選した投資の実行」「財務基盤の強化」に取り組むことを掲げています。ビジネスモデルや財務基盤の再構築、カーボンニュートラルの実現に向けた化石由来CO2排出量削減を実行していくことで競争優位性を強化していきます。この経営戦略を実行していくための人財戦略として、「個の成長支援」「多様性を活かす」「変革・挑戦の促進」の3本柱を掲げ、2025年度に実施したエンゲージメントサーベイの結果から重点事項として抽出した「社員の個性や能力の発揮」「社員の仕事への充実度ややりがい」「個人の評価の公平性」「大王グループ全体の相互尊重の精神」に対し、現場に即した施策を順次実行しています。今後は「誰かの挑戦を後押しできる企業文化の醸成」「変化や挑戦に前向きな自律人財の育成」を通じて「当社の目指す関係=会社の企業価値向上と社員の人生の質の向上」を構築していきます。

<個の成長支援>個の学びと成長への意欲を活かしてスキル向上と経験値拡大を支援し、さらに意欲を高めて成長を促進することが組織力強化の鍵となります。教育投資を強化するとともに、各自がキャリア形成に積極的になれる環境と制度の充実に取り組んでいきます。
<多様性を活かす>多くの幅広い才能を活かすことにこだわり、雇用形態や採用経路、勤務時間・場所といった制約条件を超えて能力を発揮してもらえる組織風土づくりと環境整備に取り組んでいきます。
<変革・挑戦の促進>個々が持つ新たな発想を活かすには、マネジメントの変革が必要であり、各階層間での対話を通してビジョンを共有し、メンバーの変化の促進と挑戦の奨励が習慣化された状態を目指しています。管理職層への役割期待を見直し、教育研修などを通して理解浸透とスキル習得に取り組んでいきます。
<個の尊重、会社と社員の公正かつ共創できる関係性>当社グループが描く人財戦略の実現には、会社と社員の健全かつ良好で共創できるような信頼関係が不可欠と考えており、安全・安心が担保され社員が自己実現に向けていきいきと働ける職場づくりに取り組んでいます。特に今後は対話をキーワードにして社員の挑戦を後押しできるような組織風土を目指していきます。
これらの人財戦略に紐づく人事施策の有効性を検証するため、人財戦略ごとに達成目標項目(以下、KPI)を設定し、定期的に進捗を確認しています。KPIについては、2021年度から導入しているエンゲージメントサーベイ(以下、ES)の質問項目に紐づけ、全体スコアの推移に加え、特に重要と位置付ける項目を重点的にモニタリングしています。
ESでは、会社と社員との関係性の状態を可視化するとともに、組織別・階層別に結果を分析することで、それぞれの組織における強みや課題を把握しています。2025年度のESでは、若手社員を含む一部の階層において、全社的な連帯感や会社・経営に対する納得感に差が見られました。こうした課題を踏まえ、従来から取り組んできた人事施策に加え、パーパスや経営方針への理解と共感を深めるため、タウンホールミーティング等の施策を継続・進化させています。

(a)人財育成方針
社員の学びに対する意欲と主体的な努力によるスキルの獲得が個人および会社双方の成長につながるとの考えのもと、意欲・自発性を高める教育および成長機会の提供を人財育成の基本方針としています。「変化や挑戦に前向きな自律人財の育成」を目的とし、社員一人ひとりが自律的にキャリアを形成できる環境整備と教育機会の提供を進めています。
ア.自律的学習機会の提供
第5次中期事業計画において、教育研修費(当社単体ベース)を第4次中期事業計画比で約2.4倍に増額し、人財投資を重要な成長基盤と位置づけています。教育投資の拡充に伴い、「グローバル人財の育成強化に向けた語学・異文化対応力研修」、「管理職層を中心としたマネジメント変革研修」、「業務・スキル習得の早期化に向けたリスキリングおよび自己啓発支援」を主な実行メニューとして推進しています。2025年度は、次世代リーダー育成プログラムの継続および高度化に加え、各階層を対象とした異文化対応力研修の定着、オンライン英語学習、海外語学留学制度の拡充を実施しました。さらに、業務に直結するスキル習得を支援するため、eラーニングによる自律的な学習機会の提供も開始しました。
イ.グローバル人財の早期育成
グローバルに活躍する人財の育成を重要テーマと位置づけ、早期からの計画的な育成施策を推進しています。2025年度は、オンラインツールを活用した英語学習費用補助制度の運用を継続するとともに、若手社員を対象とした海外語学留学制度においては、カナダの語学学校へ複数名を半年間派遣しました。
また、語学力の向上に加え、実践的な適応力の強化を目的として、若手・中堅・管理職の各階層を対象とした異文化対応力研修を継続実施し、グローバルな業務環境において発揮される適応力とマインドセットの醸成を図っています。
2026年度もこれらの施策を継続・発展させるとともに、海外赴任・留学経験者を中心とした人財プールの形成やキャリアパスの可視化を進め、グローバル人財の早期育成および育成対象の拡充に取り組んでいきます。
ウ.次世代リーダー候補の育成
各事業の中核を担う人財の育成を目的として、次世代リーダー候補の育成を進めています。「変化や違いを受容しながら、全社の持続的成長を牽引できるリーダー」を求める人財像と定義し、計画的なローテーションと外部研修を組み合わせた育成を進めています。対象は、次期管理職層、課長層、部長層から選抜した人財とし、優先順位を踏まえて段階的に育成機会を付与しています。2025年度は、次期管理職層8名、課長層6名、部長層5名の計19名を対象に外部研修を実施しました。また、外部研修で得た知見を運営に活かし、経営視点の深化を図るため、修了後には社外取締役を含む取締役との対話の機会を設けています。こうした対話を通じて、多様な視点や高度な意思決定の考え方に触れることで、視座の向上を促し、次世代経営人財としての成長を後押ししています。
今後は、研修で得た学びを実務・配置と連動させることで、より実効性の高い次世代リーダー育成を推進します。
エ.自律的なキャリア形成支援
社員一人ひとりのキャリア自律を促進するため、「Daio Career Challenge(キャリア選択社内公募制度)」を2020年より継続して実施しており、これまで延べ31名が本制度を通じて異動・キャリア形成を実現しています。また、「自己申告制度」によるキャリア志向の把握や、評価面談と連動したキャリア面談を通じて、上司との対話を基軸としたジョブローテーションを進めています。これにより、本人の志向と組織ニーズを踏まえた配置および育成の実現を目指しています。加えて、制度面にとどまらず、若手社員から管理職層までを対象とした階層・年代別のキャリアデザイン研修を実施し、継続的なキャリア形成支援を行っています。通信教育やeラーニング受講補助制度等の自己啓発支援策も継続し、自ら学び、主体的にキャリアを構想できる環境整備を進めています。

(b)環境整備方針
変化や挑戦に前向きなマインドを持つ人財を多く生み出すために、企業の基本姿勢として全体最適に基づく発案を歓迎し、挑戦に報い、積極性を評価する制度の構築やメンバーの意見を積極的に促し傾聴し対話を通して変化・挑戦を支援していくことで「誰かの挑戦を後押しできる企業風土」への転換を進めています。
ア.多様な人財の活躍
当社は、多様な価値観やバックグラウンドを持つ人財一人ひとりが安心して働き続け、自らの能力を最大限に発揮できる環境こそが、持続的な企業価値向上の基盤であると考え、多様性を尊重する企業風土の醸成と職場環境の整備に継続的に取り組んでいます。
女性の購買者が多い商品を扱うホーム&パーソナルケア部門を展開する当社においては、事業競争力の強化や顧客価値のさらなる創出に向け、意思決定の場における多様性の確保が重要であるとの認識のもと、女性管理職の計画的な育成・登用を推進しています。具体的には、女性の新任課長や次世代リーダー層を対象に、管理職登用を見据えたチームマネジメントスキルの向上を目的とする研修を実施しています。
あわせて、異業種交流の機会やメンタル支援プログラムを導入することで、社内外における人的ネットワークの形成を促進するとともに、ロールモデルやパーツモデルとの出会いを通じて、女性リーダーが抱えやすい孤立感の軽減や視野の拡大を図っています。これにより、自社の枠にとらわれない新たな視点や価値観に触れる機会を提供し、キャリア形成に対する主体的な意識醸成を支援しています。
女性管理職比率は3.8%(前年度比1.0%増)と低い水準にありますが、女性リーダー層の比率は19.2%(前年度比3.2%増)まで上昇しており、将来の管理職候補となる人財層の形成が進んでいます。今後も階層別研修やメンタリング、社内外交流を通じて女性人財のキャリア形成を支援し、持続的な意思決定層の多様化につなげていきます。
また、性別を問わず仕事と家庭の両立が可能となる環境整備の一環として、男性社員の家事・育児への参画促進にも継続的に注力しています。フレックスタイム制度やテレワーク制度など、柔軟な働き方を支える制度整備に加え、制度の円滑な活用と職場の相互理解を促進するため、本人・上司・人事部門による三者面談の実施や、全従業員を対象としたセミナーの開催など、複合的な施策を展開しました。
これらの継続的な取り組みが評価され、2025年度には厚生労働省より最高位の特例認定である「プラチナくるみん」を取得しています。あわせて、男性社員の育児休業取得率は91.3%、平均取得日数は65日となり、性別にかかわらず育児に参画しやすい企業風土の醸成に繋がっています。
さらに、障がい者雇用についても、多様な人財が能力を発揮し価値創造に参画するための重要な経営課題と位置付け、既存業務の見直しや新たな職域創出を進めています。今後も一人ひとりの能力や適性に応じた業務設計により、さらなる雇用環境の整備を進めていきます。
(注)1.女性リーダーとは、役員・管理職ではない総合職の役職者(係長、主任、チーフなどの役職がつく者)です。
2.男性育児休業取得率は提出会社のみを記載しています。
3.障がい者雇用率は提出会社のみを記載しています。
イ.健康経営の取組みについて
当社は、2014年度に公表した「大王グループ健康宣言」に基づき、社員一人ひとりの心身の健康の維持・増進を重要な経営課題と位置付け、健康経営を推進しています。その取組みが評価され、2026年3月には9年連続で「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に認定されました。
従来より、ライフ・ワークバランスの推進、生活習慣の改善、メンタルヘルスケアの充実、疾病の早期発見・早期治療の4つを基本に、全員参加型で取り組んでいます。
2025年度は、女性特有の健康課題が就業継続やパフォーマンスに影響を与えるという認識のもと、健康課題を個人に帰属させない環境整備を推進しました。具体的には、急な体調変化時にも安心して就業できるよう、生理用品を全社の女性トイレに設置するなど、女性活躍推進の基盤となる職場環境づくりに取り組みました。
また、健康に関する理解促進に向け、操業現場など受講環境に制約のある社員も含め、短時間で基礎的な知識を学べるeラーニングを活用し、全社的な健康リテラシーの底上げを図りました。今後は、欠勤・休業(アブセンティーズム)への対応に加え、不調を抱えたまま就業する状態(プレゼンティーズム)の改善にも着目し、長時間労働の是正や業務プロセスの見直しなど、働き方や職場環境を含めた健康施策を通じて、社員の生産性と持続的な人財活用の両立を目指していきます。
ウ.安全衛生の取組みについて
大王グループでは、社員の安全と健康を最優先とし、「誠意と熱意」をもって働ける「安全・安心第一で活力のある職場環境づくり」を推進しています。生産活動に携わるすべての人々に「安全・安心な職場環境」を提供することは、すべての人の命と健康を守るとともに、その家族の幸福を維持することにもつながります。また、「安全・安心な職場環境」を醸成していくことは、企業の持続的な成長と安定を確保すること、すなわち、当社の経営理念である、「世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ」を達成できる近道と考えています。大王グループは「大王グループ安全衛生活動方針」を軸に安全自主活動の理念である、安全の3本柱「安全な意識」「安全な環境」「安全な仕事」に基づき、リスク抽出と対策を継続し、すべての人の重篤災害ゼロを目指しています。
長期ビジョン「Daio group transformation 2035」に基づいた第5次中期事業計画では、経営基盤の再構築のための3年間と定めて3つのテーマである「営業キャッシュ・フロー創出力強化」「将来成長のための厳選した投資の実行」「財務基盤の強化」に取り組むことを掲げています。ビジネスモデルや財務基盤の再構築、カーボンニュートラルの実現に向けた化石由来CO2排出量削減を実行していくことで競争優位性を強化していきます。この経営戦略を実行していくための人財戦略として、「個の成長支援」「多様性を活かす」「変革・挑戦の促進」の3本柱を掲げ、2025年度に実施したエンゲージメントサーベイの結果から重点事項として抽出した「社員の個性や能力の発揮」「社員の仕事への充実度ややりがい」「個人の評価の公平性」「大王グループ全体の相互尊重の精神」に対し、現場に即した施策を順次実行しています。今後は「誰かの挑戦を後押しできる企業文化の醸成」「変化や挑戦に前向きな自律人財の育成」を通じて「当社の目指す関係=会社の企業価値向上と社員の人生の質の向上」を構築していきます。

<個の成長支援>個の学びと成長への意欲を活かしてスキル向上と経験値拡大を支援し、さらに意欲を高めて成長を促進することが組織力強化の鍵となります。教育投資を強化するとともに、各自がキャリア形成に積極的になれる環境と制度の充実に取り組んでいきます。
<多様性を活かす>多くの幅広い才能を活かすことにこだわり、雇用形態や採用経路、勤務時間・場所といった制約条件を超えて能力を発揮してもらえる組織風土づくりと環境整備に取り組んでいきます。
<変革・挑戦の促進>個々が持つ新たな発想を活かすには、マネジメントの変革が必要であり、各階層間での対話を通してビジョンを共有し、メンバーの変化の促進と挑戦の奨励が習慣化された状態を目指しています。管理職層への役割期待を見直し、教育研修などを通して理解浸透とスキル習得に取り組んでいきます。
<個の尊重、会社と社員の公正かつ共創できる関係性>当社グループが描く人財戦略の実現には、会社と社員の健全かつ良好で共創できるような信頼関係が不可欠と考えており、安全・安心が担保され社員が自己実現に向けていきいきと働ける職場づくりに取り組んでいます。特に今後は対話をキーワードにして社員の挑戦を後押しできるような組織風土を目指していきます。
これらの人財戦略に紐づく人事施策の有効性を検証するため、人財戦略ごとに達成目標項目(以下、KPI)を設定し、定期的に進捗を確認しています。KPIについては、2021年度から導入しているエンゲージメントサーベイ(以下、ES)の質問項目に紐づけ、全体スコアの推移に加え、特に重要と位置付ける項目を重点的にモニタリングしています。
ESでは、会社と社員との関係性の状態を可視化するとともに、組織別・階層別に結果を分析することで、それぞれの組織における強みや課題を把握しています。2025年度のESでは、若手社員を含む一部の階層において、全社的な連帯感や会社・経営に対する納得感に差が見られました。こうした課題を踏まえ、従来から取り組んできた人事施策に加え、パーパスや経営方針への理解と共感を深めるため、タウンホールミーティング等の施策を継続・進化させています。

(a)人財育成方針
社員の学びに対する意欲と主体的な努力によるスキルの獲得が個人および会社双方の成長につながるとの考えのもと、意欲・自発性を高める教育および成長機会の提供を人財育成の基本方針としています。「変化や挑戦に前向きな自律人財の育成」を目的とし、社員一人ひとりが自律的にキャリアを形成できる環境整備と教育機会の提供を進めています。
ア.自律的学習機会の提供
第5次中期事業計画において、教育研修費(当社単体ベース)を第4次中期事業計画比で約2.4倍に増額し、人財投資を重要な成長基盤と位置づけています。教育投資の拡充に伴い、「グローバル人財の育成強化に向けた語学・異文化対応力研修」、「管理職層を中心としたマネジメント変革研修」、「業務・スキル習得の早期化に向けたリスキリングおよび自己啓発支援」を主な実行メニューとして推進しています。2025年度は、次世代リーダー育成プログラムの継続および高度化に加え、各階層を対象とした異文化対応力研修の定着、オンライン英語学習、海外語学留学制度の拡充を実施しました。さらに、業務に直結するスキル習得を支援するため、eラーニングによる自律的な学習機会の提供も開始しました。
イ.グローバル人財の早期育成
グローバルに活躍する人財の育成を重要テーマと位置づけ、早期からの計画的な育成施策を推進しています。2025年度は、オンラインツールを活用した英語学習費用補助制度の運用を継続するとともに、若手社員を対象とした海外語学留学制度においては、カナダの語学学校へ複数名を半年間派遣しました。
また、語学力の向上に加え、実践的な適応力の強化を目的として、若手・中堅・管理職の各階層を対象とした異文化対応力研修を継続実施し、グローバルな業務環境において発揮される適応力とマインドセットの醸成を図っています。
2026年度もこれらの施策を継続・発展させるとともに、海外赴任・留学経験者を中心とした人財プールの形成やキャリアパスの可視化を進め、グローバル人財の早期育成および育成対象の拡充に取り組んでいきます。
ウ.次世代リーダー候補の育成
各事業の中核を担う人財の育成を目的として、次世代リーダー候補の育成を進めています。「変化や違いを受容しながら、全社の持続的成長を牽引できるリーダー」を求める人財像と定義し、計画的なローテーションと外部研修を組み合わせた育成を進めています。対象は、次期管理職層、課長層、部長層から選抜した人財とし、優先順位を踏まえて段階的に育成機会を付与しています。2025年度は、次期管理職層8名、課長層6名、部長層5名の計19名を対象に外部研修を実施しました。また、外部研修で得た知見を運営に活かし、経営視点の深化を図るため、修了後には社外取締役を含む取締役との対話の機会を設けています。こうした対話を通じて、多様な視点や高度な意思決定の考え方に触れることで、視座の向上を促し、次世代経営人財としての成長を後押ししています。
今後は、研修で得た学びを実務・配置と連動させることで、より実効性の高い次世代リーダー育成を推進します。
エ.自律的なキャリア形成支援
社員一人ひとりのキャリア自律を促進するため、「Daio Career Challenge(キャリア選択社内公募制度)」を2020年より継続して実施しており、これまで延べ31名が本制度を通じて異動・キャリア形成を実現しています。また、「自己申告制度」によるキャリア志向の把握や、評価面談と連動したキャリア面談を通じて、上司との対話を基軸としたジョブローテーションを進めています。これにより、本人の志向と組織ニーズを踏まえた配置および育成の実現を目指しています。加えて、制度面にとどまらず、若手社員から管理職層までを対象とした階層・年代別のキャリアデザイン研修を実施し、継続的なキャリア形成支援を行っています。通信教育やeラーニング受講補助制度等の自己啓発支援策も継続し、自ら学び、主体的にキャリアを構想できる環境整備を進めています。

(b)環境整備方針
変化や挑戦に前向きなマインドを持つ人財を多く生み出すために、企業の基本姿勢として全体最適に基づく発案を歓迎し、挑戦に報い、積極性を評価する制度の構築やメンバーの意見を積極的に促し傾聴し対話を通して変化・挑戦を支援していくことで「誰かの挑戦を後押しできる企業風土」への転換を進めています。
ア.多様な人財の活躍
当社は、多様な価値観やバックグラウンドを持つ人財一人ひとりが安心して働き続け、自らの能力を最大限に発揮できる環境こそが、持続的な企業価値向上の基盤であると考え、多様性を尊重する企業風土の醸成と職場環境の整備に継続的に取り組んでいます。
女性の購買者が多い商品を扱うホーム&パーソナルケア部門を展開する当社においては、事業競争力の強化や顧客価値のさらなる創出に向け、意思決定の場における多様性の確保が重要であるとの認識のもと、女性管理職の計画的な育成・登用を推進しています。具体的には、女性の新任課長や次世代リーダー層を対象に、管理職登用を見据えたチームマネジメントスキルの向上を目的とする研修を実施しています。
あわせて、異業種交流の機会やメンタル支援プログラムを導入することで、社内外における人的ネットワークの形成を促進するとともに、ロールモデルやパーツモデルとの出会いを通じて、女性リーダーが抱えやすい孤立感の軽減や視野の拡大を図っています。これにより、自社の枠にとらわれない新たな視点や価値観に触れる機会を提供し、キャリア形成に対する主体的な意識醸成を支援しています。
女性管理職比率は3.8%(前年度比1.0%増)と低い水準にありますが、女性リーダー層の比率は19.2%(前年度比3.2%増)まで上昇しており、将来の管理職候補となる人財層の形成が進んでいます。今後も階層別研修やメンタリング、社内外交流を通じて女性人財のキャリア形成を支援し、持続的な意思決定層の多様化につなげていきます。
また、性別を問わず仕事と家庭の両立が可能となる環境整備の一環として、男性社員の家事・育児への参画促進にも継続的に注力しています。フレックスタイム制度やテレワーク制度など、柔軟な働き方を支える制度整備に加え、制度の円滑な活用と職場の相互理解を促進するため、本人・上司・人事部門による三者面談の実施や、全従業員を対象としたセミナーの開催など、複合的な施策を展開しました。
これらの継続的な取り組みが評価され、2025年度には厚生労働省より最高位の特例認定である「プラチナくるみん」を取得しています。あわせて、男性社員の育児休業取得率は91.3%、平均取得日数は65日となり、性別にかかわらず育児に参画しやすい企業風土の醸成に繋がっています。
さらに、障がい者雇用についても、多様な人財が能力を発揮し価値創造に参画するための重要な経営課題と位置付け、既存業務の見直しや新たな職域創出を進めています。今後も一人ひとりの能力や適性に応じた業務設計により、さらなる雇用環境の整備を進めていきます。
| 指標 | 実績 | ||
| 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | |
| 女性管理職比率 | 2.7% | 2.8% | 3.8% |
| 女性リーダー(注1)比率 | 13.8% | 16.0% | 19.2% |
| 男性育児休業取得率(注2) | 90.9% | 83.8% | 91.3% |
| 男性育休取得日数 | 48日 | 72日 | 65日 |
| 障がい者雇用率(注3) | 2.6% | 2.6% | 2.8% |
(注)1.女性リーダーとは、役員・管理職ではない総合職の役職者(係長、主任、チーフなどの役職がつく者)です。
2.男性育児休業取得率は提出会社のみを記載しています。
3.障がい者雇用率は提出会社のみを記載しています。
イ.健康経営の取組みについて
当社は、2014年度に公表した「大王グループ健康宣言」に基づき、社員一人ひとりの心身の健康の維持・増進を重要な経営課題と位置付け、健康経営を推進しています。その取組みが評価され、2026年3月には9年連続で「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に認定されました。
従来より、ライフ・ワークバランスの推進、生活習慣の改善、メンタルヘルスケアの充実、疾病の早期発見・早期治療の4つを基本に、全員参加型で取り組んでいます。
2025年度は、女性特有の健康課題が就業継続やパフォーマンスに影響を与えるという認識のもと、健康課題を個人に帰属させない環境整備を推進しました。具体的には、急な体調変化時にも安心して就業できるよう、生理用品を全社の女性トイレに設置するなど、女性活躍推進の基盤となる職場環境づくりに取り組みました。
また、健康に関する理解促進に向け、操業現場など受講環境に制約のある社員も含め、短時間で基礎的な知識を学べるeラーニングを活用し、全社的な健康リテラシーの底上げを図りました。今後は、欠勤・休業(アブセンティーズム)への対応に加え、不調を抱えたまま就業する状態(プレゼンティーズム)の改善にも着目し、長時間労働の是正や業務プロセスの見直しなど、働き方や職場環境を含めた健康施策を通じて、社員の生産性と持続的な人財活用の両立を目指していきます。
ウ.安全衛生の取組みについて
大王グループでは、社員の安全と健康を最優先とし、「誠意と熱意」をもって働ける「安全・安心第一で活力のある職場環境づくり」を推進しています。生産活動に携わるすべての人々に「安全・安心な職場環境」を提供することは、すべての人の命と健康を守るとともに、その家族の幸福を維持することにもつながります。また、「安全・安心な職場環境」を醸成していくことは、企業の持続的な成長と安定を確保すること、すなわち、当社の経営理念である、「世界中の人々へ やさしい未来をつむぐ」を達成できる近道と考えています。大王グループは「大王グループ安全衛生活動方針」を軸に安全自主活動の理念である、安全の3本柱「安全な意識」「安全な環境」「安全な仕事」に基づき、リスク抽出と対策を継続し、すべての人の重篤災害ゼロを目指しています。