有価証券報告書-第87期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/22 9:59
【資料】
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【項目】
110項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における世界経済は、中国における経済成長の減速傾向はありますものの、米国の堅調な個人消費などもあり、緩やかな回復が見られました。
わが国経済においては、海外の政治情勢や盛り上がりにかける国内個人消費などの不安定要因はありましたが、円安基調や世界経済の回復を背景に、自動車など輸出企業を中心に緩やかな回復基調が続きました。
当社グループの関連市場であるエレクトロニクス業界につきましては、秋口以降の円安基調などを背景に、電子化の進展による搭載部品の増加が進む車載市場および省エネ・高付加価値品への買い替えが拡大する白物家電などが引き続き堅調に推移しました。
このような状況の中、当社グループの当連結会計年度の売上高は、前期に子会社化したパルプ製造会社Albay Agro-Industrial Development Corporation(以下、ALD社)を連結したこともあり、15,089百万円(前連結会計年度比3,472百万円、29.9%増)の実績となりました。
利益面につきましては、売上高の増加にともない稼働率が向上したことで原価率が低減したため、営業利益は505百万円(前連結会計年度比408百万円、422.0%増)、為替差損142百万円を計上したため、経常利益は344百万円(前連結会計年度比214百万円、165.4%増)となりました。一方、ALD社に係るのれんの減損損失および台風被害により発生した損失を特別損失として651百万円計上したため、親会社株主に帰属する当期純損失につきましては454百万円(前連結会計年度は55百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
当連結会計年度の品目別の状況につきましては、次のとおりであります。
[品目別の状況]
・コンデンサ用セパレータ
コンデンサ用セパレータにつきましては、車載用およびスマートフォン関連機器などの低圧品向け、ならびに、汎用インバータおよびエアコン用インバータなどの白物家電用の中高圧品向けが好調に推移しました結果、当連結会計年度の売上高は、10,611百万円(前連結会計年度比1,047百万円、11.0%増)の実績となりました。
・電池用セパレータ
電気二重層キャパシタ向けは、中国の環境配慮型バス向けの受注が中国政府の補助金縮小の影響を受け、また、リチウムイオン電池向けは、省エネ型車両や定置用蓄電池システム用に使用される大型リチウムイオン電池用が低調に推移しました結果、当連結会計年度の売上高は1,762百万円(前連結会計年度比290百万円、14.2%減)の実績となりました。
・パルプ
日本および欧州の取引先への拡販活動に努めました結果、当連結会計年度の売上高は2,715百万円の実績となりました。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度は、減価償却実施、有形固定資産の取得、短期借入金の純減、長期借入れの実施および約定返済等をおこなった結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,889百万円(前連結会計年度末比217百万円、13.0%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純損失306百万円、減価償却費1,572百万円、のれん償却額532百万円、売上債権の増加額893百万円等により、営業活動の結果得られた資金は2,127百万円(前連結会計年比392百万円、22.6%の収入増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出742百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出99百万円等により、投資活動の結果使用した資金は838百万円(前連結会計年度比1,708百万円、67.1%の支出減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入金の純減450百万円、長期借入れ2,000百万円の実施および約定返済2,379百万円等により、財務活動の結果使用した資金は1,023百万円(前連結会計年度は690百万円の収入)となりました。