有価証券報告書-第86期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/23 10:12
【資料】
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【項目】
118項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
当連結会計年度における世界経済は、米国経済は堅調に推移し、欧州経済も緩やかな回復が見られましたが、中国の景気減速や資源価格の下落、米国の利上げを背景として、新興国経済は不安定な状態が続きました。
わが国経済におきましては、訪日外国人の消費による押し上げがあったものの、個人消費の回復に力強さは見られず、加えて円安や資源価格の下落を背景として堅調であった企業業績にも、下期以降に中国の景気減速や為替相場の影響が見られ始めるなど、景気は緩やかに回復しつつも先行き不透明な状態が続きました。
当社グループの関連市場であるエレクトロニクス業界におきましては、民生用電気機器やPCには明るい兆しは見られないことに加え、期末にかけスマートフォン関連市場で部品の生産調整の影響が見られ始めました。一方、カーエレクトロニクス市場は堅調に推移しました。
このような状況のなか、当社主力製品であるコンデンサ用セパレータは車載向けが安定して推移したものの、産業機器向けや白物家電向けが低調に推移しました。電池用セパレータでは、電気二重層キャパシタ向けおよびリチウムイオン電池向けが低調に推移しました。
なお、当社は原料の安定調達を目的として、平成28年1月29日にフィリピンのパルプ製造会社でありますAlbay Agro-Industrial Development Corporation(以下 ALD社)を子会社化しました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は、11,617百万円(前連結会計年度比1,312百万円、10.1%減)の実績となりました。
利益面につきましては、売上高の減少にともなう稼働率の低下や円安等による原材料価格の上昇を受け、原価率が上昇したことから、営業利益は96百万円(前連結会計年度比451百万円、82.3%減)、経常利益につきましては、129百万円(前連結会計年度比627百万円、82.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、55百万円(前連結会計年度比387百万円、87.4%減)となりました。
なお、当連結会計年度より、当社の事業セグメントは単一セグメントとなりましたので、セグメント別の記載は省略しております。
当連結会計年度の品目別の状況につきましては、次のとおりであります。
[品目別の状況]
・コンデンサ用セパレータ
低圧品では車載向けが通期で堅調に推移しましたが、AV機器向けやPC向けは低調に推移しました。中高圧品では産業機器関連のほか、中国におけるエアコンの過剰在庫による生産調整の影響を受けたエアコン用インバータなど白物家電用が低調に推移した結果、当連結会計年度の売上高は、9,564百万円(前連結会計年度比855百万円、8.2%減)の実績となりました。
・電池用セパレータ
省エネ型車両に使用される電気二重層キャパシタ向けは、前期に好調であった中国の環境配慮型バス向けの受注が、中国政府の補助金縮小の影響もあり減少しました。省エネ型車両や定置蓄電池用に使用される大型リチウムイオン電池向けは、期初の大口取引先の生産調整および製品価格下落等の影響もあり低調に推移しました。その結果、当連結会計年度の売上高は2,053百万円(前連結会計年度比418百万円、16.9%減)の実績となりました。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度は、減価償却実施、有形固定資産の取得、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得、関係会社貸付による支出、短期借入金の純増、長期借入れの実施および約定返済等をおこなった結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,672百万円(前連結会計年度末比144百万円、7.9%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益186百万円、減価償却費1,671百万円、役員退職慰労引当金の減少額249百万円、売上債権の減少額140百万円、仕入債務の増加額140百万円等により、営業活動の結果得られた資金は1,734百万円(前連結会計年比1,202百万円、40.9%の収入減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出684百万円、補助金の受入れによる収入282百万円、投資有価証券の売却による収入247百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出652百万円、関係会社貸付による支出1,757百万円等により、投資活動の結果使用した資金は2,546百万円(前連結会計年度比1,496百万円、142.5%の支出増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
短期借入金の純増614百万円、長期借入れ2,600百万円の実施および約定返済2,325百万円等により、財務活動の結果得られた資金は690百万円(前連結会計年度は1,604百万円の支出)となりました。