有価証券報告書-第124期(平成26年10月1日-平成27年9月30日)
有報資料
新規事業の育成 出版界はメディア革命という大きな時代のうねりに巻き込まれています。社会的な情報伝達の手段は、新聞などの伝統的な紙媒体から、ネットやデジタルという新たなメディアへと主役が交代しつつあります。雑誌や書籍を主軸とする当社も、こうした事業環境の大転回に直面しています。
ただ、当社が目指すところは、企業理念にある「健全なる経済社会の発展に貢献する」ことであり、雑誌や書籍は手段に過ぎません。手段としてのメディアは時代とともに変貌していくものです。当社にとっての根幹は、高品質で有用な経済・ビジネス情報を発信し、広く社会に届けることであり、そのために最適な方法も追求することです。
そうした観点から当社が今、最も力を注ぎ、経営資源を投入しているのが、デジタルメディアやネットを通じた情報発信の強化と、その収益強化です。すでに東洋経済オンラインはビジネス情報サイトでトップの座を得ることができ、会社四季報オンラインも着実に浸透しています。電子書籍や電子雑誌も成長を続けています。
デジタルの世界は技術革新が速く、競争も激烈で、従来型の経営手法が成り立ちません。そうした難しい状況にあっても新たな事業に挑戦する姿勢を崩さず、最新技術を取り入れながら時代の波を確実につかみ、新たな収益柱を確立していきたいと考えております。
出版不況への対応 雑誌・書籍の市場が衰弱しているとはいえ、現状はまだ紙媒体に収益の太宗を依存しており、これを維持・強化していく必要があります。しかし、こうした既存事業は見通しがつけにくい状況に陥っており、とりわけ出版流通をめぐる混乱は、これまで培ってきたビジネスモデルを根底から崩しかねない恐れさえあります。
こうした事態に対しては、読者の支持を確実に得られるような企画力の強化のほか、地道なコスト削減や新たな販路開拓、リスク管理の徹底などの諸施策を、きめ細かく展開していくしかありません。新規事業を積極的に育成する一方で、既存事業の基盤を固めていく。そうしたバランス感覚が、中期的に重要であると考えております。
当社は創立120年を迎えることができましたが、これからさらに30年、50年と、社会から信頼され、期待されるような会社として生き続けていくため、今後も最大限の努力を積み重ねていく所存です。