有価証券報告書-第125期(平成27年10月1日-平成28年9月30日)
有報資料
出版不況への対処
雑誌・書籍の市場はますます混迷の度合いを増しています。インターネットやスマートフォンなどの普及により、紙媒体の需要そのものが低下するという、厳しい状況にあります。特に出版流通市場は書店の閉鎖だけでなく、返品の増加、電子書店とのせめぎ合いなど、さまざまな問題を抱える混乱状態に陥っています。当社は売上の大宗を既存の出版市場に依存しており、市場環境の変化が事業推進のリスクに繋がりかねないといえます。
このような出版市場の環境に対処するため、当社では創業の原点に返る想いで、読者の知的関心に応えられる企画力を向上させ、市場に受け入れられる商品作りに力を注いできました。また、独自の販路拡大に取り組み、プロモーション活動による需要の創出を積極的に行ってきました。そして用紙代や印刷代などの地道なコスト削減や、業務効率化を進めてきました。これらの施策によって、市場全体の低下率に比べて、一定の成果をもって事業を維持することができていると考えます。
今後ますます先が見えにくい状況ではありますが、出版市場が衰弱するなかにあっても、当社の雑誌・書籍事業はその規模を維持していくことを大きな目標として、一層の努力を進めていく方針であります。
デジタルメディアへの積極投資
一方、拡大を続けているデジタルメディア市場に対しては、さらなる成長を目指すことが当社の基本的な戦略になります。この4年間で「東洋経済オンライン」は劇的に成長し、電子書籍・電子雑誌も順調な立ち上がりを見せました。しかし、これらの事業は量的な拡大から質的な充実に転換する局面に来ています。すなわち、ビジネス誌系サイトナンバーワンのPVを活用したマネタイズ戦略によって、収益性を向上させることが大きな課題となっています。そのため、サイト分析ツールや最新のアドテクノロジー(広告技術)の導入、またITの知見や経験を持った人材の採用など、積極的な投資を今後も行っていく計画です。
ただ、新しいメディアにあっても、中立・公正である企業理念は変わりません。質の高いコンテンツを発信できていることが、現在のユーザーの支持につながっていることを常に意識しながら、引き続き新市場の開拓に邁進する所存です。