有価証券報告書-第83期(令和1年6月1日-令和2年5月31日)

【提出】
2020/08/28 15:43
【資料】
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【項目】
151項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しております。企業価値の拡大を目指すお客様のニーズは、情報技術の進化やコーポレート・ガバナンスを取り巻く制度整備、ESG情報の開示に関する対応要請などを受け、ますます大きな拡がりを見せています。
また、制度開示書類をはじめとした企業活動にかかわる文書の翻訳や海外上場のサポートなど、グローバルなソリューションへのニーズも増加の一途を辿っています。
私たちはお客様の企業価値向上をより広範囲にサポートすべく、お客様のニーズに応じた価値創造力を高め、グループ全体の企業価値を最大化する経営体制を構築していくことが必要と考え、2019年12月2日には持株会社体制へ移行しました。同日付で商号を「株式会社TAKARA & COMPANY」に変更し、専門性の高いサービスを提供するコンサルティングファームとしての企業グループに進化していく方向性を打ち出しました。
持株会社体制へ移行する目的
1. グループの一体化と戦略機能の強化
グループ全体の視点に立った経営戦略の立案により、グループ内経営資源の配分を最適化します。ディスクロージャー&IRのサービス提供を通じて築き上げた顧客基盤と、当社グループの“ブランド”への信頼を活かし、既存分野から周辺へサービス提供を拡げるべく、グループの一体経営を推進。同時に、子会社事業も独自性・専門性の発揮による成長を目指し、戦略機能の強化を図ります。
2. 新規事業創出機能の強化
事業領域の拡大に向けて、当社グループとの親和性が高い外部企業を傘下に迎え入れる器づくりと、機動的な戦略的事業提携に対応し得る体制を実現します。
3. 経営者人財の確保・育成
グループ全体の変革を推進する次世代リーダーの育成に向けて、事業会社における幹部登用を積極化します。また、事業会社間の人事交流を活性化させ、グループ内で人財の流動性を高めることで、社員の成長を促進。事業領域の拡大に合わせて、活躍の場を求める多様な資質を持つ人財を確保していきます。
4. スピーディーな意思決定が可能な経営体制の実現
各事業会社への権限委譲とともに経営責任の明確化を図り、それぞれの事業展開におけるスピーディーな意思決定と独立性を担保しつつ、全社視点でのマネジメントを確立します。
5. ダイバーシティ環境の実現
全社視点に立ったマネジメントの強化、適材適所の人財配置、事業内容に応じた組織デザインと事務プロセスの効率化を進め、さらなるダイバーシティ環境の推進を図ります。

■企業理念、目指す姿、行動指針
当社グループは、持株会社体制への移行を機に新たな企業理念体系を策定しました。私たちは、社会にとってなくてはならない企業であり続けるため、持続的成長を支える価値創造基盤の強化を通じて自社の企業価値を向上させ、お客様に提供する価値の最大化を図っていきます。

(2) 経営環境
当社グループの主要事業であるディスクロージャー関連の事業環境はこれまで、金融庁の電子開示システムEDINETの改訂、金融関連商品に対するディスクロージャーの詳細化、会社法の制定に伴う会社・株式制度の改革及び株主総会プロセスの電子化の促進、企業のIR活動の拡充、コーポレート・ガバナンスの充実、CSR情報の開示、四半期報告制度の導入など、近年、大きく変化いたしました。また、EDINETの高度化やIFRSの適用など、更なる環境の変化が見込まれ、足元ではスチュワードシップ・コードおよびコーポレートガバナンス・コードの適用が始まるなど、大きく、激しく変化しております。
また、新型コロナウイルスによる感染症拡大に伴い、世界規模で経済活動は停滞し、上場会社数の横ばいないしは減少が考えられます。しかし、情報開示充実への要請、グローバル化、WEB化、オンライン化は一層進展し、事業体のグローバル化も一層進むものの、オフサイト化、WEB化、オンライン化が進むものと想定しています。
このような環境の中、当連結会計年度である2020年度で終了しました「中期経営計画2020」では、当社グループが目指す将来像として「グローバルなファイナンシャルサポート企業」、「ディスクロージャー&IRのオンリーワン企業」を掲げ、高品質なディスクロージャーおよびIRのサービスを提供し、お客様に感動していただける企業を目指すという基本理念のもと、ディスクロージャーとIRの専門会社としてお客様に役立つソリューションの提供に努め更なる拡大を図るとともに、次の飛躍のために必要な新事業開拓・育成を行うことを基本方針とし事業を進めて参りました。
1.「中期経営計画2020」の評価
① 数値目標の達成に至った経緯
良好な事業環境を背景に中計2020において掲げた数値目標についても概ね達成することができました。
数値目標の達成に至った主な要因は以下の通りとなります。
・開示書類作成支援ツールの上位機種「X-Smart.Advance」の導入数増加
・大型銘柄のファイナンスを受注できた他、IFRSやIPO、継続開示支援業務も堅調
・IR関連の翻訳が順調に増加しており、株式会社十印の取得により幅広い翻訳案件の増加
・統合報告書等、ESGをはじめとする非財務情報に関するサービスの増加
・IPO支援、決算開示支援等、コンサルティングサービスの増加

② 中期経営計画2020の期間において実施した主な施策
・海外翻訳事業会社の子会社化によるグローバル事業の強化と新海外拠点(シンガポール、マレーシア)の構築
・国内翻訳事業会社の株式会社十印を子会社化したことによる翻訳事業領域の拡大と新海外拠点(アメリカ)の構築
・持株会社化による戦略機能の強化とグループ管理機能の強化
・国内通訳・翻訳事業会社の株式会社サイマル・インターナショナルを子会社化したことによる通訳・翻訳事業領域の拡大と海外投資家向けディスクロージャー関連事業リソースの強化
(3) 経営戦略
当社は上記の経営環境の認識の下、2020年7月7日に、2021年5月期~2023年5月期の「新・中期経営計画2023」を発表し、以下の目指す将来像、基本方針を策定・発表しました。
1. TAKARA & COグループが目指す将来像
顧客に経営支援のプラットフォームサービスを提供するとともに、顧客のグローバル展開を支援することにより、社会の公器としての使命を果たす。
2. 新・中期経営計画2023における基本方針
・グループ基本方針
グループ各社の専門性を磨き、発想力・創造力を結集することでグループシナジーを発揮し、市場ニーズに応えるだけでなく、ニーズを先取りした製品やサービスを提供できるグローバルなオンリーワン企業集団への成長を目指す。
・ディスクロージャー関連事業の基本方針
法定開示領域での一層の専門能力を高めつつ、海外投資家向け情報開示の品質とリソースの強化、開示支援システムの一層の機能強化、コンサルティング、WEB開示の強化等、周辺領域への拡大も図り、企業価値向上へのワンストップソリューションを提供する体制の強化を図る。
・通訳・翻訳事業の基本方針
通訳・翻訳業界における品質、シェアの国内ナンバーワン企業としての地位を確固たるものとし、国内企業、海外企業、官公庁、他非営利団体など様々な事業体のグローバル化推進に貢献する。
また、上記の将来像・基本方針の下、以下の経営戦略、具体的施策を推進していきます。
① ディスクロージャー関連事業の経営戦略、具体的施策
・法定開示情報における専門性の高度化
・任意開示領域へのサポート強化
・コンサルティングサービスの強化
・開示書類作成支援ツールを中心としたIT商品の拡販
② 通訳・翻訳事業の経営戦略、具体的施策
・通訳・翻訳業務の営業機能強化、生産性改善
・海外顧客向け高付加価値サービスの拡大
③ ディスクロージャー関連事業と通訳・翻訳事業の融合
・顧客基盤を活用した新規サービス
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
1. グループ経営の強化
当社グループは、継続的に中期経営計画を策定・公表しております。この目標を達成するために、持株会社体制による戦略機能を活かし、グループ間シナジーの創出を通じてTAKARA & COグループが一丸となり、各社の強みを発揮して企業価値の最大化を実現してまいります。
2. 新規事業の開拓と育成
当社グループがさらに飛躍するためには、新規事業の開拓と育成が必要と考えております。当社グループは、ディスクロージャー&IR事業を基盤として、その周辺分野へサービスの範囲を拡げ、新規事業の開拓と育成、特に、グローバルな領域に拡大を図っていくことを進めてまいります。
3. 開示支援サービスの信頼性向上
ディスクロージャー&IR事業の環境の変化とお客様のニーズを的確に捉え、効率的で使いやすい法定開示書類作成支援ツールの提供と決算開示支援サービスの拡充、ディスクロージャー関連法令等の改正に関するアドバイスやIPO、ESGコンサルティングサービスの品質の向上、など、従来の業務のクオリティを更に改善し、お客様の信頼に応えてまいります。お客様に満足していただけるサービスの提供を通じて、信頼性の向上を図り、法定開示書類、任意開示書類の受注拡大、IPOにおける受注強化を目指してまいります。
4. 株主総会プロセスの電子化への対応
株主総会プロセスの電子化は、印刷物の減少による売上縮小につながる恐れがあります。これに対し、法令に則った株主総会招集通知を作成し、お客様企業の事業内容等をわかりやすく株主に伝えるというサービス提供を通じ築き上げてきた本質的な部分での当社グループの優位性を基盤とし、「ネットで招集」やWEB開示支援サービス等、新サービスの開発ならびに会社法関連製品の強化により、株主総会招集通知の電子化への対応をはじめとする多様化する情報開示のニーズと情報開示の高度化への対応に取り組んでまいります。
5. 通訳・翻訳事業の拡大と高品質+αの競争優位の確立
ローカライズやトランスクリエーション(マーケティング/クリエイティブ色の強い翻訳)サービスの更なる拡大と、通訳者・翻訳者ネットワークの強化による更なる高品質サービスの提供、機械翻訳の品質向上、遠隔通訳サービスの拡大によるお客様の利便性向上により、通訳・翻訳事業の高品質+αの競争優位性の確立を実現してまいります。
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
過去3年の実績、および2023年5月期における経営数値目標は、「新・中期経営計画2023」として2020年7月7日開催の取締役会にて決議し、同日付で開示いたしました。
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、世界規模での経済活動の停滞、通訳・翻訳事業における大規模イベントの中止等により、当社グループの業績に一定の影響が見込まれております。
資本市場をはじめ外部環境の変化に対応した事業構造の変革を実行し、持続的な成長を果たすため、新型コロナウイルス感染症の収束については一定の仮定をおいたうえで、2023年5月期における経営数値目標をROE10%を維持することといたしました。
なお、本見通しは、2020年7月7日現在において見積もったものであります。

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