有価証券報告書-第80期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/28 9:08
【資料】
PDFをみる
【項目】
111項目

(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な米国と中国の経済等に支えられ、全体としては期間を通してゆるやかな拡大基調が続きました。また第3四半期まで円安・株高で推移したこともあり企業業績も好調で、業種により差はあるものの人手不足の状態が継続しております。一方海外に目を向けますと、世界経済の成長率は上昇傾向にあるものの、保護主義の台頭懸念、東アジアにおける政治的緊張の高まりや、今後の米中関係、中東情勢、また欧州でポピュリスト政党の勢いが強まっていることなどの不確定要素により、先行きは引き続き不透明な状況です。
印刷業界は、デジタル化の進展により紙媒体需要が縮小し、縮小する市場を取り合う構図により価格が低下するという、大変厳しい状況に長期に渡り置かれております。平成29年(暦年)の日本の広告費を見てみますと、前年比101.6%と小幅ながらも6年連続のプラス成長となりましたが、前年同様インターネット広告が同115.2%と全体をけん引しており、広告費においても紙媒体は減少の一途をたどっている状況です。
そのような印刷業界において生き残るためには、WEBや動画などのデジタル対応はもちろんのこと、印刷業の特性から幅広い産業に分布している顧客基盤を活用して、その業界や顧客のことを深く理解した上で、顕在化しているあるいは潜在的な顧客の困りごと・ニーズにフォーカスして、販売促進のためのワンストップソリューションを提供することが必要であると、当社では考えております。当平成30年3月期は、この顧客価値を増大させるワンストップソリューションを提供するビジネスモデルへの転換準備に注力する1年となりました。
こうした取り組みの結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産の部は、その他資産(うち未収入金)やリース資産の増加などにより、前連結会計年度末に比べ21億83百万円増加し、321億29百万円となりました。
負債の部は、支払手形及び買掛金、リース債務の増加などにより、前連結会計年度末に比べ14億43百万円増加し、164億41百万円となりました。
純資産の部は、利益剰余金の増加などにより前連結会計年度末に比べ7億39百万円増の156億87百万円となり、自己資本比率は48.4%となりました。
b. 経営成績
当社グループの当連結会計年度における売上高は369億13百万円(前期比6.2%増)となりました。利益面では、営業利益7億67百万円(前期比3.1%増)、経常利益7億93百万円(前期比2.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益5億71百万円(前期比6.3%増)となりました。
セグメント別の状況は以下の通りです。
<印刷セグメント 印刷事業>ITの進展に伴う紙媒体の量的減少、及びそれによりもたらされた競争の激化による価格の低下、という市場の構造は既に長期に渡って存在していますが、当連結会計年度においてはさらにその傾向が強まり、紙媒体の減少がさらに進んだのではないかと見ております。そのような状況を受け、顧客価値を増大させるワンストップソリューションを提供するビジネスモデルへの転換のための活動、具体的にはシステム構築、データ収集・分析、ロジスティクスサービス、事務局運営、各種BPO、販促イベント支援などのサービスレベルをさらに向上させるとともに、それらを複合的に組み合わせたソリューション提案を精力的に行いましたものの、特に、カタログ・チラシなどの商業印刷を主力とする当社の印刷事業の不振が、年間を通して続きました。
<印刷セグメント 半導体関連マスク事業>当連結会計年度は、世界的に好調な電子部品業界に支えられ、業績は堅調に推移致しました。それに加え、当社、株式会社プロセス・ラボ・ミクロン、東京プロセスサービス株式会社の3社で進めてきたシナジー創出活動である、顧客基盤の補完や、生産・検査キャパシティの相互融通、調達におけるスケールメリットの享受などの効果が少しずつ顕在化してきたことが挙げられます。なお、平成28年11月に子会社化した東京プロセスサービス株式会社の業績が、当連結会計年度には通期にわたって計上され(前年度は第4四半期のみ)、その分業績が上積みされました。
上記の結果、印刷セグメントの売上高は238億24百万円(前期比4.4%増)、営業利益は3億76百万円(前期比11.9%減)となりました。
<物販セグメント 物販事業>紙媒体の縮小の影響を受け、インクや版などの印刷資材の販売は苦戦致しましたが、品質・環境・効率面での優位性を備えた機械類の販売、及び自社ブランド機械の販売強化に精力的に取り組むと共に、新規開拓に注力致しました。
その結果、物販セグメントの売上高は141億67百万円(前期比10.9%増)、営業利益は3億83百万円(前期比26.4%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3億65百万円増加し、45億55百万円となりました。当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加3億97百万円に対し、税金等調整前当期純利益8億41百万円、減価償却費8億51百万円や仕入債務の増加6億72百万円などがあったため18億42百万円の収入(前期は13億22百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出10億31百万円などに対し、固定資産の売却による収入2億56百万円などがあったため、8億18百万円の支出(前期は4億86百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の減少(純減額)3億38百万円、リース債務の返済による支出2億26百万円などがあったため、6億58百万円の支出(前期は7億98百万円の支出)となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)
印刷24,453,4805.1
物販--
合計24,453,4805.1

(注)1.生産実績は、販売価額により表示しております。
2.金額は、消費税等抜きの金額で表示しております。
(2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比
(%)
受注残高(千円)前年同期比
(%)
印刷23,539,9722.62,044,374△12.2
物販13,899,8947.9122,149△68.7
合計37,439,8674.52,166,524△20.3

(注) 金額は、消費税等抜きの金額で表示しております。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)
印刷23,824,4124.4
物販14,167,85310.9
消去△1,078,34528.5
合計36,913,9206.2

(注)1.販売実績は、販売価額により表示しております。
2.金額は、消費税等抜きの金額で表示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
① 重要な会計方針および見積もり
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。その作成に当たっては、決算日における資産・負債及び当連結会計年度における収益・費用の報告金額、並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。
これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会社方針は、第5[経理の状況]の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度(以下「前期」)に比べ21億62百万円増加し、369億13百万円(前期比6.2%増)となりました。印刷セグメントの売上高は前期と比べ10億8百万円増加し238億24百万円(前期比4.4%増)、物販セグメントでは前期比13億93百万円増加し141億67百万円(前期比10.9%増)となりました。
売上原価は、前期に比べ18億45百万円増加し300億74百万円(前期比6.5%増)となり、売上原価率は、前期の81.2%から81.5%へとわずかに悪化致しました。販売費及び一般管理費は、前期に比べ2億93百万円増加し60億72百万円(前期比5.1%増)となりました。この結果営業利益は、前期と比べ23百万円増加し7億67百万円(前期比3.1%増)となりました。
営業外収益は、前期と比べ11百万円減少し1億14百万円(前期比9.3%減)となり、営業外費用は、前期と比べ10百万円減少し87百万円(前期比10.7%減)となりました。この結果経常利益は、前期と比べ22百万円増加し7億93百万円(前期比2.9%増)となりました。
特別利益は、前期と比べ40百万円増加し1億35百万円(前期比41.8%増)となり、特別損失は、前期と比べ56百万円増加し87百万円(前期比180.6%増)となりました。法人税、事業税及び住民税が前期と比べ68百万円減少し2億49百万円(前期比21.5%減)となりました。さらに法人税等調整額が、前期が△24百万円であったのに対して、当連結会計年度は15百万円となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期と比べ34百万円増加し5億71百万円(前期比6.3%増)となりました。
b. 経営成績等に重要な影響を与えた要因
当連結会計年度の経営成績等に重要な影響を与えた要因としては、まず、前述致しましたように、紙媒体需要の縮小がさらに進んだと推測される環境の中、当社の印刷事業が年間を通じて業績が振るわず、売上・営業利益共予定を大きく下回ったことが挙げられます。次に、そのような状況の中、物販セグメント(物販事業)が好調であったことと、半導体関連マスク事業が堅調であったことなどから、公表した業績予想に対して、売上は達成率97.1%と未達であったものの、営業利益は同102.3%、経常利益は同101.8%、親会社株主に帰属する当期純利益は同114.4%と、利益面では予想を上回ったことが挙げられます。なお、平成28年11月に子会社化した東京プロセスサービス株式会社(印刷セグメント半導体関連マスク事業)の業績が、当連結会計年度には通期にわたって計上され(前年度は第4四半期のみ)、その分業績が上積みされました。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。
<印刷セグメント 印刷事業>経営成績等の状況の概要で述べましたように、当連結会計年度(平成30年3月期)には紙媒体需要の縮小が、市場全体においてさらに進んだのではないかと見ております。もしそのとおりであれば、平成31年3月期以降も同様の厳しい状況が続くことになります。その場合、前述の「顧客価値を増大させるワンストップソリューションを提供するビジネスモデルへの転換」スピードをさらに早める必要があると考えております。一方で、競合他社も同様の取り組みを行っておりますので、ワンストップソリューションの質をいかに競合他社と差別化するか、具体的には各サービス(システム構築、ロジスティクス、データ収集・分析、事務局運営、販促イベント受託など)の質の向上、サービスメニューの豊富さと、顧客ニーズへの合わせ込みの部分が勝負になると考えております。
<印刷セグメント 半導体関連マスク事業>好調な電子部品業界に支えられ、当連結会計年度は堅調な業績となりましたが、竹田印刷株式会社、株式会社プロセス・ラボ・ミクロン、東京プロセスサービス株式会社の3社で進めてきた、顧客基盤の補完や、生産・検査キャパシティの相互融通、調達におけるスケールメリットの追求の効果が出始め、業績に貢献しました。今後それらの活動をさらに進め、さらなる売上拡大とコスト低減を実現し、特定の電子機器の需要・販売動向に左右されない、安定したビジネス基盤を作っていきたいと考えております。
<物販セグメント 物販事業>紙媒体の縮小の影響を直接受ける、インクや印刷用の版などの印刷用資材を取り巻く環境が厳しい中で、全国の顧客に対するきめ細かなサービスと、品質・環境・効率面での付加価値を持った機械類の販売や新規開拓に注力した結果、前期比10.9%の増収、26.4%の増益という好調な成績を残すことが出来ました。平成31年3月期以降も厳しい状況に変わりはありませんが、顧客価値にフォーカスした活動を通してシェアーアップを図り、売上・利益の確保を図ってまいります。
c. 中長期的な目標に照らした経営成績の分析・評価
「目標とする経営指標」で述べましたように、当社グループの目指すところは、顧客にとっての価値を創出あるいは増大させることにより、顧客との長期的な信頼関係を築くとともに、営業利益率を高めて行くことです。当連結会計年度の営業利益率は2.1%となりました。前述致しましたように、当連結会計年度は公表した業績予想に対し、売上が未達で利益は予想を上回りましたので、営業利益率は予想の2.0%をわずかながら上回りました。
当連結会計年度を含む過去6期の営業利益率の推移は、1.5%→1.6%→1.4%→2.1%→2.1%→2.1%という状況です。直前3期の平均は、その前の3期の平均と比べて0.6ポイント改善しており、改善傾向が定着していると言うことはできますが、そのレベルはまだまだ満足できるレベルではありません。将来的には、安定的に5%レベルの営業利益を計上できる状況を目指してまいります。そのためには前述致しましたように、印刷事業において、「顧客価値を増大させるワンストップソリューション」を提供するビジネスモデルへの転換が必須で、さらにはそのスピードを早めることが重要であると考えております。
d. 資本の財源及び資金の流動性
当連結会計年度におけるフリー・キャッシュフローは10億23百万円となり、同年度末の現金及び現金同等物は45億55百万円となりました。この金額は、運転資金、設備投資に必要な資金、及び印刷事業・物販事業が身を置く印刷業界を取り巻く環境が厳しい中、M&Aを通じた、将来の柱となる事業の強化あるいは取得に必要な資金、として適正な水準であると考えておりますが、必要に応じて躊躇なく借入などのアクションを取り、タイミングを逃すことなくM&A他の必要な投資に積極的に取り組んでいきたいと考えております。
e. 次期の見通し
印刷事業のところで述べましたように、当連結会計年度においては、紙媒体の減少がさらに進んだのではないかと見ておりますので、次期(平成31年3月期)以降も同様の厳しい状況が続くことを想定しております。従いまして、印刷事業については、前述の「顧客価値を増大させるワンストップソリューションを提供するビジネスモデルへの転換」スピードをさらに早めることに注力致します。
半導体関連マスク事業については、当社、株式会社プロセス・ラボ・ミクロン、東京プロセスサービス株式会社の3社で進めてきたシナジーの顕在化をさらに進めて参ります。
物販事業については、引き続き厳しい印刷事業を取り巻く経営環境のもと、顧客価値にフォーカスし、全国の顧客1軒1軒に対するきめ細かなフォローをこれまで以上に徹底し、売上・利益の確保を図ってまいります。
以上より、次期の業績につきましては、連結売上高380億円、連結営業利益8億50百万円、経常利益9億円、親会社株主に帰属する当期純利益6億50百万円を見込んでおります。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。