有価証券報告書-第100期(2023/04/01-2024/03/31)
対処すべき課題
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2024年3月31日)現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、化学企業のパイオニアとして、創業以来時代をリードする様々な製品を創り出してまいりました。情報化時代に必要不可欠な液晶材料をはじめとし、合成樹脂、熱接着性複合繊維及び被覆肥料など多岐にわたる事業を展開しております。今後も、「優れた技術で社会の進歩に貢献する先端化学企業」を目指してまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
当社は「2020~2024年度 中期計画 ~業績改善のための計画~」(以下、「前計画」といいます。)を2021年3月に策定し、当社グループの早期の収益回復と持続的な経営を実現させるため、1.構造改革による業績改善、2.FIT化推進による電力事業の収益拡大、3.ガバナンス/モニタリング強化、の3つの骨子に取り組んでまいりました。長期間の渇水や令和4年の熊本県大雨災害の影響を受けたFIT化推進等の一部で効果が実現できていないものの、これら3つの骨子を着実に実行したことで赤字事業は減少し、新型コロナウイルス関連の需要や円安の進行などの外部環境の追い風も受け、業績は改善傾向となりました。一方で、当社グループの責務完遂を果たすために、早期の業績回復が今後の課題と捉えており、新たに「2023~2027年度 中期計画 ~業績改善のための計画~」(以下、「本計画」といいます。)を2024年2月に策定いたしました。本計画では、1.成長事業への投資、2.ガバナンス/モニタリングの更なる強化を骨子に据えており、収益の安定化と拡大に向けた地盤固めの実現に取り組んでまいります。
本計画の概要は以下のとおりです。
1.成長事業への投資
成長性と収益性の観点から、事業を戦略的拡大、重点育成、基幹、再構築の4つに分類し、メリハリの利いた投資を行うことで限られた資金を最大限に有効活用するほか、収益の安定化と拡大を着実に達成し、今後の更なる成長を実現してまいります。特に、戦略的拡大事業においては体力の強化と資本政策の見直しにより事業規模を拡大し、更に市場シェアを広げていくほか、重点育成事業では有望市場の選択と集中を行い、高付加価値品へシフトしていくことで次の収益基盤の構築に取り組んでまいります。本計画では、肥料・シリコン・ライフケミカルを戦略的拡大事業、有機化学品を重点育成事業として位置付けており、これら事業に対してリソースを重点的に配分してまいります。
2.ガバナンス/モニタリングの更なる強化
①不織布事業を中心とした構造改革
不織布事業におきましては、主に海外市況停滞の影響を受けたほか、前計画で目標としていた拡販が未実現であり、生産能力の大幅な余剰が生じ赤字が継続しております。前計画策定から大きな改善が見られない状況であることから、本計画において、販売規模に見合った生産体制への再編成による固定費の削減に取り組み、一刻も早い不織布事業の黒字化に注力してまいります。
この他の構造改革として、前計画において実施していた役員報酬を始めとした各種費用の削減を継続するほか、収益に見合った報酬水準の設定により、成長に向けた人材の確保に取り組んでまいります。
②赤字事業への対策
前計画において、赤字事業の見極めを行うため実施していたガバナンス強化を、本計画においても更に徹底してまいります。赤字事業における黒字化戦略の数値目標及び実現時期を明確化し、プロセス管理を徹底するとともに、戦略見直しのトリガーや撤退を含めた未達時対応策を設定することで、赤字事業の減少に引き続き努めてまいります。
この他、全事業において損益及び資金モニタリングの強化を実施し、成長の土台となる毎期の安定的な経常利益と更なる成長のための資金確保の実現に向け注力してまいります。
本計画の詳細については、当社のホームページ(https://www.chisso.co.jp/minamata/pdf/20240229_plan.pdf)に掲載しております。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、化学企業のパイオニアとして、創業以来時代をリードする様々な製品を創り出してまいりました。情報化時代に必要不可欠な液晶材料をはじめとし、合成樹脂、熱接着性複合繊維及び被覆肥料など多岐にわたる事業を展開しております。今後も、「優れた技術で社会の進歩に貢献する先端化学企業」を目指してまいります。
(2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題
当社は「2020~2024年度 中期計画 ~業績改善のための計画~」(以下、「前計画」といいます。)を2021年3月に策定し、当社グループの早期の収益回復と持続的な経営を実現させるため、1.構造改革による業績改善、2.FIT化推進による電力事業の収益拡大、3.ガバナンス/モニタリング強化、の3つの骨子に取り組んでまいりました。長期間の渇水や令和4年の熊本県大雨災害の影響を受けたFIT化推進等の一部で効果が実現できていないものの、これら3つの骨子を着実に実行したことで赤字事業は減少し、新型コロナウイルス関連の需要や円安の進行などの外部環境の追い風も受け、業績は改善傾向となりました。一方で、当社グループの責務完遂を果たすために、早期の業績回復が今後の課題と捉えており、新たに「2023~2027年度 中期計画 ~業績改善のための計画~」(以下、「本計画」といいます。)を2024年2月に策定いたしました。本計画では、1.成長事業への投資、2.ガバナンス/モニタリングの更なる強化を骨子に据えており、収益の安定化と拡大に向けた地盤固めの実現に取り組んでまいります。
本計画の概要は以下のとおりです。
1.成長事業への投資
成長性と収益性の観点から、事業を戦略的拡大、重点育成、基幹、再構築の4つに分類し、メリハリの利いた投資を行うことで限られた資金を最大限に有効活用するほか、収益の安定化と拡大を着実に達成し、今後の更なる成長を実現してまいります。特に、戦略的拡大事業においては体力の強化と資本政策の見直しにより事業規模を拡大し、更に市場シェアを広げていくほか、重点育成事業では有望市場の選択と集中を行い、高付加価値品へシフトしていくことで次の収益基盤の構築に取り組んでまいります。本計画では、肥料・シリコン・ライフケミカルを戦略的拡大事業、有機化学品を重点育成事業として位置付けており、これら事業に対してリソースを重点的に配分してまいります。
2.ガバナンス/モニタリングの更なる強化
①不織布事業を中心とした構造改革
不織布事業におきましては、主に海外市況停滞の影響を受けたほか、前計画で目標としていた拡販が未実現であり、生産能力の大幅な余剰が生じ赤字が継続しております。前計画策定から大きな改善が見られない状況であることから、本計画において、販売規模に見合った生産体制への再編成による固定費の削減に取り組み、一刻も早い不織布事業の黒字化に注力してまいります。
この他の構造改革として、前計画において実施していた役員報酬を始めとした各種費用の削減を継続するほか、収益に見合った報酬水準の設定により、成長に向けた人材の確保に取り組んでまいります。
②赤字事業への対策
前計画において、赤字事業の見極めを行うため実施していたガバナンス強化を、本計画においても更に徹底してまいります。赤字事業における黒字化戦略の数値目標及び実現時期を明確化し、プロセス管理を徹底するとともに、戦略見直しのトリガーや撤退を含めた未達時対応策を設定することで、赤字事業の減少に引き続き努めてまいります。
この他、全事業において損益及び資金モニタリングの強化を実施し、成長の土台となる毎期の安定的な経常利益と更なる成長のための資金確保の実現に向け注力してまいります。
本計画の詳細については、当社のホームページ(https://www.chisso.co.jp/minamata/pdf/20240229_plan.pdf)に掲載しております。