四半期報告書-第147期第1四半期(平成28年4月1日-平成28年6月30日)

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2016/08/10 15:44
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)経営成績の分析
当第1四半期連結累計期間(平成28年4月1日~平成28年6月30日)の国内景気は、個人消費の伸び悩み、インバウンド需要の鈍化、円高・株安の進行に加え、英国のEU離脱など、先行きの不透明感が増す状況となりました。
当社グループの事業につきましては、化学品事業では、基礎化学品が前年同期比で増収となりました。機能性材料事業は、ディスプレイ材料が好調に推移しました。農業化学品事業は、農薬、動物用医薬品原薬ともに順調でした。医薬品事業は、「リバロ」(高コレステロール血症治療薬)原薬の出荷が前年を上回りました。
この結果、当期間における業績は、売上高450億85百万円(前年同期比1億5百万円減)、営業利益95億8百万円(同81百万円増)、経常利益93億57百万円(同8億82百万円減)、親会社株主に帰属する四半期純利益68億26百万円(同3億82百万円減)となりました。
セグメント別概況は以下のとおりであります。
化学品事業
基礎化学品では、メラミン(合板用接着剤原料等)の輸出および「アドブルー」(高品位尿素水)の販売が増加しました。ファインケミカルでは、「テピック」(封止材用等特殊エポキシ)の販売が減少しました。一方、ナフサをはじめとする原燃料価格の下落を受けて、収益性が向上しました。
この結果、当事業の売上高は85億23百万円(前年同期比1億47百万円減)、営業利益は14億92百万円(同30百万円増)となりました。
機能性材料事業
「サンエバー」(液晶表示用材料ポリイミド)は、スマートフォンなどの中小型向けが堅調に推移しました。半導体用反射防止コーティング材(ARC®)、多層材料(OptiStack®)、無機コロイド材料は、前年同期比で減収となりました。
この結果、当事業の売上高は126億48百万円(前年同期比3億11百万円減)、営業利益は29億81百万円(同3億88百万円減)となりました。
*ARC®およびOptiStack®はBrewer Science, Inc. の登録商標です。
農業化学品事業
「ラウンドアップ」(非選択性茎葉処理除草剤)および「アルテア」(水稲用除草剤)の販売が順調に推移し、また新規に販売開始した「トレファノサイド」(畑作用除草剤)が増加しました。フルララネル(動物用医薬品原薬)は、好調な出荷となりました。
この結果、当事業の売上高は144億64百万円(前年同期比8億64百万円増)、営業利益は44億88百万円(同91百万円増)となりました。
医薬品事業
「リバロ」原薬は、後発品の影響を受けて厳しい状況が続いておりますが、当四半期においては、国内外ともに販売量が前年を上回りました。「ファインテック」(医薬品研究開発参加型事業)は、出荷時期が後ろ倒しになったため減収となりました。
この結果、当事業の売上高は22億17百万円(前年同期比1億66百万円増)、営業利益は6億47百万円(同2億62百万円増)となりました。
卸売事業
当事業の売上高は143億56百万円(前年同期比3億89百万円減)、営業利益は4億34百万円(同30百万円減)となりました。
その他の事業
当事業の売上高は39億73百万円(前年同期比1億35百万円減)、営業損失は24百万円(同7百万円改善)となりました。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、現金及び預金が減少したことなどにより、前連結会計年度末比209億71百万円減の2,071億97百万円となりました。
負債も短期借入金が減少したことなどから、前連結会計年度末比186億46百万円減の525億98百万円となりました。
また、純資産は前連結会計年度末比23億25百万円減の1,545億99百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末比5.8ポイント増加し、73.9%になりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益、減価償却費、運転資金の増減などから法人税等の支払額を控除した結果、98億79百万円の収入(前年同期は105億53百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入、研究開発部門などの設備投資による支出などにより、3億69百万円の支出(前年同期は19億34百万円の支出)となりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローでは、借入金の返済、配当金の支払などにより、210億81百万円の支出(前年同期は178億39百万円の支出)となりました。
現金及び現金同等物の四半期末残高は、換算差額3億53百万円、連結除外に伴う現金及び現金同等物の減少額25百万円を調整した結果、前連結会計年度末に比較して119億48百万円減少し、233億86百万円(前年同期は222億43百万円)となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118号第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
(会社の支配に関する基本方針)
(1)基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業理念および企業価値の源泉を十分に理解した上で、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を中長期的に確保し、向上させることを真摯に目指す者でなければならないと考えております。
当社は、上場会社であるため、誰が当社の財務および事業の方針の決定を支配する者になるかは、市場における当社株式の自由な取引を通じて決定されるべきものであり、当社株式に対する大規模な買付行為の提案がなされた場合に、これに応じるべきか否かの判断も、最終的には当社の株主の皆様の自由な意思に基づき行われるべきものと考えております。
しかしながら、大規模な買付行為の中には、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の株主および取締役会が買付行為の条件等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案する等のために必要な情報および時間を提供することなく行われるもの、対象会社やその関係者に対して不当な高値で株式を買い取ることを要求するもの等、対象会社の企業価値ひいては株主の共同の利益を著しく損なう買付行為もあり得るものと考えられます。
したがいまして、当社は、このような買付行為を行う者は、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を確保・向上させることを真摯に目指す者であるとは言えないため、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えております。
(2)基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
当社グループは、「優れた技術と商品・サービスにより、環境との調和を図りながら、社会に貢献する」を企業理念としております。また、当社は、当社グループの各事業における独自技術および社会が求める製品を開発するために社内外の技術を有機的に組み合わせる総合力、ならびに、かかる総合力を発揮する土壌となる社風が、企業価値の源泉であると考えております。このような企業理念および企業価値の源泉についての考え方に基づいて、平成28年4月に6カ年の中期経営計画「Vista2021」を始動し、人々の豊かな暮らしに役立つ新たな価値の提供を目指してまいります。加えて、経営の透明性の向上、コンプライアンス体制の強化、環境への一層の配慮、社会貢献活動の推進等、企業としての社会的責任を果たすことにより、全てのステークホルダーから信頼される存在感のある企業グループの実現に総力をあげて取組み、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益の確保・向上に努めております。
(3)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
当社は、平成26年6月26日開催の当社第144回定時株主総会の承認を得て、平成20年6月27日開催の当社第138回定時株主総会で導入の承認をいただき、平成23年6月28日開催の第141回定時株主総会で一部変更の上更新の承認をいただいた当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)について、実質的内容を維持したうえ更新しました(以下変更後の対応方針を「本プラン」といいます。)。
1)本プランの概要
① 大規模買付ルールの設定
当社は、本プランにおいて、当社株券等について株券等保有割合または株券等所有割合が20%以上となる大規模買付行為を提案する大規模買付者に対し、株主の皆様がその提案に応じるか否かを検討するために必要十分な情報を提供すること、および、大規模買付行為は当社取締役会が定めた評価期間(大規模買付行為の方法および条件に応じて最大60日間または最大90日間、延長は原則一度・最長30日)経過後または株主の皆様の意思を確認するための株主総会(以下「株主意思確認株主総会」といいます。)における対抗措置の発動の否決後に開始することを求める大規模買付ルールを定めております。
② 大規模買付行為への対応方針
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合、または、大規模買付ルールを遵守した場合であっても当該大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なうと認められる場合など、必要性が認められる場合には、大規模買付者の大規模買付ルール遵守状況により、独立委員会への諮問あるいは株主意思確認株主総会の一方または双方を経て相当な対抗措置が発動されることがあります。
③ 対抗措置の内容
本プランに基づき発動する対抗措置は、原則として、大規模買付者は行使できないなどの一定の条件・条項等が付された新株予約権を、その時点の全ての株主の皆様に対して割り当てる新株予約権の無償割当てによるものとします。
④ 株主の皆様および投資家の皆様への影響
当社が対抗措置として新株予約権の無償割当てを行った場合、および、新株予約権の行使等が行われた場合において、大規模買付者以外の株主の皆様および投資家の皆様が保有する当社の株式全体に係る法的権利および経済的利益に対して直接具体的な影響を与えることは想定しておりません。他方、新株予約権の行使等に関しては差別的条件等が付されることが予定されているため、当該行使等に際して、大規模買付者の法的権利等に不利益が発生する可能性があります。
2)本プランの有効期間
本プランの有効期間は、平成29年6月に開催予定の当社第147回定時株主総会終結の時までとします。
3)本プランの廃止および変更
本プランの導入後、有効期間の満了前であっても、当社株主総会において本プランを廃止もしくは変更する旨の議案が承認された場合、または当社取締役会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランは廃止または変更されるものとします。また、かかる有効期間の満了前であっても、毎年の当社定時株主総会の終結直後に開催される当社取締役会において、本プランの継続について審議することとし、当該取締役会において、本プランの継続を承認する旨の決議がなされなかった場合には、本プランはその時点で廃止されるものとします。
(4)上記の取組みが、上記の基本方針に沿い、当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものでなく、当社の役員の地位の維持を目的とするものでないことに関する当社取締役会の判断およびその判断に係る理由
1)上記基本方針の実現に資する特別な取組みについて
当社は、多数の投資家の皆様に中長期的に継続して当社に投資していただくため、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を向上させることを目的に、上記基本方針に資する取組みを実施しております。この取組みは、中長期的視点から当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益の確保・向上のための具体的な方策として行われているものであり、これを当社の株式の価値に適正に反映させることで、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なう大規模買付行為は困難になるものと考えられることから、上記の基本方針に沿うものであると考えております。
したがいまして、この取組みは、上記の基本方針に沿うものであり、当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
2)本プランについて
本プランは、十分な情報の提供および十分な検討等の時間の確保の要請に応じない大規模買付者、ならびに、当社の企業価値ひいては株主の皆様の共同の利益を著しく損なう大規模買付行為を行う大規模買付者に対して、対抗措置を発動できることとしています。したがいまして、本プランは、このような大規模買付行為を防止するものであり、上記の基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みであります。また、本プランにおいては、株主意思の反映、独立委員会の設置、対抗措置発動に係る客観的かつ合理的な要件の設定等、当社取締役会による恣意的な運用を防止するための様々な合理的な制度および手続が確保されております。
したがいまして、本プランは、上記の基本方針に沿うものであり、当社の株主の皆様の共同の利益を損なうものでなく、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(5) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は40億73百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。