有価証券報告書-第156期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 中長期的な会社の経営戦略並びに会社の対処すべき課題
当社グループは、2022年度に6ヵ年の中期経営計画Vista2027を始動しました。
後半3ヵ年(2025年度~2027年度)のStageⅡにおいて、2025年度は機能性材料セグメントの半導体材料が全体を牽引し、営業利益636億円(前年比+12%)、経常利益659億円といずれも過去最高値を更新しました。しかしながら、機能性材料以外のセグメント合計では営業利益は前年比で2%程度の増加に止まりました。その要因を踏まえた対処すべき主要課題は、新製品・新事業創出の加速、既存事業の収益性改善、DXなどを通じた業務変革と認識しております。
これらの解決に向け、新技術の導入やコストダウンにより事業基盤の強化を推し進めながら、M&A(合併・買収)を含めた成長分野への戦略投資、不採算事業の見極めを積極的に行うことで、事業ポートフォリオの拡充と切れ目の無い成長軌道の堅持を目指します。
Vista2027の後半3ヵ年(2025年度~2027年度)のStageⅡでは、最終年度(2027年度)の数値目標を売上高2,930億円、営業利益650億円と定め、最重要課題を新製品の創出としたうえで、基本戦略として次の3つを掲げております。
(1)「現有事業の利益拡大」
(2)「2030年を見据えた新製品の開発」
(3)「事業基盤の強化」
第1の戦略「現有事業の利益拡大」では、成長が見込まれる機能性材料および農業化学品セグメントへM&Aを含めて経営資源を集中的に投下し、既存製品や新製品の販売・開発を進め、利益の最大化を図ります。
機能性材料セグメントでは、AIサーバー向けなどの最先端・先端世代向けに使用量が増加している半導体材料の売上高は、今後も高いレベルの成長率を維持すると見込んでおります。これら旺盛な需要に対応する供給能力確保のため、研究開発から製造販売に至るバリューチェーン全体の強化と拡大に向けた投資を段階的に実施します。2025年度は富山工場において、半導体材料の技術開発、解析・検査能力増強のため「第2分析棟」を建設して運用を開始しました。
農業化学品セグメントでは、国内販売出荷金額ベースシェア1位を堅持することに加え、既存剤の適用拡大、新規国上市の増加、混合剤開発と導出を含む提携先協業強化などにより、海外向け既存剤の販売を更に拡大します。動物薬フルララネルは、米国MSD Animal Health社の新製品による市場拡大を見据え、原薬製造コストの低減により競争力を高めます。
化学品セグメントでは、2024年度にサブセグメントであるファインケミカルの固定資産の減損を実施しましたが、今後も外部製造委託の活用、製造工程の見直しなどの原価低減を徹底し、存続事業の拡大と高収益化を図ります。ヘルスケアセグメントではファインテック事業での原薬増販および新規原薬の受託製造販売に取り組みます。
第2の戦略「2030年を見据えた新製品の開発」では、2028年度以降を視野に入れ、新たな成長の柱となる製品創出を目指します。
情報通信領域では、ターゲット材料を明確化し、半導体向けのEUV材料や実装材料、ディスプレイ向けの位相差フィルム用配向材、CMOSイメージセンサー(高屈レンズ)材料、メタマテリアル材料、光学機能性付与や研磨用途の新規無機材料の開発を加速します。
ライフサイエンス領域の創薬分野では、製薬メーカーとの戦略的提携による新規核酸医薬候補化合物の創出、当社独自の創薬支援技術導出による新たな収益基盤の構築に加え、高活性および中分子モダリティの需要が引き続き拡大することを踏まえ、当社独自のペプチド合成力などを活用してファインテック事業を差別化します。
同領域の農薬分野では、直播栽培にも適用可能な次期水稲用茎葉除草剤「ライゾニック」を2027年に上市予定であり、ピーク時売上高目標を150億円に設定しております。また、外資系他社が創製して国内共同開発中の新規殺虫剤1種を2028年に上市予定であり、StageⅡでは、これらに続く新規殺虫剤、殺菌剤を初期開発から本格開発へ移行させる計画です。バイオ分野については、化学保護殺菌剤と同等以上の効果を有するバイオ資材の開発を目指しており、2025年のブラジルINNOVA社への出資を足掛かりに、南米における複数製品ラインナップの商業生産化と販売チャネルの獲得を推進します。
環境エネルギー領域では、EV向けに拡大が見込まれる二次電池材料の拡販の他、CCUS(二酸化炭素回収・利用・貯留)材料、水素エネルギー材料やペロブスカイト太陽電池用材料などの創出に注力します。
第3の戦略「事業基盤の強化」では、当社グループの企業理念および2050年のあるべき姿の実現のため、人材育成やリスクマネジメントを推進します。
人材育成では、組織のあるべき姿を「強い情熱で変革に挑む共創者集団」と掲げ、価値向上に「挑戦」し続ける牽引人材、領域を超えた「共創」人材、目利き力を備えた人材の輩出を重要項目として、仮説検証・提案型研修や10%Challenge制度を取り入れております。研究開発面では、研究テーマの選別、IPランドスケープを用いた知的財産戦略などを通じて、競争優位性の高い技術基盤を強化しております。製造・供給面では、レスポンシブル・ケア活動を基盤に、無事故・無災害、生産品質の継続的改善を推進するとともに、複数拠点化などのリスク分散によるサプライチェーン強靭化を図っております。
StageⅡでは、前述の基本戦略の遂行に加えて、サステナビリティ経営を強く意識し、「スマート社会への貢献」、「食料問題への貢献」、「健康問題への貢献」といったマテリアリティ(重要課題)要素別に2027年度の目標(2021年度比売上高伸長率)を定めております。また、「気候変動の緩和」に資する温室効果ガス排出量削減においては、硝酸プラントから排出する亜酸化窒素の削減設備を完工し、2027年度までに2018年度比で30%以上の削減を実現します。
当社グループは、これまで安定的な収益の確保と積極的な株主還元を通じて、資本市場から一定の評価を得てきたものと認識しております。今後は、成長が見込まれる領域に経営資源を集中投下し、競争力のある事業ポートフォリオの構築を進めるとともに、経営の透明性・健全性の一層の向上を図ってまいります。あわせて、意思決定の迅速化、リスク管理および内部統制の強化、コンプライアンスの徹底を推進し、社会・環境課題に配慮した事業活動を実践することで、すべてのステークホルダーから信頼され、持続的に成長する企業グループの実現を目指します。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、株主からの受託資本の運用効率を示す指標である「自己資本当期純利益率(ROE)」、高付加価値企業としての指標となる「売上高営業利益率」を最重要指標と認識し、今後も収益力の一層の強化に向けた事業展開を推進してまいります。
なお、2025年4月に始動した中期経営計画「Vista2027 StageⅡ」では、数値目標を以下のように定めております。
非財務指標
経営指標
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 中長期的な会社の経営戦略並びに会社の対処すべき課題
当社グループは、2022年度に6ヵ年の中期経営計画Vista2027を始動しました。
後半3ヵ年(2025年度~2027年度)のStageⅡにおいて、2025年度は機能性材料セグメントの半導体材料が全体を牽引し、営業利益636億円(前年比+12%)、経常利益659億円といずれも過去最高値を更新しました。しかしながら、機能性材料以外のセグメント合計では営業利益は前年比で2%程度の増加に止まりました。その要因を踏まえた対処すべき主要課題は、新製品・新事業創出の加速、既存事業の収益性改善、DXなどを通じた業務変革と認識しております。
これらの解決に向け、新技術の導入やコストダウンにより事業基盤の強化を推し進めながら、M&A(合併・買収)を含めた成長分野への戦略投資、不採算事業の見極めを積極的に行うことで、事業ポートフォリオの拡充と切れ目の無い成長軌道の堅持を目指します。
Vista2027の後半3ヵ年(2025年度~2027年度)のStageⅡでは、最終年度(2027年度)の数値目標を売上高2,930億円、営業利益650億円と定め、最重要課題を新製品の創出としたうえで、基本戦略として次の3つを掲げております。
(1)「現有事業の利益拡大」
(2)「2030年を見据えた新製品の開発」
(3)「事業基盤の強化」
第1の戦略「現有事業の利益拡大」では、成長が見込まれる機能性材料および農業化学品セグメントへM&Aを含めて経営資源を集中的に投下し、既存製品や新製品の販売・開発を進め、利益の最大化を図ります。
機能性材料セグメントでは、AIサーバー向けなどの最先端・先端世代向けに使用量が増加している半導体材料の売上高は、今後も高いレベルの成長率を維持すると見込んでおります。これら旺盛な需要に対応する供給能力確保のため、研究開発から製造販売に至るバリューチェーン全体の強化と拡大に向けた投資を段階的に実施します。2025年度は富山工場において、半導体材料の技術開発、解析・検査能力増強のため「第2分析棟」を建設して運用を開始しました。
農業化学品セグメントでは、国内販売出荷金額ベースシェア1位を堅持することに加え、既存剤の適用拡大、新規国上市の増加、混合剤開発と導出を含む提携先協業強化などにより、海外向け既存剤の販売を更に拡大します。動物薬フルララネルは、米国MSD Animal Health社の新製品による市場拡大を見据え、原薬製造コストの低減により競争力を高めます。
化学品セグメントでは、2024年度にサブセグメントであるファインケミカルの固定資産の減損を実施しましたが、今後も外部製造委託の活用、製造工程の見直しなどの原価低減を徹底し、存続事業の拡大と高収益化を図ります。ヘルスケアセグメントではファインテック事業での原薬増販および新規原薬の受託製造販売に取り組みます。
第2の戦略「2030年を見据えた新製品の開発」では、2028年度以降を視野に入れ、新たな成長の柱となる製品創出を目指します。
情報通信領域では、ターゲット材料を明確化し、半導体向けのEUV材料や実装材料、ディスプレイ向けの位相差フィルム用配向材、CMOSイメージセンサー(高屈レンズ)材料、メタマテリアル材料、光学機能性付与や研磨用途の新規無機材料の開発を加速します。
ライフサイエンス領域の創薬分野では、製薬メーカーとの戦略的提携による新規核酸医薬候補化合物の創出、当社独自の創薬支援技術導出による新たな収益基盤の構築に加え、高活性および中分子モダリティの需要が引き続き拡大することを踏まえ、当社独自のペプチド合成力などを活用してファインテック事業を差別化します。
同領域の農薬分野では、直播栽培にも適用可能な次期水稲用茎葉除草剤「ライゾニック」を2027年に上市予定であり、ピーク時売上高目標を150億円に設定しております。また、外資系他社が創製して国内共同開発中の新規殺虫剤1種を2028年に上市予定であり、StageⅡでは、これらに続く新規殺虫剤、殺菌剤を初期開発から本格開発へ移行させる計画です。バイオ分野については、化学保護殺菌剤と同等以上の効果を有するバイオ資材の開発を目指しており、2025年のブラジルINNOVA社への出資を足掛かりに、南米における複数製品ラインナップの商業生産化と販売チャネルの獲得を推進します。
環境エネルギー領域では、EV向けに拡大が見込まれる二次電池材料の拡販の他、CCUS(二酸化炭素回収・利用・貯留)材料、水素エネルギー材料やペロブスカイト太陽電池用材料などの創出に注力します。
第3の戦略「事業基盤の強化」では、当社グループの企業理念および2050年のあるべき姿の実現のため、人材育成やリスクマネジメントを推進します。
人材育成では、組織のあるべき姿を「強い情熱で変革に挑む共創者集団」と掲げ、価値向上に「挑戦」し続ける牽引人材、領域を超えた「共創」人材、目利き力を備えた人材の輩出を重要項目として、仮説検証・提案型研修や10%Challenge制度を取り入れております。研究開発面では、研究テーマの選別、IPランドスケープを用いた知的財産戦略などを通じて、競争優位性の高い技術基盤を強化しております。製造・供給面では、レスポンシブル・ケア活動を基盤に、無事故・無災害、生産品質の継続的改善を推進するとともに、複数拠点化などのリスク分散によるサプライチェーン強靭化を図っております。
StageⅡでは、前述の基本戦略の遂行に加えて、サステナビリティ経営を強く意識し、「スマート社会への貢献」、「食料問題への貢献」、「健康問題への貢献」といったマテリアリティ(重要課題)要素別に2027年度の目標(2021年度比売上高伸長率)を定めております。また、「気候変動の緩和」に資する温室効果ガス排出量削減においては、硝酸プラントから排出する亜酸化窒素の削減設備を完工し、2027年度までに2018年度比で30%以上の削減を実現します。
当社グループは、これまで安定的な収益の確保と積極的な株主還元を通じて、資本市場から一定の評価を得てきたものと認識しております。今後は、成長が見込まれる領域に経営資源を集中投下し、競争力のある事業ポートフォリオの構築を進めるとともに、経営の透明性・健全性の一層の向上を図ってまいります。あわせて、意思決定の迅速化、リスク管理および内部統制の強化、コンプライアンスの徹底を推進し、社会・環境課題に配慮した事業活動を実践することで、すべてのステークホルダーから信頼され、持続的に成長する企業グループの実現を目指します。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、株主からの受託資本の運用効率を示す指標である「自己資本当期純利益率(ROE)」、高付加価値企業としての指標となる「売上高営業利益率」を最重要指標と認識し、今後も収益力の一層の強化に向けた事業展開を推進してまいります。
なお、2025年4月に始動した中期経営計画「Vista2027 StageⅡ」では、数値目標を以下のように定めております。
非財務指標
| 気候変動の緩和 | 温室効果ガス(GHG)排出量2018年度比30%以上削減 |
| ダイバーシティの推進 | 研究員に占める女性総合職比率18%以上 |
| 人々の豊かな暮らしに役立つ新たな価値の提供 | 連結売上高に占める社会課題解決に貢献する製品・サービスの合計売上高60%以上 |
| 人材の確保・育成 | 社員意識調査の設問、人材育成に対する肯定回答者65%以上 |
経営指標
| 売上高営業利益率 | ROE | 配当性向 | 総還元性向 |
| 20%以上 | 18%以上 | 55%以上 | 75%以上 |