有価証券報告書-第107期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/24 16:11
【資料】
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【項目】
87項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行は、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という。)に重要な影響を与える可能性があります。当社グループの事業が国内外に展開され、また事業分野も多岐に亘っていることから、その影響の程度や、影響が及ぶ期間等を把握することは困難ではありますが、広範にわたる適時適切な対応が重要な課題となります。具体的には、顧客動向の適時把握と原料調達・生産・物流体制の確保、およびこれらを支えるグループ社員の安全確保と資金流動性の確保等があげられます。また、経営環境の変化に遅滞なく対応することが重要と認識しており、一過性の影響と中長期にわたる影響を峻別して機動的な対応を図ります。なお、当社グループの各事業セグメントへの影響については「2.事業等のリスク」に記載しております。なお、経営の基本方針・目標とする経営指標・会社の経営戦略は、何れも中長期の観点で設定したものであることから、現時点において見直す必要はないと判断しております。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、“人と自然を大切にします。”“常に変革を行い、成長し続けます。”“価値ある商品を創出して、社会の発展に貢献します。”という企業理念に基づき活動し、“エクセレント・カンパニー”を目指し挑戦し続けます。
また、コンプライアンス(法令および社会的規範の遵守)を重視し、公正で自由な競争に基づく事業活動、正確で有用な情報の適時適切な開示、地域社会への積極的な貢献、地球環境の保護等にも当社グループをあげて真摯に取り組んでまいります。
以上を経営の基本方針とし、当社グループ全体の企業価値を最大限に高めてまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループでは、差別化製品のグローバル展開と新事業の創出により企業価値向上を目指す観点から「売上収益」および「営業利益」、資産効率の指標である「総資産利益率(ROA)」ならびに資本効率の指標である「自己資本利益率(ROE)」を経営指標とし、その向上に取り組んでまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、「技術立社」企業として、スペシャリティ・ケミカル分野において、差別化された製品を開発し、社会に貢献し続ける高付加価値型企業となることを目指し、「中期経営計画Kureha's Challenge 2020」(以下、「中計 Challenge 2020」)で定めた事業戦略を進め、差別化製品のグローバル展開と新事業の創出により企業価値向上を目指す経営を行ってまいります。
具体的には、医薬品および農薬を含む化学製品事業は国内での医療行政改革の影響および国内外での後発品の伸長等により厳しい事業環境となりますが、機能製品事業、樹脂製品事業、その他関連事業における既存事業の競争力・収益力向上を図るとともに、PGA(ポリグリコール酸)事業の事業基盤の確立およびPVDF(フッ化ビニリデン)事業を着実に成長させて収益の柱としてまいります。また、社長直轄の「新事業創出プロジェクト」により新規事業テーマの探索を全社で推進してまいります。
(4) 会社の対処すべき課題
経済状況は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行による国内外経済への影響、原油価格の暴落等、その先行きは極めて不透明となっており、当社事業への影響が見通せない状況でありますが、早期の影響把握と適時適切な事業運営に努めるとともに、今後も従来通り、当社グループは、市場競争(技術開発・価格)の激化や市場構造の変化などの事業環境の変化に的確に対応し、差別化された製品を開発することで、社会に貢献し続ける高付加価値型企業となることを目指してまいります。また、企業理念の実践を通じて、様々な社会的課題の解決を図り、あらゆるステークホルダーの皆様からの信頼を得ていくために、2020年度を最終年度とする下記の「中計 Challenge 2020」で掲げた経営目標の達成に向けて取り組んでまいります。
[「中計 Challenge 2020」の位置づけ]
当社は、企業理念に基づいた行動を実践しながら、「技術立社」企業として、スペシャリティ・ケミカル分野において、差別化された製品を開発し、社会に貢献し続ける高付加価値型企業となることを目指しています。
当社は、「中期経営計画Kureha's Challenge 2018」にて積み残した経営目標の完遂によって、医農薬分野から高機能製品分野に利益の柱をシフトさせる事業構造転換を進めると同時に、社会におけるデジタル化の進展、プラスチックによる海洋汚染問題、地球温暖化対策など様々な環境変化に対応し、新たな課題について中長期視点で取り組むことが必要と認識しております。
当社は、この「中計 Challenge 2020」の期間を“将来の発展に向けた土台を固める期間”と位置づけ、経営目標および定量計画の達成を目指し持続的な成長と企業価値向上を図ってまいります。
<経営目標と重点施策>(☆印は新規重点施策を表す)
①PGA事業の拡大と利益創出
・事業戦略の変更(事業ポートフォリオの拡充)を推進し、事業基盤を確立
②フッ化ビニリデン樹脂事業の更なる拡大
・性能優位性を持つバインダーの開発推進
・拡販に向けた原料および生産能力の確保
③既存事業のビジネスモデル最適化
・環境変化に応じた事業戦略の見直し ☆
・川下を中心とする新たな用途開発、異なる領域への展開 ☆
④新規事業の国内外における探索と育成
・アプリケーション(用途)起点による新テーマの国内外での探索 ☆
・既出テーマの見極め、必要資源の優先順位づけ、外部資源の活用による事業化の加速
・川下展開に必要な人財の育成、技術革新加速のための資源投入 ☆
⑤経営基盤の強化
・事業部主導によるバリューチェーン管理体制の構築
・間接業務およびグループ経営の効率化
・成果主義の強化、中堅若手社員の抜擢、シニア層の活用、人財の育成・増強
・IT活用による生産性向上、生産・研究分野でのスマート化推進 ☆
・SDGs(持続可能な開発目標)まで視野を広げたCSR(企業の社会的責任)経営の強化、安全・品質・環境マネジメントを含むガバナンスの確保 ☆
当連結会計年度における進捗等については、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 (セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容)」に記載しております。
<定量計画>「中計 Challenge 2020」における2020年度の定量目標として、売上収益1,570億円、営業利益180億円、親会社の所有者に帰属する当期利益140億円およびROE8%を計画しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の世界的流行による当社業績への影響が見通せない状況であるため、定量計画については、今後業績予想が可能となった時点で速やかに公表いたします。
また、コーポレート・ガバナンスの確立や内部統制の強化も重要な経営課題と認識しています。
当社は、コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方・方針を定め、株主・投資家に対して当社の姿勢を示すために、「コーポレートガバナンス・ガイドライン」を制定しています。
コーポレート・ガバナンスの確立については、経営の「監督機能」と「執行機能」の役割を明確に分離し、それぞれの機能強化を図っています。
① 経営における監督と執行の分離
・経営における監督責任と執行責任を明確にするために、社外取締役と執行役員制度を導入しています。
・取締役会は、業務執行を行う経営陣から独立している社外取締役2名以上を含む10名以内で構成し、監査役(社外監査役2名以上を含む4名以内で構成)も参加しています。
・事業年度の運営に対する責任を明確にするため、取締役、執行役員の任期は1年としています。
② 会社機関の機能
・取締役会は、重要な経営事項の決定と業務執行の監督を行なっています。
・経営会議は、代表取締役社長が議長を務め、執行役員を構成メンバーとし、当社の経営に関する重要案件等について審議しています。
・連結経営会議を定期的に開催し、経営方針、事業戦略について相互に意見交換を行うことにより、連結経営の強化を図っています。
内部統制の強化については、内部統制システム(取締役の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制および株式会社の業務の適正を確保するための体制)をより強固なものとするべく、「内部統制システムの基本方針」を制定し、当社およびグループ各社が業務遂行に当り、法令を遵守し、業務を適正に遂行する体制を確保するよう各種委員会の設置や社内規程の整備および法令への対応を進めています。「財務報告に係る内部統制」に関しましても「基本規程」を制定し、金融商品取引法に定められた「財務報告に係る内部統制の有効性に関する経営者による評価及び公認会計士等による監査」を実施し、財務報告の信頼性の確保を図り、代表取締役の責任の下、「内部統制報告書」を作成しています。
コーポレート・ガバナンスの確立とともに内部統制の強化については今後も継続して取り組んでまいります。

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