有価証券報告書-第102期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

【提出】
2021/03/30 13:44
【資料】
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【項目】
154項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは、グループ理念「創業者精神に則り、自然と環境を守り、確かな価値の創造を通じて、豊かな社会の実現に貢献」のもと、企業の持続的発展と企業価値の向上を図り、株主、取引先、従業員、地域社会等からの信頼と期待に応えるとともに、法令その他の社会的規範を遵守し、公正で健全な企業活動を行い、社会の発展に貢献することを経営の基本方針としております。
また当社グループは、持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた取り組みを推進していくことを宣言しています。同宣言に基づき「自然環境との共生」「責任ある企業活動の推進」「社会との共通価値の創造」を念頭に重要課題を抽出し、持続可能な社会の実現への貢献と企業価値の向上にむけてグループ一丸となって取り組んでまいります。
(2) 経営環境
当社グループ全体を取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症(CОVID-19)の影響が引き続き世界的に懸念される中、わが国においてもサステナビリティ(持続可能性)や気候変動への対応が大きく進展することが予想される状況となっております。当社グループの各事業においても、そうした新たなリスク及び機会という不確実性に適時・適切に対処し、当社グループの持続的成長につなげていく必要があります。なお、事業別の経営環境については以下のとおりです。
アグリ事業は、農地面積の減少や少子高齢化による農業就業者の減少に歯止めがかからない中、わが国の農業を持続的に発展させていくため、「農業生産基盤強化プログラム」に基づき、スマート農業の現場実装や土づくりの全国展開が推進されるなど、重要な転換期を迎えています。
化学品事業の水処理薬剤は、人口減少、工場の稼働率低下などに伴う市場の縮小による価格競争の激化、人手不足に伴う物流運賃の上昇などにより、厳しい状況が続くものと予想されます。その一方で、気候変動などによる原水の水質悪化、環境負荷低減の観点から超高塩基度ポリ塩化アルミニウムの利用が注目されてきております。化学品事業の機能性材料は、セラミック繊維向け高塩基性塩化アルミニウム、スマートフォンなどに使用される高純度酸化タンタル、徐放製剤用生分解性ポリマーなどの増販を見越して、生産能力増強などの設備投資を実施してまいりましたが、スマートフォン需要の低迷など各製品の事業環境の変化による減速懸念もあり、先行きは依然不透明であります。
不動産事業は、長期にわたり安定的に収益を確保してまいりましたが、電子商取引が台頭するなか、ショッピングセンターの収益性を維持するため、適時・適切にリニューアルなどを実施する必要があります。
建材事業は、石こうボード出荷量と関連性の高い新設住宅着工戸数の漸減が予想されています。
石油事業は、低燃費車の普及、気候変動への対応強化に伴う化石燃料からの燃料転換等により、需要の減退が予想されています。
運輸事業は、景気の先行きが不透明な中、荷動きの動向にも不確実性があります。
(3) 経営戦略等
当社グループでは平成30年1月から推進してきた「中期経営計画2020」が終了しましたが、化学品セグメントの機能性材料において、世界的なスマートフォン需要の回復の遅れによる高純度酸化タンタルの販売減と、ユーザーとの共同開発による生分解性ポリマーやナノ材料において販売計画に遅れが生じたことや、自動車関連セラミック繊維向け高塩基性塩化アルミニウムなどが新型コロナウイルス感染症(CОVID-19)の影響に伴う需要減少の影響を受け、売上高目標364億円に対して301億75百万円、経常利益目標30億円に対して21億66百万円、ROE目標7.0%以上に対して5.9%と、いずれも目標を大幅に下回る結果となりました。
これらの結果を踏まえ、当社グループは、令和3年1月から3カ年を対象とする「中期経営計画2023」をスタートさせました。①成長事業への積極的投資、②既存事業の収益力向上、③経営基盤の強靭化、④コンプライアンス経営の推進、を基本方針とし、最終年度の経営目標は、連結売上高320億円、連結経常利益25億円、ROE6.0%以上としております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 成長事業への積極的投資
企業が持続的に成長するためには、新たな事業を含め成長が期待される事業への積極的な投資が不可欠です。当社が平成30年に完全人工栽培に成功した「バカマツタケ」は、生産・販売体制を早期に確立させ、事業化に向けて取り組んでまいります。また、メディカル材料、コラーゲン材料、各種酸化物ナノ材料などの開発商品についても、顧客ニーズを的確に捉えつつ、産官学連携などを通じて新規用途への展開を図り、「SDGs宣言」のテーマでもある、「社会との共通価値の創造」による事業の拡大に取り組んでまいります。
② 既存事業の収益力向上
当社グループの既存事業のうち、アグリ事業(肥料)と化学品事業(水処理薬剤)は、市場の縮小や価格競争など厳しい競争環境の中にあります。生産性向上、コスト削減及び提案型営業による販売力の強化などにより、一層の収益力向上に努めてまいります。一方で、肥料や水処理薬剤は、「SDGs宣言」のテーマでもある、「自然環境との共生」や「社会との共通価値の創造」の推進に貢献し得る商品であると考えております。なかでも、超高塩基度ポリ塩化アルミニウム「PAC700A」は、環境負荷の低減に貢献できるSDGs対応商品として積極的に提案し拡販に努めてまいります。また、長年培った技術力を活かし、海外事業にも取り組んでまいります。その他既存事業につきましても収益力の向上に努めてまいります。
③ 経営基盤の強靭化
気候変動や、新型感染症、大規模自然災害の発生など、事業環境にまつわるリスク、不確実性が高まるなかで、より強靭な経営基盤の確立が求められています。そのような環境下にあっても、ステークホルダーの負託にお応えするため、リスクマネジメントの観点をより重視し、事業継続計画(BCP)の継続的改善、労働安全衛生マネジメントシステムの構築・運用、労働環境の改善や生産性向上に関わる設備の更新・保全、製品の品質・信頼性向上に関する取り組みを進めてまいります。また、それらを強力に推し進めるため、人材育成、ダイバーシティの取り組みなどにも注力してまいります。
④ コンプライアンス経営の推進
コンプライアンスは、企業における不祥事の防止だけでなく、企業の持続的な成長を実現し、社会に必要とされる企業グループであり続けるために不可欠な経営上の重要課題です。当社グループでは、全ての役職員が法令・規程・社会規範などに沿って、常に高い倫理感とともに良識ある行動をとることができるよう、コンプライアンス教育及びコーポレート・ガバナンス体制の強化などを通じて、コンプライアンス経営を推進してまいります。上記「③経営基盤の強靭化」に加え、これらを併せて実施することにより、「SDGs宣言」のテーマでもある、「責任ある企業活動の推進」を実現してまいります。

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