有価証券報告書-第121期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「化学の革新を通して、幸せを実現し、社会に貢献する」を企業理念に掲げ、この理念を実現し企業価値を継続的に向上させるため、経営環境の変化に迅速に対応し、公正で透明性の高い企業経営を行ってまいります。
企業理念の実現に向けて、以下を「東ソーグループCSR基本方針」として共有・実践してまいります。
1.事業を通じた社会の持続可能な発展への貢献
化学を基盤とした独自の技術を深め、世界の事業パートナーとの協創を通じて、社会問題を解決し、人々の幸福に寄与する革新的で信頼性のある製品・サービスを提供します。
2.安全・安定操業の確保
事業活動にかかわる人々の安全・健康の確保と安定操業が、経営の最重要課題であることを認識し、安全文化の醸成と安全基盤の強化に真摯に取り組みます。
3.自由闊達な企業風土の継承・発展
働きがいがあり、人権と多様性を尊重する風通しの良い職場環境を育むことで、活力にあふれ、従業員とその家族が誇りを持てる企業風土を実現します。
4.地球環境の保全
化学物質管理を徹底すると共に、事業活動が地球環境に及ぼす環境負荷の最小化に
バリューチェーン全体で継続的に取り組みます。
5.誠実な企業活動の追求
コンプライアンスを徹底し、対話と協働を基本とする誠実で透明性の高い企業活動を通じて、ステークホルダーから信頼されるグローバルな企業グループを実現します。
(2)経営環境及び対処すべき課題
世界の経済・社会活動において、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が日増しに深刻度を増しており、その終息時期の見通しが立たない中、国内外の経済情勢の先行きを見極めることは困難な状況となっております。
当社グループとしましては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、需給環境の悪化は勿論のこと、原燃料価格や海外製品市況の乱高下、為替レートの急変、サプライチェーンの分断などの様々な事業環境の変化に注意を払い、迅速かつ柔軟な対応に努めてまいる所存であります。
また、2020年度は、昨年5月に公表した3ヶ年中期経営計画の2年目の年に当たります。引き続き中期経営計画に掲げた目標に向けて尽力していくことに変わりはありませんが、まずは足元で直面している新型コロナウイルス問題に対して、感染予防・拡大防止に努めるとともに、事業に及ぼす影響を最小限に抑えるべく、全社一丸となって取り組んでまいります。
[2019~2021年度 中期経営計画の概要]
当社は、2019年5月17日に、2021年度を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を公表いたしました。当該計画の概要につきましては以下のとおりです。
1. 経営方針
1.1 基本方針
□ ハイブリッド経営による収益の安定・拡大
・ コモディティ事業 : 能力増強も視野に一段の基盤強化を進め、競争力・収益力の向上を図る
・ スペシャリティ事業: 成長分野の差別化・能力増強による事業規模拡大、新規事業の育成により、収益基盤の安定・拡充を図る
□ 安全基盤の強化・安全文化の醸成
・ プラントの安全操業は社会的責務であり、全てに優先する
□ 強固な財務基盤の維持
・ 大型投資・M&Aをタイムリーに実行できる強固な財務基盤を維持する
□ 省エネ・CO2有効利用の推進
・ 省エネは社会的責務であり、不断の投資を継続する
1.2 数値目標
(億円)
| 2019年度 予想 | 2019年度 実績 | 2021年度 目標 | |
| 売上高 | 8,600 | 7,861 | 8,900 |
| 営業利益 | 950 | 817 | 1,100 |
| 営業利益率 | 11.0% | 10.4% | 10%以上 |
| ROE | ― | 10.0% | 10%以上 |
※売上高は下記前提での参考値、ナフサ価格(フォーミュラ製品)やコモディティ製品の市況変動で売上高は大きく増減
| 前提 | ドル | 110円/$ | 109円/$ | 110円/$ |
| ユーロ | 125円/€ | 121円/€ | 125円/€ | |
| ナフサ | 46,000円/kl | 42,725円/kl | 46,000円/kl |
2. 投資方針
2.1 方向性
コモディティ事業
□ 事業基盤の更なる強化
・ クロアリ基盤強化(海外新拠点の設立を含め検討、大洋塩ビ大阪工場は閉鎖)、MDIデボトル増強
・ 発電設備効率化、バイオマス混焼(省エネ推進)
□ 誘導品の更なる強化
・ 高度さらし粉、超高分子量PE
スペシャリティ事業
□ 成長分野の能力増強
・ CR、新規セラミックス材料、グリコカラム・溶離液、臭素・難燃剤
□ 需要動向見極め、半導体関連へ追加投資
・ 石英ガラス素材・加工品
インフラ関連
□ 物流インフラの強化・効率化
・ 総合物流倉庫新設、エチレン・VCM船更新
2.2 投融資計画
□ 19-21年度投資額=通常設備投資1,400億円+M&A等300億円+α:クロアリ成長投資
□ M&A枠は目安として300億円を設定、バイオ関連を中心に探索
主な設備投資計画
| ・ CR(デボトル) | ・ 半導体関連製品(増設) | ・ 発電ボイラバイオマス混焼対応 | |
| ・ 新規セラミックス材料(新設) | ・ MDI(デボトル) | ・ 総合物流倉庫(新設) | |
| ・ グリコカラム・溶離液(自動化) | ・ 高度さらし粉(S&B) | ・ エチレン・VCM船更新 | |
| ・ 臭素(S&B) | ・ 超高分子量PE | ||
| ・ 臭素系難燃剤(増設) | ・ 発電設備効率化 |
3. 研究開発の方針
□ 前中計での施策を基盤に、新製品の開発加速
□ MI技術構築による材料設計の効率化 ※MI:マテリアルズ・インフォマティクスの略
□ SDGs を踏まえた研究開発の推進
4. 財務基盤強化の方向性
□ 大型投資・M&Aをタイムリーに実行できる強固な財務基盤を維持
□ 強固な財務基盤を維持することで、安定配当の継続を実現
5. 株主還元の方針
□ 安定配当の継続が基本
□ 配当は期間業績・フリーCF・将来の事業展開等を総合的に勘案して決定
□ 配当性向30%を目安とする
≪注意事項≫
本計画は、公表時点で入手可能な情報に基づき策定したものです。従いまして、今後の国内外の経済情勢や予測不可能な要素等により、実際の業績は計画値と大幅に異なる可能性があります。
[中期経営計画の進捗]
3ヶ年中期経営計画の初年度となる2019年度の業績は、主としてウレタン原料の海外市況下落や半導体関連製品の需要伸び悩み等で2019年度の計画値を下回る結果となりました。2019年度実績の売上高は7,861億円で計画比739億円の減収、営業利益は817億円で計画比133億円の減益となっております。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響で世界経済が未曽有の危機に直面するなか、当社グループにおいては2020年度以降の業績を合理的に見積もることが困難な状況にあります。中期経営計画で示した経営・投資・研究開発・財務・株主還元等に関する3ヶ年の方針は、その方向性に変更はありませんが、計画した諸施策については、ウイルスの感染拡大状況や世界経済の動向に応じて実施時期等を適宜見直すことになると思われます。