有価証券報告書-第162期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/19 13:50
【資料】
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【項目】
209項目
(1)【人材戦略に関する基本方針等】
当社グループでは、中期経営計画の実現および企業価値の向上に向け、経営戦略と一体となった人材戦略を推進しています。人材戦略に関する基本方針として、人的資本を企業の持続的成長を支える重要な経営基盤と位置づけ、人材の能力・意欲の向上に加え、仕事の進め方や業務構造の変革を通じて価値創出を図ることを基本的な考え方としています。本項では、こうした考え方に基づく人材戦略の全体像および具体的な取組について説明します。
■基本コンセプトおよびそれを実現するための戦略
当社グループの人的資本戦略の全体像は、以下のとおりです。

本図に示すとおり、経営戦略の実現に向けて、当社グループの人的資本に関する課題は、従来から続く安定的な事業成長を前提とした、内向きで同質性が高い人的資本にあると考えています。この課題を解決し、経営戦略を実現するためには、「Pay for job」、「事業競争力強化」、「クリエイティブ人材育成」、「継続的な人材確保」を基本コンセプトに掲げ、それを実現する5つの戦略を設定しています。
具体的には、中期経営計画2030の実現を図り、またその延長線上にある当社グループの経営環境を推定すると、電子・健康・環境の成長事業においてグローバルに活躍できる人材や、厳しい環境における事業やプロジェクトを運営できる人材、M&Aのマネジメントをできる人材といった「クリエイティブ人材育成」が今後更に必要となります。現有の人的資本と将来想定される必要人材とのギャップを埋めるために、多角的な採用ルートと人材の育成を行う「会社の成長を推進する人材の採用と創出」に取り組んでいます。また事業計画に応じて毎年作成される人材計画において、将来の事業計画に対する人材の質と量に関する人材ポートフォリオをシミュレートした結果、成長事業において化学系の技術者および、グループ企業における人材不足が起こる可能性が具体的に特定されているため、グループを横断した「グループ人事体制の構築」と「成長分野、新規PJへの人材供給」にも合わせて取り組みを開始しております。また、既存の事業においては競争環境が激しくなることが想定され、「業務の生産性向上」が喫緊の課題です。この生産性向上にあたっては、従来の業務の延長ではなく、業務プロセスの見直しやDXの活用等を通じて、仕事の進め方そのものを高度化していくことが重要であると考えています。
こうした取り組みを通じて実現を目指す価値創出のサイクルは、以下のとおりです。

この取り組みにより創出された時間を、創造性や付加価値の高い業務へ再配分することで、人材の育成・活躍と事業競争力の強化を両立させていきます。
上記の価値創出サイクルを実現するためには、先に掲げた5つの戦略を着実に推進することが重要です。これらの戦略を機能させるため、2024年度の「基幹職ジョブ型人事制度」の導入に引き続き、2025年度には組合員層の人事制度改定を行い、その中において具体的な施策を展開しています。施策の内容は個々の従業員の生活コストに寄り添ってきた従来型の賃金制度から、仕事による会社への貢献度を強く意識した評価・賃金制度にシフトする「Pay for job」を念頭に置いた設計となっており、新しく設けられた複線型のコース制度の下、従業員が貢献に応じて正しく評価されることで、公平に熱意高く働けるようにすることを中心としています。
このような施策は「クリエイティブ人材育成」の後押しとなり、また、流動化している労働市場において、「継続的な人材確保」を行っていくために魅力的な施策となっていくことを見込んでいます。当社グループのマテリアリティにも掲げている多様性への取り組みも、昨今の労働市場の強いニーズの一つである事は充分に認識しているところであり、「知恵と経験の多様性確保」を実施しています。
本取り組みにより、人材と仕事の双方の変革を通じた価値創出の好循環を定着させ、企業価値の向上につなげていきます。なお、新たに策定されたマテリアリティにおいても「人的資本の活用」が重要課題として位置づけられており、引き続き重要課題として取り組んでまいります。
また、この循環を支える人事基盤として、評価・処遇制度の整備を進めており、従業員の給与(賞与を含む)その他の給付については、各職務の役割・責任および成果に応じて決定することを基本としています。
■ベースとなる戦略
サステナブルな企業成長に繋げていくためには、労働市場のニーズに合った人材体制を整えることも必要です。少子高齢化により労働力が減少した日本の労働市場から優秀な人材を確保し、当社グループの中で成長・活躍するための基盤整備は、多様性確保への取り組みに加えて、「従業員エンゲージメント向上」であると捉えており、これらの課題に積極的に取り組むことで、投資市場からも昨今において注目度が高い企業成長を支える優秀な人的資本の安定的な確保を実現します。
当社では、2023年度からエンゲージメント調査を開始し、継続的に実施しております。直近の調査では全従業員の91.1%が設問に回答し、回答結果からエンゲージメントに関わる課題を明らかにしました。一般的に日本企業に欠けているとされている仕事への熱意の不足については当社も同様の傾向が見受けられたことから、2024年度より、課題が多い職場を中心に現場主導での改善施策に着手しています。2025年度においても調査および取り組みを継続しており、その結果も踏まえながら、より実効性の高い施策となるよう継続的に状況の把握と改善のサイクルを推進してまいります。
最近ではDXの発展に伴い人事関連業務においても、タレントマネジメントシステムなどを利用したデータ活用が盛んになっています。当社においては既にタレントマネジメントシステムを導入済みですが、2024年度から導入した管理職ジョブ型人事制度とのシナジーを追求し、各管理職ポストに必要なスキルや経験を見える化し、個々人が保有するスキルとマッチングさせることで、経営戦略実現に重要な管理職ポストに対する戦略的な人材配置と、適正な後継者計画を策定しております。このような「人的資本データの見える化と活用」により科学的で戦略的な人材配置を実現するとともに、各戦略がしっかりと進捗していることを示す推進・定着をモニタリングする「KPI設定」を行う事で着実に人的資本経営を展開します。
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