有価証券報告書-第161期(2024/04/01-2025/03/31)
② 戦略
中期経営計画2025には、インターナルカーボンプライシングの導入による炭素コストの見える化の影響、顧客の調達方針の変更による影響、金融・投資会社の方針変更による資金調達への影響といった「リスク」と、環境領域での新たな「事業機会」を織り込んでいます。また、IEA(国際エネルギー機関)作成のNZE等の移行リスクシナリオ、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のRCP8.5やSSP-7.0等の物理リスクシナリオを参照し、現時点から2050年までの時間軸で、1.5℃シナリオと4℃シナリオの分析を実施しました。エネルギー多消費型から価値創造型企業への事業ポートフォリオ転換によって、気候変動のリスクを低減しつつ、有望な事業機会の収益化を目指します。
a)短期・中期・長期の気候関連のリスクと機会 および c)組織戦略のレジリエンス
2021年度より気候変動による当社グループのリスクと機会の分析を行っています。2022年度は、それらリスクや機会が当社に及ぼす財務への影響度、発生時期、事業への影響度、優先順位を評価しました。その結果を基に2023年度から具体的な対策の検討を進め、実施しています。
リスク分析とそれに基づく具体的な対策を定期的に見直すことにより、組織戦略のレジリエンスを高めています。
[気候変動によるリスク(シナリオ分析)]
短期:~2025年度 中期:~2030年度 長期:~2050年度
[気候変動による機会(シナリオ分析)]
短期:~2025年度 中期:~2030年度 長期:~2050年度
b)事業、戦略、財務計画に及ぼす影響
気候変動による機会の分析から、環境領域での新たな「事業機会」の検討についても、より内容を具体化すると共に、時間的範囲、財務への影響度、優先順位を評価しました。
[気候変動による事業機会の検討]
短期:~2025年度 中期:~2030年度 長期:~2050年度
中期経営計画2025には、インターナルカーボンプライシングの導入による炭素コストの見える化の影響、顧客の調達方針の変更による影響、金融・投資会社の方針変更による資金調達への影響といった「リスク」と、環境領域での新たな「事業機会」を織り込んでいます。また、IEA(国際エネルギー機関)作成のNZE等の移行リスクシナリオ、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のRCP8.5やSSP-7.0等の物理リスクシナリオを参照し、現時点から2050年までの時間軸で、1.5℃シナリオと4℃シナリオの分析を実施しました。エネルギー多消費型から価値創造型企業への事業ポートフォリオ転換によって、気候変動のリスクを低減しつつ、有望な事業機会の収益化を目指します。
a)短期・中期・長期の気候関連のリスクと機会 および c)組織戦略のレジリエンス
2021年度より気候変動による当社グループのリスクと機会の分析を行っています。2022年度は、それらリスクや機会が当社に及ぼす財務への影響度、発生時期、事業への影響度、優先順位を評価しました。その結果を基に2023年度から具体的な対策の検討を進め、実施しています。
リスク分析とそれに基づく具体的な対策を定期的に見直すことにより、組織戦略のレジリエンスを高めています。
[気候変動によるリスク(シナリオ分析)]
| シナリオ | リスク区分 | リスクの 評価対象 | 当社グループへの影響(財務) (特定されたリスク) | 財務への影響度 | リスク 発生時期 | 事業への影響度 | 優先順位 | 対応策 |
| 1.5℃ | 政策 法規制 | カーボンプライシングとエネルギー調達コスト | ・カーボンプライシング強化に伴う操業コストの増加 | 大 | 中期~長期 | 大 | 高 | ・燃料転換(バイオマス、アンモニア)によるGHG排出量削減の取り組み ・インターナルカーボンプライシング導入によるGHG排出量削減施策の促進 ・GXリーグへの参画によるGX実現に資する取り組みの強化 |
| ・GHG排出規制強化による対策コストの増加 | 大 | 中期~長期 | 大 | 高 | ||||
| 技術 | グリーン化対応 | ・グリーン化にともなう生産・調達コストの増加 | 大 | 中期 | 大 | 高 | ・周南コンビナートにおけるアンモニアサプライチェーンの構築検討 ・サプライヤーとの関係構築による認証バイオマス燃料の安定調達 ・ブラックペレットの開発 ・製品カーボンフットプリント(CFP)の算定 ・グリーン製品の価値訴求 | |
| ・技術・市場が成熟していないことによるグリーン材料調達・グリーンプロセス切り替えコストの増加 | 大 | 中期~長期 | 大 | 高 | ||||
| 評判 | ステークホルダーからの評価 | ・取り組み劣後との評価による市場価値の下落、資金調達コストの増加 ・石炭火力発電設備停止・廃止を求める住民訴訟リスク ・バイオマス燃料のサステナビリティリスク | 大 | 中期~ 長期 | 大 | 高 | ・開示情報の充実とGHG排出量削減の着実な取り組み ・地域社会との対話 ・事業ポートフォリオの転換 ・認証バイオマス燃料の調達 | |
| 市場 | 顧客によるグリーン調達の浸透 | ・GHG多排出製品と評価されることによる市場からの排除 ・グリーン化コストの価格転嫁が適正にできないことによる収益悪化 | 大 | 中期~ 長期 | 大 | 高 | ・省エネ・燃料転換等による着実なGHG排出量削減 ・マスバランス認証取得の検討 ・グリーン市場形成のためのサプライチェーン連携強化 ・CFP評価システム構築 | |
| グリーン市場の拡大に追随できないことによる機会損失 | ・グリーンサプライチェーン構築の遅れによる機会損失 ・サーキュラーエコノミー、カーボンリサイクル分野への進出の遅れによる機会損失 | 大 | 中期~長期 | 大 | 高 | ・施策の遅滞ない推進 |
| シナリオ | リスク区分 | リスクの 評価対象 | 当社グループへの影響(財務) (特定されたリスク) | 財務への影響度 | リスク 発生時期 | 事業への影響度 | 優先 順位 | 対応策 |
| 4℃ | 物理 リスク (急性) | 異常気象の激甚化/海面の上昇 | ・風水害による生産設備への浸水被害、サプライチェーンの寸断などによる生産計画の遅延やコスト増加 | 中 | 長期 | 中 | 中 | ・BCP対応を拡充 |
| 物理 リスク (慢性) | 長期的な異常気象の激甚化/海面の上昇 | ・平均気温上昇によるプラントの冷却能力不足による生産能力減少 ・海面上昇に伴う高潮の発生による稼働停止 | 小 | 長期 | 小 | 低 | ・設備改造等による能力維持 |
短期:~2025年度 中期:~2030年度 長期:~2050年度
[気候変動による機会(シナリオ分析)]
| シナ リオ | 機会 区分 | 機会の 評価対象 | 当社グループへの影響 | 影響度 | 時間的 範囲 | 優先 順位 | 対応策 |
| 1.5℃ | 市場 | 環境産業の 需要拡大 | 廃棄物処理・資源有効利用産業の拡大、地球温暖化対策産業の拡大 | 大 | 中期~ 長期 | 高 | ・再生可能資源・エネルギーの事業化 |
| 地域・コンビナートのカーボンニュートラル化 | エネルギー・マテリアルの大規模グリーンサプライチェーン化推進による拠点競争力の強化 | 大 | 中期~ 長期 | 高 | ・周南コンビナート脱炭素推進協議会を通じたグリーンサプライチェーンの構築、技術開発の積極参画と推進 | ||
| 資源 効率 | CCU関連製品・サービスの要請 | カーボンリサイクルシステムの確立による新たな事業分野への進出 | 大 | 中期 | 高 | ・研究開発、実証実験を加速し、実ビジネスへの実装を加速 |
短期:~2025年度 中期:~2030年度 長期:~2050年度
b)事業、戦略、財務計画に及ぼす影響
気候変動による機会の分析から、環境領域での新たな「事業機会」の検討についても、より内容を具体化すると共に、時間的範囲、財務への影響度、優先順位を評価しました。
[気候変動による事業機会の検討]
| シナリオ | 顕在化する事象 | 事業機会 | 製品・技術 | 時間的 範囲 | 財務 影響度 | 優先 順位 |
| 1.5℃ | 低炭素水素の普及 | ・水電解設備への需要急増 ・水素需要・流通の拡大 | 水電解装置 食塩電解装置の拡販 水素キャリア(水素化マグネシウム) | 中期~長期 | 中 | 高 |
| モビリティの電動化の拡大 | ・リチウム電池の需要拡大 ・放熱材料の需要拡大 | イオン交換膜 放熱材料 | 短期~中期 | 中 | 高 | |
| 急速なデジタル化 | ・半導体需要の拡大 | 多結晶シリコン フォトレジスト用現像液 CMP用乾式シリカ 電子工業用高純度IPA 放熱材料など | 短期 | 大 | 高 | |
| 循環型社会の形成 | ・廃材、廃棄物の再資源 化の需要増 | 廃石膏ボードリサイクル技術 イオン交換膜 バイオマス燃焼灰の有効活用(CCUS) カーボンネガティブコンクリートの開発 | 短期 | 小 | 中 | |
| ・太陽光パネル 大量廃棄への対応 | 太陽電池モジュール リサイクル技術 | 中期 | 小~中 | 中 |
短期:~2025年度 中期:~2030年度 長期:~2050年度