有価証券報告書-第165期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/20 13:49
【資料】
PDFをみる
【項目】
154項目
(4) リスク管理
サステナビリティ委員会は、経営計画「Mission 2030」のサステナビリティに係る活動指標と目標を、担当する担当部門から報告を受けて審議と提言を行い、取締役会への報告を行います。重要なテーマである気候変動問題と人権尊重の取り組みに関わるリスク管理および統合リスクマネジメントについては、以下の通り実施しており、さらにこれらの取り組みを推進いたします。
(a) 気候変動(TCFD)
中長期の気候変動問題への対応については、取締役会による監督の下、サステナビリティー推進担当執行役員が統括しています。デンカグループは、2050年までに地球温暖化を1.5℃未満に抑えることを目指す「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」の提言に、2020年9月に賛同を表明しました。
事業を通じた「リスク・機会」をシナリオ分析により特定すると共に、基本方針や重要施策、管理指標の設定及び評価などの重要事項を、サステナビリティ委員会で議論した後、取締役会が意思決定を行います。

気候変動に伴うシナリオ分析に基づく、デンカとしてのリスクと機会の抽出
シナリオリスク/機会TCFD分類項目想定影響度デンカ該当事業部(想定該当製品)該当事業分野への影響対策
1.5℃未満リスク政策・法規制炭素税の導入及び排出権取引制度の導入全部門排出量全体及び/または排出枠上限超過排出分に関わるコスト負担増CO2排出量削減に向けた省エネ対応や、新技術導入による非エネルギー起源CO2の削減
バイオ由来原料の導入比率設定や義務化プラスチック資源循環(廃棄物削減)の要請の拡大ポリマーソリューション電子・先端プロダクツエラストマー・インフラソリューション他素材への代替進行バイオ由来原料導入の結果、製品物性の低下、コスト負担増ケミカルリサイクルの導入によるスチレン系樹脂の資源循環推進、バイオポリマー配合製品への置換、物性改良、コストダウン
技術・評判製造時にCO2を大量に排出する製品の脱炭素要請及び世界的なCCUS(二酸化炭素回収・有効利用・貯留)推進エラストマー・インフラソリューション(セメント製品、特殊混和材、カーバイド、クロロプレン)製造コストの増加他素材への代替進行カーボンフットプリント評価の迅速な導入による情報開示CO2排出量削減に向けた省エネ対応や、新技術導入による非エネルギー起源CO2の削減事業所毎に周辺企業、自治体との協業を模索
機会資源の効率性LCA(ライフサイクルアセスメント)およびカーボンフットプリント面で優位な技術の台頭電子・先端プロダクツ(放熱材料)他素材への代替進行EU圏への輸出に支障が出る可能性需要に即した生産能力拡大カーボンフットプリント算定を推進・開示、製品製造時のCO2削減
エネルギー源クリーンエネルギーへの転換進行全部門再エネ比率・水素活用の拡大水力発電能力の拡大、水素エネルギー利用と水素製造(水の電気分解)の検討
製品 /サービス電気自動車の普及に伴う既存製品の拡売と関連部品の開発電子・先端プロダクツ(EVに搭載されるパワーコンディショナー、電池に関連する窒化ケイ素セラミック基板、球状アルミナ、放熱材料、アセチレンブラック等)エラストマー・インフラソリューション(LiB用断熱・延焼防止材向けアルセン、非晶質シリカペーパー)電気自動車関連部材製品の需要増本用途への事業性見極め、量産、拡販内燃機関部材製品の需要減需要に即した生産能力拡大要求性能の確認、他社連携推進、収益性を含めた事業性判断設備投資、新製品開発EV関連の新規用途への展開
再エネ電力供給システムの整備電子・先端プロダクツ(アセチレンブラック)エラストマー・インフラソリューション(電力ケーブル)蓄電池および送電網整備に使用される部材の需要増加需要に即した生産能力拡大、更なる高機能製品の開発
4℃リスク物理リスク降水パターン変化による渇水や台風・大雨・洪水などによる水害甚大化による生産設備の損傷・工場の操業停止、SC(供給網)の寸断全部門生産設備の復旧費用負担および操業停止に伴う機会利益の喪失原料調達先及び製品需要家の生産設備の損傷に基づく当社生産・販売活動の停滞想定災害レベルの見直し(激甚化)に基づく設備保全対策の強化サプライチェーンの多様化
機会製品 /サービス気温上昇による熱中症と感染症の増加(新たな感染症の出現)ライフイノベーション新たな感染症を含む検査薬・ワクチンの需要増加新検査薬・ワクチンの開発
自然災害甚大化に対応するインフラ整備の要請増加エラストマー・インフラソリューション防災・減災に関連するインフラ関連製品・サービスの需要拡大需要に即した生産能力拡大、更なる高機能製品の開発


(b) 人権尊重の取り組み
デンカグループESG基本方針では、人権の尊重の条項として、「デンカグループは、強制労働の撤廃、児童労働の実効的廃止、雇用と職場に関する差別の排除、労働者の結社の自由と団体交渉権の承認を含め、グループの事業に関わるすべての人々の人権を尊重するとともに、人権意識の啓発と向上に努め、企業責任を果たすために行動します。」を掲げています。
2023年度は、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」並びに「グローバルコンパクト」に則した「デンカグループ人権方針」を2023年9月に取締役会承認を経て制定しました。更に、デンカグループが取り組むべき重要人権リスク特定のためのヒアリングを実施し、優先的に取り組むべきリスク項目の特定を進めています。
今後はリスク特定とその軽減を進めるとともに、人権デュー・ディリジェンスプロセスの確立に向けた取り組みを行っていきます。
(c)統合リスクマネジメント
当社は、気候変動(TCFD)に関連した社会のレジリエンスの要請の高度化、人権尊重の高度化を含む急速な社会変化、めまぐるしい事業環境の変化や本格化する事業ポートフォリオ変革など、事業をめぐる不確実性が増大する中でも、これらの不確実性を自社の成長の機会と捉え、サステナビリティへの取り組みと事業活動とを統合していきます。これらの取り組みに際し、デンカグループを取り巻くさまざまなリスクを適切にコントロールし、資本コストを最小化していくため、当社は、社長を委員長とするデンカグループ・リスクマネジメント委員会を組織しております。同委員会は、統合リスクマネジメント(ERM)の仕組みと年間を通じた諸活動を通じて、デンカグループのリスク管理体制の強化を図っています。
デンカグループ・統合リスクマネジメント体制図

デンカグループ・リスクマネジメント委員会は、具体的な、リスクの識別・評価、リスクの管理、サステナビリティ推進活動への統合を、以下の手順で実施しています。
① リスクの識別・評価: 化学業界にある当社にとって脅威と考えられる56の主要なリスク項目を抽出し、それぞれのリスクを、❶発生頻度 ❷影響度 ❸対策度合い の評価軸を用いて5段階で評点化し、更にリスクオーナーとのディスカッションを経て最終的にデンカグループにとっての重大リスクを選定します。2023年度に、下表の10大重要リスクを抽出しています。
②リスクの管理: 重大リスクに対しては、課題の把握とリスク対策の進捗を継続的にモニタリングすることにより、リスク顕在時における業績への影響低減に努めています。とりわけ事業継続の脅威となる「大震災の発生リスク」に対しては、社長を含む経営陣に対し、リアルタイム、机上型の訓練を実施し、震災発生時の迅速な対応への感応度を高めています。
③ 全体への統合: また、デンカグループ・リスクマネジメント委員会は、リスク低減への取り組み状況を、気候変動(TCFD)や人権尊重への取り組みと併せて、定期的に取締役会へ報告しており、それぞれがサステナビリティ推進における機軸として認識されています。同委員会は、年間を通じてこれらのリスク低減活動を実施し、その結果を分析して翌年度のERM実施計画に反映しております。これらの一連の活動により、デンカグループのリスク管理が統合される仕組み・プロセスとなっています。
デンカグループ10大重要リスク一覧
リスク項目
❶震災(地震・津波)
❷第三者による当社への重大な犯罪(国内におけるテロ、放火、脅迫等)
❸グループガバナンスの失敗
❹業務上の事故(工場における火災・爆発など)
❺サイバー攻撃による情報システム全般の障害
❻製品・サービス品質不良によるトラブル(製品事故、薬害、大規模食中毒、異物混入、大規模リコール等)
❼グローバルコンプライアンス違反
❽経済危機・景気変動・為替変動
❾戦争や政変などによる輸出事業展開などの不能
❿気候変動リスク


統合リスクマネジメント(ERM)の全体図

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。