有価証券報告書-第95期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/28 13:09
【資料】
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【項目】
178項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当期末における重点施策の進捗状況
当期からスタートしました中期経営計画「Grow UP 2023」では、新理念体系「MGC Way」のもと「環境変化に強い収益構造への転換」と「社会的価値と経済的価値の両立」を目標に掲げ、これらを実現するために、それぞれ3項目からなる施策を進めていきます。
中期経営計画 「Grow UP 2023」
●目標1
環境変化に強い収益構造への転換 ~事業ポートフォリオ改革~
■施策
-競争優位(“差異化”)事業の更なる強化
-新規事業の創出と育成の加速
-不採算事業の見直し・再構築
本計画では事業ポートフォリオ改革推進のため、事業区分の見直しを行い、競争優位性と成長性を有する事業を「差異化事業」と分類しました。当社グループは、差異化事業として、メタキシレンジアミン(MXDA)、MXナイロン、芳香族アルデヒド、ポリアセタール(POM)といった化学品・素材製品、さらにはエレクトロニクスケミカルズ、BT系材料、光学樹脂ポリマー、超高屈折レンズモノマーといった機能製品まで幅広く事業を展開しており、今後も重点的に経営資源を投じ、収益力を更に強化します。
当期においては、MXDAの当社100%製造子会社となるMGC SPECIALTY CHEMICALS NETHERLANDS B.V.社をオランダ王国ロッテルダムに設立したほか、当社のPOM事業等を一体的な運営によって更に強化することを目指し、当社の完全子会社であるグローバルポリアセタール株式会社へ承継することを決定いたしました。加えて、基盤事業であるポリカーボネート(PC)事業の競争力向上を目的に、当社の持分法適用会社である三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社の株式25%を2023年4月3日付で追加取得し、連結子会社化することを決定いたしました。
さらに「新規事業の創出と育成の加速」に取り組みます。当期においては、積極的な研究開発投資を進め、研究人員の増員も行うとともに、プリプレグ製品による米国複合材料市場の開拓に向け、当社子会社であるMITSUBISHI GAS CHEMICAL AMERICA, INCに「NEXX Technologies Advanced Materials Business Unit」を設置しました。
不採算事業の見直し・再構築に関する取り組みでは、2022年8月を目途として四日市工場のホルマリンの生産停止を、2023年5月を目途として新潟工場におけるホルマリン、パラホルム、ヘキサミンの生産停止を決定しました。水島工場のトリメチロールプロパンの生産停止に続き、ホルマリン・ポリオール系製品群の見直し・再構築を進めております。一方、株式会社J-ケミカルの株式取得・完全子会社化により、ホルマリン原料から木質系接着剤までの一貫生産体制の構築(2022年4月よりJ-ケミカルとユタカケミカルは合併し、MGCウッドケムへ社名を変更)による競争優位を獲得し、ホルマリン事業の安定的な収益基盤への転換を目指しております。
これらの施策の実施により、環境変化に強い収益構造への転換を図ります。具体的には、2023年度の差異化事業の売上高を全体の40%以上、不採算・要再構築事業の売上高を全体の3%未満にすることを目指します。
●目標2
社会的価値と経済的価値の両立 ~持続的成長に向けて~
■施策
-事業を通じた社会課題の解決
-価値創造と環境保全の調和
-事業活動を支える規律・基盤の強化
社会的価値と経済的価値の両立に向けて、3つの施策を遂行してまいります。
当社は2020年4月に経営として取り組むべき最重要課題(マテリアリティ)を特定しましたが、中期経営計画策定に合わせ、マテリアリティマネジメントの確実な進捗を図るべく、新たに2030年度目標を設定し、これらの目標に向けた2023年度KPIを設定いたしました。具体的には、大気保全に向けたGHG排出量削減や、エネルギー・気候変動問題解決に向けた投融資額・研究開発費等に関してKPIを設定しています。以上のようなマテリアリティマネジメントを通じて持続的成長へつなげていきます。
「社会と分かち合える価値の創造」の追求:マテリアリティKPI/SDGsターゲット
マテリアリティKPI項目SDGs(ターゲット)との関連
区分要素KPI項目2023年度目標2030度年目標
価値の創造
(CSV)
事業を通じた貢献
・ICT・モビリティ社会発展
・エネルギー・気候変動問題解決
・医療・食糧問題解決
ICT・モビリティ用途売上高3,200億円
(連結)
デジタル革新を加速する新規事業の創出0102010_001.jpg3.60102010_002.jpg9.4
エネルギー・環境問題解決への貢献投融資:120億円
(連結:2021~2023年累計)
投資:取得、融資:決裁ベース
カーボンネガティブ技術の
事業化
0102010_003.jpg9.4
医療・食糧用途売上高500億円
(連結)
・予防・予測医療の高度化、健康寿命の向上
・食品保存技術のさらなる高度化
0102010_004.jpg3.80102010_005.jpg12.3
価値創造の
基盤
(S)
働きがいのある企業風土の醸成年次有給休暇取得10日未満の割合※1 ※2ゼロ%ゼロ%0102010_006.jpg8.5
8.8
労働安全衛生・保安防災重大労働災害※1 ※3ゼロ件ゼロ件0102010_007.jpg3.9
重大事故※1 ※4ゼロ件ゼロ件
省資源・省エネルギー・高効率による生産GHG排出原単位
基準年:2013年度※1
19.9%削減28.0%削減0102010_008.jpg7.3
新しい価値を生み出す研究開発の推進気候変動問題解決のために投じる研究開発費※15%以上7%以上0102010_009.jpg9.5
価値創造と
環境保全の
調和
(E)
環境問題の積極的・能動的対応
・大気保全
・水保全
・生物多様性保全
・廃棄物削減
GHG排出量
基準年:2013年度※1
28.0%削減36.0%削減0102010_010.jpg13.2
購入電力の再生可能エネルギー
導入率※1
10%50%0102010_011.jpg7.2
廃棄物ゼロエミッション率※10.3%以下0.15%以下0102010_012.jpg12.5

※1 単体ベース
※2 年休付与日数が20日の社員について
※3 休業災害であって、死亡災害、永久労働不能災害を伴うなど障害補償の対象になった、又はその可能性のある障害、休業日数が4日以上であるもの
※4 地域に係る環境汚染や地域住民が被災するなど第三者に脅威を与える事故、重大労災を伴う事故
② 今後の取り組み
長引く新型コロナウイルス感染症に伴う経済活動の制限や、半導体不足に伴う生産活動への影響に加え、直近ではウクライナ情勢を巡る地政学リスク等、先の読めない事業環境が続いておりますが、今後も本計画の掲げた経営目標の達成に向け、当社グループ一体となって邁進していきます。
具体的には、目標1「環境変化に強い収益構造への転換」を達成すべく、MXDA、エレクトロニクスケミカルズ、BT系材料をはじめとした差異化製品を中心に積極投資を継続し、経営資源の優先配分を進めるとともに、PC系製品やメタノールを始めとした他の基盤製品についても、更なる高付加価値化・効率化に向けた施策を推進してまいります。また、採算性に課題のある事業については、ホルマリン・ポリオール系事業を中心に、引き続き構造改革・見直しを進め、不採算・要再構築事業からの脱却を目指します。加えて、新規・次世代事業の創出と育成に向け、R&D資源の積極投入を進めてまいります。
また、目標2「社会的価値と経済的価値の両立」の実現に向け、当社グループが掲げる自らのミッション「社会と分かち合える価値の創造」のもと、マテリアリティマネジメントを通じ、持続的成長へつなげていきます。特にカーボンニュートラルに向けた取組みは、当社経営戦略上の最重要項目の一つであり、当社ならではの特色ある技術を活用し、カーボンニュートラルに貢献する製品・技術の開発を推進し、GHG排出量削減にも取り組んでまいります。
◆ご参考: TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に基づく情報開示、海洋プラスチック問題等への対応
当社は、2019年5月にTCFDの提言に賛同しました。気候変動が当社グループに及ぼすリスクと機会を評価し、シナリオ分析を通じてレジリエンスを強化するとともに、ステークホルダーとの健全な対話を推進していきます。2021年度のシナリオ分析は、ポリカーボネート事業、MXDA事業について実施し、脱炭素シナリオにおいてリサイクル等の課題に取り組むことで財務影響を低減できることを確認しております。
気候変動リスクなどのCSR重要課題は、本社管理部門長が参画する諮問機関での検討を踏まえ、社長を議長とし、社外を含む全取締役を主構成員として、監査役等も参加する「CSR会議」で審議・決定されます。
当社は気温上昇を2℃以下に抑え込むべく、2022年3月に三菱ガス化学グループの2050年カーボンニュートラル達成の目標を発表しました。
当該取り組みに強みを有する当社既存事業からの展開や研究開発力を生かし、その他の当社グループ事業や社外との協働も進め、移行段階ではGHG排出の少ないLNG発電による電力の活用や、再生可能エネルギーの導入、カーボンフリーエネルギーシステム・CCUS(※)の実装等を具体的な削減施策とし、2030年には目標である36%を削減、そして2050年カーボンニュートラル達成に向け邁進してまいります。
そのほか、海洋プラスチック問題に代表されるように、プラスチック使用後の処理・再利用における問題が世界的に認識されつつあります。当社グループは、リサイクル、循環を念頭に、リサイクル技術の開発、リサイクルが容易な素材の技術開発、分解しやすいバイオプラスチックの開発などを進めるほか、当社グループ製品を顧客が使用した際に発生する廃材について、自ら回収・リサイクルするなど取り組みを進め、また、業界団体での同種の取り組みにも積極的に参画するなどして、この問題に対応していきます。
※:CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage):排出した二酸化炭素を回収・貯留する技術、および貯留した二酸化炭素を化学品原料等に利用する技術
(本資料に関する注意事項)
この「対処すべき課題」に記載されている計画、目標等の将来に関する記述は、作成時点において当社が入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいて判断したものであり、不確実性を内包するものです。実際の業績等は、様々な要因により、こうした将来に関する記述とは大きく異なる可能性があります。

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