有価証券報告書-第94期(平成28年1月1日-平成28年12月31日)
近年、特に日本においては、医療費抑制策の進展に伴う後発医薬品の浸透、薬価制度の大幅な改定により医薬品市場の伸びが鈍化しており、研究開発志向型の製薬企業は、その収益の源泉を長期収載品から新薬へ、国内からグローバルへと転換のスピードを早めなければなりません。
このような環境下で、当社グループは、2016年1月公表の5ヵ年中期経営計画で示したように、「グローバル・スペシャリティファーマへの飛躍」をテーマに、「グローバル競争力の向上」、「イノベーションへの挑戦」、「卓越した業務プロセスの向上」、「健康と豊かさの実現」の4つの戦略課題の達成に取り組んでまいります。
当該計画においては、最終年度(2020年12月期)の経営目標を、コア営業利益1,000億円以上、海外売上高比率50%、ROE 10%以上と掲げております。
注. コア営業利益:営業利益+のれん償却額+持分法投資損益
ROE :のれん償却前当期純利益÷((期首自己資本+期末自己資本)÷2)
第一の戦略課題である「グローバル競争力の向上」では、グローバル戦略品の一つであるKRN23の欧米上市を実現させ、世界の人々の健康と豊かさへの貢献に向けて取り組んでまいります。KRN23は、米国では6月に米国食品医薬品局(FDA)より画期的治療薬の指定を受け、欧州では年末に欧州医薬品庁(EMA)より承認申請が受理されるなど、欧米においての承認取得の期待が高まっており、早期上市の実現とその価値最大化に向けた取り組みを確実に推進してまいります。また、喘息及び慢性閉塞性肺疾患で開発中のベンラリズマブ(KHK4563)は、アストラゼネカ社へ導出しており、今後は技術収入という形で海外売上への貢献が期待されます。経済成長の続くアジアでは、中国における将来の安定的な成長へ向けた事業基盤の強化を進めるとともに、韓国、台湾、シンガポール、タイなど各国・地域の現地法人は、それぞれの国情や環境変化に応じた事業戦略を進めていきます。
第二の戦略課題である「イノベーションへの挑戦」では、腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経の4つのカテゴリー別に設けた各研究所にて疾患及び患者ニーズを深耕して得られた知見と、当社の強みである抗体医薬をはじめ、低分子医薬、核酸医薬、再生医療の領域で培ってきた最先端の創薬基盤技術やオープンイノベーションによる外部技術を組み合わせることで、新薬創出型の製薬企業として魅力あるパイプラインの構築を目指します。また、後期開発ステージにある新薬パイプラインでは、血液透析施行中の二次性副甲状腺機能亢進症で開発中のKHK7580、切除不能肝細胞癌で開発中のARQ 197、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病で開発中のRTA 402などが順調に計画された目標を達成しており、早期の承認申請、上市に向けた活動を加速してまいります。また、近年注目を集める腫瘍免疫分野でも、KW-0761(日本製品名「ポテリジオ」)を中心に他剤との併用試験を推進していきます。
さらに、第三の戦略課題である「卓越した業務プロセスの向上」では、研究開発から製造・販売まで一貫した各機能の更なる連携強化を進め収益力の向上を図るとともに、グローバルガバナンス体制の構築やコンプライアンス意識の徹底など、信頼される企業としての成長を目指します。特に日本では、地域の医療に貢献していくエリア戦略を加速し、質の高い医療情報を提供しています。さらに、製薬会社の責任として、医薬品という高い品質が求められる製品を安定的に供給するために、生産技術を更に磨きより信頼性の高い生産体制を構築してまいります。また、「スマートワーク」の推進、多様な人材がお互いを尊重しながら活躍できる環境づくりなどの取り組みをさらに強化してまいります。
第四の戦略課題である「健康と豊かさの実現」では、アンメット医療ニーズを充足する革新的医薬品の創出、適応拡大・剤形追加や高品質な製品の安定供給を実施しつつ、医療費抑制策に対する社会的要請への対応策を実施してまいります。当社ではこの取り組みを、社会との共有価値を創生する「CSV(Creating Shared Value)経営」と位置付け、多様化する医療ニーズに貢献してまいります。
富士フイルム株式会社との合弁事業であるバイオシミラー事業は、高品質でコスト競争力にも優れた医薬品の世界市場への展開を目指した開発を進めております。アダリムマブのバイオシミラー医薬品FKB327では、販売戦略を含めた事業提携にも鋭意取り組んでおり、今後、欧米での申請作業を進めてまいります。また、アストラゼネカ社と提携したベバシズマブのバイオシミラー医薬品FKB238についても、国際共同治験が順調に進捗しております。
診断薬事業は、個別化医療や予防医療が進展していく中で今後ますますその重要性が大きくなり、ヘルスケア領域での新しい事業機会の可能性も高まるものと考えられます。協和メデックス株式会社では、日本にて、新製品となる原発性アルドステロン症の診断試薬の承認の取得に加えて、ビタミンD欠乏性のくる病、骨軟化症診断試薬の保険適応を取得し販売を開始しました。また海外においては、FGF23診断薬や便潜血診断の米国における事業展開の準備を進めており、各種疾患の治療に必要な先進の診断薬・診断機器を提供してまいります。
バイオケミカル事業では、医薬・医療・ヘルスケア領域のスペシャリティ分野での高いシェアを活かし、「収益基盤の強化」と「健康を基軸とした価値提供」を重要課題として取り組みます。生産拠点の再編に関しては、山口事業所(宇部)から同事業所(防府)に生産を移管する品目に関し、2016年中に防府の新設備での試験製造を無事に完了しました。また、健康を基軸とした価値提供では、米国から世界に展開するマーケティング戦略の一環として、米国現地法人作成の情報誌「aminoscope」を世界の顧客に届けました。引き続き、生産拠点の再編により、工場生産性の向上を図るとともにブランディング品目の更なる価値向上、通信販売事業におけるお客様との関係づくりの強化を進めます。また、機能性データの提供及び知的財産権の活用により、全てのお客様の健康にとって単なる素材・物質以上に価値あるものを供給していきます。
当社グループは、「ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。」というグループ経営理念を掲げ、新薬開発を中核に、バイオシミラー、診断薬、バイオケミカルの各事業を総合したユニークな医薬事業モデルを追求し、新しい中期経営計画で掲げた「グローバル・スペシャリティファーマへの飛躍」を進めてまいります。
このような環境下で、当社グループは、2016年1月公表の5ヵ年中期経営計画で示したように、「グローバル・スペシャリティファーマへの飛躍」をテーマに、「グローバル競争力の向上」、「イノベーションへの挑戦」、「卓越した業務プロセスの向上」、「健康と豊かさの実現」の4つの戦略課題の達成に取り組んでまいります。
当該計画においては、最終年度(2020年12月期)の経営目標を、コア営業利益1,000億円以上、海外売上高比率50%、ROE 10%以上と掲げております。
注. コア営業利益:営業利益+のれん償却額+持分法投資損益
ROE :のれん償却前当期純利益÷((期首自己資本+期末自己資本)÷2)
第一の戦略課題である「グローバル競争力の向上」では、グローバル戦略品の一つであるKRN23の欧米上市を実現させ、世界の人々の健康と豊かさへの貢献に向けて取り組んでまいります。KRN23は、米国では6月に米国食品医薬品局(FDA)より画期的治療薬の指定を受け、欧州では年末に欧州医薬品庁(EMA)より承認申請が受理されるなど、欧米においての承認取得の期待が高まっており、早期上市の実現とその価値最大化に向けた取り組みを確実に推進してまいります。また、喘息及び慢性閉塞性肺疾患で開発中のベンラリズマブ(KHK4563)は、アストラゼネカ社へ導出しており、今後は技術収入という形で海外売上への貢献が期待されます。経済成長の続くアジアでは、中国における将来の安定的な成長へ向けた事業基盤の強化を進めるとともに、韓国、台湾、シンガポール、タイなど各国・地域の現地法人は、それぞれの国情や環境変化に応じた事業戦略を進めていきます。
第二の戦略課題である「イノベーションへの挑戦」では、腎、がん、免疫・アレルギー、中枢神経の4つのカテゴリー別に設けた各研究所にて疾患及び患者ニーズを深耕して得られた知見と、当社の強みである抗体医薬をはじめ、低分子医薬、核酸医薬、再生医療の領域で培ってきた最先端の創薬基盤技術やオープンイノベーションによる外部技術を組み合わせることで、新薬創出型の製薬企業として魅力あるパイプラインの構築を目指します。また、後期開発ステージにある新薬パイプラインでは、血液透析施行中の二次性副甲状腺機能亢進症で開発中のKHK7580、切除不能肝細胞癌で開発中のARQ 197、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病で開発中のRTA 402などが順調に計画された目標を達成しており、早期の承認申請、上市に向けた活動を加速してまいります。また、近年注目を集める腫瘍免疫分野でも、KW-0761(日本製品名「ポテリジオ」)を中心に他剤との併用試験を推進していきます。
さらに、第三の戦略課題である「卓越した業務プロセスの向上」では、研究開発から製造・販売まで一貫した各機能の更なる連携強化を進め収益力の向上を図るとともに、グローバルガバナンス体制の構築やコンプライアンス意識の徹底など、信頼される企業としての成長を目指します。特に日本では、地域の医療に貢献していくエリア戦略を加速し、質の高い医療情報を提供しています。さらに、製薬会社の責任として、医薬品という高い品質が求められる製品を安定的に供給するために、生産技術を更に磨きより信頼性の高い生産体制を構築してまいります。また、「スマートワーク」の推進、多様な人材がお互いを尊重しながら活躍できる環境づくりなどの取り組みをさらに強化してまいります。
第四の戦略課題である「健康と豊かさの実現」では、アンメット医療ニーズを充足する革新的医薬品の創出、適応拡大・剤形追加や高品質な製品の安定供給を実施しつつ、医療費抑制策に対する社会的要請への対応策を実施してまいります。当社ではこの取り組みを、社会との共有価値を創生する「CSV(Creating Shared Value)経営」と位置付け、多様化する医療ニーズに貢献してまいります。
富士フイルム株式会社との合弁事業であるバイオシミラー事業は、高品質でコスト競争力にも優れた医薬品の世界市場への展開を目指した開発を進めております。アダリムマブのバイオシミラー医薬品FKB327では、販売戦略を含めた事業提携にも鋭意取り組んでおり、今後、欧米での申請作業を進めてまいります。また、アストラゼネカ社と提携したベバシズマブのバイオシミラー医薬品FKB238についても、国際共同治験が順調に進捗しております。
診断薬事業は、個別化医療や予防医療が進展していく中で今後ますますその重要性が大きくなり、ヘルスケア領域での新しい事業機会の可能性も高まるものと考えられます。協和メデックス株式会社では、日本にて、新製品となる原発性アルドステロン症の診断試薬の承認の取得に加えて、ビタミンD欠乏性のくる病、骨軟化症診断試薬の保険適応を取得し販売を開始しました。また海外においては、FGF23診断薬や便潜血診断の米国における事業展開の準備を進めており、各種疾患の治療に必要な先進の診断薬・診断機器を提供してまいります。
バイオケミカル事業では、医薬・医療・ヘルスケア領域のスペシャリティ分野での高いシェアを活かし、「収益基盤の強化」と「健康を基軸とした価値提供」を重要課題として取り組みます。生産拠点の再編に関しては、山口事業所(宇部)から同事業所(防府)に生産を移管する品目に関し、2016年中に防府の新設備での試験製造を無事に完了しました。また、健康を基軸とした価値提供では、米国から世界に展開するマーケティング戦略の一環として、米国現地法人作成の情報誌「aminoscope」を世界の顧客に届けました。引き続き、生産拠点の再編により、工場生産性の向上を図るとともにブランディング品目の更なる価値向上、通信販売事業におけるお客様との関係づくりの強化を進めます。また、機能性データの提供及び知的財産権の活用により、全てのお客様の健康にとって単なる素材・物質以上に価値あるものを供給していきます。
当社グループは、「ライフサイエンスとテクノロジーの進歩を追求し、新しい価値の創造により、世界の人々の健康と豊かさに貢献します。」というグループ経営理念を掲げ、新薬開発を中核に、バイオシミラー、診断薬、バイオケミカルの各事業を総合したユニークな医薬事業モデルを追求し、新しい中期経営計画で掲げた「グローバル・スペシャリティファーマへの飛躍」を進めてまいります。