有価証券報告書-第79期(2024/12/01-2025/11/30)
① 戦略
気候変動が当社グループの事業に及ぼす機会・リスクについて、分析条件を元にTCFDの枠組みに沿ってシナリオ分析を実施しました。分析条件は、気候変動抑制の為に様々な施策がとられるシナリオ(1.5℃シナリオ)と何も施策を講じないシナリオ(4℃シナリオ)の2つのシナリオを設定しました。また、当社の事業セグメントに対しても、同条件で機会・リスクを抽出しました。
■1.5℃シナリオ(移行リスク)
■4.0℃シナリオ(物理リスク)
■事業セグメントに対する機会/リスク
気候変動が当社グループの事業に及ぼす機会・リスクについて、分析条件を元にTCFDの枠組みに沿ってシナリオ分析を実施しました。分析条件は、気候変動抑制の為に様々な施策がとられるシナリオ(1.5℃シナリオ)と何も施策を講じないシナリオ(4℃シナリオ)の2つのシナリオを設定しました。また、当社の事業セグメントに対しても、同条件で機会・リスクを抽出しました。
■1.5℃シナリオ(移行リスク)
| 移行/ 物理 | 項目 | リスク機会 | 内容 | 期間 | 影響 | 対応 |
| 移行 | 政策 法規制 | 機会 | ●生産や輸送の高効率化によるエネルギーコストの削減 ・太陽光パネル、風力発電、蓄電設備の価格低下 | 中期 | 小 | ・原料ソース、輸送方法の多角化 |
| ●再生可能エネルギーの一般化により調達コスト低下 ・グリーン電力や再生可能エネルギー由来の電力価格低下 | 短期 | 小 | ・太陽光、風力発電などの自家発電設備導入による電力コストの抑制 ・グリーン電力や再生可能エネルギー由来の電力の購入 ・省資源に適した製品の開発 | |||
| リスク | ●GHG規制強化による対応コストの増加 ・原油、電力価格の高騰により、製造コスト、運送コストの増大 ・カーボンプライシングによる操業コスト増 GHGを削減しなかった場合の増加コスト 2030年 0.8億円~ 4.9億円 2050年 3.0億円~10.8億円 GHGを大阪有機目標に応じて削減した場合の増加コスト 2030年 0.6億円~3.6億円 2050年 0円 | 短期 | 中 | ・製造時の各工程の見直しによる温室効果ガス総排出量の抑制 | ||
| ●GHG規制強化による一部素材の価格上昇や調達の困難化 ・ナフサ等の原料コストの増大 ・廃油などの廃棄コストの増大 | 短期 | 中 | ・原料切り替えの検討 ・廃油ボイラーなどの熱利用による重油使用量抑制、廃棄コスト削減 | |||
| 技術 | 機会 | ●環境配慮技術への需要増による事業機会の増加 | ||||
| リスク | ●環境配慮技術に対する投資・研究開発コスト増加 | 短期 | 小 | ・脱炭素エネルギー技術の開発、幅広いエネルギー技術の提供 | ||
| 評判 | 機会 | ●気候関連情報の開示促進による企業イメージの向上 | 短期 | 小 | ||
| リスク | ●対応の遅れによる企業ブランド低下 | 短期 | 中 | ・タイムリーな情報開示の実施 | ||
| ●情報開示の不足による外部評価の低下 | 短期 | 中 | ・情報開示の充実 |
■4.0℃シナリオ(物理リスク)
| 移行/ 物理 | 項目 | リスク機会 | 内容 | 期間 | 影響 | 対応 |
| 物理 | 急性 | リスク | ●急激な災害による事業拠点の操業度低下 ・台風、津波等による操業停止、火災、漏洩 ・豪雪による物流の停滞 | 長期 | 大 | ・各拠点におけるBCP対策の策定 |
| ●サプライチェーンの被災による操業停滞 ・被災によるサプライヤー、メーカーの操業停止 | 長期 | 中 | ・持続可能な調達に向けたサプライチェーンマネジメントの実施 | |||
| ●疾病の蔓延 ・従業員の疫病感染による生産、出荷効率低下 | 長期 | 小 | ・感染症の症状や対処等の啓蒙と対応フローの作成 | |||
| 慢性 | リスク | ●慢性的な気候変動(海面上昇や気温上昇など) | 長期 | 小 | ・製品の省資源化推進 | |
| ●気温上昇により製造過程の精度低下、管理のコスト増 ・製造現場の労働環境悪化、労災による生産効率低下 ・冷房強化による電力コストアップ ・常温倉庫の保管温度上昇による、保存安定性の低下 ・輸送時の製品安定性低下 | 長期 | 小 | ・休憩室の拡充、局所冷風機の設置 ・気候変動に合わせた管理基準の設定、25度保温倉庫の検討 ・輸送時の温度管理必要性検討 | |||
| ●自然資源や水、電力、原材料等の供給量が不安定化 | 長期 | 中 | ・水リスクの把握と対策実施、原料ソースの多角化 |
■事業セグメントに対する機会/リスク
| 事業 領域 | リスク 機会 | 内容 | 期間 | 影響 | 対応 |
| 共通 | 機会 | ●省エネルギー、効率向上などの新たな機能付加による開発案件の増加、新規テーマの会得 | 短期 | 小 | 市場情報の常時取得、開発案件の開発強化 |
| リスク | ●GHG排出規制による重油価格高騰、原料・プロセス・輸送コストの増大、製品価格の高騰による、製品競争力の低下 | 短期 | 中 | 重油プロセスの工数削減、電気プロセスへの変更 | |
| 化成品 | 機会 | ●既存製品原料のバイオ由来原料への代替 | 中期 | 中 | バイオマスアクリレート等、バイオ由来原料を使用した製品のラインアップ拡張 |
| ●省エネルギープロセスの需要増によるUV硬化用材料のシェア拡大 | 短期 | 小 | UV硬化用材料の拡販 | ||
| リスク | ●蒸留プロセスのコスト増による製品の競争力低下 | 短期 | 中 | 重油プロセスの工数削減、電気プロセスへの変更 | |
| ●バイオマス原料の需要増によるバイオマス原料の供給不足 | 中期 | 小 | バイオマス原料の供給ソース確保、多角化 | ||
| 機能 化学品 | 機会 | ●環境負荷を抑制した化粧品需要の増加による自社製品売り上げ増 | 短期 | 小 | 環境負荷考慮型化粧品用材料の開発 |
| ●清涼剤など暑さケア化粧品の需要増による自社製品売り上げ増 | 短期 | 小 | 暑さケア化粧品の拡販 | ||
| 電子 材料 | 機会 | ●省電力化の需要増による高速通信、データ大容量化、高速処理化へのシフトに伴う半導体製品の需要増 | 短期 | 大 | 半導体用材料の製造設備の増強 |
| ●室内活動の増加による室内IoT化が進み、半導体需要増 | 短期 | 中 | |||
| リスク | ●エネルギーコスト増による製造方式の大きな変更。それに伴う材料需要の大きな減少 | 長期 | 中 | 顧客等から業界情報を常時取得 | |
| 神港 有機 | 機会 | ●半導体需要増による、半導体用溶剤の需要増 | 短期 | 中 | 製造設備増設の検討 |
| リスク | ●省エネルギープロセスの需要増による、塗料用溶剤の需要減 | 短期 | 中 | 市場情報の常時取得、新規テーマの取得 |