有価証券報告書-第63期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/29 13:03
【資料】
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【項目】
146項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)が合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1)会社の企業理念
当社グループは、「創造的行動力による社会への貢献」を企業理念とし、コア事業である発泡樹脂製品及び新しい素材を用い、省資源・省エネルギーで社会生活の利便性向上に寄与する価値を、社会に提供していくことを使命としております。
(2)中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標
a.長期ビジョン
第61期(2019年3月期)スタートにあたり、10年スパンの長期的な方向性を示す『VISION2027』を策定しました。長期ビジョンでは、「顧客と消費者に感動を届ける」、「株主と地域社会に満足を届ける」、「社員一人ひとりがワクワク感を持って仕事をする」など、すべてのステークホルダーに感動と満足を届けることの意を込め、新しい経営方針「Deliver with WOW!」を定め、将来のありたい姿を「真のグローバルサプライヤーとして社会から必要とされる企業」とし、海外市場に目を向けた地理的拡大、独自技術の強みを活かした新規需要の掘り起こしや周辺領域への事業拡大などを積極的に推進してまいります。
(経営方針) 「Deliver with WOW!」
・VISION2027の基本方針
①既存事業の強化・拡大
②事業領域の拡大
③経営基盤の強化
・2027年度の定量的ビジョン
売上高 180,000百万円、営業利益 18,000百万円、営業利益率 10%
・進むべき事業領域
①自動車部品分野、②建築住宅断熱材分野、③フラットパネルディスプレイ関連保護材分野、④新たな事業領域(新規事業創出及びM&Aとして売上高30,000百万円規模を目指します)の4つの成長エンジンを、今後の進むべき事業領域として位置付けました。
b.中期経営計画「Deeper & Higher 2020」(第61期~第63期)の振り返り
長期ビジョン達成のための第一ステップである中期経営計画「Deeper & Higher 2020」では、中期ビジョン「更なる深化と成長」を掲げ、「成長戦略の推進」、「差異化戦略の推進」及び「経営基盤の強化」を基本方針とし、持続的成長と着実な企業価値向上を目指しました。
「成長戦略の推進」では、具体的な成長の道筋を描くため「4つの成長エンジン」を原動力として掲げ、「自動車部品」「建築住宅断熱材」「フラットパネルディスプレイ関連保護材」「新たな事業領域」を進むべき事業領域としてとらえ、攻めと守りのバランスによる安定した持続的成長を目指しました。「自動車部品」については、1台当たりの発泡ポリプロピレン「ピーブロック」(英名ARPRО)使用量アップと自動車生産台数増加により、2018年3月期対比で27%増を見込んでいましたが、自動車生産台数の低迷により未達となりました。一方で、1台当たりの使用量は増加傾向にあります。「建築住宅断熱材」については、コロナ禍前までは発泡ポリスチレン押出ボード「ミラフォームラムダ」や割付断裁により増販傾向でありましたが、2021年3月期はコロナ禍の需要減の影響により2018年3月期の実績を下回る結果となりました。「フラットパネルディスプレイ関連保護材」は、目標値に未達であるものの、中国におけるパソコン等の需要増により販売を伸ばしました。「新たな事業領域」については、M&A推進体制を整備するとともに、有望テーマを絞り込み新製品の事業化を目指しました。進捗の遅れはありますが、新中期経営計画に向けた足掛かりは得られました。
「差異化戦略の推進」では、単に製品の品質や性能の差異化を追求するのではなく、お客様が真に求める価値ある製品とサービスを追求することで、顧客満足度の向上を図り、選ばれるパートナーを目指しました。
「経営基盤の強化」として、社会から必要とされる企業を目指し、人材育成の強化、安全衛生及び環境保全の企業文化の醸成、コーポレート・ガバナンス強化に取り組み、経営基盤の強化に努めてまいりました。2021年3月期においては、コロナ禍を契機として在宅勤務体制に移行するなど、デジタル化などの対応が急務となりました。また、欧州連結子会社においては、資金流出事案が発生しており、引き続き「経営基盤の強化」が必要であると認識しております。
第63期 中期計画
定量目標及び前提条件
第63期 実績達成率
売上高138,000百万円102,668百万円74.4%
営業利益11,000百万円5,185百万円47.1%
営業利益率8.0%5.1%-
為替113円/米ドル106.4円/米ドル-
133円/ユーロ122.0円/ユーロ-
17円/人民元15.4円/人民元-
原油価格55米ドル/バーレル44.7米ドル/バーレル-

(要約セグメント情報)
(単位:百万円)
事業の種類第63期 中期計画第63期 実績
売上高営業利益売上高営業利益
押出事業46,7643,37637,5952,576
ビーズ事業85,0438,39359,8933,550
その他6,1931805,17996
138,00011,949102,6686,223
調整額-△949-△1,038
合計138,00011,000102,6685,185

最終年度である第63期(2021年3月期)の業績については、主に以下の理由により中期計画の目標に対し未達という結果になりました。
① 発泡ポリプロピレン「ピープロック」(英名ARPRО)は、需要拡大傾向にあるものの、中国・欧州などにおいて新規参入メーカーが台頭し、競争激化により収益性が低下していること。また、北米においては、電子線架橋発泡ポリエチレンシート事業が収益に貢献するには至らなかったことが原因のひとつになっています。
② 新たな事業の創出が未達であること。
③ 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、自動車メーカーの生産が停止するなど経済活動が停滞し、需要が低下したこと。
・設備投資計画
前中期経営計画においては、事業規模拡大と高付加価値製品の創出並びに環境負荷低減とコスト競争力の向上を目的とした設備投資を行うことを基本方針とし、計画的に実施してまいりました。3年間に増産投資約15,000百万円、維持投資約15,000百万円、計約30,000百万円の設備投資を計画しておりました。3年間で28,764百万円の実績となりました。
c.新中期経営計画「Change for Growth」(第64期~第66期)について
前中期経営計画期間においては、コロナ禍の影響を含め、プラスチック問題に対する社会的問題意識の高まり、SDGsの概念の広まりなど大きな事業環境の変化が起きました。さらに、循環型経済への転換の必要性が社内外で議論されています。今後、ウィズコロナ・アフターコロナの状況において、社会が変革しようとしており、働き方を含め製造業としての対応や価値観を見詰め直す機会と捉えています。新中期経営計画「Change for Growth」においては、新しい発想と大胆な転換が必要であるとの認識のもと、変革戦略を策定し、更なる企業価値向上に取り組みます。
・基本コンセプト
「経済価値だけでなく、顧客や社会の課題解決などの社会的価値へと提供価値を拡大」
「経営基盤の強化」
① 人材育成の強化
② 労働安全と環境保全
③ コーポレート・ガバナンスの強化
④ 情報システム基盤の強化
⑤ 働きがいのある企業風土の醸成
・最終年度/第66期(2024年3月期)の定量目標と前提条件
<定量目標>売上高 120,000百万円、営業利益 7,700百万円、営業利益率 6.4%
<前提条件>為替:105円/米ドル、125円/ユーロ、15円/人民元
原油価格(ドバイ):50米ドル/バーレル

(要約セグメント情報)
(単位:百万円)
事業の種類第66期 中期計画
売上高営業利益
押出事業41,8002,800
ビーズ事業72,4006,000
その他5,800100
120,0008,900
調整額-△1,200
合計120,0007,700

・定性目標
① Deliver with WOW!を意識した取り組みを増やし、顧客満足度の向上をめざす
② SDGsへの取り組みを収益向上だけでなく社会貢献や働きがいに繋げる
③ 戦略的かつ効率的なコーポレート組織をめざす
④ リスクアセスメント等を活用し、休業災害の未然防止をめざす
・設備投資計画
持続的成長の基盤として、単に維持更新するのではなく、自動化、省力・省エネ化など合理化効果の高い設備投資は積極的に行います。3年間で23,500百万円の設備投資を計画しております。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
前中期経営計画の基本方針である「成長戦略の推進」、「差異化戦略の推進」、「経営基盤の強化」は道半ばであり、現状の延長線では不十分と考えています。新中期経営計画においては、従来の基本方針を継続するとともに、新しい発想と大胆な転換が必要であり、「変革戦略」を実行し、新中期経営計画の目標達成を目指しています。
① 「成長戦略の推進」における課題
・成長エンジンのひとつである「自動車部品」分野については、省エネやリサイクル要求に対応した次世代製品を市場に投入するとともに、電気自動車に要求される部材の供給や自動車部品等の輸送に使われる通い函などへの用途展開が今後の成長における課題です。
・「建築住宅断熱材」分野については、「ミラフォームラムダ」や割付断裁品といった差異化製品の拡販、リフォーム分野への深耕を推進するとともに、デジタル化などによる業務効率改善、コスト削減が課題であり、省エネ住宅要求の高まりを背景として「ミラフォーム」の需要拡大を目指します。
・「フラットパネルディスプレイ関連保護材」については、LCDや有機ELパネル、パソコンなどの需要増が期待されておりますが、自動車、住宅、医療、電子部品関連分野への新規需要開拓とBCP対応も含めた次世代生産体制の構築が、更なる成長に向けた課題です。
・「新たな事業領域」については、M&A案件の道筋をつけ、また有望テーマについては事業化を推進していきたいと考えております。
② 「差異化戦略の推進」における課題
・原料市況や為替などの外部環境の変化に強いバランスのとれた高収益型企業への転換が重要課題です。ユーザーに近い立ち位置で真の顧客ニーズを追求することによりユニークで競争力のある製品の創出に注力します。
③ 「経営基盤の強化」における課題
・コロナ禍が契機となり在宅勤務体制への移行に対応し、デジタル化が急務となりました。事務業務の効率化だけでなく、生産工程における自動化や省力化においてもデジタル化が必要であり、人材の確保も含めて「情報システム基盤の強化」が重要課題です。
・海洋プラスチック問題やパリ協定、ESG課題への注目を背景として、プラスチックリサイクル、他素材への転換、脱プラスチックなどの動きが活発化しており、今後さらに資源循環を追求する動きが加速すると想定しており、メーカーとしての社会的責任も高まっています。これらの動きに対し、当社グループは顧客や社会の課題解決に向けて取り組むべきと認識しており、SDGsへの取り組みなどのよる「働きがいのある企業風土の醸成」を重要課題と捉えています。
④ 「変革戦略」における課題
・新中期経営計画では、従来の基本方針を継続する一方で、どのように差異化するのか、成長するのか見直す必要があります。「変革戦略」のひとつとして循環性の高いビジネスモデルを意識した取り組みを進めます。また、SDGsへの取り組みを通じて、新たな事業創出や事業基盤の強化を図ります。

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