有価証券報告書-第95期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、当初緩やかな景気回復への期待の中、始まったものの、世界的に蔓延している新型コロナウイルス感染症拡大の影響により経済活動が制限され、個人消費の停滞や企業収益の大幅な減少など、一転して厳しい状況で推移いたしました。
当油脂加工業界におきましては、需要の低迷が継続するなか、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴う消費者の行動変容や購買活動の大きな変化を受け、厳しい経営環境で推移しました。
このような状況のなかで当社グループは、「中期経営計画(2019~2021年)」の2年目として、「世の中にないものを創出します」、「既存市場へ新たに参入します」、「さらに拡売します」の3つの領域を掲げ、長年培った技術ノウハウを結集し、既存製品の更なる品質向上と新たな市場トレンドに即応した製品の開発を行いました。また、新型コロナウイルス感染症拡大による社会の変化を捉えながら、オンラインツールを利用した販売活動を積極的に行い、当社技術力のアピールや新たなニーズの発掘を行うなど、新たな市場の開拓に取り組みました。生産面においては、省エネルギー効率化設備への投資や環境負荷の少ないバイオガス発電設備を導入することで、生産にかかるユーティリティコストの削減はもとより、持続可能な生産体制の構築に取り組みました。
この結果、売上高は43,080百万円(前連結会計年度比4.1%減)、営業利益は1,126百万円(前連結会計年度比5.7%減)、経常利益は1,447百万円(前連結会計年度比2.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,018百万円(前連結会計年度比22.0%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
≪食品事業≫
食品事業につきましては、主要販売先である製パン業界、製菓業界において主力のマーガリンやショートニングの需要が伸び悩むなか、更に新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響から、外食需要の減少や旅行や出張などの自粛で土産菓子業界が打撃を受けるなど、非常に厳しい環境で推移しました。
このような状況のなか、当社では「これからの時代の『おいしさ』『健康』『食生活の変化』に貢献する」という中期経営計画の目標に向けて、新たな市場の動きに着目し、“プラントベースで動物性油脂の特長を活かしたおいしさを創り出す”新ブランド「botanova」を立ち上げました。また、当社製品を使用するお客様を応援するサイト「MIYOSHI no KIMOCHI」を開設し、主力のマーガリン製品のみならず、お客様にあった当社製品を新たなオンラインツールを使って拡売することで、新規市場や新規顧客の開拓に努めました。一方、生産面では、「AIB国際検査統合基準」への対応の強化や、食品安全システムに関する国際認証規格「FSSC22000」に則った食の安全・安心への対応に取り組みました。また、マーガリン製造における生産ラインの統合や、省エネルギー効率化システムの導入を行い、生産の効率化を推し進めました。
その結果、売上高は29,115百万円(前連結会計年度比3.8%減)、営業利益は158百万円(前連結会計年度比1.7%減)となりました。
≪油化事業≫
工業用油脂製品につきましては、合成樹脂、塗料、ゴム、トイレタリー、潤滑油等の業界において新型コロナウイルス感染症拡大による経済停滞の影響を受け、脂肪酸やグリセリンの需要は低調に推移しました。このような状況の中で当社は、自社精製設備を積極的に活用し、製品の品質向上に努めるとともに、油脂製品製造の過程で発生した排水を利用したバイオガス発電事業を開始し、収益の改善を行いました。
界面活性剤製品につきましては、紙・パルプ分野の国内向け家庭紙用薬剤は、日常的なマスク着用の影響で需要が減少したものの、一時停止していた海外への輸出が徐々に再開され好調に推移しました。製紙用嵩高剤は、環境に配慮した新製品を発売しましたが、洋紙の生産減少を受け、低調に推移しました。
また、香粧品分野のクレンジング市場は、テレワークの浸透やマスク着用の常態化による影響で市場が縮小したものの、一方では手洗い需要が増えたことで、トイレタリー石鹸原料が大きく伸長しました。環境関連分野においては、飛灰用重金属処理剤は、外出自粛の影響で家庭ごみが増加し堅調に推移しましたが、廃水用重金属処理剤は、海外の自動車産業の低迷により販売は減少しました。
その結果、売上高は13,666百万円(前連結会計年度比6.0%減)、営業利益は929百万円(前連結会計年度比4.0%減)となりました。
また、当連結会計年度における財政状態の状況は次のとおりであります。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,386百万円減の22,525百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べ904百万円減の26,660百万円となりました。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ3,290百万円減の49,186百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ3,465百万円減の15,861百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末に比べ836百万円増の9,104百万円となりました。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,628百万円減の24,965百万円となりました。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ662百万円減の24,221百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,367百万円減少し、4,859百万円となりました。
当連結会計年度における活動ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動によって得られた資金は2,390百万円(前連結会計年度は3,665百万円)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益1,356百万円に、減価償却費の加算1,654百万円、売上債権の減少913百万円等による資金の増加があった一方、仕入債務の減少721百万円、法人税等の支払612百万円等による資金の減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果、2,500百万円の資金の減少(前連結会計年度は1,406百万円の資金の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得2,278百万円、有形固定資産の除却による支出107百万円、無形固定資産の取得79百万円による資金の減少があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果、1,257百万円の資金の減少(前連結会計年度は1,160百万円の資金の減少)となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出2,736百万円、配当金の支払412百万円による資金の減少があった一方、長期借入れによる収入1,950百万円による資金の増加があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
1) 生産実績
(イ)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 金額は、製造原価によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 上記金額には、中間製造工程の自家消費分は含まれておりません。
(ロ)仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 金額は、仕入価格によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2) 受注状況
当社グループは、原則として受注生産を行っておりません。
3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 その他は、不動産賃貸、原料油脂等であります。
3 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ3,290百万円減の49,186百万円となりました。主な減少は現金及び預金1,367百万円、投資有価証券949百万円、受取手形及び売掛金873百万円、退職給付に係る資産637百万円であり、主な増加は機械装置及び運搬具(純額)259百万円、建設仮勘定213百万円であります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べ2,628百万円減の24,965百万円となりました。主な減少は借入金786百万円、支払手形及び買掛金644百万円、繰延税金負債477百万円、未払法人税等357百万円、流動負債のその他338百万円であり、主な増加は退職給付に係る負債56百万円であります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ662百万円減の24,221百万円となりました。主な減少はその他有価証券評価差額金734百万円、退職給付に係る調整累計額539百万円であり、主な増加は利益剰余金606百万円であります。
当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の47.4%から49.2%に増加しました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の2,431円65銭から2,366円38銭に減少しました。
2)経営成績の分析
(売上高、売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
売上高は、前連結会計年度比4.1%減の43,080百万円となりました。
食品事業の売上高は、前連結会計年度比3.8%減の29,115百万円となりました。
食品事業においては、主力のマーガリン製品のみならず、お客様にあった当社製品を新たなオンラインツールを使って拡売することで、新規市場や新規顧客の開拓に努めましたが、主要販売先である製パン業界、製菓業界において主力のマーガリンやショートニングの需要が伸び悩むなか、更に新型コロナウイルス感染症の影響から、外食需要の減少や旅行や出張などの自粛で土産菓子業界が打撃を受けるなど、厳しい環境で推移しました。
油化事業の売上高は、前連結会計年度比6.0%減の13,666百万円となりました。
工業用油脂製品においては、合成樹脂、塗料、ゴム、トイレタリー、潤滑油等の業界において新型コロナウイルス感染症拡大による経済停滞の影響を受け、脂肪酸やグリセリンの需要は低調に推移しましたが、自社精製設備を積極的に活用し、製品の品質向上に努めるとともに、油脂製品製造の過程で発生した排水を利用したバイオガス発電事業を開始しました。
界面活性剤製品においては、紙・パルプ分野の国内向け家庭紙用薬剤は、日常的なマスク着用の影響で需要が減少したものの、一時停止していた海外への輸出が徐々に再開され好調に推移しましたが、製紙用嵩高剤は、洋紙の生産減少を受け、低調に推移しました。香粧品分野のクレンジング市場は、テレワークの浸透やマスク着用の常態化による影響で市場が縮小したものの、手洗い需要が増えたことで、トイレタリー石鹸原料は大きく伸長しました。
環境関連分野においては、飛灰用重金属処理剤は、外出自粛の影響で家庭ごみが増加し堅調に推移しましたが、廃水用重金属処理剤は、海外の自動車産業の低迷により販売は減少しました。
売上原価は、前連結会計年度に比べ1,578百万円減少し、35,630百万円となり、原価率は、前連結会計年度比0.1ポイント減少し、82.7%となりました。これは主に生産体制の効率化等のコスト削減によるものであります。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比3.3%減の6,323百万円となりました。売上原価、販売費及び一般管理費に含まれている研究開発費は、前連結会計年度比4.7%減の1,396百万円となりました。
この結果、営業利益は、前連結会計年度比5.7%減の1,126百万円となりました。
なお、研究開発活動の詳細については、「第2 事業の状況 5 研究開発活動」に記載しております。
(営業外損益、経常利益)
営業外損益は、前連結会計年度の224百万円の収益(純額)から、320百万円の収益(純額)になりました。
この結果、経常利益は、前連結会計年度比2.0%増の1,447百万円となりました。
(特別損益、税金等調整前当期純利益)
特別損益は、前連結会計年度の454百万円の収益(純額)から、90百万円の損失(純額)になりました。これは、前連結会計年度の有形固定資産売却益541百万円、有形固定資産除却損62百万円、関係会社株式評価損25百万円計上、当連結会計年度の有形固定資産除却損90百万円計上によるものです。
この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比27.6%減の1,356百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比22.0%減の1,018百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の127円77銭から99円61銭となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、油脂原料等の原材料購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、生産設備の更新を中心とした設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は10,042百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,859百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産および負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
④ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、株主資本の効率的運用による投資効率の高い経営を図るため、自己資本利益率(ROE)5.0%以上を目標経営指標としております。
当連結会計年度におけるROEは、前連結会計年度に比べ1.2ポイント減少し、4.2%となりました。
これは、新型コロナウイルス感染症拡大による社会の変化を捉えながら、当社技術力のアピールや新たなニーズの発掘を行うなど、新たな市場の開拓に取り組む一方、生産にかかるユーティリティコストの削減はもとより、持続可能な生産体制の構築に取り組みましたが、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益が減少したことによるものです。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、当初緩やかな景気回復への期待の中、始まったものの、世界的に蔓延している新型コロナウイルス感染症拡大の影響により経済活動が制限され、個人消費の停滞や企業収益の大幅な減少など、一転して厳しい状況で推移いたしました。
当油脂加工業界におきましては、需要の低迷が継続するなか、新型コロナウイルス感染症の世界的流行に伴う消費者の行動変容や購買活動の大きな変化を受け、厳しい経営環境で推移しました。
このような状況のなかで当社グループは、「中期経営計画(2019~2021年)」の2年目として、「世の中にないものを創出します」、「既存市場へ新たに参入します」、「さらに拡売します」の3つの領域を掲げ、長年培った技術ノウハウを結集し、既存製品の更なる品質向上と新たな市場トレンドに即応した製品の開発を行いました。また、新型コロナウイルス感染症拡大による社会の変化を捉えながら、オンラインツールを利用した販売活動を積極的に行い、当社技術力のアピールや新たなニーズの発掘を行うなど、新たな市場の開拓に取り組みました。生産面においては、省エネルギー効率化設備への投資や環境負荷の少ないバイオガス発電設備を導入することで、生産にかかるユーティリティコストの削減はもとより、持続可能な生産体制の構築に取り組みました。
この結果、売上高は43,080百万円(前連結会計年度比4.1%減)、営業利益は1,126百万円(前連結会計年度比5.7%減)、経常利益は1,447百万円(前連結会計年度比2.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,018百万円(前連結会計年度比22.0%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
≪食品事業≫
食品事業につきましては、主要販売先である製パン業界、製菓業界において主力のマーガリンやショートニングの需要が伸び悩むなか、更に新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響から、外食需要の減少や旅行や出張などの自粛で土産菓子業界が打撃を受けるなど、非常に厳しい環境で推移しました。
このような状況のなか、当社では「これからの時代の『おいしさ』『健康』『食生活の変化』に貢献する」という中期経営計画の目標に向けて、新たな市場の動きに着目し、“プラントベースで動物性油脂の特長を活かしたおいしさを創り出す”新ブランド「botanova」を立ち上げました。また、当社製品を使用するお客様を応援するサイト「MIYOSHI no KIMOCHI」を開設し、主力のマーガリン製品のみならず、お客様にあった当社製品を新たなオンラインツールを使って拡売することで、新規市場や新規顧客の開拓に努めました。一方、生産面では、「AIB国際検査統合基準」への対応の強化や、食品安全システムに関する国際認証規格「FSSC22000」に則った食の安全・安心への対応に取り組みました。また、マーガリン製造における生産ラインの統合や、省エネルギー効率化システムの導入を行い、生産の効率化を推し進めました。
その結果、売上高は29,115百万円(前連結会計年度比3.8%減)、営業利益は158百万円(前連結会計年度比1.7%減)となりました。
≪油化事業≫
工業用油脂製品につきましては、合成樹脂、塗料、ゴム、トイレタリー、潤滑油等の業界において新型コロナウイルス感染症拡大による経済停滞の影響を受け、脂肪酸やグリセリンの需要は低調に推移しました。このような状況の中で当社は、自社精製設備を積極的に活用し、製品の品質向上に努めるとともに、油脂製品製造の過程で発生した排水を利用したバイオガス発電事業を開始し、収益の改善を行いました。
界面活性剤製品につきましては、紙・パルプ分野の国内向け家庭紙用薬剤は、日常的なマスク着用の影響で需要が減少したものの、一時停止していた海外への輸出が徐々に再開され好調に推移しました。製紙用嵩高剤は、環境に配慮した新製品を発売しましたが、洋紙の生産減少を受け、低調に推移しました。
また、香粧品分野のクレンジング市場は、テレワークの浸透やマスク着用の常態化による影響で市場が縮小したものの、一方では手洗い需要が増えたことで、トイレタリー石鹸原料が大きく伸長しました。環境関連分野においては、飛灰用重金属処理剤は、外出自粛の影響で家庭ごみが増加し堅調に推移しましたが、廃水用重金属処理剤は、海外の自動車産業の低迷により販売は減少しました。
その結果、売上高は13,666百万円(前連結会計年度比6.0%減)、営業利益は929百万円(前連結会計年度比4.0%減)となりました。
また、当連結会計年度における財政状態の状況は次のとおりであります。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べ2,386百万円減の22,525百万円となりました。固定資産は、前連結会計年度末に比べ904百万円減の26,660百万円となりました。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ3,290百万円減の49,186百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べ3,465百万円減の15,861百万円となりました。固定負債は、前連結会計年度末に比べ836百万円増の9,104百万円となりました。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ2,628百万円減の24,965百万円となりました。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ662百万円減の24,221百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,367百万円減少し、4,859百万円となりました。
当連結会計年度における活動ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動によって得られた資金は2,390百万円(前連結会計年度は3,665百万円)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益1,356百万円に、減価償却費の加算1,654百万円、売上債権の減少913百万円等による資金の増加があった一方、仕入債務の減少721百万円、法人税等の支払612百万円等による資金の減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果、2,500百万円の資金の減少(前連結会計年度は1,406百万円の資金の減少)となりました。これは、主に有形固定資産の取得2,278百万円、有形固定資産の除却による支出107百万円、無形固定資産の取得79百万円による資金の減少があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果、1,257百万円の資金の減少(前連結会計年度は1,160百万円の資金の減少)となりました。これは、主に長期借入金の返済による支出2,736百万円、配当金の支払412百万円による資金の減少があった一方、長期借入れによる収入1,950百万円による資金の増加があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
1) 生産実績
(イ)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 食品事業 | 19,281 | △3.7 |
| 油化事業 | 8,190 | △5.9 |
| 合計 | 27,471 | △4.3 |
(注) 1 金額は、製造原価によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 上記金額には、中間製造工程の自家消費分は含まれておりません。
(ロ)仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 食品事業 | 4,896 | △8.5 |
| 油化事業 | 2,845 | △7.6 |
| 合計 | 7,742 | △8.2 |
(注) 1 金額は、仕入価格によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2) 受注状況
当社グループは、原則として受注生産を行っておりません。
3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 食品事業 | 29,115 | △3.8 |
| 油化事業 | 13,666 | △6.0 |
| その他 | 298 | +100.9 |
| 合計 | 43,080 | △4.1 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 その他は、不動産賃貸、原料油脂等であります。
3 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ニッシントーア・岩尾㈱ | 5,013 | 11.2 | 4,757 | 11.0 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ3,290百万円減の49,186百万円となりました。主な減少は現金及び預金1,367百万円、投資有価証券949百万円、受取手形及び売掛金873百万円、退職給付に係る資産637百万円であり、主な増加は機械装置及び運搬具(純額)259百万円、建設仮勘定213百万円であります。
(負債)
負債は、前連結会計年度末に比べ2,628百万円減の24,965百万円となりました。主な減少は借入金786百万円、支払手形及び買掛金644百万円、繰延税金負債477百万円、未払法人税等357百万円、流動負債のその他338百万円であり、主な増加は退職給付に係る負債56百万円であります。
(純資産)
純資産は、前連結会計年度末に比べ662百万円減の24,221百万円となりました。主な減少はその他有価証券評価差額金734百万円、退職給付に係る調整累計額539百万円であり、主な増加は利益剰余金606百万円であります。
当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の47.4%から49.2%に増加しました。また、1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の2,431円65銭から2,366円38銭に減少しました。
2)経営成績の分析
(売上高、売上原価、販売費及び一般管理費、営業利益)
売上高は、前連結会計年度比4.1%減の43,080百万円となりました。
食品事業の売上高は、前連結会計年度比3.8%減の29,115百万円となりました。
食品事業においては、主力のマーガリン製品のみならず、お客様にあった当社製品を新たなオンラインツールを使って拡売することで、新規市場や新規顧客の開拓に努めましたが、主要販売先である製パン業界、製菓業界において主力のマーガリンやショートニングの需要が伸び悩むなか、更に新型コロナウイルス感染症の影響から、外食需要の減少や旅行や出張などの自粛で土産菓子業界が打撃を受けるなど、厳しい環境で推移しました。
油化事業の売上高は、前連結会計年度比6.0%減の13,666百万円となりました。
工業用油脂製品においては、合成樹脂、塗料、ゴム、トイレタリー、潤滑油等の業界において新型コロナウイルス感染症拡大による経済停滞の影響を受け、脂肪酸やグリセリンの需要は低調に推移しましたが、自社精製設備を積極的に活用し、製品の品質向上に努めるとともに、油脂製品製造の過程で発生した排水を利用したバイオガス発電事業を開始しました。
界面活性剤製品においては、紙・パルプ分野の国内向け家庭紙用薬剤は、日常的なマスク着用の影響で需要が減少したものの、一時停止していた海外への輸出が徐々に再開され好調に推移しましたが、製紙用嵩高剤は、洋紙の生産減少を受け、低調に推移しました。香粧品分野のクレンジング市場は、テレワークの浸透やマスク着用の常態化による影響で市場が縮小したものの、手洗い需要が増えたことで、トイレタリー石鹸原料は大きく伸長しました。
環境関連分野においては、飛灰用重金属処理剤は、外出自粛の影響で家庭ごみが増加し堅調に推移しましたが、廃水用重金属処理剤は、海外の自動車産業の低迷により販売は減少しました。
売上原価は、前連結会計年度に比べ1,578百万円減少し、35,630百万円となり、原価率は、前連結会計年度比0.1ポイント減少し、82.7%となりました。これは主に生産体制の効率化等のコスト削減によるものであります。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比3.3%減の6,323百万円となりました。売上原価、販売費及び一般管理費に含まれている研究開発費は、前連結会計年度比4.7%減の1,396百万円となりました。
この結果、営業利益は、前連結会計年度比5.7%減の1,126百万円となりました。
なお、研究開発活動の詳細については、「第2 事業の状況 5 研究開発活動」に記載しております。
(営業外損益、経常利益)
営業外損益は、前連結会計年度の224百万円の収益(純額)から、320百万円の収益(純額)になりました。
この結果、経常利益は、前連結会計年度比2.0%増の1,447百万円となりました。
(特別損益、税金等調整前当期純利益)
特別損益は、前連結会計年度の454百万円の収益(純額)から、90百万円の損失(純額)になりました。これは、前連結会計年度の有形固定資産売却益541百万円、有形固定資産除却損62百万円、関係会社株式評価損25百万円計上、当連結会計年度の有形固定資産除却損90百万円計上によるものです。
この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度比27.6%減の1,356百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度比22.0%減の1,018百万円となりました。1株当たり当期純利益は、前連結会計年度の127円77銭から99円61銭となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、油脂原料等の原材料購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、生産設備の更新を中心とした設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は10,042百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は4,859百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産および負債または損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等の連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
④ 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、株主資本の効率的運用による投資効率の高い経営を図るため、自己資本利益率(ROE)5.0%以上を目標経営指標としております。
当連結会計年度におけるROEは、前連結会計年度に比べ1.2ポイント減少し、4.2%となりました。
これは、新型コロナウイルス感染症拡大による社会の変化を捉えながら、当社技術力のアピールや新たなニーズの発掘を行うなど、新たな市場の開拓に取り組む一方、生産にかかるユーティリティコストの削減はもとより、持続可能な生産体制の構築に取り組みましたが、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益が減少したことによるものです。