有価証券報告書-第101期(2024/04/01-2025/03/31)
③リスク管理
シナリオを踏まえたリスクと機会に関する気候変動の影響に対して、当社グループの対応策をさまざまな観点から検討しています。2022年度シナリオ分析を実施してから継続的なブラッシュアップをしており、2024年度はリスクと機会の選定および時間軸を考慮した影響度評価を定量的な分析として行いました。各事業共通のリスクと機会および、各事業固有のリスクと機会を一覧にしました。時間軸は影響するリスクと機会に対する時期を長期、中期、短期と分類しています。影響度評価は影響する金額を、大、中、小と分類しています。
●想定される気候変動要因(各事業共通)
主として脱炭素化に向けたカーボンプライシング等の政策による規制が強まるとともに、脱炭素に適した素材への需要シフトを想定しており、バイオマス資源や持続可能な資源の活用による新市場創出の機会を模索しています。さらに、循環型社会や脱炭素社会に向けた革新技術の登場も想定しており、従来の生産技術に依存するリスクを含め、バイオマス原料・リサイクル原料の活用技術開発や低炭素技術・高エネルギー効率のプロセス開発が競争優位性の向上につながると考えています。
また、国内外の環境貢献を評価する支援策や補助金の活用が事業転換を後押しする可能性があり、適切な環境関連情報開示や社外評価への対応を重要と捉えています。
気候変動に伴う異常気象や自然災害は、原料調達や物流に関するサプライチェーンの分断および自社の生産体制に影響を及ぼすリスク要因ですが、事業継続計画の定期的な整備や物流ネットワークの再構築を図ることで企業の信頼性向上に努めるとともに、防災・衛生・復興関連製品の拡充により社会へ貢献していきます。
<気候変動に関する各事業共通の「リスク」と「機会」に対する対応策>
●想定される気候変動要因(各事業固有)
社会全体の環境意識の高まりに伴い、環境負荷の大きい製品への批判が懸念される反面、環境貢献の大きな製品を積極的に開発することが企業価値の向上につながると考えています。製品ライフサイクルの観点から市販品よりも環境性能(高性能化・長寿命化・軽量化など)が優れた環境貢献製品の開発や普及活動などを意識することがカーボンニュートラル社会の実現に不可欠です。
当社がこれまで培ってきた強みと新たに獲得する強みに、外部の知見を組み合わせ、「持続可能な地球環境の実現」と「利便性・快適性の向上」との両立可能な、社会に役立つ製品開発を目指します。
<気候変動に関する各事業固有の「リスク」と「機会」に対する対応策>
※影響度については金額を大、中、小と分類
大:利益への影響が、10億円以上
中:利益への影響が、10億円未満 ~ 1億円以上
小:利益への影響が、1億円未満
※時間軸は、当社の事業特性をふまえたリスクおよび機会が顕在するまでの時間として長期、中期、短期と分類
長期:3年以上
中期:3年未満1年以上
短期:1年未満
シナリオを踏まえたリスクと機会に関する気候変動の影響に対して、当社グループの対応策をさまざまな観点から検討しています。2022年度シナリオ分析を実施してから継続的なブラッシュアップをしており、2024年度はリスクと機会の選定および時間軸を考慮した影響度評価を定量的な分析として行いました。各事業共通のリスクと機会および、各事業固有のリスクと機会を一覧にしました。時間軸は影響するリスクと機会に対する時期を長期、中期、短期と分類しています。影響度評価は影響する金額を、大、中、小と分類しています。
●想定される気候変動要因(各事業共通)
主として脱炭素化に向けたカーボンプライシング等の政策による規制が強まるとともに、脱炭素に適した素材への需要シフトを想定しており、バイオマス資源や持続可能な資源の活用による新市場創出の機会を模索しています。さらに、循環型社会や脱炭素社会に向けた革新技術の登場も想定しており、従来の生産技術に依存するリスクを含め、バイオマス原料・リサイクル原料の活用技術開発や低炭素技術・高エネルギー効率のプロセス開発が競争優位性の向上につながると考えています。
また、国内外の環境貢献を評価する支援策や補助金の活用が事業転換を後押しする可能性があり、適切な環境関連情報開示や社外評価への対応を重要と捉えています。
気候変動に伴う異常気象や自然災害は、原料調達や物流に関するサプライチェーンの分断および自社の生産体制に影響を及ぼすリスク要因ですが、事業継続計画の定期的な整備や物流ネットワークの再構築を図ることで企業の信頼性向上に努めるとともに、防災・衛生・復興関連製品の拡充により社会へ貢献していきます。
<気候変動に関する各事業共通の「リスク」と「機会」に対する対応策>
| 分類 | シナリオ | 気候変動区分 | 気候変動による影響 | 時間軸 | 影響度 評価 | 対応策 | |
| リスク | 1.5℃ | 政策規制 | 炭素税引上げ | エネルギー調達コストの増加 | 中長期 | 大 | コージェネレーション導入、太陽光発電導入 |
| 省エネ・低炭素規制 | リサイクル原料の使用義務 | 中長期 | 中 | リサイクル原料を使用した製品開発 | |||
| 政策 | 輸出地域の規制変更による シェア喪失 | 中期 | 大 | 社外団体と連携した早期規制対応 | |||
| 国の政策変更による 生産拠点の移転・撤退 | 短期 | 大 | 生産拠点の見直し | ||||
| 技術 | 環境貢献 | リサイクル対応製品の 需要増加 | 中長期 | 大 | リサイクル材料活用に関する製品開発 | ||
| 市場 | 市場の変化 | 各国の政策乖離によるエネルギー・原料の分断化 | 中長期 | 大 | 市場動向のリスクアセスメント、事業の関連多角化 | ||
| 消費行動の変化 | 低炭素製品需要の動向変化 | 長期 | 小 | 顧客との積極的なコミュニケーション | |||
| 評判 | 業界批判 | 環境対応軽視による 資本撤退・取引消失 | 短中 長期 | 大 | 環境対応を重視した経営方針の策定 | ||
| 訴訟 | 化石燃料による環境悪化 | 長期 | 大 | バイオマス原料、クリーンエネルギーの活用 | |||
| 4℃ | 急性 | 自然災害 (台風・豪雨など) | サプライチェーンの分断、自社拠点の被災 | 短中 長期 | 大 | BCP体制の構築 (雨水対策、建物および設備の防災対策、 原料調達の複数化) | |
| 慢性 | 自然災害 (渇水・気温上昇など) | 渇水等による取水制限 | 長期 | 小 | BCP体制の構築 (水利用の効率化) | ||
| 機会 | 1.5℃ | 政策規制 | 省エネ・低炭素規制 | 省エネ設備の投資コスト増加 | 長期 | 大 | 生産プロセス改善と生産設備の集約 |
| 技術 | 環境貢献 | 節約志向によるエシカル消費の拡大 | 中期 | 中 | アップサイクル材料活用に関する製品開発 | ||
| 市場 | 市場の変化 | ニッチな市場の潜在的発生 | 長期 | 小 | ユーザー協働の製品開発 | ||
| 評判 | 業界批判 | BtoC市場における環境意識の高まり | 短期 | 小 | SDGs取り組みアピールによるイメージ向上 RSPO認証原料使用によるイメージ向上 | ||
| 訴訟 | 透明性のある環境情報の 開示要求 | 中長期 | 小 | 適切な環境情報の開示と社外評価機関の活用による信用獲得 | |||
| 4℃ | 急性 | 自然災害 (台風・豪雨など) | 自然災害・悪天候における 製品需要拡大 | 短中 長期 | 小 | 防災・衛生環境・災害復興関連製品の拡充 | |
| 慢性 | 自然災害 (渇水・気温上昇など) | 平均気温上昇における 生活様式の変化 | 短中 長期 | 小 | 包括的な生活環境関連製品の拡充 | ||
●想定される気候変動要因(各事業固有)
社会全体の環境意識の高まりに伴い、環境負荷の大きい製品への批判が懸念される反面、環境貢献の大きな製品を積極的に開発することが企業価値の向上につながると考えています。製品ライフサイクルの観点から市販品よりも環境性能(高性能化・長寿命化・軽量化など)が優れた環境貢献製品の開発や普及活動などを意識することがカーボンニュートラル社会の実現に不可欠です。
当社がこれまで培ってきた強みと新たに獲得する強みに、外部の知見を組み合わせ、「持続可能な地球環境の実現」と「利便性・快適性の向上」との両立可能な、社会に役立つ製品開発を目指します。
<気候変動に関する各事業固有の「リスク」と「機会」に対する対応策>
| 分類 | シナリオ | 気候変動区分 | 気候変動による影響 | 時間軸 | 影響度 評価 | 対応策 | |
| リスク | 1.5℃ | 政策規制 | 省エネ・低炭素規制 | バイオマス原料の使用義務化 | 長期 | 中 | 循環経済型ビジネスモデルの構築 |
| 技術 | 環境貢献 | 可食品由来原料の需給不安 | 中期 | 大 | ウレタンのケミカルリサイクル技術確立 | ||
| 市場 | 市場の変化 | 認証要求の高まり | 中期 | 小 | 国内外市場の動向把握 | ||
| 消費行動の変化 | ガソリン車・ハイブリッド車の 販売減少 | 中長期 | 大 | バッテリー式電気自動車用 潤滑油材料の開発 | |||
| 消費者の嗜好変化 | モノからコトへの価値観の変化 | 長期 | 大 | 地球環境体験価値一体型の製品開発 | |||
| 評判 | 業界批判 | グローバル調達型企業との取引縮小 | 中長期 | 大 | 協業先も含めた現地調達、現地生産の実現 | ||
| 訴訟 | 市街地にある化学品生産拠点に 対する訴訟 | 中長期 | 大 | 委託生産を含む生産拠点の移転 | |||
| 4℃ | 急性 | 自然災害 (台風・豪雨など) | 停電の温調不備による品質劣化 | 短中 長期 | 小 | BCP体制の構築(バックアップ電源、異常検知システム、再起動訓練等) | |
| 慢性 | 自然災害 (渇水・気温上昇など) | 天然資源の供給不良 | 中期 | 中 | ケミカル由来製品の併用販売 | ||
| 機会 | 1.5℃ | 政策規制 | 炭素税の導入・ 引き上げ | CCUSの普及 CO2削減に寄与する製品の需要増加 | 長期 | 大 | CCU関連製品の開発 省エネルギー化に貢献する 先端半導体関連製品の開発 |
| 省エネ・低炭素規制 | CO2排出量削減貢献製品の市場拡大 | 中長期 | 中 | 風力発電用炭素繊維集束剤の販売拡大 | |||
| 政策 | 煙道ガスの排出規制 | 長期 | 大 | 煙道ガスからのCO2分離技術の開発 | |||
| 技術 | 環境貢献 | ガソリン車から電気自動車への移行 | 中期 | 大 | ハイブリッドコンデンサーの開発促進 | ||
| 市場 | 市場の変化 | バイオマス原料使用製品の市場拡大 | 中期 | 中 | バイオエタノール用工程薬剤の事業拡大 | ||
| 未病ビジネス拡大、在宅医療 ニーズ増大 | 中期 | 中 | 未病デジタル診断関連の製品、在宅医療関連の製品サービス開発 | ||||
| 消費行動の変化 | 電気自動車の需要増加(車載電池の軽量化促進) | 中長期 | 大 | 軽量化に貢献する有機正極二次電池用有機正極の開発 自動車の電装化に伴う電解液の販売増加 | |||
| 消費者の嗜好変化 | 日用品市場の環境志向の高まり | 中長期 | 小 | バイオマス原料使用界面活性剤の開発 | |||
| 評判 | 業界批判 | 環境関連情報の透明性がある 開示要求 | 長期 | 小 | 先進的な取り組み、情報開示による 評判の向上 | ||
| 訴訟 | 石油化学事業への批判 | 長期 | 大 | 非石油化学事業への関連多角化 | |||
| 4℃ | 急性 | 自然災害 (台風・豪雨など) | 断熱塗料の需要拡大 | 長期 | 小 | 断熱塗料用バインダーの開発 | |
| 慢性 | 自然災害 (渇水・気温上昇など) | 環境変化に強い農作物市場拡大 | 中期 | 中 | 農産物の生産性向上に寄与する バイオスティミュラント機能を有する製品開発 | ||
| 水質悪化による水質改良需要の 高まり | 短期 | 小 | 水質改良剤の開発 | ||||
※影響度については金額を大、中、小と分類
大:利益への影響が、10億円以上
中:利益への影響が、10億円未満 ~ 1億円以上
小:利益への影響が、1億円未満
※時間軸は、当社の事業特性をふまえたリスクおよび機会が顕在するまでの時間として長期、中期、短期と分類
長期:3年以上
中期:3年未満1年以上
短期:1年未満