有価証券報告書-第80期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/22 14:21
【資料】
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【項目】
116項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度における我が国経済は、上半期までは、海外経済の減速と円高の影響から輸出が減少し生産が鈍化、個人消費もインバウンド効果の剥落から弱含みに推移するなど停滞感の強い局面が続きましたが、下半期に入り、海外経済の回復やIT関連投資の増加、政府の財政支出等に支えられ、輸出や生産はプラスに転じ、個人消費も雇用所得環境の改善を背景に徐々に持ち直すなど、緩やかな回復が続きました。
このような経営環境下、当社グループの当連結会計年度の売上高は、販売数量は増加したものの売価下落の影響により、前期比5億60百万円、1.4%減収の385億49百万円となりました。
一方、利益面は、東邦化学(上海)有限公司における営業損益の改善の遅れや、同社での円高による多額の為替差損の発生の影響があったものの、全体としては原材料価格値下がりによる利益率の改善効果等により、営業利益、経常利益共に増益となりました。しかし、親会社株主に帰属する当期純利益については、厚生年金基金解散損失引当金繰入額や東邦化学(上海)有限公司での固定資産の減損損失等の多額の特別損失を計上したため、少額に止まりました。
その結果、当連結会計年度の営業利益は、前期比10億58百万円増益の22億14百万円、経常利益は、前期比8億48百万円増益の15億57百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は、3億17百万円(前期は2億31百万円の損失)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりです。
(界面活性剤)
トイレタリー用界面活性剤は、ヘアケア用基剤や一般洗浄剤が伸長し増収となりました。プラスチック用界面活性剤は、主力の帯電防止剤や乳化重合剤が堅調で増収となりました。土木建築用薬剤は、コンクリート用関連薬剤の需要低迷が続き減収となりました。紙パルプ用界面活性剤は、消泡剤やサイズ剤等が振るわず減収となりました。繊維助剤は、ガラス繊維用助剤等の海外販売が伸長し増収となりました。農薬助剤は、海外需要向けの落ち込みが響き、減収となりました。
その結果、当セグメント全体の売上高は、前期比17百万円、0.1%と微減収の204億45百万円となり、セグメント利益は、前期比5億37百万円増益の13億41百万円となりました。
(樹脂)
石油樹脂は、原料不足による減産の影響で大口ユーザー向けの販売が減少、これに売価下落の影響も相俟って大幅な減収となりました。樹脂エマルションは、主力のフロアーポリッシュ用等が振るわず、合成樹脂も全般的に低調で、共に減収となりました。
その結果、当セグメント全体の売上高は、前期比3億70百万円、11.5%減収の28億49百万円となり、セグメント利益は、前期比23百万円減益の51百万円となりました。
(化成品)
合成ゴム・ABS樹脂用ロジン系乳化重合剤は、数量は増加したものの、原料安に伴う売価下落の影響で減収となりました。石油添加剤は、潤滑油添加剤や油水分離剤等の海外向け販売が好調で増収となりました。金属加工油剤は、切削油剤等が低調で減収となりました。
その結果、当セグメント全体の売上高は、前期比2億96百万円、4.7%減収の59億85百万円となり、セグメント利益は、前期比81百万円増益の3億18百万円となりました。
(スペシャリティーケミカル)
溶剤は、一般溶剤での需要の落ち込みやブレーキ液用等の売価下落の影響により、減収となりました。電子・情報産業用の微細加工用樹脂は、新規開発品の販売増加が寄与し増収となりました。アクリレートは、電子情報材料関連の需要回復により大幅な増収となりました。
その結果、当セグメント全体の売上高は、前期比1億20百万円、1.3%増収の91億75百万円となり、セグメント利益は、前期比2億47百万円増益の4億87百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動により27億64百万円の増加、投資活動により4億67百万円の減少、財務活動により7億49百万円の減少となり、その結果、前連結会計年度末に比べ15億87百万円増加し、当連結会計年度末には68億30百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは27億64百万円の収入(前期比4億11百万円の収入増)となりました。収入の主な要因は、税金等調整前当期純利益8億25百万円、減価償却費19億84百万円、減損損失2億73百万円、厚生年金基金解散損失引当金の増加額4億90百万円、退職給付に係る負債の増加額1億3百万円、仕入債務の増加額4億66百万円、為替差損3億95百万円等であり、支出の主な要因は、売上債権の増加額5億76百万円、たな卸資産の増加額1億15百万円、法人税等の支払額6億76百万円等であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは4億67百万円の支出(前期比3億17百万円の支出減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出5億14百万円等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは7億49百万円の支出(前期比38百万円の支出増)となりました。収入の主な要因は、短期借入金の純増額4億31百万円等であり、支出の主な要因は、長期借入金の純減額7億3百万円、リース債務の返済による支出3億40百万円、配当金の支払額1億27百万円等であります。