有価証券報告書-第79期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/23 14:21
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【項目】
113項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度の我が国経済は、前半は、設備投資の増加と堅調な個人消費を背景に緩やかな回復基調が続きましたが、第3四半期に入り、新興国経済の減速に伴う輸出の伸び悩みや、インバウンド消費などで底堅い動きの続いていた個人消費が暖冬や年明け以降の株価下落等の影響で減少に転ずるなど、内需・外需共に弱含みの動きとなり、景気は停滞感を強めています。
今後も新興国経済の動向や、原油価格をはじめとする資源価格の行方、更には、地政学リスクの高まりなどのリスク要因もあり、引き続き先行き不透明な環境が続くものと予想されます。
このような経営環境下、当社グループの当連結会計年度の売上高は、全般的に製品需要が弱含みで推移し、加えて原材料価格の値下がりに伴う売価の下落の影響から低調に推移した結果、前期比23億53百万円、5.7%減収の391億10百万円となりました。
一方、利益面は、東邦化学(上海)有限公司の大幅な損失計上の影響が大きかったものの、個別業績における原材料価格の値下がりに伴う利益率の改善や、新規開発品の収益効果による大幅な増益が下支えとなり、営業利益並びに経常利益は増益となりました。
しかし、親会社株主に帰属する当期純損益は、個別業績において、東邦化学(上海)有限公司の関係会社出資金評価損12億50百万円と厚生年金基金の解散に伴う退職手当規程改訂に係わる退職給付費用5億53百万円を特別損失に計上したことにより、個別・連結業績ともに損失計上を余儀なくされました。
その結果、営業利益は、前期比9億56百万円増益の11億55百万円、経常利益は、前期比2億99百万円増益の7億9百万円、親会社株主に帰属する当期純損失は、2億31百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益14百万円)となりました。
セグメント別の状況は次のとおりです。
(界面活性剤)
トイレタリー用界面活性剤は、一般洗浄剤は伸長したものの、ヘアケア用基剤が振るわず、売価下落の影響もあって減収となりました。プラスチック用界面活性剤は、主力の帯電防止剤が伸び若干の増収となりました。土木建築用薬剤は、コンクリート用関連薬剤や建材用薬剤の落ち込みで大幅な減収となりました。紙パルプ用界面活性剤は、潤滑剤などが伸びたものの、消泡剤などが低調で僅かに減収となりました。農薬助剤及び繊維助剤は、海外需要向けの販売が低調で減収となりました。
その結果、当セグメント全体の売上高は、前期比11億58百万円、5.4%減収の204億63百万円となり、セグメント利益は8億4百万円となりました。
(樹脂)
石油樹脂は、大口ユーザーの定修の影響等により大幅な減収となりました。合成樹脂は、自動車関連向けウレタン樹脂等の落ち込みを主因に減収となりました。樹脂エマルションは、金属表面処理剤等が振るわず減収となりました。
その結果、当セグメント全体の売上高は、前期比5億75百万円、15.2%減収の32億20百万円となり、セグメント利益は75百万円となりました。
(化成品)
合成ゴム・ABS樹脂用ロジン系乳化重合剤は、海外向け販売が低調に推移し減収となりました。石油添加剤は、海外向けの販売増で若干の増収、金属加工油剤は主力の水溶性切削油剤等が低調で減収となりました。
その結果、当セグメント全体の売上高は、前期比4億10百万円、6.1%減収の62億81百万円となり、セグメント利益は2億36百万円となりました。
(スペシャリティーケミカル)
溶剤は、医薬品製造用の需要回復が見られたものの、電子材料用等が振るわず、売価下落の影響もあって減収となりました。電子・情報産業用の微細加工用樹脂は、半導体関連用は底堅く推移したものの、第3四半期に入りFPD関連向けの需要が落ち込み、減収となりました。アクリレートは、電子情報材料関連のユーザーの在庫調整の影響があり、若干の減収となりました。
その結果、当セグメント全体の売上高は、前期比1億89百万円、2.0%減収の90億54百万円となり、セグメント利益は2億40百万円となりました。
なお、前連結会計年度において報告セグメントに帰属しない東邦化学(上海)有限公司に係る費用を、同社製品の販売活動の本格化に伴い、当連結会計年度より報告セグメントに含めております。そのため、セグメント利益につきましては、前期と前提が異なりますので比較情報は記載しておりません。
また、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益又は当期純損失」を「親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失」としております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動により23億53百万円の増加、投資活動により7億84百万円の減少、財務活動により7億11百万円の減少となり、その結果、前連結会計年度末に比べ8億9百万円増加し、当連結会計年度末には52億43百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは23億53百万円の収入(前期比2億52百万円の収入増)となりました。収入の主な要因は、税金等調整前当期純利益1億29百万円、減価償却費20億73百万円、退職給付に係る負債の増加額7億19百万円、為替差損1億89百万円、たな卸資産の減少額1億3百万円等であり、支出の主な要因は、仕入債務の減少額4億78百万円、利息の支払額2億92百万円、法人税等の支払額3億46百万円等であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは7億84百万円の支出(前期比1億91百万円の支出減)となりました。収入の主な要因は、有形固定資産の売却による収入1億25百万円等であり、支出の主な要因は、有形固定資産の取得による支出9億37百万円等であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは7億11百万円の支出(前期比12百万円の支出減)となりました。収入の主な要因は、短期借入金の純増額6億19百万円等であり、支出の主な要因は、長期借入れの純減額8億41百万円、リース債務の返済による支出3億30百万円、配当金の支払額1億28百万円等であります。