有価証券報告書-第84期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/24 13:22
【資料】
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【項目】
149項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、取引先に信頼され、株主・社員に報い、社員が誇りと意欲をもって働く企業を目指します。
小粒でも光るファインケミカル中心の中堅優良化学メーカーとして、社会に貢献するとともに、独自性のある技術・製品を擁し、環境志向等時代のニーズへの即応力を備え、CS(顧客満足度)においても高い評価を得られる企業グループとなるよう努めてまいります。
(2) 中期的な経営戦略
当社グループは、2020年3月期を初年度とする「新三ヵ年中期経営計画」(以下、「新中計」という)に取り組んでおります。新中計に掲げた数値目標と課題は、(3)目標とする経営指標、(5)対処すべき課題に記載のとおりです。新中計では「スピードアップ」をキーワードとして、その実現に全力を挙げて取り組んでいます。
(3) 目標とする経営指標
新中計では、継続的な事業規模の拡大と収益性の向上、財務の健全性確保、資本の効率的な活用、株主の皆様への還元を重視し、下記の指標を数値目標としています。
数値目標(連結) <最終年度(2022年3月期)>
2022年3月期 計画2020年3月期 実績2021年3月期 実績
売上高(百万円)51,00042,15540,649
営業利益(百万円)3,0002,0061,386
売上高営業利益率(%)5.94.83.4
純資産額(百万円)17,00013,58015,121
自己資本比率(%)27.025.325.8
ROE(%)10.0以上10.47.0
1株当たり配当額(円)201515

(4) 経営環境
今後の経済の見通しにつきましては、ワクチン接種の開始や国内外の財政・金融政策の効果等により、2021年3月期と比較すると上向くものと予想しますが、感染防止のための外出自粛や海外との往来における制約等、社会経済活動への影響は続いており、また変異ウイルス感染拡大の懸念もあり、コロナ禍以前の水準への回復は、2022年度以降に持ち越されるものと考えます。一方、中国経済の回復等により原料価格に上昇の動きが見られ、本格的な需要回復に先行して原料調達コストが増加することによる収益への悪影響が懸念されます。
(5) 対処すべき課題
新中計(2020年3月期~2022年3月期)の重要課題と対応状況及び今後の対応につきましては以下のとおりです。
(最重要課題)
① 東邦化学(上海)有限公司の黒字化と第2期増設工事稼働後の事業を軌道に乗せる
東邦化学(上海)有限公司の当連結会計年度の営業利益は前年度に続き黒字を確保し、経常利益は為替差益の発生もあり会社設立来初の黒字化を達成しました。2020年8月に第2期増設設備が稼働し、早期の設備稼働率アップに向け、中国を中心とした海外市場の開拓や、開発案件の早期実績化等に注力してまいります。また、同社は、中国上海市金山区応急管理局から2021年4月30日付で生産停止命令を受け、同日より同社における生産を停止しています。この生産停止命令は、中国国務院安全委員会事務室査察グループが同社に対して行った安全生産に関する査察の結果を受けたものであり、生産停止期間は、査察における指摘事項の改善状況を政府当局が確認し、生産を許可するまでとなっています。できる限り早期に生産を再開し、影響を最小限にとどめるよう、指摘事項への対応に全力を挙げて取り組んでまいります。
② 生産性の改善
国内においては、生産性向上や省人化への取り組みを最重要課題として進めています。既存製品の製造方法の見直しや工程合理化が、香粧原料や石油添加剤、電子情報産業用の微細加工用樹脂、農薬助剤等で成果を挙げており、好事例については同種の製品への横展開を進めています。また、必要な設備への投資も順次進めており、来期以降もこの動きを継続し、強化してまいります。
③ 人材育成と全社の意識改革
人材育成と意識改革については、生産性、改善や開発テーマの実績化、新規市場開拓等の成功体験を通じて各社員の意識改革につなげる取り組みや、適材適所の観点からの人事ローテーションの活発化等に継続的に取り組んでおります。「採算(損益)・生産性(省人化)・(市場での)競争・スピード・人材育成」をキーワードとし、それらに高い意識を持つリーダー及びリーダー候補を育てることに注力してまいります。
(その他重要課題)
① 電子情報産業向け需要増への増産体制の構築
電子情報産業向け需要増への増産体制の構築については、千葉工場における新プラント建設工事が2020年5月より始まり、2021年年末の完成を予定しています。併せて、十分な人的資源の確保を図るべく、既存プラントにおける省人化を進め、人員の配置転換を進めます。
② 最適生産体制の構築
最適生産体制の構築については、各生産拠点の生産能力や生産コスト等の諸条件を考慮し、どの工場でどの製品を生産するのが最適かを適宜見直し、国内工場のみならず、東邦化学(上海)有限公司も含め、BCP対策も考慮に入れながら生産移管等を進めています。また、生産の最適化のために必要な設備投資も積極的に進めております。今後は、東邦化学(上海)有限公司の第2期増設設備も含めた最適生産体制の構築を進めてまいります。
③ 海外市場開発
海外市場開発については、東邦化学(上海)有限公司の生産活動再開後における第2期増設設備の早期稼働率向上に向け、当社グループの総力を挙げて取り組んでまいります。アクリレート、香粧原料、土木建築用薬剤、繊維助剤、石油添加剤、合成樹脂等を中心に市場開発を進めております。現在は海外諸国における入国制限・行動制限等、営業活動への制約もありますが、その間も海外市場向け製品の研究開発を進める等、コロナ禍収束後の挽回を図ってまいります。
④ 高機能・高付加価値製品の開発テーマの実績化
高機能・高付加価値製品の開発テーマの実績化については、土木建築用薬剤や溶剤、電子情報産業用の微細加工用樹脂、合成樹脂等で実績化に至った案件があるほか、プラスチック用添加剤や石油添加剤等でも開発テーマが着実に進捗しており、早期の収益化を図ってまいります。
⑤ 次期基幹システム(ERP)導入と業務改善の推進
次期基幹システム(ERP)導入については、2020年5月より運用を開始いたしました。導入に際しては特筆すべき問題の発生はなく、安定的な運用が行われております。今後は活用のフェーズに進み、経営資源に係る情報の可視化とそのスピードアップを進め、経営の意思決定の迅速化につなげることで、導入効果を実現してまいります。
2022年3月期も前年度に続き、上記の新中計に掲げた重要課題への取り組みに加え、新型コロナウイルスへの感染防止対策を徹底し、社員の感染による事業停滞のリスクを回避することに努めてまいります。

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