有価証券報告書-第58期(令和1年6月1日-令和2年5月31日)

【提出】
2020/08/28 9:26
【資料】
PDFをみる
【項目】
155項目

研究開発活動

当連結会計年度における研究開発費は、総額304百万円となっております。
当社グループの研究開発は、当社製品に関しましては主に当社が、子会社である株式会社ユーホーニイタカ並びにスイショウ油化工業株式会の製品に関しましては当社のサポートのもと、両子会社が合同で担っております。
当社の体制は各種製品の開発を行う技術部製品開発一課、製品開発二課、並びに基礎研究を担う基盤技術研究室にて構成しております。また、子会社につきましては両社の合同開発チームをスイショウ油化工業株式会社内に置き、製品開発にあたっております。
研究開発テーマはマーケティング部門起案、又は、営業部門を通じてお客様から寄せられるご要望などから選択し、決定しております。
新製品の開発以外では、法令の改正に合わせて製品の改良にも取り組みました。特に、毒物及び劇物取締法が改正され、いくつかの原料が劇物指定されることに伴い、それらを用いている当社製品も劇物に指定されることが見込まれたため、代替原料による処方改良を探索し、性能を落とすことなく非劇物となるように処方改良を進めました。これによって、従来からご使用いただいているお客様にご不便やお手間をおかけすることなく製品の切り替えを完了いたしました。
また、当連結会計年度は前年度に引き続き多くの台風被害がありました。これらに対するお客様のサポートのため、浸水被害後の営業再開に向けた店舗・設備等の洗浄、除菌方法のご提案やご指導などを行いました。
さらには世界を震撼させた新型コロナウイルスの発生があり、当社においても一時、研究開発活動を中断せざるを得ない状況となりました。そのような状況下でも、アルコール製剤や除菌洗浄剤、ハンドソープなどの使用方法等に関するお問い合わせに対して、政府や関係官庁の発信情報に基づき、多くのお客様へ正確な情報を提供することにより、衛生管理の向上に資する活動も行いました。
当連結会計年度の主な研究開発成果は次のとおりであります。
(1)水流式フォーマー用延長ノズル
・食品工場やスーパーマーケットなどの洗浄作業で最も時間と労力を要する床洗浄を楽に、短時間で実施するためのアクセサリーです。
・従来のように洗浄剤溶液をバケツで撒いてブラシでこすり洗いする必要がなく、洗浄作業負荷の軽減、ひいてはコストダウンに寄与することができました。
(2)法令対応(毒物及び劇物取締法改正(対象物質の追加))
・除菌洗浄剤類及び酸性洗浄剤類の処方変更を行いました。
・劇物指定されると保管や輸送、売買、取扱い時の管理が煩雑になります。非劇物化により、煩雑な管理を不要としました。
(3)第70回 工業技術賞受賞(対象製品:ケミファインクイックすすぎ)
・ケミファインクイックすすぎはアルカリ性の油脂汚れ用洗浄剤です。先にご紹介した水流式フォーマーと同延長ノズルと組み合わせて使用することにより、スーパーマーケットのバックヤードや食品工場の床を、ブラシでごしごしこすることなく、洗浄剤希釈液の散布~5分程度放置~水道水ですすぐだけできれいにすることができるため、洗浄作業の負荷を大きく低減することができます。また、洗浄時には豊かな泡立ちがありながら、すすぎ時には泡がさっと消えるため、トータルの洗浄作業時間の低減にも大きく貢献することができます。
・床が汚れた厨房や食品工場では、滑りによる転倒事故が労災の上位に挙がっており、ケミファインクイックすすぎをご使用いただくことで職場の安全向上にも寄与します。
・今回、このような特徴を持ったケミファインクイックすすぎの技術が評価され、一般社団法人大阪工研協会主催の第70回工業技術賞を受賞しました。
・この賞は、工業に関する研究や発明、ならびに現場技術の進歩改善に大きな成果を上げた技術者に贈られる歴史ある賞です。
・当社は第66回のセキュアコール(食品添加物アルコール製剤)、第67回のローヤルサラセン(食器、野菜・果物用洗剤)、第68回のサニプラン強力除菌メタルガード(洗浄機用洗浄剤)、第69回のノロスター(食品添加物アルコール製剤)に続く5年連続の受賞となりました。