有価証券報告書-第10期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/21 14:18
【資料】
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【項目】
58項目

有報資料

(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「企業理念」である「医薬品の創製を通じて、世界の人々の健康に貢献します」のもと、「めざす姿」である「国際創薬企業として、社会から信頼される企業になります」の実現に向けて、グローバル新薬の創製や海外事業展開、医療ニーズに対応する新たな事業機会の創出に挑戦しております。
また、すべての企業活動にあたっては、高い倫理観を持ち、公正かつ誠実な企業活動を展開することを「企業行動憲章」に定め、当社グループの全役員および全従業員が最優先する行動の規範と位置付けております。
当社グループは、これら「企業理念」、「めざす姿」、「企業行動憲章」を経営の基本方針として、事業を展開しております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略および会社の対処すべき課題
「中期経営計画16-20 Open Up the Future」の進捗
国内医療用医薬品を取り巻く事業環境は急激に変化しており、当社グループが持続的成長をめざすためには、世界最大の医薬品市場である米国における自社販売による事業基盤の早期構築および国内市場における育薬・営業強化を通じた重点品の価値最大化と重点疾患領域でのプレゼンスの向上が不可欠であります。
当社グループは、2016年に策定した中期経営計画16-20のキーコンセプトを「Open Up the Future ―医療の未来を切り拓く」とし、患者さんやそのご家族の未来を切り拓くことによってこそ、自らの未来も切り拓くことができると確信し、「医薬」のみならず「医療」というより広い視野で貢献していくとの意思のもと、「4つの挑戦」①パイプライン価値最大化、②育薬・営業強化、③米国事業展開、④業務生産性改革を掲げ、持続的成長のための企業活動に取り組んでまいりました。当期におけるそれら4つの挑戦の主な進捗は以下のとおりです。
①パイプライン価値最大化
・創薬シーズの導入や他社協業といったオープンシェアードビジネスに積極的に取り組み、本中期経営計画期間中に10品目の後期開発品を創製します。「自己免疫疾患領域」では慶應義塾大学との共同研究として慶應リサーチパークへの参画、「糖尿病・腎疾患領域」では、アストラゼネカ社や京都大学医学部との連携により、新規プロジェクトとなるターゲット分子の選定を行うなど、既存薬にない医療価値の提供をめざしています。
・各領域におけるパイプラインの進捗状況は、以下のとおりとなっております。
<自己免疫疾患領域>バイオジェン社に導出したMT-1303は、2016年10月に同社が戦略上の理由から開発中止を発表しました。本剤は当社にとって重要なパイプラインのひとつであり、引き続き自社単独での開発または新たな開発アライアンスを行うことで、2020年度以降に米国事業拡大に貢献する製品に育ててまいります。
また、リジェネロン社から導入したMT-5547(ファシヌマブ/抗NGF抗体)については、同社が実施した日本人でのフェーズ1試験が終了しており、2017年度に変形性関節症を対象に、国内でフェーズ2およびフェーズ3試験を開始する予定です。
さらに、コーロン ライフ サイエンス社との変形性膝関節症の症状緩和を目的とした細胞治療薬「Invossa」(MT-5373)のライセンス契約締結など、当社の強みを発揮できる領域でのさらなるプレゼンスの向上に向けた取り組みが順調に進捗しております。
<糖尿病・腎疾患領域>MT-3995については、糖尿病性腎症のPOC(Proof of Concept:ヒトでの新薬候補物質の有効性・安全性の実証)を取得し、現在導出活動中ですが、さらに付加価値を付けるため、NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)を対象に国内でフェーズ2試験を開始しました。
アケビア社から2015年に導入したMT-6548については、腎性貧血を対象として、同社が2016年に国内フェーズ2試験を開始しました。2020年度までの上市をめざし、開発を進めてまいります。
<中枢神経系疾患領域>ニューロクライン・バイオサイエンシズ社から2015年に導入したMT-5199(バルベナジン/VMAT2阻害剤)は、フェーズ1試験が終了し、2017年度に遅発性ジスキネジアを対象にフェーズ2試験開始を予定しています。
<ワクチン領域>メディカゴ社の季節性インフルエンザワクチンのフェーズ2試験の結果をふまえ、北米で2020年度の販売開始をめざし、引き続き開発を進めてまいります。また、5種混合ワクチンMT-2355についても、一般財団法人阪大微生物病研究会と共同で国内のフェーズ3試験を開始しました。
②育薬・営業強化
・2016年11月に、一般財団法人阪大微生物病研究会との間でワクチン製造の合弁会社である「株式会社BIKEN」の設立について基本合意し、2017年5月に最終合意しました。今後は、従来から協力関係にあった研究開発(MT-2355共同開発)や販売に加えて製造面でも提携し、広範なバリューチェーン全体での協力関係を築くことで、国内外へさらなる競争力のあるワクチンを提供してまいります。
・帝國製薬株式会社が開発中の抗アレルギー剤「ルパタジン」について、2016年10月に同社との間で日本国内における販売基本契約、ならびに「タリオン」についての共同販売促進活動に関する契約を締結しました。両剤を通じ、今後もより一層アレルギー疾患の治療に貢献してまいります。
・これまでの「施設完結型」から「地域完結型」の医療への移行が進む中、営業本部では2016年10月に各支店全営業所にエリアマーケティングプランナーを配置しました。各地域のニーズを的確かつスピーディーに捉え、地域独自の医療連携企画を実施することで、中長期的な視点で地域医療へ貢献してまいります。
③米国事業展開
・米国事業展開の第1ステップとして取り組んでおりました、MCI-186のALS(筋萎縮性側索硬化症)を適応症とする製造販売承認を2017年5月に取得し、2017年度の販売開始を予定しています。
・第2ステップとしては、製品ラインナップを強化するために、2,000億円以上の戦略的投資枠をもって、外部からの製品や後期開発品の導入、事業買収などを通じて「米国事業の拡大」に取り組みます。
・さらに第3ステップとして、米国で自社開発する品目を中心に、「米国事業の継続成長」のための施策に取り組んでまいります。
以上の米国事業戦略の3つのステップを通じ、2020年度米国売上収益800億円達成へ向けて取り組んでまいります。
④業務生産性改革
・国内事業環境が厳しくなるなか、収益力の改善を図るため、売上原価と販売費及び一般管理費を、本中期経営計画期間中に200億円削減(2015年度比)することを目標としております。当期は、人件費を中心として、約80億円の削減となりました。
・ジェネリック医薬品事業においては、政府の使用促進策による事業機会の拡大とともに、コスト・販売競争が激化する等、将来に向けてますます事業環境が厳しくなることが見込まれ、自ら事業を継続するよりも、豊富な開発経験と多様な生産体制を有する第三者とのアライアンスによってシナジーを生み出すことが、当該事業の勝ち残りのために必須であると判断し、2017年3月にニプロ株式会社との間で、当社の完全子会社でジェネリック医薬品販売会社である田辺製薬販売株式会社の全株式を譲渡する株式譲渡契約を締結しました。
・組織の生産性を高めるため、戦略実現のための人材育成、働き方改革や多様な人材の活躍(ダイバーシティ&インクルージョン)の実現に取り組んでおります。将来の経営人材育成の基本概念となるMT-VIVIDを策定し、経営人材育成プログラムを開始するとともに、テレワーク制度導入など人材の活躍や多様な働き方につながる取り組みを行っております。今後も従来の枠を超える人材の育成、働き方の改革等に、取り組んでまいります。
以上を通じ、「中期経営計画16-20 Open Up the Future」の最終年度である2020年度につきましては、売上収益5,000億円、コア営業利益1,000億円、親会社の所有者に帰属する当期利益700億円、研究開発費800億円、海外売上収益比率40%をめざしてまいります。
また、本中期経営計画期間においては、連結配当性向50%を目途に、中長期的な利益成長に基づいた配当を行ってまいります。

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