有価証券報告書-第89期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績などの状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により大きなダメージを受けた1年となりました。1回目の緊急事態宣言が解除された2020年6月以降には、段階的な経済活動の再開や政府による公共事業と個人消費押し上げ施策により、緩やかに持ち直す場面があったものの、12月に入り再び感染が拡大し、2021年1月には大都市圏を対象とする緊急事態宣言が再発出され、個人消費を中心に回復基調が停滞する結果となりました。
医薬品業界につきましても、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う患者さんの受診抑制や、医療機関への情報提供活動の抑制などの影響があったことに加え、2019年10月および2020年4月の2度にわたり行われた薬価改定や、オーソライズドジェネリックの台頭に伴うジェネリック医薬品市場の競争激化など厳しい事業環境が続いています。
このような環境下で、当社グループは引き続き「信頼できるジェネリック医薬品」の普及に貢献するべく、ジェネリック医薬品の高品質維持と安定供給確保に注力するとともに、生産性および効率性の向上に資する施策を推し進めてきました。
また、ジェネリック医薬品事業と並行して取り組んでいる、「アルカリ化療法」や「自社開発創薬」に関しても、他社とのアライアンスによる革新的な創薬テーマへのチャレンジや、国内外企業への導出活動を本格化しています。当社グループはまだ十分な治療薬がない病気に苦しむ患者さんのために、画期的新薬の開発に取り組んでいます。
セグメントの経営成績は次のとおりです。
① 医薬品事業
1) 医療用医薬品
(a) ジェネリック医薬品
ジェネリック医薬品市場については、前述した2回の薬価改定や新型コロナウイルスの影響に加え、オーソライズドジェネリックの台頭とそれに対抗するための各社の競争激化も相まって、厳しい事業環境が続きました。
当社グループにおきましては医療機関の訪問規制への対応として、インサイドセールスやリモート面談などを駆使した情報提供活動に取り組む中で、2020年6月にアルツハイマー型認知症治療剤の「メマンチン塩酸塩OD錠『ケミファ』」など5成分9品目、12月には疼痛治療剤「プレガバリンOD錠『ケミファ』」など3成分8品目のジェネリック医薬品を発売しました。既存品については薬価改定の影響が大きかったものの、ラベプラゾールなど一部の製品については製剤特徴を訴求した情報提供が奏功し、薬価改定の影響をカバーすることができました。
(b) 主力品・新薬
2020 年7月に導入したマクロライド系抗生物質製剤「クラリシッド」については、当下期以降、当社グループの売り上げに寄与する状況となっています。同製品は競合品が多い中でも長期にわたりブランド力を維持しており、これを手掛かりとした医療機関へのアプローチにより、ジェネリック医薬品事業とのシナジーを創出していきます。
また、主力品であるアルカリ化療法剤「ウラリット-U配合散・同配合錠」(以下、ウラリット)につきましては、ジェネリック医薬品への置換えが進んでいるものの、子会社である日本薬品工業株式会社が販売する同剤のジェネリック医薬品「クエンメット配合散・同配合錠」と合わせて当社グループで製造・販売できる状況を活かし、痛風ならびに高尿酸血症における酸性尿改善の重要性に関する普及活動を強化してきました。
以上の結果、ジェネリック医薬品の売上高は前期比3.4%の減収、ウラリットをはじめとする主力品・新薬の売上高は31.4%の増収となり、医療用医薬品全体では1.7%の減収となりました。
なお、医療用医薬品の売上高比率を薬効別にみますと、循環器官用薬及び呼吸器官用薬30.1%、消化器官用薬15.4%、ウラリットなどの代謝性医薬品15.1%、神経系及び感覚器官用薬12.0%、病原生物用薬6.5%、腫瘍用薬2.9%、その他の医薬品17.8%となっています。
2) 臨床検査薬
2020年2月に富士フイルム和光純薬株式会社と国内で共同販売を開始しました、アレルギースクリーニング検査キット「ドロップスクリーン 特異的IgE 測定キット ST-1」(以下、「ドロップスクリーン」)と、その測定装置である「ドロップスクリーンA-1」(製造販売元:上田日本無線株式会社)について、当期は新型コロナウイルス感染症の影響により営業活動の遅れが生じましたが、アレルギー科を標榜しているクリニックのみならず、幅広い施設から導入のためのデモや見積もりの依頼を受けており、導入された医療機関からも大変高い評価をいただいています。
また、自社開発のアレルギー検査薬「オリトンIgE『ケミファ』」(以下、オリトン)につきましては、2019年10月に60品目のうち、7品目について中国の監督当局である国家薬品監督管理局(NMPA)から製造認可を取得し、その後、さらに7品目の製造認可が下りたことから、当期に中国で試行的に商業販売を開始しました。今後も順次、承認品目を増やし、来期には本格的販売活動を開始できる見通しです。
以上により、医薬品事業全体の売上高は30,423百万円(前期比0.7%減)、営業利益は546百万円(前期比63.3%増)となりました。
② その他
「その他」の事業については、子会社の株式会社化合物安全性研究所が展開するCRO(Contract Research Organization 医薬品開発業務受託機関)市場は、医療機器、再生医療等製品、アカデミアの市場規模が緩やかに拡大しているとともに、医薬品開発におけるアウトソーシングの流れがあいまって堅調に推移しています。しかしながら、当期は新型コロナウイルス感染症の影響により、顧客の研究開発スケジュールに一時的な遅延が発生しております。
こうした状況下、同社の非臨床事業は、医療機器およびデータギャップ補完に伴う農薬の受注が堅調に推移しましたが、前年度に受注した複数の案件において開発スケジュールに遅れが生じたことで、減収減益となりました。一方、臨床事業については、ジェネリック医薬品の治験の引き合いが堅調に推移したとともに、非臨床から臨床まで包括して受注した医薬品、および再生医療等製品の開発が臨床段階へと進んだことにより、増収増益となりました。
ヘルスケア事業及び不動産賃貸事業も含めた「その他」の事業全体の売上高は1,117百万円(前期比0.5%減)となり、営業利益は17百万円(前期比40.8%減)となりました。
以上の結果、各セグメントを通算した業績は当期の連結売上高が31,541百万円(前期比0.7%減)、連結営業利益が564百万円(前期比54.8%増)、連結経常利益が582百万円(前期比89.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が495百万円(前期比13.4%増)となりました。
売上高については、2019年10月と2020年4月に行われた2回の薬価改定の影響に加え、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う患者さんの受診抑制の影響が上半期に大きく影響しましたが、下期に入り、昨年6月追補品や同7月に導入した長期収載品の売上寄与に加え、昨年末に発生した他社の品質問題に伴う代替需要などにより、下期半期では前年同期間比増収となっており、通期では売上高は微減となりました。
利益面では、薬価改定による原価率上昇の影響があるものの、グループ構造改革による人員体制の適正化や支店営業所の統廃合、さらなる経費使用の厳格化によるコスト改善に努めたことに加え、コロナ禍における販売活動費用の減少などにより、営業利益以下各利益で増益の結果となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当期における連結ベースの現金及び現金同等物は、営業活動により1,503百万円増加いたしました。また投資活動においては1,024百万円の減少、財務活動においては29百万円の増加となりました。
この結果、当期末の現金及び現金同等物(以下、資金)は10,505百万円(前期末比5.1%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期において、営業活動による資金は主に売上債権の増加及びたな卸資産の増加があったものの、税金等調整前当期純利益の計上により、1,503百万円の増加(前期は1,394百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期において、投資活動による資金は主に無形固定資産の取得により、1,024百万円の減少(前期は326百万円の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期において、財務活動による資金は主に配当金の支払があった一方で、長期借入金の増加により、29百万円の増加(前期は961百万円の減少)となりました。
(3) 財政状態
流動資産は前期末に比べて3.9%増加し、30,446百万円となりました。これは、主に現金及び預金並びに売上債権の増加によるものです。
固定資産は前期末に比べ0.8%増加し、16,676百万円となりました。これは、主に減価償却と投資有価証券の売却による減少の一方、マクロライド系抗生物質製剤「クラリシッド」の販売権取得による増加によるものです。
この結果、総資産は前期末に比べて2.8%増加し、47,124百万円となりました。
流動負債は前期末に比べて2.6%増加し、14,102百万円となりました。これは、主に仕入債務の増加によるものです。
固定負債は前期末に比べて1.9%増加し、15,006百万円となりました。これは、主に長期借入金の増加によるものです。
この結果、負債合計は前期末に比べて2.2%増加し、29,109百万円となりました。
純資産合計は前期末に比べて3.6%増加し、18,014百万円となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものです。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、種々の見積りと仮定を行っていますが、それらは連結財務諸表、偶発債務に影響を及ぼします。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
① 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収可能性の見直しを行い繰延税金資産の金額の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。
② 退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しています。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しています。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
③ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、収益性が著しく低下した資産または資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。
固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
なお、2019年度末から続く新型コロナウイルス感染症の拡大は世界中の社会・経済活動に深刻な影響を及ぼしており、さらに、その影響が長期化されることが懸念されております。当社グループにおいては、営業活動においてMRの病院への訪問が制限されているなか、WEBやEメールを活用するなどして、医療機関の要望に沿う形で情報提供活動を展開し、その影響を最小限にすべく取り組んでおり、また研究開発、生産活動については概ね計画どおり活動を継続しており、現時点において新型コロナウイルス感染症の拡大が当社グループの事業活動に及ぼす影響については限定的であると認識しております。
(5) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は、製造原価によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注状況
当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を立て、これにより生産をしております。
受注生産は一部の子会社で行っておりますが、受注残高の金額に重要性はないため、記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により大きなダメージを受けた1年となりました。1回目の緊急事態宣言が解除された2020年6月以降には、段階的な経済活動の再開や政府による公共事業と個人消費押し上げ施策により、緩やかに持ち直す場面があったものの、12月に入り再び感染が拡大し、2021年1月には大都市圏を対象とする緊急事態宣言が再発出され、個人消費を中心に回復基調が停滞する結果となりました。
医薬品業界につきましても、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う患者さんの受診抑制や、医療機関への情報提供活動の抑制などの影響があったことに加え、2019年10月および2020年4月の2度にわたり行われた薬価改定や、オーソライズドジェネリックの台頭に伴うジェネリック医薬品市場の競争激化など厳しい事業環境が続いています。
このような環境下で、当社グループは引き続き「信頼できるジェネリック医薬品」の普及に貢献するべく、ジェネリック医薬品の高品質維持と安定供給確保に注力するとともに、生産性および効率性の向上に資する施策を推し進めてきました。
また、ジェネリック医薬品事業と並行して取り組んでいる、「アルカリ化療法」や「自社開発創薬」に関しても、他社とのアライアンスによる革新的な創薬テーマへのチャレンジや、国内外企業への導出活動を本格化しています。当社グループはまだ十分な治療薬がない病気に苦しむ患者さんのために、画期的新薬の開発に取り組んでいます。
セグメントの経営成績は次のとおりです。
① 医薬品事業
1) 医療用医薬品
(a) ジェネリック医薬品
ジェネリック医薬品市場については、前述した2回の薬価改定や新型コロナウイルスの影響に加え、オーソライズドジェネリックの台頭とそれに対抗するための各社の競争激化も相まって、厳しい事業環境が続きました。
当社グループにおきましては医療機関の訪問規制への対応として、インサイドセールスやリモート面談などを駆使した情報提供活動に取り組む中で、2020年6月にアルツハイマー型認知症治療剤の「メマンチン塩酸塩OD錠『ケミファ』」など5成分9品目、12月には疼痛治療剤「プレガバリンOD錠『ケミファ』」など3成分8品目のジェネリック医薬品を発売しました。既存品については薬価改定の影響が大きかったものの、ラベプラゾールなど一部の製品については製剤特徴を訴求した情報提供が奏功し、薬価改定の影響をカバーすることができました。
(b) 主力品・新薬
2020 年7月に導入したマクロライド系抗生物質製剤「クラリシッド」については、当下期以降、当社グループの売り上げに寄与する状況となっています。同製品は競合品が多い中でも長期にわたりブランド力を維持しており、これを手掛かりとした医療機関へのアプローチにより、ジェネリック医薬品事業とのシナジーを創出していきます。
また、主力品であるアルカリ化療法剤「ウラリット-U配合散・同配合錠」(以下、ウラリット)につきましては、ジェネリック医薬品への置換えが進んでいるものの、子会社である日本薬品工業株式会社が販売する同剤のジェネリック医薬品「クエンメット配合散・同配合錠」と合わせて当社グループで製造・販売できる状況を活かし、痛風ならびに高尿酸血症における酸性尿改善の重要性に関する普及活動を強化してきました。
以上の結果、ジェネリック医薬品の売上高は前期比3.4%の減収、ウラリットをはじめとする主力品・新薬の売上高は31.4%の増収となり、医療用医薬品全体では1.7%の減収となりました。
なお、医療用医薬品の売上高比率を薬効別にみますと、循環器官用薬及び呼吸器官用薬30.1%、消化器官用薬15.4%、ウラリットなどの代謝性医薬品15.1%、神経系及び感覚器官用薬12.0%、病原生物用薬6.5%、腫瘍用薬2.9%、その他の医薬品17.8%となっています。
2) 臨床検査薬
2020年2月に富士フイルム和光純薬株式会社と国内で共同販売を開始しました、アレルギースクリーニング検査キット「ドロップスクリーン 特異的IgE 測定キット ST-1」(以下、「ドロップスクリーン」)と、その測定装置である「ドロップスクリーンA-1」(製造販売元:上田日本無線株式会社)について、当期は新型コロナウイルス感染症の影響により営業活動の遅れが生じましたが、アレルギー科を標榜しているクリニックのみならず、幅広い施設から導入のためのデモや見積もりの依頼を受けており、導入された医療機関からも大変高い評価をいただいています。
また、自社開発のアレルギー検査薬「オリトンIgE『ケミファ』」(以下、オリトン)につきましては、2019年10月に60品目のうち、7品目について中国の監督当局である国家薬品監督管理局(NMPA)から製造認可を取得し、その後、さらに7品目の製造認可が下りたことから、当期に中国で試行的に商業販売を開始しました。今後も順次、承認品目を増やし、来期には本格的販売活動を開始できる見通しです。
以上により、医薬品事業全体の売上高は30,423百万円(前期比0.7%減)、営業利益は546百万円(前期比63.3%増)となりました。
② その他
「その他」の事業については、子会社の株式会社化合物安全性研究所が展開するCRO(Contract Research Organization 医薬品開発業務受託機関)市場は、医療機器、再生医療等製品、アカデミアの市場規模が緩やかに拡大しているとともに、医薬品開発におけるアウトソーシングの流れがあいまって堅調に推移しています。しかしながら、当期は新型コロナウイルス感染症の影響により、顧客の研究開発スケジュールに一時的な遅延が発生しております。
こうした状況下、同社の非臨床事業は、医療機器およびデータギャップ補完に伴う農薬の受注が堅調に推移しましたが、前年度に受注した複数の案件において開発スケジュールに遅れが生じたことで、減収減益となりました。一方、臨床事業については、ジェネリック医薬品の治験の引き合いが堅調に推移したとともに、非臨床から臨床まで包括して受注した医薬品、および再生医療等製品の開発が臨床段階へと進んだことにより、増収増益となりました。
ヘルスケア事業及び不動産賃貸事業も含めた「その他」の事業全体の売上高は1,117百万円(前期比0.5%減)となり、営業利益は17百万円(前期比40.8%減)となりました。
以上の結果、各セグメントを通算した業績は当期の連結売上高が31,541百万円(前期比0.7%減)、連結営業利益が564百万円(前期比54.8%増)、連結経常利益が582百万円(前期比89.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が495百万円(前期比13.4%増)となりました。
売上高については、2019年10月と2020年4月に行われた2回の薬価改定の影響に加え、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う患者さんの受診抑制の影響が上半期に大きく影響しましたが、下期に入り、昨年6月追補品や同7月に導入した長期収載品の売上寄与に加え、昨年末に発生した他社の品質問題に伴う代替需要などにより、下期半期では前年同期間比増収となっており、通期では売上高は微減となりました。
利益面では、薬価改定による原価率上昇の影響があるものの、グループ構造改革による人員体制の適正化や支店営業所の統廃合、さらなる経費使用の厳格化によるコスト改善に努めたことに加え、コロナ禍における販売活動費用の減少などにより、営業利益以下各利益で増益の結果となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当期における連結ベースの現金及び現金同等物は、営業活動により1,503百万円増加いたしました。また投資活動においては1,024百万円の減少、財務活動においては29百万円の増加となりました。
この結果、当期末の現金及び現金同等物(以下、資金)は10,505百万円(前期末比5.1%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当期において、営業活動による資金は主に売上債権の増加及びたな卸資産の増加があったものの、税金等調整前当期純利益の計上により、1,503百万円の増加(前期は1,394百万円の増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当期において、投資活動による資金は主に無形固定資産の取得により、1,024百万円の減少(前期は326百万円の増加)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当期において、財務活動による資金は主に配当金の支払があった一方で、長期借入金の増加により、29百万円の増加(前期は961百万円の減少)となりました。
(3) 財政状態
流動資産は前期末に比べて3.9%増加し、30,446百万円となりました。これは、主に現金及び預金並びに売上債権の増加によるものです。
固定資産は前期末に比べ0.8%増加し、16,676百万円となりました。これは、主に減価償却と投資有価証券の売却による減少の一方、マクロライド系抗生物質製剤「クラリシッド」の販売権取得による増加によるものです。
この結果、総資産は前期末に比べて2.8%増加し、47,124百万円となりました。
流動負債は前期末に比べて2.6%増加し、14,102百万円となりました。これは、主に仕入債務の増加によるものです。
固定負債は前期末に比べて1.9%増加し、15,006百万円となりました。これは、主に長期借入金の増加によるものです。
この結果、負債合計は前期末に比べて2.2%増加し、29,109百万円となりました。
純資産合計は前期末に比べて3.6%増加し、18,014百万円となりました。これは、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものです。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、種々の見積りと仮定を行っていますが、それらは連結財務諸表、偶発債務に影響を及ぼします。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。
① 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。
将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積に影響を与える要因が発生した場合は、回収可能性の見直しを行い繰延税金資産の金額の修正を行うため、当期純損益額が変動する可能性があります。
② 退職給付債務及び退職給付費用
退職給付債務及び退職給付費用は、主に数理計算で設定される退職給付債務の割引率、年金資産の長期期待運用収益率等に基づいて計算しています。割引率は、従業員の平均残存勤務期間に対応する期間の安全性の高い長期債利回りを参考に決定し、また、年金資産の長期期待運用収益率は、過去の運用実績及び将来見通し等を基礎として設定しています。割引率及び長期期待運用収益率の変動は、将来の退職給付費用に影響を与える可能性があります。
③ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、収益性が著しく低下した資産または資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。
固定資産の回収可能価額について、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。
なお、2019年度末から続く新型コロナウイルス感染症の拡大は世界中の社会・経済活動に深刻な影響を及ぼしており、さらに、その影響が長期化されることが懸念されております。当社グループにおいては、営業活動においてMRの病院への訪問が制限されているなか、WEBやEメールを活用するなどして、医療機関の要望に沿う形で情報提供活動を展開し、その影響を最小限にすべく取り組んでおり、また研究開発、生産活動については概ね計画どおり活動を継続しており、現時点において新型コロナウイルス感染症の拡大が当社グループの事業活動に及ぼす影響については限定的であると認識しております。
(5) 生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 医薬品事業 | 8,294 | 5.8 |
| その他 | ― | ― |
| 合計 | 8,294 | 5.8 |
(注) 1 金額は、製造原価によっております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注状況
当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を立て、これにより生産をしております。
受注生産は一部の子会社で行っておりますが、受注残高の金額に重要性はないため、記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 医薬品事業 | 30,423 | △0.7 |
| その他 | 1,117 | △0.5 |
| 合計 | 31,541 | △0.7 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
| アルフレッサ㈱ | 7,161 | 22.6 | 6,643 | 21.1 |
| ㈱メディセオ | 5,947 | 18.7 | 6,139 | 19.5 |
3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。