半期報告書-第16期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2017/12/22 13:54
【資料】
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【項目】
48項目

業績等の概要

(1)業績
当中間会計期間におけるわが国経済は、全体的に力強さに欠けますが回復傾向にあり、家計部門も未だ節約志向が根強いものの消費者マインドは底堅く推移しております。金融市場では消費者物価が目標の2%に達していないことから引き続き緩和政策が維持されておりますが、日銀が目標達成時期を数度にわたって後ずれさせたことの是非が問われております。海外においてはナショナリズム台頭による地政学リスクの高まりが懸念され、米国トランプ政権の政策動向の不透明さも大きな懸念材料として横たわっており、これらに起因する下押し圧力で消費者マインドが冷え込み、内外の経済環境が大きく悪化する可能性があります。
当社が属する医薬品業界は変革と淘汰の時代に入っており、製薬会社は事業再編、合併、買収、提携などを本格化させております。ジェネリック対策では厚生労働省が後発医薬品シェア80%の目標時期を当初より半年早い平成32年9月と初めて明示したことから、先発薬メーカーは新薬の信頼性という優位性を維持するため新薬と同じ生産ラインを使って製造するオーソライズドジェネリック医薬品で後発薬メーカーに対抗しようとしております。団塊の世代の人口は中長期的には減少しますが、医療、介護、福祉サービスの本格的な需要はこれからであり、社会保障財政を圧迫します。これらの制度改革は医薬品業界に大きな影響を与えますが、避けて通れない問題となっております。
このような経済環境の中、当中間会計期間における当社の業績は、売上高20,145千円(前年同期比22.1%増)、営業損失212,548千円(前年同期は営業損失157,715千円)となったものの、配当金収入があったことから経常利益950,996千円(前年同期は経常損失195,735千円)、中間純利益721,854千円(前年同期は中間純損失197,864千円)を計上できました。
事業の概要は次のとおりであります。
「PC-SOD(LT-1001)」は、これまでとは別の適応疾患を対象とする臨床試験実施に向けて準備を進めております。またPC-SOD治験薬は、北京泰德制药股份有限公司(北京泰徳製薬)で製造する体制が新たに整い、治験薬製造を開始しました。「ドライアイ治療薬(LT-4002)」は、前事業年度に終了実施した初期第Ⅱ相臨床試験において良好な結果が得られましたので、後期第Ⅱ相臨床試験の準備を進めております。「COPD(慢性閉塞性肺疾患)治療薬(LT-3002)」は、ライセンス活動を行うと共に、新しい効果の発見を目指した研究も行っております。
聖マリアンナ医科大学難病治療研究センターの寄附研究部門(自社ラボ)は、当中間会計期間に新たに研究員を増員し、研究活動は大きく活性化しております。
多くの企業が注目する分野となっているDR研究は、当社が独自に開発した既承認薬ライブラリーを他企業やアカデミアに提供し共同で事業を行うなど、当中間会計期間に複数の新しいプロジェクトを開始しました。他社の技術やパイプラインを導入する共同事業も検討しております。
中国事業では、高い技術を持つ日本企業と北京泰徳製薬との共同研究を仲介するなどの活動を積極的に行いました。
以上、研究開発等の詳細は「6 研究開発活動」に記載しております。
ライセンス活動も引き続き注力しております。2017年6月に米国で行われたBIO 2017では、40社近くの企業と面談し、LT-4002の紹介などを行いました。ここ数年の活動で世界中の企業とのパイプが出来たことは当社の大きな財産と考えています。
なお、当社は単一セグメントであるため、セグメント業績の記載は省略しております。
(2)キャッシュ・フロー
当中間会計期間における現金及び現金同等物は3,171,971千円(前年同期比33.1%増)となりました。
当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、前年同期と比較して170,512千円減少し、109,394千円となりました。これは法人税等の支払額が171,838千円増加したことが主な要因であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、200,360千円となりました(前年同期は398,967千円の資金を得られました)。これは前年同期においては有価証券の取得による支出100,000千円、有価証券の償還による収入500,000千円があったところ、当中間会計期間では投資有価証券の取得による支出が200,000千円あったことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、前年同期と比較して253,781千円増加し、254,491千円となりました。これは当中間会計期間において第15期期末配当金を支払ったことが要因であります。