有価証券報告書-第16期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
3.重要な会計方針
(1) 連結の基礎
当社グループの連結財務諸表は、当社及び子会社の財務諸表並びに関連会社の持分相当額を含めております。
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。支配とは、投資先に対するパワーを有し、投資先への関与により生じるリターンの変動に晒され、かつ投資先に対するパワーを通じてリターンの額に影響を与える能力を有する場合をいいます。子会社の連結は、当社グループに支配が移行した日より開始し、支配が喪失する日をもって終了しております。親会社の子会社に対する持分の変動は、子会社の支配の獲得後に生じ、子会社に対する支配の喪失とならない場合は資本取引としております。
当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループが重要な影響力を有し、かつ当社グループの子会社ではない企業をいいます。重要な影響力とは、投資先の財務及び営業の方針決定に参加するパワーであるが、当該方針に対する支配又は共同支配ではないものをいいます。関連会社は、当社グループが重要な影響力を有し始めた日より重要な影響力を喪失する日まで持分法によって会計処理しております。
重要な影響力を喪失した後、残存持分がある場合、公正価値にて測定し、持分法を中止した日現在の投資の帳簿価額との差額を純損益にて認識しております。
関連会社に対する投資には、取得したのれんを含めております。
(2) 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、移転された対価、被取得企業のすべての非支配持分の金額、及び段階的に達成される企業結合の場合には、取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の取得日公正価値の総計として測定しております。移転された対価は、取得日公正価値で測定しております。非支配持分は、企業結合ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能純資産の認識金額に対する現在の所有権金融商品の比例的な取り分として測定しております。
取得対価が、被取得企業の識別可能な資産、負債及び偶発負債の公正価値に対する当社グループの持分を超過する額は、企業結合日においてのれんとして認識しております。反対に、被取得企業の識別可能な資産、負債及び偶発負債の公正価値が取得対価を上回る場合には、結果として生じた利得は、取得日において純損益にて認識しております。取得費用は、発生した期間において費用として純損益にて認識しております。
(3) 外貨換算
外貨建取引は、取引日の為替レートにより機能通貨に換算しております。外貨建貨幣性資産及び負債は期末日の為替レートにより機能通貨に換算し、当該換算及び決済により生じる換算差額は、純損益にて認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて測定する金融資産及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益にて認識しております。
在外営業活動体の資産及び負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)は期末日の為替レート、収益及び費用は平均為替レートにより表示通貨に換算しております。なお、超インフレ経済下の在外営業活動体の財務諸表は、インフレーションの影響を反映させており、収益及び費用は期末日の為替レートにより表示通貨に換算しております。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額は、IFRS移行日以降その他の包括利益にて認識しております。在外営業活動体の持分全体の処分もしくは支配、重要な影響力の喪失を伴う持分の一部処分を行った場合は、その他の包括利益の累積額を処分損益の一部として純損益に振り替えております。
(4) 金融商品
① 金融資産
(ⅰ) 当初認識及び測定
金融資産は、当該金融資産の契約条項の当事者となった場合に当初認識しております。
金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する区分に分類される場合を除き、公正価値に、当該金融資産に直接起因する取引コストを加算した金額で測定しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権は、取引価格で当初測定しております。
金融資産は、当初認識時に、(a) 償却原価で測定する金融資産、(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、又は、(c) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
(a) 償却原価で測定する金融資産次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産公正価値で測定する負債性金融商品は、次の条件が満たされる場合には、その他の包括利益を通じて測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
公正価値で測定する資本性金融商品は、純損益を通じて公正価値で測定しなければならない売買目的で保有する資本性金融商品を除き、一部の資本性金融商品について、公正価値の事後の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行っており、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
(c) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産金融資産は、償却原価で測定される場合又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定される場合を除いて、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
(ⅱ) 事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて次のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融資産
実効金利法による償却原価で測定しております。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品は、公正価値の変動額をその他の包括利益にて認識し、減損利得又は減損損失及び為替差損益は純損益にて認識しております。認識を中止した場合は、過去にその他の包括利益に認識した利得又は損失の累計額を、資本から純損益に組替調整額として振り替えております。
公正価値で測定する資本性金融商品のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定したものは、公正価値の変動額はその他の包括利益にて認識しております。認識を中止した場合、あるいは公正価値が著しく下落した場合には、その他の包括利益の累計額を利益剰余金に振り替えております。
(c) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定し、公正価値の変動額は純損益にて認識しております。
(ⅲ) 認識の中止
金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値をほとんどすべて移転する取引において、金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を移転する場合に、認識を中止しております。
② 金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産に係る減損については、期末日ごとに信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価し、当該金融資産に係る予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しております。
金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。一方、金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、常に貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
契約上の支払期日より30日超の経過があった場合には、原則として信用リスクの著しい増大があったものとしております。信用リスクが著しく増大しているか否かの評価を行う際は、期日経過情報のほか、合理的で裏付け可能な情報を考慮しております。なお、金融資産に係る信用リスクが期末日時点で低いと判断される場合には、当該金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していないと判断しております。
金融資産の予想信用損失は、以下のものを反映する方法で見積っております。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
予想信用損失は、契約上受け取ることのできる金額と受取が見込まれる金額との差額の現在価値に基づいて測定しております。減損が認識された償却原価で測定する金融資産の帳簿価額は貸倒引当金を通じて減額し、減損損失を純損益にて認識しております。減損損失が減少する場合は、減損損失の減少額を貸倒引当金を通じて純損益にて戻し入れております。将来の回収を現実的に見込めず、かつすべての担保が当社グループに移転されたときに、直接減額しております。
③ 金融負債
(ⅰ) 当初認識及び測定
金融負債は、当初認識時に、償却原価で測定する金融負債と純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しております。すべての金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定する金融負債については、直接帰属する取引コストを控除した金額で測定しております。
(ⅱ) 事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて次のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債は、実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による償却及び認識を中止した場合の利得及び損失は、純損益にて認識しております。
(b) 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
公正価値で測定し、公正価値の変動は純損益にて認識しております。
(ⅲ) 認識の中止
金融負債は、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効になった場合に認識を中止しております。
④ 金融資産・負債の相殺
金融資産と金融負債は、認識している金額を相殺する法的に強制可能な権利を現在有しており、かつ純額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合にのみ相殺しております。
⑤ デリバティブ及びヘッジ会計
デリバティブは、為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジするため利用しております。これらに用いられるデリバティブは主に、為替予約及び金利スワップ等であります。ヘッジ関係の開始時に、ヘッジ関係並びにヘッジ実行に関する企業のリスク管理目的及び戦略の公式な指定と文書化を行っております。当該文書にて、ヘッジ手段、ヘッジ対象、ヘッジされるリスクの性質、及びヘッジ関係がヘッジ有効性の要求を満たしているかどうかを判定する方法を特定しております。
ヘッジ関係の開始時及び継続的に、ヘッジ関係がヘッジ有効性の要求を満たしているかどうかを評価しております。継続的な評価は、期末日又はヘッジ有効性の要求に影響を与える状況の重大な変化があった時のいずれか早い方に行なっております。
デリバティブは当初認識時に公正価値で測定し、関連する取引コストは発生時に純損益にて認識しております。当初認識後は、デリバティブは公正価値で測定しております。
ヘッジ会計の要件を満たすヘッジは次のように会計処理しております。
(ⅰ) 公正価値ヘッジ
デリバティブの公正価値の変動は純損益にて認識しております。ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値の変動はヘッジ対象の帳簿価額を修正し、純損益にて認識しております。
(ⅱ) キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効な部分は、その他の包括利益にて認識し、非有効部分は純損益にて認識しております。その他の包括利益を通じて資本として認識した累積額は、ヘッジ対象である取引が損益に影響を与える時点で純損益に振り替えております。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益にて認識している金額は、非金融資産又は非金融負債の帳簿価額の修正として処理を行っております。予定取引又は確定約定の発生がもはや見込めない場合は、その他の包括利益を通じて資本として認識していた累積額を純損益に振り替えております。ヘッジ関係が適格要件を満たさなくなった場合にのみ、将来に向かってヘッジ会計を中止しております。これには、ヘッジ手段が消滅、売却、終了又は行使となった場合を含んでおります。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額とのいずれか低い金額で測定しております。取得原価には、原材料、直接労務及びその他の直接費用並びに関連する製造間接費を含めており、原価の算定にあたっては、加重平均法を用いております。正味実現可能価額は、通常の営業過程における見積売価から、完成までの見積原価及び販売に要する見積費用を控除した額であります。
(7) 有形固定資産
有形固定資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、除去及び原状回復費用、並びに資産計上の要件を満たす借入コストを含めております。
土地以外の有形固定資産は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で減価償却しております。主要な有形固定資産の見積耐用年数は次のとおりであります。
・建物及び構築物 : 15~50年
・機械装置及び運搬具 : 4~8年
なお、減価償却方法、残存価額及び残余耐用年数は毎年見直し、必要に応じて調整しております。
(8) のれん及び無形資産
① のれん
のれんは償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で計上しており、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しております。
② 無形資産
無形資産は取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
個別に取得した無形資産は取得原価で測定しており、企業結合により取得した無形資産の取得原価は企業結合日の公正価値で測定しております。
内部発生の研究費用は発生時に費用として認識しております。内部発生の開発費用は資産として認識するための基準がすべて満たされた場合に限り無形資産として認識しておりますが、臨床試験の費用等、製造販売承認の取得までに発生する内部発生の開発費は、期間の長さや開発に関連する不確実性の要素を伴い資産計上基準を満たさないと考えられるため、発生時に費用として認識しております。
内部利用を目的としたソフトウェアの取得及び開発費用は、将来の経済的便益の流入が期待される場合には無形資産に計上しております。
耐用年数を確定できる無形資産はそれぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で償却しております。主要な無形資産の見積耐用年数は次のとおりであります。
・営業権 : 9~18年
なお、償却方法、残存価額及び残余耐用年数は毎年見直し、必要に応じて調整しております。
(9) リース
① 借手としてのリース
借手としてのリースは、リースの開始日に使用権資産とリース負債を認識しております。
使用権資産は、取得原価で当初測定しております。当初認識後、使用権資産は、開始日から使用権資産の耐用年数の終了時又はリース期間の終了時のいずれか早い方の日まで、定額法により減価償却しております。使用権資産の耐用年数は、自己所有の有形固定資産と同様に決定しております。また、使用権資産は、該当ある場合には減損損失によって減額され、特定のリース負債の再測定に際して調整されます。
リース負債は、開始日時点で支払われていないリース料をリースの計算利子率を用いて割り引いた現在価値で当初測定しております。リースの計算利子率が容易に算定できない場合には、当社グループの追加借入利子率を用いております。リース料は、各期間における金利費用がリース負債残高に対して一定の利子率となるように、金融費用とリース負債残高の返済部分とに配分しております。指数またはレートの変動により将来のリース料が変動した場合、または購入、延長、あるいは解約オプションを行使するかどうかの判定が変化した場合、リース負債は再測定されます。
このようにリース負債を再測定する場合、対応する修正は使用権資産の帳簿価額を修正するか、使用権資産の帳簿価額がゼロまで減額されている場合には損益として認識しております。
当社グループは、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び少額資産のリースについて、使用権資産及びリース負債を認識しないことを選択しております。当社グループは、これらのリースに係るリース料をリース期間にわたり定額法で費用として認識しております。
② 貸手としてのリース
貸手としてのリースは、リース契約時にそれぞれのリースをファイナンス・リース又はオペレーティング・リースに分類しております。
それぞれのリースを分類するに当たり、当社グループは、原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを借手に移転する場合はファイナンス・リースに分類し、それ以外の場合にはオペレーティング・リースに分類しております。
当社グループが中間の貸手である場合、ヘッドリースとサブリースは別個に会計処理しております。サブリースの分類は、原資産ではなくヘッドリースから生じる使用権資産を参照して判定しております。ヘッドリースが上記の免除規定を適用して会計処理する短期リースである場合、サブリースはオペレーティング・リースとして分類しております。
(10) 非金融資産の減損
非金融資産のうち、キャッシュ・フローを生みだす個別の資産又は資金生成単位に含まれる資産については、資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを評価しております。
減損の兆候が存在する場合には減損テストを実施し、個別の資産又は資金生成単位ごとの回収可能価額を測定しております。なお、のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産は償却を行わず、毎年及び減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。
回収可能価額は、公正価値から処分費用を控除した金額と適切な利率で割り引かれたリスク調整後の将来キャッシュ・フロー評価によって測定される使用価値のどちらか高い金額を用いております。
個別の資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を上回る場合には純損益にて減損損失を認識し、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。
のれんに係る減損損失は、戻入れを行っておりません。のれん以外の固定資産に係る減損損失は、減損損失がもはや存在しないか又は減少している可能性を示す兆候が存在する場合に当該資産の回収可能価額を見積もっており、回収可能価額が減損処理後の帳簿価額を上回った場合には減損損失の戻入れを行っております。なお、減損損失の戻入れは過去の期間において当該資産に認識した減損損失がなかった場合の帳簿価額を超えない範囲内で純損益にて認識しております。
(11) 売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業
継続的使用ではなく、主に売却取引により帳簿価額が回収される非流動資産又は処分グループは、売却目的保有に分類しております。売却目的保有へ分類するためには、現状で直ちに売却することが可能であり、かつ、売却の可能性が非常に高いことを条件としており、当社グループの経営者が売却計画の実行を確約し、原則として1年以内に売却が完了する予定である場合に限っております。売却目的保有に分類した後は、帳簿価額又は売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しており、減価償却又は償却を行っておりません。
非継続事業には、既に処分されたか又は売却目的保有に分類された企業の構成要素が含まれ、グループのひとつの事業もしくは地域を構成し、そのひとつの事業もしくは地域の処分の計画がある場合に認識しております。
(12) 従業員給付
① 退職後給付
(ⅰ) 確定給付制度
確定給付制度の退職給付に係る債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用は、予測単位積増方式を用いて制度ごとに算定しております。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日の優良社債の市場利回りを参照して決定しております。
過去勤務費用は、発生した期間の純損益にて認識しております。
数理計算上の差異は、発生した期間においてその他の包括利益にて認識し、直ちに利益剰余金に振り替えております。
(ⅱ) 確定拠出制度
確定拠出制度の退職給付に係る費用は、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として認識しております。
② その他
短期従業員給付は、割引計算をせず、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として認識しております。有給休暇費用は、それらを支払う法的義務又は推定的義務を有し、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積れる金額を負債として認識しております。
(13) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として現在の法的義務又は推定的義務を有し、当該義務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、当該義務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。
貨幣の時間的価値の影響が重要な場合には、当該引当金は義務の決済に必要となると見込まれる支出額の現在価値で測定しております。現在価値は、貨幣の時間的価値とその負債に特有なリスクを反映した税引前割引率を用いて計算しております。時間の経過による影響を反映した引当金の増加額は、金融費用として認識しております。
(14) 自己株式
自己株式は資本から控除しており、自己株式の購入、売却又は消却において利得又は損失は認識しておりません。帳簿価額と処分時の対価との差額は資本として認識しております。
(15) 株式報酬
持分決済型の株式報酬制度として、ストック・オプション制度及び譲渡制限付株式報酬制度を採用しております。
ストック・オプションは、付与日から権利が確定するまでの期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。ストック・オプションの公正価値は、付与日において、ブラック・ショールズモデルを用いて測定しております。
譲渡制限付株式は、付与日から権利が確定するまでの期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。譲渡制限付株式報酬の公正価値は、付与日において、付与した資本性金融商品の公正価値を参照して測定しております。
また、現金決済型の株式報酬制度として、株価連動型報酬受給権を採用しております。
現金決済型の株式報酬については、支払額の公正価値を負債として認識し、負債が決済されるまで、当該負債の公正価値の変動を純損益として認識しております。
(16) 収益
顧客との契約について、次のステップを適用することにより、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する。
① 製商品の販売
製商品の販売による収益は、次の指標を考慮に入れ、履行義務が充足された時点で認識しております。
・資産に対する支払を受ける現在の権利を有している。
・顧客が資産に対する法的所有権を有している。
・資産の物理的占有を移転した。
・顧客が資産を検収した。
収益は、顧客との契約において約束された対価から、割引、値引、割戻及び返品などを控除した金額で測定しております。
② 技術料収入
ライセンス契約に基づく収益は、関連する履行義務の内容に応じて、一時点又は一定の期間にわたり認識しております。
顧客との契約からの対価のうち、変動対価部分については、不確実性が解消される際に重要な収益の戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ、取引価格に含めております。
(17) 政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領することに合理的な保証が得られた場合に公正価値で認識しております。
収益に関する政府補助金は、補助金で補償することを意図している関連コストを費用として認識する期間にわたって、規則的に純損益にて認識しております。
また、資産に関する政府補助金は、繰延収益として認識し、当該資産の見積耐用年数にわたって規則的に純損益にて認識しております。
(18) 法人所得税
法人所得税費用は、当期法人所得税と繰延法人所得税の合計として表示しております。
当期法人所得税は、期末日において制定され又は実質的に制定されている税率を用いて、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で算定しております。これらは、企業結合に関連するもの及び直接資本の部又はその他の包括利益で認識される項目を除き、当期の純損益にて認識しております。
繰延税金資産及び負債は、期末日までに制定又は実質的に制定されている税率に基づいて、資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率で算定しております。繰延税金資産及び負債は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務基準額の差額である一時差異並びに繰越欠損金に基づいて算定しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、それらを利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲で認識しております。
税務当局が税務処理を認める可能性について、不確実性が存在する場合には、課税所得、税務基準額、税務上の繰越欠損金、繰越税額控除及び税率を決定する際に、当該不確実性を反映しております。
なお、企業結合ではなく、取引時に会計上の利益にも課税所得にも影響しない取引における当初認識から生じる一時差異については、繰延税金資産及び負債を認識しておりません。さらにのれんの当初認識において生じる将来加算一時差異についても、繰延税金負債を認識しておりません。
子会社・関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異については、繰延税金負債を認識しております。ただし、一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合には認識しておりません。また、子会社・関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異については、一時差異が予測し得る期間内に解消し、かつ課税所得を稼得する可能性が高い範囲でのみ繰延税金資産を認識しております。
繰延税金資産と繰延税金負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ繰延税金が同一の納税企業体及び同一の税務当局に関係する場合に相殺しております。
(1) 連結の基礎
当社グループの連結財務諸表は、当社及び子会社の財務諸表並びに関連会社の持分相当額を含めております。
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。支配とは、投資先に対するパワーを有し、投資先への関与により生じるリターンの変動に晒され、かつ投資先に対するパワーを通じてリターンの額に影響を与える能力を有する場合をいいます。子会社の連結は、当社グループに支配が移行した日より開始し、支配が喪失する日をもって終了しております。親会社の子会社に対する持分の変動は、子会社の支配の獲得後に生じ、子会社に対する支配の喪失とならない場合は資本取引としております。
当社グループ内の債権債務残高及び取引、並びに当社グループ内取引によって発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
② 関連会社
関連会社とは、当社グループが重要な影響力を有し、かつ当社グループの子会社ではない企業をいいます。重要な影響力とは、投資先の財務及び営業の方針決定に参加するパワーであるが、当該方針に対する支配又は共同支配ではないものをいいます。関連会社は、当社グループが重要な影響力を有し始めた日より重要な影響力を喪失する日まで持分法によって会計処理しております。
重要な影響力を喪失した後、残存持分がある場合、公正価値にて測定し、持分法を中止した日現在の投資の帳簿価額との差額を純損益にて認識しております。
関連会社に対する投資には、取得したのれんを含めております。
(2) 企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得対価は、移転された対価、被取得企業のすべての非支配持分の金額、及び段階的に達成される企業結合の場合には、取得企業が以前に保有していた被取得企業の資本持分の取得日公正価値の総計として測定しております。移転された対価は、取得日公正価値で測定しております。非支配持分は、企業結合ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能純資産の認識金額に対する現在の所有権金融商品の比例的な取り分として測定しております。
取得対価が、被取得企業の識別可能な資産、負債及び偶発負債の公正価値に対する当社グループの持分を超過する額は、企業結合日においてのれんとして認識しております。反対に、被取得企業の識別可能な資産、負債及び偶発負債の公正価値が取得対価を上回る場合には、結果として生じた利得は、取得日において純損益にて認識しております。取得費用は、発生した期間において費用として純損益にて認識しております。
(3) 外貨換算
外貨建取引は、取引日の為替レートにより機能通貨に換算しております。外貨建貨幣性資産及び負債は期末日の為替レートにより機能通貨に換算し、当該換算及び決済により生じる換算差額は、純損益にて認識しております。ただし、その他の包括利益を通じて測定する金融資産及びキャッシュ・フロー・ヘッジから生じる換算差額については、その他の包括利益にて認識しております。
在外営業活動体の資産及び負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)は期末日の為替レート、収益及び費用は平均為替レートにより表示通貨に換算しております。なお、超インフレ経済下の在外営業活動体の財務諸表は、インフレーションの影響を反映させており、収益及び費用は期末日の為替レートにより表示通貨に換算しております。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額は、IFRS移行日以降その他の包括利益にて認識しております。在外営業活動体の持分全体の処分もしくは支配、重要な影響力の喪失を伴う持分の一部処分を行った場合は、その他の包括利益の累積額を処分損益の一部として純損益に振り替えております。
(4) 金融商品
① 金融資産
(ⅰ) 当初認識及び測定
金融資産は、当該金融資産の契約条項の当事者となった場合に当初認識しております。
金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する区分に分類される場合を除き、公正価値に、当該金融資産に直接起因する取引コストを加算した金額で測定しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権は、取引価格で当初測定しております。
金融資産は、当初認識時に、(a) 償却原価で測定する金融資産、(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、又は、(c) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
(a) 償却原価で測定する金融資産次の条件がともに満たされる場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために金融資産を保有することを目的とする事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産公正価値で測定する負債性金融商品は、次の条件が満たされる場合には、その他の包括利益を通じて測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される事業モデルの中で保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
公正価値で測定する資本性金融商品は、純損益を通じて公正価値で測定しなければならない売買目的で保有する資本性金融商品を除き、一部の資本性金融商品について、公正価値の事後の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能な選択を行っており、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
(c) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産金融資産は、償却原価で測定される場合又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定される場合を除いて、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しております。
(ⅱ) 事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて次のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融資産
実効金利法による償却原価で測定しております。
(b) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品は、公正価値の変動額をその他の包括利益にて認識し、減損利得又は減損損失及び為替差損益は純損益にて認識しております。認識を中止した場合は、過去にその他の包括利益に認識した利得又は損失の累計額を、資本から純損益に組替調整額として振り替えております。
公正価値で測定する資本性金融商品のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定したものは、公正価値の変動額はその他の包括利益にて認識しております。認識を中止した場合、あるいは公正価値が著しく下落した場合には、その他の包括利益の累計額を利益剰余金に振り替えております。
(c) 純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定し、公正価値の変動額は純損益にて認識しております。
(ⅲ) 認識の中止
金融資産は、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は当該金融資産の所有に係るリスクと経済価値をほとんどすべて移転する取引において、金融資産のキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を移転する場合に、認識を中止しております。
② 金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産に係る減損については、期末日ごとに信用リスクが当初認識以降に著しく増大したかどうかを評価し、当該金融資産に係る予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しております。
金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を12ヶ月の予想信用損失に等しい金額で測定しております。一方、金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融資産に係る貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権については、常に貸倒引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しております。
契約上の支払期日より30日超の経過があった場合には、原則として信用リスクの著しい増大があったものとしております。信用リスクが著しく増大しているか否かの評価を行う際は、期日経過情報のほか、合理的で裏付け可能な情報を考慮しております。なお、金融資産に係る信用リスクが期末日時点で低いと判断される場合には、当該金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していないと判断しております。
金融資産の予想信用損失は、以下のものを反映する方法で見積っております。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
予想信用損失は、契約上受け取ることのできる金額と受取が見込まれる金額との差額の現在価値に基づいて測定しております。減損が認識された償却原価で測定する金融資産の帳簿価額は貸倒引当金を通じて減額し、減損損失を純損益にて認識しております。減損損失が減少する場合は、減損損失の減少額を貸倒引当金を通じて純損益にて戻し入れております。将来の回収を現実的に見込めず、かつすべての担保が当社グループに移転されたときに、直接減額しております。
③ 金融負債
(ⅰ) 当初認識及び測定
金融負債は、当初認識時に、償却原価で測定する金融負債と純損益を通じて公正価値で測定する金融負債に分類しております。すべての金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定する金融負債については、直接帰属する取引コストを控除した金額で測定しております。
(ⅱ) 事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて次のとおり測定しております。
(a) 償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債は、実効金利法による償却原価で測定しております。実効金利法による償却及び認識を中止した場合の利得及び損失は、純損益にて認識しております。
(b) 純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
公正価値で測定し、公正価値の変動は純損益にて認識しております。
(ⅲ) 認識の中止
金融負債は、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効になった場合に認識を中止しております。
④ 金融資産・負債の相殺
金融資産と金融負債は、認識している金額を相殺する法的に強制可能な権利を現在有しており、かつ純額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合にのみ相殺しております。
⑤ デリバティブ及びヘッジ会計
デリバティブは、為替変動リスク及び金利変動リスクをヘッジするため利用しております。これらに用いられるデリバティブは主に、為替予約及び金利スワップ等であります。ヘッジ関係の開始時に、ヘッジ関係並びにヘッジ実行に関する企業のリスク管理目的及び戦略の公式な指定と文書化を行っております。当該文書にて、ヘッジ手段、ヘッジ対象、ヘッジされるリスクの性質、及びヘッジ関係がヘッジ有効性の要求を満たしているかどうかを判定する方法を特定しております。
ヘッジ関係の開始時及び継続的に、ヘッジ関係がヘッジ有効性の要求を満たしているかどうかを評価しております。継続的な評価は、期末日又はヘッジ有効性の要求に影響を与える状況の重大な変化があった時のいずれか早い方に行なっております。
デリバティブは当初認識時に公正価値で測定し、関連する取引コストは発生時に純損益にて認識しております。当初認識後は、デリバティブは公正価値で測定しております。
ヘッジ会計の要件を満たすヘッジは次のように会計処理しております。
(ⅰ) 公正価値ヘッジ
デリバティブの公正価値の変動は純損益にて認識しております。ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象の公正価値の変動はヘッジ対象の帳簿価額を修正し、純損益にて認識しております。
(ⅱ) キャッシュ・フロー・ヘッジ
ヘッジ手段に係る利得又は損失のうち有効な部分は、その他の包括利益にて認識し、非有効部分は純損益にて認識しております。その他の包括利益を通じて資本として認識した累積額は、ヘッジ対象である取引が損益に影響を与える時点で純損益に振り替えております。ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益にて認識している金額は、非金融資産又は非金融負債の帳簿価額の修正として処理を行っております。予定取引又は確定約定の発生がもはや見込めない場合は、その他の包括利益を通じて資本として認識していた累積額を純損益に振り替えております。ヘッジ関係が適格要件を満たさなくなった場合にのみ、将来に向かってヘッジ会計を中止しております。これには、ヘッジ手段が消滅、売却、終了又は行使となった場合を含んでおります。
(5) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額とのいずれか低い金額で測定しております。取得原価には、原材料、直接労務及びその他の直接費用並びに関連する製造間接費を含めており、原価の算定にあたっては、加重平均法を用いております。正味実現可能価額は、通常の営業過程における見積売価から、完成までの見積原価及び販売に要する見積費用を控除した額であります。
(7) 有形固定資産
有形固定資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体、除去及び原状回復費用、並びに資産計上の要件を満たす借入コストを含めております。
土地以外の有形固定資産は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で減価償却しております。主要な有形固定資産の見積耐用年数は次のとおりであります。
・建物及び構築物 : 15~50年
・機械装置及び運搬具 : 4~8年
なお、減価償却方法、残存価額及び残余耐用年数は毎年見直し、必要に応じて調整しております。
(8) のれん及び無形資産
① のれん
のれんは償却を行わず、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で計上しており、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれる資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しております。
② 無形資産
無形資産は取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しております。
個別に取得した無形資産は取得原価で測定しており、企業結合により取得した無形資産の取得原価は企業結合日の公正価値で測定しております。
内部発生の研究費用は発生時に費用として認識しております。内部発生の開発費用は資産として認識するための基準がすべて満たされた場合に限り無形資産として認識しておりますが、臨床試験の費用等、製造販売承認の取得までに発生する内部発生の開発費は、期間の長さや開発に関連する不確実性の要素を伴い資産計上基準を満たさないと考えられるため、発生時に費用として認識しております。
内部利用を目的としたソフトウェアの取得及び開発費用は、将来の経済的便益の流入が期待される場合には無形資産に計上しております。
耐用年数を確定できる無形資産はそれぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で償却しております。主要な無形資産の見積耐用年数は次のとおりであります。
・営業権 : 9~18年
なお、償却方法、残存価額及び残余耐用年数は毎年見直し、必要に応じて調整しております。
(9) リース
① 借手としてのリース
借手としてのリースは、リースの開始日に使用権資産とリース負債を認識しております。
使用権資産は、取得原価で当初測定しております。当初認識後、使用権資産は、開始日から使用権資産の耐用年数の終了時又はリース期間の終了時のいずれか早い方の日まで、定額法により減価償却しております。使用権資産の耐用年数は、自己所有の有形固定資産と同様に決定しております。また、使用権資産は、該当ある場合には減損損失によって減額され、特定のリース負債の再測定に際して調整されます。
リース負債は、開始日時点で支払われていないリース料をリースの計算利子率を用いて割り引いた現在価値で当初測定しております。リースの計算利子率が容易に算定できない場合には、当社グループの追加借入利子率を用いております。リース料は、各期間における金利費用がリース負債残高に対して一定の利子率となるように、金融費用とリース負債残高の返済部分とに配分しております。指数またはレートの変動により将来のリース料が変動した場合、または購入、延長、あるいは解約オプションを行使するかどうかの判定が変化した場合、リース負債は再測定されます。
このようにリース負債を再測定する場合、対応する修正は使用権資産の帳簿価額を修正するか、使用権資産の帳簿価額がゼロまで減額されている場合には損益として認識しております。
当社グループは、リース期間が12ヶ月以内の短期リース及び少額資産のリースについて、使用権資産及びリース負債を認識しないことを選択しております。当社グループは、これらのリースに係るリース料をリース期間にわたり定額法で費用として認識しております。
② 貸手としてのリース
貸手としてのリースは、リース契約時にそれぞれのリースをファイナンス・リース又はオペレーティング・リースに分類しております。
それぞれのリースを分類するに当たり、当社グループは、原資産の所有に伴うリスクと経済価値のほとんどすべてを借手に移転する場合はファイナンス・リースに分類し、それ以外の場合にはオペレーティング・リースに分類しております。
当社グループが中間の貸手である場合、ヘッドリースとサブリースは別個に会計処理しております。サブリースの分類は、原資産ではなくヘッドリースから生じる使用権資産を参照して判定しております。ヘッドリースが上記の免除規定を適用して会計処理する短期リースである場合、サブリースはオペレーティング・リースとして分類しております。
(10) 非金融資産の減損
非金融資産のうち、キャッシュ・フローを生みだす個別の資産又は資金生成単位に含まれる資産については、資産が減損している可能性を示す兆候があるか否かを評価しております。
減損の兆候が存在する場合には減損テストを実施し、個別の資産又は資金生成単位ごとの回収可能価額を測定しております。なお、のれん、耐用年数を確定できない無形資産及び未だ使用可能でない無形資産は償却を行わず、毎年及び減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。
回収可能価額は、公正価値から処分費用を控除した金額と適切な利率で割り引かれたリスク調整後の将来キャッシュ・フロー評価によって測定される使用価値のどちらか高い金額を用いております。
個別の資産又は資金生成単位の帳簿価額が回収可能価額を上回る場合には純損益にて減損損失を認識し、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額しております。
のれんに係る減損損失は、戻入れを行っておりません。のれん以外の固定資産に係る減損損失は、減損損失がもはや存在しないか又は減少している可能性を示す兆候が存在する場合に当該資産の回収可能価額を見積もっており、回収可能価額が減損処理後の帳簿価額を上回った場合には減損損失の戻入れを行っております。なお、減損損失の戻入れは過去の期間において当該資産に認識した減損損失がなかった場合の帳簿価額を超えない範囲内で純損益にて認識しております。
(11) 売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業
継続的使用ではなく、主に売却取引により帳簿価額が回収される非流動資産又は処分グループは、売却目的保有に分類しております。売却目的保有へ分類するためには、現状で直ちに売却することが可能であり、かつ、売却の可能性が非常に高いことを条件としており、当社グループの経営者が売却計画の実行を確約し、原則として1年以内に売却が完了する予定である場合に限っております。売却目的保有に分類した後は、帳簿価額又は売却コスト控除後の公正価値のいずれか低い金額で測定しており、減価償却又は償却を行っておりません。
非継続事業には、既に処分されたか又は売却目的保有に分類された企業の構成要素が含まれ、グループのひとつの事業もしくは地域を構成し、そのひとつの事業もしくは地域の処分の計画がある場合に認識しております。
(12) 従業員給付
① 退職後給付
(ⅰ) 確定給付制度
確定給付制度の退職給付に係る債務の現在価値及び関連する当期勤務費用並びに過去勤務費用は、予測単位積増方式を用いて制度ごとに算定しております。
割引率は、将来の毎年度の給付支払見込日までの期間を基に割引期間を設定し、割引期間に対応した期末日の優良社債の市場利回りを参照して決定しております。
過去勤務費用は、発生した期間の純損益にて認識しております。
数理計算上の差異は、発生した期間においてその他の包括利益にて認識し、直ちに利益剰余金に振り替えております。
(ⅱ) 確定拠出制度
確定拠出制度の退職給付に係る費用は、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として認識しております。
② その他
短期従業員給付は、割引計算をせず、従業員が関連するサービスを提供した時点で費用として認識しております。有給休暇費用は、それらを支払う法的義務又は推定的義務を有し、信頼性のある見積りが可能な場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積れる金額を負債として認識しております。
(13) 引当金
引当金は、過去の事象の結果として現在の法的義務又は推定的義務を有し、当該義務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、当該義務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。
貨幣の時間的価値の影響が重要な場合には、当該引当金は義務の決済に必要となると見込まれる支出額の現在価値で測定しております。現在価値は、貨幣の時間的価値とその負債に特有なリスクを反映した税引前割引率を用いて計算しております。時間の経過による影響を反映した引当金の増加額は、金融費用として認識しております。
(14) 自己株式
自己株式は資本から控除しており、自己株式の購入、売却又は消却において利得又は損失は認識しておりません。帳簿価額と処分時の対価との差額は資本として認識しております。
(15) 株式報酬
持分決済型の株式報酬制度として、ストック・オプション制度及び譲渡制限付株式報酬制度を採用しております。
ストック・オプションは、付与日から権利が確定するまでの期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。ストック・オプションの公正価値は、付与日において、ブラック・ショールズモデルを用いて測定しております。
譲渡制限付株式は、付与日から権利が確定するまでの期間にわたって費用として認識し、同額を資本の増加として認識しております。譲渡制限付株式報酬の公正価値は、付与日において、付与した資本性金融商品の公正価値を参照して測定しております。
また、現金決済型の株式報酬制度として、株価連動型報酬受給権を採用しております。
現金決済型の株式報酬については、支払額の公正価値を負債として認識し、負債が決済されるまで、当該負債の公正価値の変動を純損益として認識しております。
(16) 収益
顧客との契約について、次のステップを適用することにより、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する。
① 製商品の販売
製商品の販売による収益は、次の指標を考慮に入れ、履行義務が充足された時点で認識しております。
・資産に対する支払を受ける現在の権利を有している。
・顧客が資産に対する法的所有権を有している。
・資産の物理的占有を移転した。
・顧客が資産を検収した。
収益は、顧客との契約において約束された対価から、割引、値引、割戻及び返品などを控除した金額で測定しております。
② 技術料収入
ライセンス契約に基づく収益は、関連する履行義務の内容に応じて、一時点又は一定の期間にわたり認識しております。
顧客との契約からの対価のうち、変動対価部分については、不確実性が解消される際に重要な収益の戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ、取引価格に含めております。
(17) 政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領することに合理的な保証が得られた場合に公正価値で認識しております。
収益に関する政府補助金は、補助金で補償することを意図している関連コストを費用として認識する期間にわたって、規則的に純損益にて認識しております。
また、資産に関する政府補助金は、繰延収益として認識し、当該資産の見積耐用年数にわたって規則的に純損益にて認識しております。
(18) 法人所得税
法人所得税費用は、当期法人所得税と繰延法人所得税の合計として表示しております。
当期法人所得税は、期末日において制定され又は実質的に制定されている税率を用いて、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で算定しております。これらは、企業結合に関連するもの及び直接資本の部又はその他の包括利益で認識される項目を除き、当期の純損益にて認識しております。
繰延税金資産及び負債は、期末日までに制定又は実質的に制定されている税率に基づいて、資産が実現する期又は負債が決済される期に適用されると予想される税率で算定しております。繰延税金資産及び負債は、資産及び負債の会計上の帳簿価額と税務基準額の差額である一時差異並びに繰越欠損金に基づいて算定しております。繰延税金資産は、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金及び繰越税額控除に対して、それらを利用できる課税所得が生じる可能性が高い範囲で認識しております。
税務当局が税務処理を認める可能性について、不確実性が存在する場合には、課税所得、税務基準額、税務上の繰越欠損金、繰越税額控除及び税率を決定する際に、当該不確実性を反映しております。
なお、企業結合ではなく、取引時に会計上の利益にも課税所得にも影響しない取引における当初認識から生じる一時差異については、繰延税金資産及び負債を認識しておりません。さらにのれんの当初認識において生じる将来加算一時差異についても、繰延税金負債を認識しておりません。
子会社・関連会社に対する投資に係る将来加算一時差異については、繰延税金負債を認識しております。ただし、一時差異を解消する時期をコントロールでき、かつ予測可能な期間内に一時差異が解消しない可能性が高い場合には認識しておりません。また、子会社・関連会社に対する投資に係る将来減算一時差異については、一時差異が予測し得る期間内に解消し、かつ課税所得を稼得する可能性が高い範囲でのみ繰延税金資産を認識しております。
繰延税金資産と繰延税金負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有し、かつ繰延税金が同一の納税企業体及び同一の税務当局に関係する場合に相殺しております。