有価証券報告書-第126期(2025/01/01-2025/12/31)
② 戦略
2025年度は「アクションプラン 2025-2026」に基づき、変化の激しい市場でも安定的な利益拡大を実現するレジリエントな事業構造の構築に注力してきました。人的資本に関する取り組みにおいては、社内の構造改革を重点的に実行することで、組織としての基盤を着実に固めていました。
2025年11月、「2030中期経営戦略」の開示とともに、新たな人財戦略が始動しました。本人財戦略では、困難な時にあっても世界と本物の価値を分かち合おうとする「資生堂人」として社員が成長することを組織全体で支援し、「社員の成長をかなえる組織」の確立を目指します。その実現に向け、「挑戦の機会の拡大」「資生堂の大切にする価値観の体現」「グローバルで一体感のある組織」の3つの方針を掲げ、人的資本の強化に向けた各種取り組みを推進していきます。
<挑戦の機会の拡大>変化の激しい事業環境の中で企業価値を継続的に高めるためには、社員が新たな挑戦を通じて成長することと、リーダーが現場で社員の挑戦を支えることが重要と考えています。リーダーの支援のもと社員が挑戦を重ねることで、環境変化に適応するポータブルスキルも身に付きます。より多くの社員に挑戦機会を提供できるよう、これまでのジョブ型人事制度と社内公募制度に加え、所属組織にとらわれない部門横断プロジェクトに参画する機会の拡大を推進していきます。また、今後はグローバルモビリティを戦略的育成施策として位置づけ、グローバルなタレント育成・キャリア形成のための投資を強化します。さらに、社員一人ひとりの強みを把握し、多様な挑戦機会のアクセスを高めるため、スキルの可視化にも取り組みます。加えて、2024年に作成したリーダーシップモデルを基に、現場の管理職を含めたリーダーが、ビジネスだけでなく人・組織の成長もリードするためのマインドセット・スキルを高める研修機会を積極的に取り入れることで、すべてのリーダーが社員の成長を強力にサポートする組織を作り上げていきます。
<資生堂の大切にする価値観(注)の体現>変革が求められる局面だからこそ、創業以来大切にしてきた価値観を全社員で共有し、組織の意思決定や社員の行動の基準とすることが持続的な企業価値創造の原動力となるという考えから、私たちは価値観の再定義と人・組織への「実体化」に注力していきます。
価値観の再定義にあたっては、社長CEOをはじめ各地域CEOを含むグローバルリーダーシップチームで議論を重ね、資生堂グループならではの独自性にこだわりながら策定しました。今後は、社員一人ひとりが自分の仕事や役割に結び付けて考えながら仲間と対話を重ねることで、自身の判断や行動の拠り所として価値観を体現できるよう、丁寧に「実体化」のプロセスを図ります。
また、資生堂グループの強みである価値創造力と価値伝達力を次世代に継承するため、社員に多様なキャリアパス・成長ステップを提示するとともに、専門人財の計画的・体系的な育成についても検討を進めていきます。
(注) 資生堂が大切にする価値観については、当社企業情報サイトの「企業情報/The Shiseido Philosophy」(https://corp.shiseido.com/jp/company/philosophy/)をご覧ください。
<グローバルで一体感のある組織>資生堂グループ全体で継続的な構造改革が行われるなか、グローバルが一体となって協働し、相乗効果を発揮することの重要性が増しています。今後はグローバル本社・地域間の繋がりを一層強化してグローバル組織としてのアジリティを高めるとともに、多様な社員がそれぞれの強みを発揮して活躍できるインクルーシブな文化の形成を進めていきます。具体的には、コーポレート部門を対象に、グローバル本社・地域間の役割・レポートラインの明確化とガバナンス整備を通じて、グローバルで一体化した効率的なオペレーションと創出価値最大化を実現する組織体制の構築を目指します。併せて、人事部門ではこれまで統一されていなかった人事プロセスや人事データを整理・統合し、人事データに基づく迅速な意思決定と施策実行を可能とする基盤を整えます。インクルーシブな文化の形成に向けては、多様な社員が繋がり、お互いの関心や理解を深めるための「Brand Day」や「Diversity Week」などのイベントを多数開催し、人財制度と運用の面からも女性社員の活躍推進、障がい者の活躍支援、育児と仕事の両立支援を継続してきました。特に女性社員の活躍推進については、2030年までに女性管理職比率50%を目標とし、女性リーダー育成施策や女性役員とのメンタリングなどを通じて、さらなる成長を支援していきます。
そのほかにも人財・組織の強化を図る施策として、資生堂グループ全体での適材適所な人財配置と戦略的にタレントを育成する「戦略的タレントマネジメント」、中長期的な業績の向上とストレッチした業務アサインメントにより社員の成長を図る「パフォーマンスマネジメント」、主体的なキャリア開発と専門性強化のためのワークショップやeラーニング、社員自身が作成した中長期的なキャリアゴールを描く「キャリア・ディベロップメントプラン(CDP)」などの「自律的キャリア開発支援」があります。日本国内の社員に対しては、既に導入されている「ジョブ型人事制度」のもと、社員の専門性を強化し、社員一人ひとりのキャリア自律を高める支援をしています。社内の構造改革を進める中、社員が多様な挑戦機会にアクセスできるよう、これからの未来を創る人財の自己成長の場である「Shiseido Future University」や、オンライン学習プラットフォームである「LinkedIn Learning」などの学習機会を継続的に提供し、スキル強化を推進してきました。トレーニングプログラムとしては、目的と対象者に応じて、選抜型プログラム、選択型プログラム、必須プログラムの3種類を提供しています。必須プログラムには、新入社員研修や3年目研修、新任職制マネジャー研修、マネジャーワークショップ等があります。また、幹部候補の女性社員が自身や周囲のアンコンシャスバイアス(無意識の思い込みや偏見)から自由になり、マネジメントや経営のスキルを学びながら、自分らしいリーダーシップスタイルを見つける「NEXT LEADERSHIP SESSION for WOMEN」は当社の特徴的な選抜型プログラムの1つです。
社員が自分のライフスタイルやワークスタイルに合せて働き方を選択できるように、コアタイムのない「フレックスタイム制度(スーパーフレックス)」、業務の目的に合わせてリモートワークとオフィスワークを柔軟に組み合わせる「資生堂ハイブリッドワークスタイル」を推奨しています。また、働き方の変革による生産性向上や社員体験の充実を図るため、生成AIをベースにした「Shiseido AI コンシェルジュ」を設置し業務効率化に努めています。さらに、社員の健康と労働安全衛生を重要な課題として認識し、「資生堂健康宣言」「資生堂ビジョン・ゼロ宣言(安全宣言)」を中心に、継続的に安心・安全な職場環境づくりに取り組んでいました。これらの取り組みが評価され、2025年度においても、「健康経営優良法人2025(ホワイト500)」の認定を受けたほか、公益社団法人 女性の健康とメノポーズ協会が主催する「女性の健康経営®アワード」の推進賞を受賞しました。
これらの取り組みによる人財・組織の変化については、エンゲージメントスコアを活用して継続的にモニタリングし、効果や課題を分析することを通じて人的資本経営高度化のPDCAサイクルを構築していきます。2025年度は資生堂グループと関係会社において直接雇用されている社員全員を対象に調査を実施し、回答率は91%、エンゲージメントスコアを測定する3つの設問の肯定的回答はグローバル全体で71%となりました。設問別に見ると、「会社への満足感(74%)」や「会社への貢献意欲(74%)」が相対的に高い一方で、「働きがい/やりがい(65%)」が低い傾向にあります。今後はより多くの社員が積極的に挑戦・成長できるよう支援し、働きがいを実感してもらえる環境づくりに注力します。
2025年度は「アクションプラン 2025-2026」に基づき、変化の激しい市場でも安定的な利益拡大を実現するレジリエントな事業構造の構築に注力してきました。人的資本に関する取り組みにおいては、社内の構造改革を重点的に実行することで、組織としての基盤を着実に固めていました。
2025年11月、「2030中期経営戦略」の開示とともに、新たな人財戦略が始動しました。本人財戦略では、困難な時にあっても世界と本物の価値を分かち合おうとする「資生堂人」として社員が成長することを組織全体で支援し、「社員の成長をかなえる組織」の確立を目指します。その実現に向け、「挑戦の機会の拡大」「資生堂の大切にする価値観の体現」「グローバルで一体感のある組織」の3つの方針を掲げ、人的資本の強化に向けた各種取り組みを推進していきます。
<挑戦の機会の拡大>変化の激しい事業環境の中で企業価値を継続的に高めるためには、社員が新たな挑戦を通じて成長することと、リーダーが現場で社員の挑戦を支えることが重要と考えています。リーダーの支援のもと社員が挑戦を重ねることで、環境変化に適応するポータブルスキルも身に付きます。より多くの社員に挑戦機会を提供できるよう、これまでのジョブ型人事制度と社内公募制度に加え、所属組織にとらわれない部門横断プロジェクトに参画する機会の拡大を推進していきます。また、今後はグローバルモビリティを戦略的育成施策として位置づけ、グローバルなタレント育成・キャリア形成のための投資を強化します。さらに、社員一人ひとりの強みを把握し、多様な挑戦機会のアクセスを高めるため、スキルの可視化にも取り組みます。加えて、2024年に作成したリーダーシップモデルを基に、現場の管理職を含めたリーダーが、ビジネスだけでなく人・組織の成長もリードするためのマインドセット・スキルを高める研修機会を積極的に取り入れることで、すべてのリーダーが社員の成長を強力にサポートする組織を作り上げていきます。
<資生堂の大切にする価値観(注)の体現>変革が求められる局面だからこそ、創業以来大切にしてきた価値観を全社員で共有し、組織の意思決定や社員の行動の基準とすることが持続的な企業価値創造の原動力となるという考えから、私たちは価値観の再定義と人・組織への「実体化」に注力していきます。
価値観の再定義にあたっては、社長CEOをはじめ各地域CEOを含むグローバルリーダーシップチームで議論を重ね、資生堂グループならではの独自性にこだわりながら策定しました。今後は、社員一人ひとりが自分の仕事や役割に結び付けて考えながら仲間と対話を重ねることで、自身の判断や行動の拠り所として価値観を体現できるよう、丁寧に「実体化」のプロセスを図ります。
また、資生堂グループの強みである価値創造力と価値伝達力を次世代に継承するため、社員に多様なキャリアパス・成長ステップを提示するとともに、専門人財の計画的・体系的な育成についても検討を進めていきます。
(注) 資生堂が大切にする価値観については、当社企業情報サイトの「企業情報/The Shiseido Philosophy」(https://corp.shiseido.com/jp/company/philosophy/)をご覧ください。
<グローバルで一体感のある組織>資生堂グループ全体で継続的な構造改革が行われるなか、グローバルが一体となって協働し、相乗効果を発揮することの重要性が増しています。今後はグローバル本社・地域間の繋がりを一層強化してグローバル組織としてのアジリティを高めるとともに、多様な社員がそれぞれの強みを発揮して活躍できるインクルーシブな文化の形成を進めていきます。具体的には、コーポレート部門を対象に、グローバル本社・地域間の役割・レポートラインの明確化とガバナンス整備を通じて、グローバルで一体化した効率的なオペレーションと創出価値最大化を実現する組織体制の構築を目指します。併せて、人事部門ではこれまで統一されていなかった人事プロセスや人事データを整理・統合し、人事データに基づく迅速な意思決定と施策実行を可能とする基盤を整えます。インクルーシブな文化の形成に向けては、多様な社員が繋がり、お互いの関心や理解を深めるための「Brand Day」や「Diversity Week」などのイベントを多数開催し、人財制度と運用の面からも女性社員の活躍推進、障がい者の活躍支援、育児と仕事の両立支援を継続してきました。特に女性社員の活躍推進については、2030年までに女性管理職比率50%を目標とし、女性リーダー育成施策や女性役員とのメンタリングなどを通じて、さらなる成長を支援していきます。
そのほかにも人財・組織の強化を図る施策として、資生堂グループ全体での適材適所な人財配置と戦略的にタレントを育成する「戦略的タレントマネジメント」、中長期的な業績の向上とストレッチした業務アサインメントにより社員の成長を図る「パフォーマンスマネジメント」、主体的なキャリア開発と専門性強化のためのワークショップやeラーニング、社員自身が作成した中長期的なキャリアゴールを描く「キャリア・ディベロップメントプラン(CDP)」などの「自律的キャリア開発支援」があります。日本国内の社員に対しては、既に導入されている「ジョブ型人事制度」のもと、社員の専門性を強化し、社員一人ひとりのキャリア自律を高める支援をしています。社内の構造改革を進める中、社員が多様な挑戦機会にアクセスできるよう、これからの未来を創る人財の自己成長の場である「Shiseido Future University」や、オンライン学習プラットフォームである「LinkedIn Learning」などの学習機会を継続的に提供し、スキル強化を推進してきました。トレーニングプログラムとしては、目的と対象者に応じて、選抜型プログラム、選択型プログラム、必須プログラムの3種類を提供しています。必須プログラムには、新入社員研修や3年目研修、新任職制マネジャー研修、マネジャーワークショップ等があります。また、幹部候補の女性社員が自身や周囲のアンコンシャスバイアス(無意識の思い込みや偏見)から自由になり、マネジメントや経営のスキルを学びながら、自分らしいリーダーシップスタイルを見つける「NEXT LEADERSHIP SESSION for WOMEN」は当社の特徴的な選抜型プログラムの1つです。
社員が自分のライフスタイルやワークスタイルに合せて働き方を選択できるように、コアタイムのない「フレックスタイム制度(スーパーフレックス)」、業務の目的に合わせてリモートワークとオフィスワークを柔軟に組み合わせる「資生堂ハイブリッドワークスタイル」を推奨しています。また、働き方の変革による生産性向上や社員体験の充実を図るため、生成AIをベースにした「Shiseido AI コンシェルジュ」を設置し業務効率化に努めています。さらに、社員の健康と労働安全衛生を重要な課題として認識し、「資生堂健康宣言」「資生堂ビジョン・ゼロ宣言(安全宣言)」を中心に、継続的に安心・安全な職場環境づくりに取り組んでいました。これらの取り組みが評価され、2025年度においても、「健康経営優良法人2025(ホワイト500)」の認定を受けたほか、公益社団法人 女性の健康とメノポーズ協会が主催する「女性の健康経営®アワード」の推進賞を受賞しました。
これらの取り組みによる人財・組織の変化については、エンゲージメントスコアを活用して継続的にモニタリングし、効果や課題を分析することを通じて人的資本経営高度化のPDCAサイクルを構築していきます。2025年度は資生堂グループと関係会社において直接雇用されている社員全員を対象に調査を実施し、回答率は91%、エンゲージメントスコアを測定する3つの設問の肯定的回答はグローバル全体で71%となりました。設問別に見ると、「会社への満足感(74%)」や「会社への貢献意欲(74%)」が相対的に高い一方で、「働きがい/やりがい(65%)」が低い傾向にあります。今後はより多くの社員が積極的に挑戦・成長できるよう支援し、働きがいを実感してもらえる環境づくりに注力します。