有価証券報告書-第163期(2023/01/01-2023/12/31)

【提出】
2024/03/29 9:07
【資料】
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【項目】
151項目
② 戦略
当社グループでは、短・中・長期の気候変動リスク・機会を現在~2050年まで特定・評価し、事業・戦略・財務計画検討時に考慮しています。
2030年、2050年における一般用消費財事業(オーラルケア、ビューティケア、ファブリックケア、リビングケア、薬品の各分野)、海外事業(中国、タイ)について、産業革命比で2100年までに世界の平均気温が1.5℃・4℃上昇することを想定したシナリオを用いて、シナリオ分析を実施しました。
分析結果のまとめは次のとおりです。
<4℃シナリオ>・化石燃料由来の原料高騰を大きなリスクと認識し、植物由来原料への代替等、脱炭素化に向けた取組みを推進しています。
・洪水や水ストレス等、物理的リスクの増加に対しては、BCPの強化やサプライチェーンのデータ連携等の対応を進めています。
・機会面では感染症予防や洗濯関連商品等の市場の拡大が想定され、関連する商品開発やサービスの強化に取り組んでいます。
また、感染症拡大のリスク増加に対しては、当社の強みを発揮できるオーラルヘルスやインフェクションコントロール領域での成長機会の探索を続けます。
<1.5℃シナリオ>・プラスチック由来・アルミ由来・パーム油由来の原材料・包材価格の上昇が大きなリスクとなりますが、石化由来のプラスチック使用量の削減やパーム油・パーム核油誘導体のRSPO認証品の調達等、リスク低減に向けた取組みを進めています。
・機会面では、環境配慮製品の大幅な需要拡大が見込まれ、ライオンエコ製品の拡充等による事業の拡大が期待されます。
また、サステナブルファッションなど生活スタイルの変化に適合する技術開発の推進や、EV普及等、脱炭素交通の進展に伴い必要となる導電性カーボンの供給拡大など、さらなる成長機会の獲得についても検討を進めています。
当社グループでは、各シナリオへの対応はこれまでも進めておりますが、変化への対応力を一層強化すべく経営努力を傾注してまいります。
※詳細については、ウェブサイトをご覧ください。
https://www.lion.co.jp/ja/sustainability/env/tcfd/