有価証券報告書-第111期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/23 16:21
【資料】
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【項目】
135項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは以下に掲げる項目を重点的な経営課題及び方針として取り組んでまいります。
①安全衛生活動の浸透
労働安全が経営の最優先課題であることを明確にするとともに、労働災害の撲滅に全社をあげて取り組んでまいります。経営直下の組織として安全健康衛生推進室を新設し、各工場と密に連携を取ることにより、安全・健康・衛生活動の実効性を確保するとともに、当該活動の全社水平展開を拡充いたします。
②コンプライアンス態勢の強化
当社グループが良き企業市民としての社会的責任(CSR)を果たすとともに健全かつ誇りを持てる企業風土を醸成してまいります。これに加え、コンプライアンス(法令の遵守・企業倫理)態勢の強化を最も重要な経営課題の一つとしてとらえ、コンプライアンス委員会活動を通じた全社的かつ積極的な取り組みを行うほか、研修やeラーニングによる全社教育などを継続して行うことにより社員のコンプライアンス意識の底上げを行ってまいります。
③品質管理・保証体制の充実
原理原則に基づいた品質教育を徹底して実施するとともに、ヒューマンエラーを排した検査システムを導入することにより、品質管理要求水準が最も高い業界からの要請にも応じられる体制を構築します。全工場の品質管理業務を横断的に管理監督する組織として、品質管理部を新設し、情報の共有を迅速かつ正確に行うことで品質管理の向上に取り組んでまいります。
④売上高営業利益率の継続的確保
当社グループ製品ユーザーとの活発なコミュニケーションによりその多様化するニーズを迅速に把握すること、不採算製品の統廃合を行うこと、既存製品は製法を一から見直し、自動化を推進することでコスト削減を推進することなどにより売上高営業利益率の継続的確保と向上に取り組んでまいります。
⑤将来を展望した生産体制構築および新製品開発
最適な生産体制を構築するために「ものづくり」を根底から見直し、積極的な設備投資も行い、品質、生産性の向上を実現するとともに、生産、研究および営業部門が一体となり有機的な協働を進め、高い付加価値が見込めかつ収益率の高い新製品をタイムリーに上市するよう努めてまいります。
⑥人材育成の強化
当社グループは、激変する経営環境に左右されない企業競争力の源泉はヒトにあるとの認識の下、社員一人ひとりの能力を最大限活かすための人材マネジメント強化が、営業、技術、管理の全ての部門に必須であると認識しております。変化に柔軟に対応すると共に、業務を遂行する上での新しい仕組みやビジネスモデルを創出し、改革を興すべく、会社と社員が共に成長することを可能とする体制を整備してまいります。
⑦ダイバーシティ経営の実現
多様な人材の活躍を企業価値創造につなげるためのガバナンス改革、社員の意識改革と能力開発、勤務環境と体制整備および多様性に富む人材登用と採用の実施により、全ての社員が力を発揮できる職場環境を構築してまいります。
⑧持続可能な社会に貢献する環境技術・製品の開発
当社グループの生産活動および製品における環境負荷の低減は、重要な経営課題の一つとして認識しており、生産活動における環境負荷物質の排出削減およびそれを可能とする環境技術の開発や環境にやさしい製品の開発に取り組んでまいります。
これら8つの重点課題を実行することにより、9つ目の課題である、売上高営業利益率の継続的確保と向上を推進してまいります。
⑨売上高営業利益率の継続的確保と向上
次代を見据えた分野への積極的な新製品の投入を行い、高付加価値製品の拡販と不採算製品の見直しを行うこと、重点セグメントへの人材投入による効率的及び新たな営業活動を行うことなどにより、売上高営業利益率の継続的確保と向上に取り組んでまいります。
新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた経営
新型コロナウイルス感染症により、社会、経済は大きく様変わりしております。当社グループの事業は、粘着テープの製造・販売の単一セグメントでありますが、新型コロナウイルス感染症が当社グループの経営に与える影響といたしましては、製造工場及び量販店の一時的な閉鎖や建築・土木業界における工事延期等により販売機会が減少する可能性がある一方で企業のリモートワークや巣ごもり等によりノートパソコン、タブレット等の電子通信機器類に使用される粘着テープの需要が増加する可能性がある等、引続き先行きの不安定かつ不透明な状況が続くと想定しております。このような状況下、当社グループは取引先及び従業員の健康と安全を第一に考えるとともに、更なる感染拡大を防ぐため、政府や自治体の発表・要請を踏まえ、従業員の体調管理の徹底、テレワークやWeb会議の導入、時差出勤等の社内での取り組みを今後も継続してまいります。
また、第三次中期経営計画における2025年ビジョンを「Smart Convenience Producer」としております。これは、社員一人ひとりが、お客様や社内に向けて便利なモノ・コトを積極的に提案し、新たな仕組みや付加価値を生み出すという、5年後の当社としてあるべき姿を現す経営目標です。この未曾有の事態・難局であるからこそ、より一層スピーディに、柔軟に且つ劇的に変革を起こし、上述方針①~⑨をやり切って、創業100周年を迎えた今期を次世紀に向けた極めて重要な転換期とすることで国内外において明確に存在価値・存在意義・存在感のある会社に進化・発展する起点と位置づけています。