有価証券報告書-第113期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/23 14:20
【資料】
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【項目】
149項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは以下に掲げる項目を重点的な経営課題及び方針として取り組んでまいります。
①収益の増強およびコストの削減
(a)収益の増強
厳格な原価管理を行うことにより、積極的な製品拡販と不採算製品の収益改善あるいは解消を目指します。また、長期在庫を早急に解消し全社的な在庫管理の徹底を図るとともに、粘着テープ新製品上市・販売及び派生新ビジネス推進により、黒字化そして収益拡大を実現いたします。
(b)コストの削減
調達部及び情報システム部を経営直轄とし、喫緊の全社的課題である原材料コストの削減と全社生産性向上の実現を図ります。また、技術部門内にコストダウン推進室を設置し、工場の原価低減を特に加速させ、同時に外注している業務・製品のグループ内製化により製造コスト削減を徹底いたします。
②安全健康衛生活動の浸透
安全衛生が経営の最優先課題であることを明確にするとともに、労働災害の撲滅に全社をあげて取り組んでまいります。各工場と密に連携を取ることにより、安全・健康・衛生活動の実効性を確保するとともに、当該活動の全社水平展開を推進することで、労働安全を確保するための各種取り組みが企業収益に繋がる投資であることを全社組織及び全役職員に浸透させるよう取り組みます。
③コンプライアンス態勢の強化
企業風土改革の一環としてコンプライアンス(法令の遵守・企業倫理)態勢の強化を重要な経営課題の一つとしてとらえ、コンプライアンス委員会活動を通じた全社的かつ積極的な取り組みを行うほか、研修やeラーニングによる全社教育などを継続して行うことにより全役職員のコンプライアンス意識の底上げを行ってまいります。また、コーポレートガバナンス体制の強化にも務め、社会規範と企業倫理に則り、経営の透明性と健全性を高めてまいります。
④人的資本の拡充
持続的に企業価値を向上させると共に経営戦略を実現するためには、当社で働く社員一人ひとりが強い社員となり、社員が自律的にキャリアを積み上げることができる仕組み、即ち経営戦略と人材戦略の連動が不可欠です。強い社員とは、人材市場において高い価値を身に付けた人であり、そのような人材を育て、その層を厚くすることは、人的資本を拡充することにつながります。当社では、人事情報基盤の整備を進める中で、新たにワークエンゲージメント調査を導入し、組織の強みや課題を可視化した上で、その拡充に向け効果的な施策を講じワークエンゲージメントの向上を図り、生産性の向上、職務への満足度向上、顧客満足度の向上へ繋げてまいります。また、中長期のキャリアプランや能力開発の取組みを上司・部下間で共有し人材育成に活用する制度や、人事総務部、或いは各事業部門が主催する重層的な研修制度を整えてまいります。
⑤サステナブルな社会に資する環境技術・製品の導入・開発
地球環境問題への配慮の観点から、環境保全への取り組みを企業経営の最重要課題の一つと位置づけ、環境管理委員会を設置し環境方針を制定すると共に様々な環境施策を実施しております。具体的な取り組みとしては、地球温暖化防止等に向けた、茨城工場におけるコジェネレーションによる省エネの促進及び温暖化ガスの大幅削減、最新鋭の溶剤回収設備によるVOC及び温暖化ガス抑制が挙げられます。一方で、植物由来テープ(バイオマス)、生分解性テープ、リサイクル素材テープ等の開発に取り組むことで、サステナブルな社会に貢献する環境技術・製品の開発を進めております。
⑥外的要因に基づくリスクへの対応
資源価格高騰による製造原価の上昇や、地政学上のリスク顕在化に起因する燃料高騰に対応するため、ものづくり改革を確実に実行することで、生産性向上と原価低減を徹底的に推進してまいります。また、外貨建債権の為替相場変動による評価損益を一定程度にとどめるため、為替のヘッジ取引をはじめとした措置を機動的に講じてまいります。