有価証券報告書-第66期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)
業績等の概要
(1) 業績
当連結会計年度の世界経済は、米国においては、雇用環境の改善を背景に成長を続け、欧州経済も当初は停滞感があったものの、その後持ち直しの動きが見られた。また、新興国においては、中国など一部の国で経済成長の減速が見られたが、総じて景気は拡大傾向となった。
また、日本経済は、年度前半に消費税率引上げの影響等により落ち込んだが、その後の原油価格の下落や円安の進行を背景とした企業業績の改善により、回復基調となった。
このような経営環境の下、当社グループは、継続的な成長を実現できる強固な経営基盤を構築するため、2013年度からスタートした中期経営計画の下、新製品・新事業の創出、成長が期待される事業分野でのM&A等を活用した事業拡大、経営資源の集中とグローバル事業の強化・拡大を目的とした強固なグループ体制の構築に加え、一層の原価低減及び固定費の削減等の諸施策を鋭意推進してきた。
以上の諸施策を実施した結果、為替の影響もあり当連結会計年度の売上収益は5,251億円(前連結会計年度比7.4%増)、営業利益は希望退職・転職支援制度の実施に伴う退職加算金及び転職支援費用等をその他の費用として計上したことにより292億円(同20.1%減)となり、当期利益は229億円(同21.5%減)となった。
① 機能材料セグメント
電子材料
半導体用エポキシ封止材は、半導体市場の堅調な需要により、前年度実績を上回った。
半導体用ダイボンディング材料は、スマートフォン向け等の堅調な需要に支えられ、前年度実績を上回った。
半導体回路平坦化用研磨材料は、一部顧客における需要減の影響により、前年度実績を下回った。
電気絶縁用ワニスは、自動車向けの安定した需要により、前年度実績並みとなった。
無機材料
リチウムイオン電池用カーボン負極材は、環境対応自動車向けの売上が増加し、前年度実績を上回った。
カーボン製品は、鉄道車両用ブラシの売上が増加したことにより、前年度実績を上回った。
樹脂材料
機能性樹脂は、重電・自動車向けに硬化剤の需要が好調だったことにより、前年度実績を上回った。
ディスプレイ用回路接続フィルムは、スマートフォン向けの安定した需要により、前年度実績並みとなった。
タッチパネル周辺材料は、一部顧客の需要減により、前年度実績を下回った。
粘着フィルムは、液晶ディスプレイの光学シート表面保護用の需要回復により、前年度実績を上回った。
配線板材料
銅張積層板は、スマートフォン向けの売上が増加したことにより、前年度実績を上回った。
感光性フィルムは、スマートフォン向け等の売上拡大により、前年度実績を上回った。
この結果、当セグメントの売上収益は2,758億円(前連結会計年度比5.6%増)、セグメント損益は235億円(同8.3%減)となった。
② 先端部品・システムセグメント
自動車部品
樹脂成形品、摩擦材、粉末冶金製品は、海外子会社の売上が貢献したこと等により、前年度実績を上回った。
蓄電デバイス・システム
車両用電池は、国内自動車メーカー減産の影響があったものの、海外拠点の売上増等により、前年度実績並みとなった。
産業用電池・システムは、台湾神戸電池股份有限公司を連結子会社化したことにより、前年度実績を上回った。
キャパシタは、風力・太陽光発電向けを中心に、売上が安定的に推移し、前年度実績並みとなった。
電子部品
配線板は、スマートフォン向け等の売上拡大により、前年度実績を上回った。
その他
診断薬・装置は、アレルギー診断薬の売上が減少したことにより、前年度実績を下回った。
この結果、当セグメントの売上収益は2,493億円(前連結会計年度比9.6%増)、セグメント損益は58億円(同46.7%減)となった。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末から13億円増加し、890億円となった。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、事業構造改善費用の支払額が増加したこと等から、前連結会計年度実績と比較して163億円少ない、340億円の収入となった。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が減少したこと等から、前連結会計年度実績と比較して148億円少ない、223億円の支出となった。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、非支配持分株主からの子会社持分取得による支出が増加したこと等から、前連結会計年度と比較して145億円多い、169億円の支出となった。
(3) 並行開示
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表及びIFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、下記のとおりである。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていない。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
(単位:百万円)
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
要約連結包括利益計算書
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
(単位:百万円)
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
⑥ IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
当連結会計年度の世界経済は、米国においては、雇用環境の改善を背景に成長を続け、欧州経済も当初は停滞感があったものの、その後持ち直しの動きが見られた。また、新興国においては、中国など一部の国で経済成長の減速が見られたが、総じて景気は拡大傾向となった。
また、日本経済は、年度前半に消費税率引上げの影響等により落ち込んだが、その後の原油価格の下落や円安の進行を背景とした企業業績の改善により、回復基調となった。
このような経営環境の下、当社グループは、継続的な成長を実現できる強固な経営基盤を構築するため、2013年度からスタートした中期経営計画の下、新製品・新事業の創出、成長が期待される事業分野でのM&A等を活用した事業拡大、経営資源の集中とグローバル事業の強化・拡大を目的とした強固なグループ体制の構築に加え、一層の原価低減及び固定費の削減等の諸施策を鋭意推進してきた。
以上の諸施策を実施した結果、為替の影響もあり当連結会計年度の売上収益は5,251億円(前連結会計年度比7.4%増)、営業利益は希望退職・転職支援制度の実施に伴う退職加算金及び転職支援費用等をその他の費用として計上したことにより292億円(同20.1%減)となり、当期利益は229億円(同21.5%減)となった。
① 機能材料セグメント
電子材料
半導体用エポキシ封止材は、半導体市場の堅調な需要により、前年度実績を上回った。
半導体用ダイボンディング材料は、スマートフォン向け等の堅調な需要に支えられ、前年度実績を上回った。
半導体回路平坦化用研磨材料は、一部顧客における需要減の影響により、前年度実績を下回った。
電気絶縁用ワニスは、自動車向けの安定した需要により、前年度実績並みとなった。
無機材料
リチウムイオン電池用カーボン負極材は、環境対応自動車向けの売上が増加し、前年度実績を上回った。
カーボン製品は、鉄道車両用ブラシの売上が増加したことにより、前年度実績を上回った。
樹脂材料
機能性樹脂は、重電・自動車向けに硬化剤の需要が好調だったことにより、前年度実績を上回った。
ディスプレイ用回路接続フィルムは、スマートフォン向けの安定した需要により、前年度実績並みとなった。
タッチパネル周辺材料は、一部顧客の需要減により、前年度実績を下回った。
粘着フィルムは、液晶ディスプレイの光学シート表面保護用の需要回復により、前年度実績を上回った。
配線板材料
銅張積層板は、スマートフォン向けの売上が増加したことにより、前年度実績を上回った。
感光性フィルムは、スマートフォン向け等の売上拡大により、前年度実績を上回った。
この結果、当セグメントの売上収益は2,758億円(前連結会計年度比5.6%増)、セグメント損益は235億円(同8.3%減)となった。
② 先端部品・システムセグメント
自動車部品
樹脂成形品、摩擦材、粉末冶金製品は、海外子会社の売上が貢献したこと等により、前年度実績を上回った。
蓄電デバイス・システム
車両用電池は、国内自動車メーカー減産の影響があったものの、海外拠点の売上増等により、前年度実績並みとなった。
産業用電池・システムは、台湾神戸電池股份有限公司を連結子会社化したことにより、前年度実績を上回った。
キャパシタは、風力・太陽光発電向けを中心に、売上が安定的に推移し、前年度実績並みとなった。
電子部品
配線板は、スマートフォン向け等の売上拡大により、前年度実績を上回った。
その他
診断薬・装置は、アレルギー診断薬の売上が減少したことにより、前年度実績を下回った。
この結果、当セグメントの売上収益は2,493億円(前連結会計年度比9.6%増)、セグメント損益は58億円(同46.7%減)となった。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末から13億円増加し、890億円となった。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、事業構造改善費用の支払額が増加したこと等から、前連結会計年度実績と比較して163億円少ない、340億円の収入となった。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が減少したこと等から、前連結会計年度実績と比較して148億円少ない、223億円の支出となった。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、非支配持分株主からの子会社持分取得による支出が増加したこと等から、前連結会計年度と比較して145億円多い、169億円の支出となった。
(3) 並行開示
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下、「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表及びIFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、下記のとおりである。
なお、日本基準により作成した要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けていない。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
(単位:百万円)
前連結会計年度 (2014年3月31日) | 当連結会計年度 (2015年3月31日) | |
資産の部 | ||
流動資産 | 278,475 | 306,639 |
固定資産 | ||
有形固定資産 | 171,704 | 182,877 |
無形固定資産 | 24,957 | 29,589 |
投資その他の資産 | 32,944 | 35,966 |
固定資産合計 | 229,605 | 248,432 |
資産合計 | 508,080 | 555,071 |
負債の部 | ||
流動負債 | 119,606 | 135,991 |
固定負債 | 52,088 | 47,183 |
負債合計 | 171,694 | 183,174 |
純資産の部 | ||
株主資本 | 326,262 | 339,853 |
その他の包括利益累計額 | 4,446 | 23,170 |
少数株主持分 | 5,678 | 8,874 |
純資産合計 | 336,386 | 371,897 |
負債純資産合計 | 508,080 | 555,071 |
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
売上高 | 493,766 | 533,955 |
売上原価 | 373,940 | 405,278 |
売上総利益 | 119,826 | 128,677 |
販売費及び一般管理費 | 92,051 | 93,533 |
営業利益 | 27,775 | 35,144 |
営業外収益 | 9,271 | 11,492 |
営業外費用 | 4,965 | 6,375 |
経常利益 | 32,081 | 40,261 |
特別利益 | 7,260 | 7,679 |
特別損失 | 5,502 | 14,145 |
税金等調整前当期純利益 | 33,839 | 33,795 |
法人税等合計 | 10,334 | 12,398 |
少数株主損益調整前当期純利益 | 23,505 | 21,397 |
少数株主利益又は少数株主損失(△) | △598 | 296 |
当期純利益 | 24,103 | 21,101 |
要約連結包括利益計算書
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
少数株主損益調整前当期純利益 | 23,505 | 21,397 |
その他の包括利益合計 | 12,510 | 19,604 |
包括利益 | 36,015 | 41,001 |
(内訳) | ||
親会社株主に係る包括利益 | 36,584 | 39,825 |
少数株主に係る包括利益 | △569 | 1,176 |
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2013年4月1日 至 2014年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本 | その他の包括利益 累計額合計 | 少数株主持分 | 純資産合計 | |
当期首残高 | 310,604 | △3,625 | 6,425 | 313,404 |
会計方針の変更による 累積的影響額 | △941 | △4,410 | - | △5,351 |
会計方針の変更を反映 した当期首残高 | 309,663 | △8,035 | 6,425 | 308,053 |
当期変動額合計 | 16,599 | 12,481 | △747 | 28,333 |
当期末残高 | 326,262 | 4,446 | 5,678 | 336,386 |
当連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
(単位:百万円)
株主資本 | その他の包括利益 累計額合計 | 少数株主持分 | 純資産合計 | |
当期首残高 | 326,262 | 4,446 | 5,678 | 336,386 |
当期変動額合計 | 13,591 | 18,724 | 3,196 | 35,511 |
当期末残高 | 339,853 | 23,170 | 8,874 | 371,897 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 51,000 | 34,484 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △37,088 | △28,499 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △3,028 | △11,107 |
現金及び現金同等物に係る換算差額 | 2,790 | 6,467 |
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | 13,674 | 1,345 |
現金及び現金同等物の期首残高 | 73,978 | 87,652 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 87,652 | 88,997 |
⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) |
(会計方針の変更) (退職給付に係る会計処理方法の変更) 当社及び連結子会社は、「退職給付に関する会計基準」(企業会計基準第26号 平成24年5月17日。以下「退職給付会計基準」という。)及び「退職給付に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第25号 平成24年5月17日)が2013年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から適用できることになったことに伴い、当連結会計年度よりこれらの会計基準等を適用している。これにより、退職給付債務から年金資産の額を控除した額を退職給付に係る負債として計上する方法に変更し、未認識数理計算上の差異及び未認識過去勤務費用を退職給付に係る負債に計上している。また、退職給付債務及び勤務費用の計算方法を見直し、退職給付見込額の期間帰属方法を期間定額基準から給付算定式基準へ変更するとともに、割引率の決定方法についても、従業員の平均残存勤務期間に近似した年数に基づく割引率から、退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用する方法へ変更している。なお、退職給付会計基準第37項に定める経過的な扱いに従って、当連結会計年度の期首において、退職給付債務から年金資産の額を控除した額を退職給付に係る負債として計上したことに伴う影響額を退職給付に係る調整累計額に、退職給付債務及び勤務費用の計算方法の変更に伴う影響額を利益剰余金にそれぞれ加減している。 この結果、当連結会計年度の期首において、退職給付に係る負債が22,405百万円、退職給付に係る資産が699百万円計上されるとともに、退職給付に係る調整累計額が4,410百万円、利益剰余金が941百万円減少している。なお、当連結会計年度の営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益への影響は軽微である。 | ──────── |
⑥ IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
前連結会計年度 (自 2013年4月1日 至 2014年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) |
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 30 IFRSの初度適用」を参照。 | (のれんの償却) 日本基準においては、のれんをその投資効果の及ぶ期間で償却しているが、IFRSにおいては、2011年10月1日以降、のれんの償却を行っていない。 これにより、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が2,468百万円減少している。 |