有価証券報告書-第69期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/29 15:32
【資料】
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【項目】
57項目
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
(1) 経営の基本方針
① 日立化成グループ・アイデンティティ
当社グループは、時代を拓く優れた技術と製品の開発を通して社会に貢献することを企業理念とし、日立創業の精神である「開拓者精神」「誠」「和」を大切にしていく価値と定め、未知の領域に踏み出すチャレンジ精神をもって、化学を超えた新たな価値を創造し、社会やお客さまの期待を超える「驚き」を実現する。
② 経営の基本方針
当社グループは、化学を超えた広範な領域において研究を深化させ、当社グループの高度で幅広い基盤技術、すなわち「材料技術」「プロセス技術」「評価技術」を強化する。これらを基に多様な市場の全てのバリューチェーンにおいてイノベーションを実現し、社会に新たな価値を提供することにより、適切な利益を獲得して事業の持続的成長を達成するとともに、ステークホルダーと協働することを通じ、企業価値の最大化を図る。
イ.事業運営
(事業展開する領域)
当社グループは、グローバルな成長市場において当社グループの基盤技術を最大限に生かせる事業領域に機動的に経営資源を投入し、高付加価値事業を展開するとともに、成長性及び収益性の低い事業については市場・事業環境を早急に見極め、再生もしくは撤退を行うことにより、成長性と収益性の高い事業ポートフォリオを構築する。
(事業運営上の行動指針)
当社グループは、ニーズの探索から、研究、開発、生産、営業に至るまでの全ての活動において、以下の行動指針、すなわち、「ニーズを見出す力を持つ」「未来のシナリオを描く」「次のコア技術を生み出す」「グローバルで選ばれる企業になる」「共創しあえるワークスタイルをつくる」ことに挑戦する。
(ステークホルダーへの責任の履行)
当社グループは、お客さま、株主、従業員をはじめとするステークホルダーへの責任を履行するため、双方向でのコミュニケーションを重視し相互の理解を深めるほか、事業活動を通じ環境問題をはじめとする社会課題の解決に寄与するとともに、社会の一員として社会貢献活動に積極的かつ継続的に取り組む。また、国籍・性別・人種等を問わず、平等かつ公正に従業員が活躍できる機会を提供する。
(中期経営計画と年度予算)
当社グループは、10年先のめざす姿を見据えて3ヵ年ごとに中期経営計画を策定し中長期的な視野に立った経営を実践する一方、毎年、中期経営計画の達成に向けた予算を編成、実行することにより、持続的な成長の実現に取り組む。
ロ.コーポレートガバナンス
当社は、機動力、客観性及び透明性の高い経営を実践するため、業務執行機能と監督機能とを分離した「指名委員会等設置会社」の機関形態を採用する。その特長を最大限に生かし、迅速・果断な意思決定が可能な業務執行体制を構築するとともに、取締役会の下に過半数の社外取締役により構成される指名・報酬・監査の3委員会を設置し、経営に対する適切な監督機能を発揮する。
また、「日立化成コーポレートガバナンス・ガイドライン」を定め、株主をはじめとするあらゆるステークホルダーの利益に資する経営を実践する。
ハ.コンプライアンス
当社グループは、グローバルで「日立化成企業行動基準」及び「日立化成グループ行動規範」を定め、企業が社会の一員であるという深い認識のもと、「基本と正道」を旨とし、「日立化成コンプライアンス5則」に則った、企業倫理と法令遵守に根ざした事業活動に徹する。また、環境との調和を図り、社会貢献活動を継続することにより、良識ある企業市民として真に豊かな社会の実現に尽力する。
ニ.親会社等との関係
当社グループは、株式会社日立製作所を親会社とする日立グループの一員として、経営情報の交換、研究開発、製品の供給等の事業活動において、日立グループ各社との協力関係を維持、発展させ、日立グループのブランド力等の経営資源を有効に活用するとともに、親会社による合理的なガバナンス機能を十分発揮させつつ、上場会社として、全てのステークホルダーとのコミュニケーションを深め、当社グループの強みを生かした自律性と緊張感のある経営を実践する。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、2018年度を最終年度とする中期経営計画において、営業利益率 11%、ROIC 15%、ROE 12%を目標値としている。
(3) 当社グループの現状の認識について
今後の経済見通しについては、世界経済、日本経済ともに持続的な成長が見込まれる一方、米国と中国間の貿易摩擦や英国のEU離脱交渉の動向が懸念されるほか、東アジアにおける地政学リスクなどもあり、依然として先行き不透明な状況にある。
こうした経済環境の下、当社グループは、中期経営計画の最終年度となる本年、重点方針である「戦い方の変革によるトップシェア事業の育成」「オープン・イノベーションを中心とした事業化の加速」をさらに推し進め、不断にイノベーションを創出し、市場の伸びを上回る事業の成長と収益力の強化に取り組んでいく。
(4) 中長期的な経営戦略及び対処すべき課題
① グローバル事業の強化
イ.「ニッチ&クラスター型事業戦略」の効果創出に一段と注力し、グローバルトップシェア事業の拡大を図る。また、事業・製品構成転換を加速し、新製品・新事業へ経営リソースを傾注させ、収益力の強化を図る。さらに、外部資源の活用による積極的な事業拡大策を強力に進めるとともに、オープン・イノベーションを通じて新製品開発のスピード向上とさらなるシェア拡大に努めていく。
ロ.高機能材料事業については、今後も成長が見込まれる半導体関連材料、リチウムイオン電池用カーボン負極材、ディスプレイ関連材料、配線板材料を中心に事業拡大を図り、収益力を一段と強化していく。
ハ.自動車部品事業については、自動車の軽量化等に貢献する製品の拡販に努めるとともに、欧州のグローバル自動車メーカーへの参入に向けた施策に引き続き取り組んでいく。また、材料技術の強みを生かし、新規の自動車向け材料の開発にも取り組んでいく。
二.蓄電デバイス・システム事業については、買収会社に対するPMI(買収後統合プロセス)の推進により、欧州及びアセアン地域における事業展開を強化し、シナジー効果の最大化につなげていく。また、原材料価格の変動を当社の製品価格に適宜反映させる販売政策を推進し、収益力の確保に努めていく。さらに、グローバルに需要が拡大している無停電電源装置用電池やフォークリフト用電池等での実績拡大に加え、電池システム・サービス関連市場での成長実現に向けた施策を継続していく。
ホ.長期的に市場成長が期待されるライフサイエンス事業については、当社グループの将来を担う高収益事業に育成するため、遺伝子診断と再生医療を中心に事業基盤の強化と早期の事業立ち上げを着実に進めていく。
② 新製品・新事業の早期戦力化
新たなイノベーションテーマを探索し、その実現方法を検討する場として昨年1月に設立した「イノベーションセンタ」や2018年度に機能強化を計画している「半導体実装材料オープン・ラボ」等の活用を通じ、ステークホルダーとの協創による新製品・新事業の創出を引き続き促進し、収益力の強化につなげていく。
③ 経営基盤の強化
イ.グローバル競争に打ち勝つコスト構造を確立するため、IoTやAI等を活用し、生産の合理化を引き続き推進するほか、間接業務のグローバル標準化やノンコア業務のアウトソーシング・IT化を加速させることにより、コア業務に注力できる体制を整備、強化し、人的生産性の向上を図っていく。
ロ.新たに構築した経営情報システムを活用し、より迅速かつ的確な事業判断を行う体制を確立するとともに、グローバルな事業運営を支える地域統括機能を最適化し、経営基盤の強化を引き続き加速していく。
④ ESG(環境・社会・ガバナンス)経営の推進
イ.当社グループの事業活動を通じて、持続可能な世界を実現するための国際社会全体の開発目標であるSDGs(Sustainable Development Goals)の達成に貢献していく。また、モノづくりの全プロセスにおいて環境負荷の低減、特にCO2排出量削減のための対策を徹底するほか、地域社会との信頼関係を強めるため地域貢献活動にも積極的に取り組んでいく。
ロ.事業展開の諸施策を推進するベースとなる人的資源を強化するため、「働き方改革」により生産性の向上に取り組み、ワークライフバランスの実現をめざすとともに、性別・国籍を問わない採用や管理職への登用、障がいをもつ社員の職域の拡大を進め、多様な人材によりイノベーションを起こすことができる環境づくりに努めていく。
ハ.当社グループの全社員による「日立化成グループ行動規範」に則ったコンプライアンスへの取り組みを継続、強化するとともに、事故撲滅に向けた諸施策をグループ全社に展開し、無事故・無災害経営をめざす。また、「日立化成コーポレートガバナンス・ガイドライン」に基づく経営の実践により、株主の皆様をはじめとするあらゆるステークホルダーへの説明責任を果たし、企業価値の最大化に努めていく。
(5) 株式会社の支配に関する基本方針について
当社は、「材料技術」「プロセス技術」「評価技術」を基に多様な市場のすべてのバリューチェーンにおいてイノベーションを実現し、社会に新たな価値を提供することにより、適切な利益を獲得して事業の持続的成長を達成するとともに、ステークホルダーと協働することを通じ、企業価値の最大化を図ることを経営の基本方針としている。
こうした方針の下、当社は、株式の上場を通じて、資本市場から事業の維持及び拡大に必要な資金を調達するとともに、親会社の(株)日立製作所による合理的なガバナンス機能を十分発揮させつつ株主の視点に立ったコーポレート・ガバナンスを確保すると同時に、上場会社として、すべてのステークホルダーとのコミュニケーションを深め、当社の強みを生かした自律性と緊張感のある経営を実践することが当社の企業価値向上に極めて重要であると考えている。
一方、当社は、日立グループの一員として、経営情報の交換、研究開発、製品の供給等の事業活動において、 (株)日立製作所及びそのグループ会社との協力関係を維持、発展させ、日立グループのブランド力等の経営資源を有効活用することも、当社の企業価値向上に資するものと認識している。
当社としては、親会社のみならず、すべての株主にとっての企業価値の最大化を常に念頭に置き、日立グループ会社との関係においては事業運営及び取引の独立性を保つことを基本としつつ、経営計画の策定、ガバナンス体制の確立等に取り組んでいる。

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