有価証券報告書-第66期(平成28年10月1日-平成29年9月30日)

【提出】
2017/12/25 9:34
【資料】
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【項目】
111項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用情勢に改善の動きがみられ、緩やかな回復基調が続いております。しかしながら、世界情勢では核兵器問題を背景に米国と北朝鮮との緊張が高まるなど、不確実で先行きが見通せない状況となっております。
肥料業界におきましては、昨年政府が発表した「農業競争力強化プログラム」に基づき、農林水産省が生産資材価格引下げを目的に、肥料の銘柄数削減による生産性向上への取組をメーカーに対して求めているほか、全国農業協同組合連合会(全農)においても肥料の銘柄集約や入札制度の導入などによる調達価格引下げを目指す方針が示されるなど、当社グループを取り巻く環境は大きく変化しております。
このような状況の下、主力の肥料事業におきましては、稲作の負担を大きく軽減する、育苗を必要としない直播栽培専用の肥料など、農業生産の大きな課題に対応する製品を引き続き推進するとともに、農業生産者に適切な施肥方法や栽培管理の指導を行うなど、提案型の営業活動を進め、収益の確保に努めてまいりました。
商社事業におきましては、国際市況、国内需要動向や外国為替変動等を注視しつつ、顧客の多様なニーズに対応して受注の拡大に努めるとともに、輸入コストの低減など経費圧縮を図ってまいりました。
不動産賃貸事業におきましては、既存物件の運用の最適化を念頭に、収益力の強化を図ってまいりました。その他事業ではホテル・運送・倉庫の各部門とも稼働率や顧客サービスの向上等により収益力の強化を図ってまいりました。
この結果、当連結会計年度における連結売上高は163億86百万円(前期比3.0%減)、営業利益は15億81百万円(前期比38.3%増)、経常利益は20億96百万円(前期比301.3%増)となりました。しかしながら、岐阜県多治見市や名古屋市金山地区の不動産賃貸事業用物件等について22億34百万円の減損損失を特別損失として計上した影響により、親会社株主に帰属する当期純損失は6億18百万円(前期は6億64百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
セグメント別の概況は以下のとおりです。
(肥料事業)
昨年後半の先安観による製品販売遅れの回復、今年6月以降の値上げを見越した駆け込み需要により販売数量は前期を上回りましたが、販売単価の下落を補うには至らず、売上高104億31百万円(前期比6.9%減)となりました。営業利益は前年発生した補償等も無いことから、9億35百万円(前期比58.5%増)と減収増益となりました。
(商社事業)
市況や為替変動などの影響を受け販売単価は下落したものの、顧客のニーズにきめ細かく対応して受注の拡大に努め、販売数量の増加でカバーした結果、売上高39億48百万円(前期比3.0%増)、営業利益3億44百万円(前期比36.5%増)と増収増益となりました。
(不動産賃貸事業)
名古屋市内を中心に各物件の収益が好調に推移する等、売上高15億39百万円(前期比8.4%増)、営業利益8億34百万円(前期比14.2%増)と増収増益となりました。
(その他事業)
ホテル・運送・倉庫の各事業ともに稼働率の改善と経費削減による収益性の向上に努めましたが、その他事業全体では、売上高7億21百万円(前期比2.2%増)、営業利益1億39百万円(前期比11.8%減)と増収減益となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ15億80百万円増加し、105億47百万円(前期比17.6%増)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、6億80百万円(前期比60.0%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失に減損損失及び減価償却費等を加えた資金の源泉が25億44百万円、売上債権及びたな卸資産の増加から仕入債務の増加を差し引いた資金の減少が8億82百万円、法人税等の支払により3億84百万円資金の減少があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の増加は、13億99百万円(前期は15億79百万円の減少)となりました。これは主に、有価証券の売却及び償還による収入が69億68百万円、有価証券の取得による支出が53億円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、4億99百万円(前期比15.7%減)となりました。これは主に、配当金の支払が5億52百万円あったことによるものであります。