有価証券報告書-第40期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業集団が判断したものであります。
(1)中期方針
当企業集団は、創業以来「『不』のつく事柄を解消する仕組みづくり」を経営の基本方針とし、無添加化粧品、栄養補助食品、発芽米、青汁事業などを展開してまいりました。
2013年1月に創業者である池森賢二が経営に復帰して以降、当社の原点である「お客様視点」の徹底を強力に推し進めるとともに、不採算事業の撤退や将来に向けての投資など様々な構造改革を実行してまいりました。その後、2016年3月期を初年度とした第1期中期経営計画「広告先行成長戦略」で業績回復を果たしました。
さらに、経営基盤を進化させ、長期的な視点で持続的な成長を図るため、2030年に目指す姿を「VISION2030」とし、その実現に向けて取り組む最初の3ヵ年計画を「第2期中期経営計画 実行2020」(2019年3月期~2021年3月期)として策定し、活動を進めております。
中期経営計画2年目の2020年3月期は、新型コロナウイルス感染症の影響により計画未達となりましたが、国内売上は2019年3月期に引き続き堅調に推移したほか、中国でのサプリメント越境ECの本格化など、将来の成長に向けた基盤づくりを進めました。
中期経営計画最終年の2021年3月期は、連結売上高140,000百万円、営業利益18,000百万円、ROE13.5%を目指しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動の低迷が長期化することが予想され、終息時期も不透明であることから、厳しい状況が続くものと想定されます。このような事業環境のもと、下記の前提を設定し、2021年3月期の連結売上目標を127,000百万円に、営業利益を14,500百万円にそれぞれ引き下げております。
前提
新型コロナウイルス感染症の影響は、国内において2020年8月まで継続、インバウンドは2020年10月以降、徐々に回復すると想定しております。
「VISION2030」の実現に向け、海外事業基盤の強化や経営基盤の強化などの未来に向けた取り組みを着実に行うとともに、新型コロナウイルス感染症という逆境に立ち向かうため、当企業集団の持つ研究開発力やマルチチャネルの強みを最大化し、当初の中期経営計画に少しでも近づけるよう取り組んでまいります。
(基本方針)
① 「VISION2030」~世界中を、もっと美しく、ずっと健やかに~
当企業集団は創業以来、美と健康に関わる価値提供に取り組み、2030年には創業50周年を迎えます。2030年の世の中は少子化とともに超高齢化が進み、労働人口が減少するなど、大きく変化することが予想されます。「VISION2030」は、このような環境の中でも、当企業集団が新たな価値の創造を続け、持続的な成長を図るために目指す姿として示しております。
2030年のファンケルグループは、ベンチャーとして様々な事業領域に挑戦し、それぞれの事業が、日本にとどまらず広く世界で、より多くのお客様の美しく健康で豊かな生活を支え、信頼され愛される企業集団となることを目指します。
イ 美領域
多様な価値観に合わせブランドの多角化を図るとともに、化粧品の枠を越え、「美しくあるため」のファッションやライフスタイル提案型の事業展開を目指します。
ロ 健康領域
人生100年時代をサポートする、新たな健康事業の展開に取り組み、世の中で最も使用いただけるサプリメントブランドを目指します。
ハ 共通
ファンケル、アテニア、ボウシャがそれぞれ積極的に海外に展開し、世界中のお客様に愛用されるブランドを目指します。
② 「第2期中期経営計画 実行2020」(2019年3月期~2021年3月期)
2016年3月期からの第1期中期経営計画で持続的な成長基盤を確立したことから、2019年3月期を初年度とする第2期中期経営計画を、「成長軌道を維持することで収益力を向上させるとともに、海外事業の成長に向けた基盤固め」の時期と位置付けております。そして、第2期中期経営計画を達成するために実行力にこだわっていくことから、「実行2020」 ~未来をつくる~ と銘打ちました。7つのチャレンジを掲げ、全従業員が一丸となって取り組むことで、2022年3月期以降のさらなる成長につなげてまいります。
7つのチャレンジ
イ メイン事業
1)研究・製造から販売まで一貫した独自価値のある製品づくりに挑戦。
2)お客様育成と製品育成を両立させた販売チャネルへの進化。
3)新しい手法にも挑戦し続け、広告PR効果を最大化。
ロ 成長事業
4)海外事業の本格的成長。
5)ベンチャー精神と正義感に基づく新しい事業への挑戦。
ハ 経営基盤
6)成長と収益性向上のための先行投資と多様な人材の活躍推進。
7)さらなる企業価値向上と「正直品質。」に磨きをかける。
③ キリンホールディングス株式会社との資本業務提携
当社は2019年8月にキリンホールディングス株式会社(以下「キリン」という。)と資本業務提携契約を締結いたしました。
「健康寿命の延伸」という社会課題の解決に向けて取り組むことで成長を目指す当社と、「健康」に関する社会課題の解決を通じて成長を目指すキリンの考え方は共通しており、両社の理念や方向性は一致しております。
また、キリンと当社の素材・製品やお客様、販売チャネル、海外展開には重複がなく、お互いの強みで補完し合える関係にあります。
キリンと資本業務提携を結ぶことにより、「VISION2030」の実現に向け当企業集団の成長をさらに加速してまいります。
(事業戦略)
① 化粧品事業
イ ファンケル化粧品
革新性や独自性のある製品を発売し、幅広いお客様に「最愛」のMYブランドとしてお使いいただけるよう取り組みます。
(ブランド戦略)
新たなターゲット層の開拓を目的に、ターゲット別にブランド体系を構築し、多角化を図ります。
(製品戦略)
・主力カテゴリーとして、ファンケルブランドの核となる基礎スキンケアに徹底的にこだわるとともに、「マイルドクレンジング オイル」や「ディープクリア 洗顔パウダー」などの洗顔系カテゴリーの強化を図ります。
・マチュア世代向けブランド「ビューティブーケ」により、新しいお客様層を開拓します。
・2021年3月期末に高機能・即効性を求めるお客様をターゲットとするプレステージブランドを発売します。
・グローバル市場を意識し、インバウンドを含めた海外のお客様へのアプローチを強化します。
(海外戦略)
・アジアでは、すでに進出している中国や香港、台湾、シンガポールにおけるブランド価値の最大化を図ります。また、「AND MIRAI」を越境ECで展開し、新しいお客様層を開拓します。
・北米市場において、ファンケルブランドの拡大に再チャレンジします。
ロ アテニア化粧品
・アテニアは、「一流ブランドの品質を、1/3価格で提供する」という創業の原点に立ち返り、世界中の大人の女性の毎日に、「上質を纏う幸せ」を提供するライフスタイル提案型ブランドを目指します。
・化粧品に加え、美容サプリメントやコレクション(ファッショングッズ)を含めた提案を行うことにより、アテニアブランドのファン拡大を図ります。
・大都市部での出店の強化に加え、外部通販や越境ECの展開を加速し、国内外において新たなお客様層の開拓を図ります。
ハ ボウシャ
・ボウシャは、2019年3月期以降欧米で取り組んでいる販路拡大・取り扱い品目の拡大を継続します。
・北米市場では、化粧品専門店や百貨店、ECでの展開に加え、2021年3月期にはドラッグストアのプレステージ化粧品コーナーでの展開を図るなど、販路拡大を継続し、ナショナルブランド化を推進します。
② 栄養補助食品関連事業
人生100年時代をサポートする、世の中で最も信頼され、最も選ばれるサプリメントブランドを目指します。
(製品戦略)
・生活習慣対策カテゴリーを成長カテゴリーと位置づけ強化を図るとともに、スター製品のリニューアルにより売上拡大を目指します。
・2020年2月に発売した、お客様一人ひとりに必要なサプリメントをワンパックでご提供する「パーソナルワン」を強化し、独自のマーケットを創造します。
・2020年秋以降、キリンの独自素材を活用したサプリメントを発売し、キリンとのシナジー創出による売上拡大を図ります。
・当社のブランドや研究、技術力と他社のリソースを活かしたBtoBビジネスを強化し、食を通じた新たなサプリメントの摂取機会を創造します。
(海外戦略)
・中国を最重要市場と位置付け、ビューティサプリメントの発売など越境ECをさらに進展させます。
・ビタミン・ミネラルの販売許可を取得し、中国現地で保健食品として中国専用サプリメントの販売を開始します。
(販売チャネル戦略)
① 通信販売
・新型コロナウイルス感染症の影響により、直営店舗で購入しにくい環境に対応し、通信販売にお客様を誘導するなど、マルチチャネルを持つ強みを発揮します。
・ECモールなどの外部通販での展開を強化し、お客様との接点拡大を図ります。
② 直営店舗販売
・社内での接客コンテストの開催や、接客スキルトレーニングの実施など、接客スキルの向上を図ります。
・大都市部の優良商業施設への出店を継続し、国内外のお客様の拡大を図ります。
③ 卸販売
・棚位置改善や卸販売専用品の発売により、1店舗当たりの売上拡大を図ります。
・小売直営のECサイトでの展開など、新たなお客様層の開拓を図ります。
(広告戦略)
・将来に向けての投資と位置付け、利益とのバランスを見極めながら、適切な範囲で広告投資を行います。
・企業広告と製品広告の両輪で展開し、ブランド価値向上と売上拡大を図ります。
・SNSなどのWEBを積極的に活用し、広告効果の最大化を図ります。
(経営基盤強化)
① 研究
・新たなスター製品やグローバルで販売する製品開発を加速します。
・当社の独自技術を活かしたOEM事業の展開や加工食品の開発を強化します。
② 製造
・売上拡大を見据え、ロボット化・自動化など、既存設備での生産能力の最大化を図ります。
・2020年3月に「マイルドクレンジング オイル」専用工場を新設し、化粧品関連事業の生産能力の増強を実現しております。さらに静岡県三島市にサプリメント工場を新設し、生産能力の拡大を図ります。
③ ITシステム
・IT基盤再構築プロジェクト「FIT」(通販、WEB、店舗の販売管理システム)をさらに推進します。
④ 物流
・運賃値上げの影響を最小化する物流業務の効率化を図ります。
・大阪府門真市に新たに「関西物流センター」を新設します。
⑤ 人材
・経営理念を体現する人材およびグローバル人材の育成を推進します。
(SDGs)
① 環境
・環境配慮製品の拡大に取り組むとともに、情報発信を強化します。
② 社会
・地球環境や人権、労働に配慮した調達を行います。
・ハンディキャップのある方の自立を応援します。
・「ダイバーシティ経営」を推進します。
・「健康経営」のさらなる推進、活力ある職場環境をつくります。
③ ガバナンス
・「池森経営塾」による次世代経営層の育成を推進します。
・中長期的な業績やキャッシュ・フロー、資本効率を考慮した株主還元を行います。
・株主および投資家との対話を強化します。
(配当政策)
配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。
(数値目標)
当企業集団は、2019年3月期を初年度とする第2期中期経営計画「実行2020」(2019年3月期~2021年3月期)の方針のもと、持続的な成長と収益性の向上を目指しております。
中期経営計画の2年目である2020年3月期は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、国内およびインバウンド需要ともに影響を受けたものの、新製品効果や直営店舗・越境ECなどの販路拡大効果などにより、化粧品関連事業を中心に増収となり、売上高は126,810百万円(前期比3.5%増)となりました。営業利益は増収効果などにより14,125百万円(前期比14.0%増)、経常利益は14,313百万円(前期比15.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,985百万円(前期比15.4%増)となりました。
中期経営計画最終年度である2021年3月期は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により厳しい状況が続くことが想定されますが、当企業集団の最大の強みであるマルチチャネル(通信販売、店舗販売、卸販売他、海外)、製品の独自性を十分に発揮することに加えて、新たな販路への進出による事業成長により売上高は127,000百万円(前期比0.1%増)、営業利益は14,500百万円(前期比2.6%増)、経常利益は14,600百万円(前期比2.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は10,000百万円(前期比0.1%増)を目指します。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当企業集団を取り巻く事業環境は、異業種からの新規参入などによる市場競争の激化や、高齢化社会の進行に伴う健康意識の変化、IT等の技術革新など、変化の速度が上がっております。また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、消費者の需要減退や購買行動の変容、企業の経済活動の停滞など、先行きの不透明感が増しております。こうした状況の中、当企業集団は事業環境の変化に迅速に対応し、着実に事業継続のための取り組みを遂行するとともに、持続的な成長を実現するために、以下のような課題に対し適切に対処してまいります。
① 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、巣ごもり消費が増加しECを中心とする通販への需要が高まりつつあります。当企業集団の持つマルチチャネルの強みを最大化し、お客様の購入方法の変化に迅速に対応するとともに、新たな外部ECなどの販売経路を開拓し、新しいお客様との接点を拡大します。
② お客様のニーズは、お客様が感じる「不」に応じて変化していきます。「美」と「健康」の領域において、お客様一人ひとりが必要とする新たな製品・サービスを提供します。特に新型コロナウイルス感染症によりニーズが高まっている消毒や免疫などの新たな製品の開発を進めます。
③ 今後の当企業集団の成長のためには、グローバル化の推進が不可欠となります。中国での越境ECの取り組みをさらに強化するとともに、新たな国での取り組みも推進していきます。
④ 将来の地球環境をよりよくするために、各企業がSDGsの取り組みを推進することは企業の責務となっています。当企業集団では2018年に制定したファンケルグループ「サステナブル宣言」に基づき、「環境を守る」、「健康に生きる」、「多様性を認め合う」、「ガバナンス強化」の4つのテーマで活動していきます。
⑤ 当企業集団は、2019年8月にキリンと資本業務提携契約を締結しております。当企業集団の価値の最大化を目指し、キリンとのシナジーの早期創出・最大化を図ります。2021年3月期は、通信販売での相互送客など、双方のチャネル・インフラの相互活用を中心にシナジー創出を図ります。
⑥ 新型コロナウイルス感染症の影響により、第2期中期経営計画「実行2020」の売上高および営業利益目標を引き下げておりますが、「VISION2030」の実現に向け、サプリメント工場や関西物流センターの新設、店舗出店などの将来に向けての成長投資を着実に実行します。
⑦ 新型コロナウイルス感染症の流行により、従業員の働く環境にも大きな影響が生じています。当企業集団では事業継続計画に基づき製造・物流拠点などを分散化していますが、さらにコールセンターの分散化や本社部門の在宅勤務実施など、状況に応じた事業継続の取り組みを実行します。
(1)中期方針
当企業集団は、創業以来「『不』のつく事柄を解消する仕組みづくり」を経営の基本方針とし、無添加化粧品、栄養補助食品、発芽米、青汁事業などを展開してまいりました。
2013年1月に創業者である池森賢二が経営に復帰して以降、当社の原点である「お客様視点」の徹底を強力に推し進めるとともに、不採算事業の撤退や将来に向けての投資など様々な構造改革を実行してまいりました。その後、2016年3月期を初年度とした第1期中期経営計画「広告先行成長戦略」で業績回復を果たしました。
さらに、経営基盤を進化させ、長期的な視点で持続的な成長を図るため、2030年に目指す姿を「VISION2030」とし、その実現に向けて取り組む最初の3ヵ年計画を「第2期中期経営計画 実行2020」(2019年3月期~2021年3月期)として策定し、活動を進めております。
中期経営計画2年目の2020年3月期は、新型コロナウイルス感染症の影響により計画未達となりましたが、国内売上は2019年3月期に引き続き堅調に推移したほか、中国でのサプリメント越境ECの本格化など、将来の成長に向けた基盤づくりを進めました。
中期経営計画最終年の2021年3月期は、連結売上高140,000百万円、営業利益18,000百万円、ROE13.5%を目指しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動の低迷が長期化することが予想され、終息時期も不透明であることから、厳しい状況が続くものと想定されます。このような事業環境のもと、下記の前提を設定し、2021年3月期の連結売上目標を127,000百万円に、営業利益を14,500百万円にそれぞれ引き下げております。
前提
新型コロナウイルス感染症の影響は、国内において2020年8月まで継続、インバウンドは2020年10月以降、徐々に回復すると想定しております。
| 四半期 | 前提 | |
| 1Q | 外部環境 | ・国内は緊急事態宣言により経済活動が大きく制限。自粛ムードが続く。 ・インバウンドは、渡航制限により大幅なマイナス。 |
| ファンケル | ・直営店舗は5月まで休業、6月には営業を再開するが、売上回復は道半ば。 ・流通は6月から徐々に売上は回復するが道半ば。 | |
| 2Q | 外部環境 | ・国内は経済活動が徐々に回復し始める。 ・インバウンドは、渡航制限により大幅なマイナスが継続。 |
| ファンケル | ・国内売上は、直営店舗、流通ともに徐々に回復し、8月には前年水準へ。 | |
| 3Q 以降 | 外部環境 | ・国内は経済活動が通常通りに戻る。 ・インバウンドは、渡航制限の解除で徐々に回復。 |
| ファンケル | ・国内売上は、直営店舗、流通ともに前年を上回る水準まで回復。 ・インバウンドは、航空機の運航再開により、徐々に回復。4Qに正常化。 | |
「VISION2030」の実現に向け、海外事業基盤の強化や経営基盤の強化などの未来に向けた取り組みを着実に行うとともに、新型コロナウイルス感染症という逆境に立ち向かうため、当企業集団の持つ研究開発力やマルチチャネルの強みを最大化し、当初の中期経営計画に少しでも近づけるよう取り組んでまいります。
(基本方針)
① 「VISION2030」~世界中を、もっと美しく、ずっと健やかに~
当企業集団は創業以来、美と健康に関わる価値提供に取り組み、2030年には創業50周年を迎えます。2030年の世の中は少子化とともに超高齢化が進み、労働人口が減少するなど、大きく変化することが予想されます。「VISION2030」は、このような環境の中でも、当企業集団が新たな価値の創造を続け、持続的な成長を図るために目指す姿として示しております。
2030年のファンケルグループは、ベンチャーとして様々な事業領域に挑戦し、それぞれの事業が、日本にとどまらず広く世界で、より多くのお客様の美しく健康で豊かな生活を支え、信頼され愛される企業集団となることを目指します。
イ 美領域
多様な価値観に合わせブランドの多角化を図るとともに、化粧品の枠を越え、「美しくあるため」のファッションやライフスタイル提案型の事業展開を目指します。
ロ 健康領域
人生100年時代をサポートする、新たな健康事業の展開に取り組み、世の中で最も使用いただけるサプリメントブランドを目指します。
ハ 共通
ファンケル、アテニア、ボウシャがそれぞれ積極的に海外に展開し、世界中のお客様に愛用されるブランドを目指します。
② 「第2期中期経営計画 実行2020」(2019年3月期~2021年3月期)
2016年3月期からの第1期中期経営計画で持続的な成長基盤を確立したことから、2019年3月期を初年度とする第2期中期経営計画を、「成長軌道を維持することで収益力を向上させるとともに、海外事業の成長に向けた基盤固め」の時期と位置付けております。そして、第2期中期経営計画を達成するために実行力にこだわっていくことから、「実行2020」 ~未来をつくる~ と銘打ちました。7つのチャレンジを掲げ、全従業員が一丸となって取り組むことで、2022年3月期以降のさらなる成長につなげてまいります。
7つのチャレンジ
イ メイン事業
1)研究・製造から販売まで一貫した独自価値のある製品づくりに挑戦。
2)お客様育成と製品育成を両立させた販売チャネルへの進化。
3)新しい手法にも挑戦し続け、広告PR効果を最大化。
ロ 成長事業
4)海外事業の本格的成長。
5)ベンチャー精神と正義感に基づく新しい事業への挑戦。
ハ 経営基盤
6)成長と収益性向上のための先行投資と多様な人材の活躍推進。
7)さらなる企業価値向上と「正直品質。」に磨きをかける。
③ キリンホールディングス株式会社との資本業務提携
当社は2019年8月にキリンホールディングス株式会社(以下「キリン」という。)と資本業務提携契約を締結いたしました。
「健康寿命の延伸」という社会課題の解決に向けて取り組むことで成長を目指す当社と、「健康」に関する社会課題の解決を通じて成長を目指すキリンの考え方は共通しており、両社の理念や方向性は一致しております。
また、キリンと当社の素材・製品やお客様、販売チャネル、海外展開には重複がなく、お互いの強みで補完し合える関係にあります。
キリンと資本業務提携を結ぶことにより、「VISION2030」の実現に向け当企業集団の成長をさらに加速してまいります。
(事業戦略)
① 化粧品事業
イ ファンケル化粧品
革新性や独自性のある製品を発売し、幅広いお客様に「最愛」のMYブランドとしてお使いいただけるよう取り組みます。
(ブランド戦略)
新たなターゲット層の開拓を目的に、ターゲット別にブランド体系を構築し、多角化を図ります。
(製品戦略)
・主力カテゴリーとして、ファンケルブランドの核となる基礎スキンケアに徹底的にこだわるとともに、「マイルドクレンジング オイル」や「ディープクリア 洗顔パウダー」などの洗顔系カテゴリーの強化を図ります。
・マチュア世代向けブランド「ビューティブーケ」により、新しいお客様層を開拓します。
・2021年3月期末に高機能・即効性を求めるお客様をターゲットとするプレステージブランドを発売します。
・グローバル市場を意識し、インバウンドを含めた海外のお客様へのアプローチを強化します。
(海外戦略)
・アジアでは、すでに進出している中国や香港、台湾、シンガポールにおけるブランド価値の最大化を図ります。また、「AND MIRAI」を越境ECで展開し、新しいお客様層を開拓します。
・北米市場において、ファンケルブランドの拡大に再チャレンジします。
ロ アテニア化粧品
・アテニアは、「一流ブランドの品質を、1/3価格で提供する」という創業の原点に立ち返り、世界中の大人の女性の毎日に、「上質を纏う幸せ」を提供するライフスタイル提案型ブランドを目指します。
・化粧品に加え、美容サプリメントやコレクション(ファッショングッズ)を含めた提案を行うことにより、アテニアブランドのファン拡大を図ります。
・大都市部での出店の強化に加え、外部通販や越境ECの展開を加速し、国内外において新たなお客様層の開拓を図ります。
ハ ボウシャ
・ボウシャは、2019年3月期以降欧米で取り組んでいる販路拡大・取り扱い品目の拡大を継続します。
・北米市場では、化粧品専門店や百貨店、ECでの展開に加え、2021年3月期にはドラッグストアのプレステージ化粧品コーナーでの展開を図るなど、販路拡大を継続し、ナショナルブランド化を推進します。
② 栄養補助食品関連事業
人生100年時代をサポートする、世の中で最も信頼され、最も選ばれるサプリメントブランドを目指します。
(製品戦略)
・生活習慣対策カテゴリーを成長カテゴリーと位置づけ強化を図るとともに、スター製品のリニューアルにより売上拡大を目指します。
・2020年2月に発売した、お客様一人ひとりに必要なサプリメントをワンパックでご提供する「パーソナルワン」を強化し、独自のマーケットを創造します。
・2020年秋以降、キリンの独自素材を活用したサプリメントを発売し、キリンとのシナジー創出による売上拡大を図ります。
・当社のブランドや研究、技術力と他社のリソースを活かしたBtoBビジネスを強化し、食を通じた新たなサプリメントの摂取機会を創造します。
(海外戦略)
・中国を最重要市場と位置付け、ビューティサプリメントの発売など越境ECをさらに進展させます。
・ビタミン・ミネラルの販売許可を取得し、中国現地で保健食品として中国専用サプリメントの販売を開始します。
(販売チャネル戦略)
① 通信販売
・新型コロナウイルス感染症の影響により、直営店舗で購入しにくい環境に対応し、通信販売にお客様を誘導するなど、マルチチャネルを持つ強みを発揮します。
・ECモールなどの外部通販での展開を強化し、お客様との接点拡大を図ります。
② 直営店舗販売
・社内での接客コンテストの開催や、接客スキルトレーニングの実施など、接客スキルの向上を図ります。
・大都市部の優良商業施設への出店を継続し、国内外のお客様の拡大を図ります。
③ 卸販売
・棚位置改善や卸販売専用品の発売により、1店舗当たりの売上拡大を図ります。
・小売直営のECサイトでの展開など、新たなお客様層の開拓を図ります。
(広告戦略)
・将来に向けての投資と位置付け、利益とのバランスを見極めながら、適切な範囲で広告投資を行います。
・企業広告と製品広告の両輪で展開し、ブランド価値向上と売上拡大を図ります。
・SNSなどのWEBを積極的に活用し、広告効果の最大化を図ります。
(経営基盤強化)
① 研究
・新たなスター製品やグローバルで販売する製品開発を加速します。
・当社の独自技術を活かしたOEM事業の展開や加工食品の開発を強化します。
② 製造
・売上拡大を見据え、ロボット化・自動化など、既存設備での生産能力の最大化を図ります。
・2020年3月に「マイルドクレンジング オイル」専用工場を新設し、化粧品関連事業の生産能力の増強を実現しております。さらに静岡県三島市にサプリメント工場を新設し、生産能力の拡大を図ります。
③ ITシステム
・IT基盤再構築プロジェクト「FIT」(通販、WEB、店舗の販売管理システム)をさらに推進します。
④ 物流
・運賃値上げの影響を最小化する物流業務の効率化を図ります。
・大阪府門真市に新たに「関西物流センター」を新設します。
⑤ 人材
・経営理念を体現する人材およびグローバル人材の育成を推進します。
(SDGs)
① 環境
・環境配慮製品の拡大に取り組むとともに、情報発信を強化します。
② 社会
・地球環境や人権、労働に配慮した調達を行います。
・ハンディキャップのある方の自立を応援します。
・「ダイバーシティ経営」を推進します。
・「健康経営」のさらなる推進、活力ある職場環境をつくります。
③ ガバナンス
・「池森経営塾」による次世代経営層の育成を推進します。
・中長期的な業績やキャッシュ・フロー、資本効率を考慮した株主還元を行います。
・株主および投資家との対話を強化します。
(配当政策)
配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。
(数値目標)
当企業集団は、2019年3月期を初年度とする第2期中期経営計画「実行2020」(2019年3月期~2021年3月期)の方針のもと、持続的な成長と収益性の向上を目指しております。
中期経営計画の2年目である2020年3月期は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、国内およびインバウンド需要ともに影響を受けたものの、新製品効果や直営店舗・越境ECなどの販路拡大効果などにより、化粧品関連事業を中心に増収となり、売上高は126,810百万円(前期比3.5%増)となりました。営業利益は増収効果などにより14,125百万円(前期比14.0%増)、経常利益は14,313百万円(前期比15.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9,985百万円(前期比15.4%増)となりました。
中期経営計画最終年度である2021年3月期は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により厳しい状況が続くことが想定されますが、当企業集団の最大の強みであるマルチチャネル(通信販売、店舗販売、卸販売他、海外)、製品の独自性を十分に発揮することに加えて、新たな販路への進出による事業成長により売上高は127,000百万円(前期比0.1%増)、営業利益は14,500百万円(前期比2.6%増)、経常利益は14,600百万円(前期比2.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は10,000百万円(前期比0.1%増)を目指します。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当企業集団を取り巻く事業環境は、異業種からの新規参入などによる市場競争の激化や、高齢化社会の進行に伴う健康意識の変化、IT等の技術革新など、変化の速度が上がっております。また、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、消費者の需要減退や購買行動の変容、企業の経済活動の停滞など、先行きの不透明感が増しております。こうした状況の中、当企業集団は事業環境の変化に迅速に対応し、着実に事業継続のための取り組みを遂行するとともに、持続的な成長を実現するために、以下のような課題に対し適切に対処してまいります。
① 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、巣ごもり消費が増加しECを中心とする通販への需要が高まりつつあります。当企業集団の持つマルチチャネルの強みを最大化し、お客様の購入方法の変化に迅速に対応するとともに、新たな外部ECなどの販売経路を開拓し、新しいお客様との接点を拡大します。
② お客様のニーズは、お客様が感じる「不」に応じて変化していきます。「美」と「健康」の領域において、お客様一人ひとりが必要とする新たな製品・サービスを提供します。特に新型コロナウイルス感染症によりニーズが高まっている消毒や免疫などの新たな製品の開発を進めます。
③ 今後の当企業集団の成長のためには、グローバル化の推進が不可欠となります。中国での越境ECの取り組みをさらに強化するとともに、新たな国での取り組みも推進していきます。
④ 将来の地球環境をよりよくするために、各企業がSDGsの取り組みを推進することは企業の責務となっています。当企業集団では2018年に制定したファンケルグループ「サステナブル宣言」に基づき、「環境を守る」、「健康に生きる」、「多様性を認め合う」、「ガバナンス強化」の4つのテーマで活動していきます。
⑤ 当企業集団は、2019年8月にキリンと資本業務提携契約を締結しております。当企業集団の価値の最大化を目指し、キリンとのシナジーの早期創出・最大化を図ります。2021年3月期は、通信販売での相互送客など、双方のチャネル・インフラの相互活用を中心にシナジー創出を図ります。
⑥ 新型コロナウイルス感染症の影響により、第2期中期経営計画「実行2020」の売上高および営業利益目標を引き下げておりますが、「VISION2030」の実現に向け、サプリメント工場や関西物流センターの新設、店舗出店などの将来に向けての成長投資を着実に実行します。
⑦ 新型コロナウイルス感染症の流行により、従業員の働く環境にも大きな影響が生じています。当企業集団では事業継続計画に基づき製造・物流拠点などを分散化していますが、さらにコールセンターの分散化や本社部門の在宅勤務実施など、状況に応じた事業継続の取り組みを実行します。