有価証券報告書-第43期(2022/04/01-2023/03/31)
③ リスク管理
ファンケルグループでは、事業全般に関わる気候変動関連リスクと機会は、サステナビリティの取組を推進する部門が、気候変動シナリオに基づき、想定されるリスクと機会の定性分析および財務的影響額の算定を進めており、ファンケルグループとして管理すべき内容を「サステナビリティ委員会」に上程しております。特に重要な事項は取締役会へ適宜報告を行い、速やかな対応を行っております。
(気候変動におけるリスクと機会)
<前提条件>
(注) IPCCとは、 Intergovernmental Panel on Climate Changeの略語で、世界気象機関(WMO)および国連環境計画(UNEP)により1988年に設立された政府間組織のことであります。
ファンケルグループでは、事業全般に関わる気候変動関連リスクと機会は、サステナビリティの取組を推進する部門が、気候変動シナリオに基づき、想定されるリスクと機会の定性分析および財務的影響額の算定を進めており、ファンケルグループとして管理すべき内容を「サステナビリティ委員会」に上程しております。特に重要な事項は取締役会へ適宜報告を行い、速やかな対応を行っております。
(気候変動におけるリスクと機会)
<前提条件>
| 対象期間 | ~2030年度 |
| 対象範囲 | 国内の販売3チャネル(通信販売、直営店舗販売、卸販売)における、主に化粧品事業・栄養補助食品事業 |
| 算定条件 | IPCC(注)第5次評価報告書RCP2.6(2℃シナリオ)などに基づき分析 |
| 項目別に対象期間内の想定される売上高、利益影響額を算定 | |
| 公共事業などのインフラ強化やテクノロジーの進化などは考慮しない |
(注) IPCCとは、 Intergovernmental Panel on Climate Changeの略語で、世界気象機関(WMO)および国連環境計画(UNEP)により1988年に設立された政府間組織のことであります。
| 世の中の変化 | ファンケルグループのリスクと機会 | 財務的影響額 | |
| 移行リスク | 気候変動対応の政策、規制強化 | 炭素税コストの増加 気候変動の緩和を意図したCO2排出量およびプラスチック使用量に対する政策や規制の強化が行われた場合、省エネルギーや再生可能エネルギー導入、製品のプラスチック使用量削減にかかる投資コストが増加します。中でも、炭素税が導入されると、ファンケルグループの負担が増加することが想定されます。 対応策として、国内の3工場(滋賀工場、群馬工場、三島工場)と関西物流センターに太陽光パネルを設置し、2022年4月以降、国内拠点における、再生可能エネルギーへの切り替えを進めてまいります。 | 炭素税コスト 約2.5億円 ※2030年度の コストを想定 |
| 感染症の発生による外出制限、インバウンド需要減少 | 店舗・卸販売の売上高減少 水媒介性感染症および病原媒介生物の変化による感染症の拡大が予測されております。感染症が発生した場合、直営店舗販売や卸販売では、外出自粛による国内売上高の減少や、渡航規制によるインバウンド売上高の減少が想定されます。 対応策として、通信販売、直営店舗販売、卸販売と多様な販売チャネルをもつファンケルグループのマルチチャネルを最大限活用し、通信販売に誘導することにより、消費者の利便性の向上を図っております。 | 売上高減少額 約15億円 ※COVID‐19を参考に算定 | |
| 物理的リスク | 異常気象の激甚化、海面上昇 | 生産能力の低下に起因した売上高減少 海面水位上昇による浸水リスクと、集中豪雨の影響による河川の氾濫などの水害リスクによる工場の操業停止が想定されます。 ファンケルグループの千葉工場は、千葉県流山市の江戸川沿いに立地し、主力製品の「マイルドクレンジングオイル」専用棟を保有しております。江戸川が氾濫し工場が操業停止(1ヶ月間と想定)となった場合、「マイルドクレンジングオイル」の販売機会の逸失による売上高減少が見込まれます。 対応策として、「オールハザード型」のBCP(事業継続計画)を策定し、災害が起きた場合にも、早期に復旧できるよう備えております。 | 「マイルドクレンジングオイル」の 売上高減少額 約10億円 ※工場操業停止 1ヶ月間と想定 |
| 農産物由来原材料の生産量減少や品質低下 | 原料調達コストの増加 気候変動による温暖化や異常気象の影響を受け、農産物由来原材料の生産量減少や品質低下などが起こり、原料調達コストの高騰、代替品への切り替えなどの追加コストがかかることが想定されます。中でも、発芽米、青汁などの農作物の収穫量減少、グリセリンなどのパーム由来原料が入手困難になった場合には、ファンケルグループの事業において売上原価の増加という大きな影響を及ぼす可能性があります。 対応策として、環境の重点課題に「持続可能な調達」を掲げ、サプライチェーン上のリスクの把握、対処の検討に努めております。 | 青汁、発芽米、パーム由来原料などの売上原価増加額 約2~5億円 | |
| 機会 | 感染症の発生による消費者ニーズの変化 | 新たなニーズに応える製品の売上高増加 感染症が発生した場合、消費者の健康や衛生への関心が高まることにより、新たなニーズに応える製品やサービスとして「免疫系商品」「衛生商品」への需要が増えることが期待できます。 | 売上高増加額 約10億円 ※COVID‐19を参考に算定 |
| 通信販売の売上高増加 感染症が発生した場合、外出自粛や店舗休業などで通信販売への需要が高まることが想定されます。ファンケルグループのマルチチャネルを最大限活用し、直営店舗販売や卸販売から通信販売へ誘導することにより通信販売の売上高増加が期待できます。 | 売上高増加額 約25億円 ※COVID‐19を参考に算定 | ||
| ESG評価による企業価値の向上 | 市場評価の上昇 投資家の投資判断において気候変動対応が重要性を増しており、気候変動への対応を積極的に行うことにより、ESG評価が向上し株価の下支えとなることが期待できます。ファンケルの発行済株式全体の4割超を国内外の機関投資家が保有しており、気候変動情報を積極的に開示することで、株価の上昇につながる可能性があります。 | 株価評価額 約30億円 ※株価1%上昇と 想定 |