有価証券報告書-第96期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念「個性を伸ばし 技術とサービスで みんなの夢を実現する」のもと、「つなぐを化学する SPECIALITY CHEMICAL PARTNER」をビジョンとして掲げております。この理念とビジョンの具現化に向け、共有すべき価値観・行動指針である「ARAKAWA WAY 5つのKIZUNA」を全社員で実践し、企業価値の持続的な向上に努めています。
また、2021年には、2030年に向けた「ありたい姿」である『ロジンをはじめとする環境に配慮した素材を活かし、「つなぐ」技術の深化と新たな付加価値の創造に挑戦し続けることで、地球環境と社会の持続可能な未来に貢献する』を設定し、この実現に向け、社会課題の解決と持続的な成長の両立を推進しております。
(2) 目標とする経営指標ならびに中長期的な会社の経営戦略
①第5次中期5ヵ年経営実行計画(2021~2025年度)の総括
当社は「ありたい姿」の実現を目指し、グループの価値観・行動指針(ARAKAWA WAY 5つのKIZUNA)に基づいた経営(=KIZUNA経営)のもと、「V-ACTION for sustainability」のスローガンを掲げ、第5次中計を推進してまいりました。最終年度(2025年度)の連結業績は、親会社株主に帰属する当期純利益およびROEについては目標を達成いたしましたが、売上高、営業利益、経常利益については、千葉アルコン製造株式会社の稼働低迷の影響が大きく、目標を下回る結果となりました。
一方で、定性的には着実な成果を収めています。「働きがい」を高める施策を通じて組織力の向上が図られ、KIZUNA指標として掲げたイキイキ度(エンゲージメント指数)は高い水準を維持しております。また、設備面においても、成長事業である電子材料領域において、2030年の将来需要に見合う生産能力増強投資を計画通り実施し、第6次中計での飛躍に向けた強固な経営基盤を整えました。
②第6次中期5ヵ年経営実行計画(2026~2030年度)
第6次中計では、初年度の2026年度に創業150周年を迎え、この大きな節目に、新たな中計スローガン「V-ACTION for the Future ~心と技を磨き いのちと社会に輝きを~」を掲げました。第5次中計で掲げた「V-ACTION」の「5つのV」を継承し、未来に向けて価値創造に挑戦し続ける強い意志を表しています。社員一人ひとりの意識やマインド(心)と、技術やビジネスモデル(技)を磨き上げ、当社グループの幅広い事業を通じ、より豊かで輝かしい未来社会の実現に貢献してまいります。
中核方針として「事業ポートフォリオ改革の加速」と「生産性および資本効率の向上」を掲げ、挑戦・変革を通じた価値創造力の強化に取り組みます。
2030年度の最終年度においては売上高1,030億円、営業利益70億円、経常利益67億円、親会社株主に帰属する当期純利益44億円、EBITDA105億円、ROE7%以上、ROIC5%以上の達成を目標とします。
表1:連結業績目標
金額:百万円
※1 税率は簡便的に30%として試算
表2:連結業績目標(セグメント別)
金額:百万円
(3) 会社の経営環境と優先的に対処すべき課題
第6次中期5ヵ年経営実行計画では、第5次中計でおこなった成長市場に向けた生産能力増強投資の成果を確実に収益・キャッシュに結びつけていきます。そして、当社グループの価値観・行動指針である「5つのKIZUNA」とのつながりを意識しながら、第5次中計の重要課題(マテリアリティ)を再編し、中核方針として掲げた「事業ポートフォリオ改革の加速」と「生産性および資本効率の向上」のもと、以下の施策を進めてまいります。
・集中投資:電子材料およびライフサイエンスへの重点資源投入
・グローバル展開:「かせぐ」事業の再構築と、海外市場における成長機会の追求を両立
・環境経営の深化:EBITDAをCO2排出量で除した「炭素利益率(ROC)」を新たな業績指標として導入し、
収益性向上と脱炭素を連動
・規律ある資源配分:成長性と収益性に加え、ROICも考慮した事業評価に基づき、低収益・非中核事業を
継続的に見直す
・企業体質の強靭化:全社横断プロジェクトによるプロセス変革をおこない、生産性とキャッシュ創出力
を高め、PBRの向上を目指す
注力事業に位置付けているライフサイエンス領域(ヘルスケア、アグリ、コスメ)では、事業化加速と収益貢献化を推進してまいります。ヘルスケア分野では微細藻類「オーランチオキトリウム」に関する事業を譲受し、これまでの「探索・共同研究」フェーズから「商用化・社会実装」フェーズへと移行し、早期の収益化を目指してまいります。また、松葉抽出物により、心と身体の健康とめぐりをサポートするサプリメント「Pino Fleur®(ピノフルール)」のEC販売を開始し、さらに機能性表示食品(サプリメント)やスキンケア化粧品を販売するナチュラルウェーブ株式会社を子会社化いたしました。アグリ分野では収量の向上や猛暑などの環境ストレス耐性の強化などに効果がある農業資材「EcoRosin®(エコロジン)」のEC販売を開始し、実証試験を積み重ねながら持続可能な農業の発展に貢献してまいります。これらの取り組みを通じて、BtoBを見据えた事業展開につなげてまいります。
品質保証に関しましては、従来の品質業務に加えて、成長事業と位置付ける電子材料領域において業務の高度化・複雑化が進み、注力事業であるライフサイエンス領域では、提供する製品・サービスの特性に合わせた専門性の高い品質管理・保証体制の確立が求められています。こうした状況を踏まえ、専門知見を備えた人材の育成と品質管理・保証体制のさらなる充実により、「顧客の信頼と満足が得られる製品とサービスの提供」をサスティナブルに実現してまいります。
安全につきましては、2017年12月1日の富士工場での爆発・火災事故の教訓を風化させないため、安全文化の醸成に注力し、安全を経営の最優先事項としています。2026年4月からは、グループ全体の総合的な「保安力」のさらなる向上を目的に、従来の「安全文化醸成専門委員会」を発展的に解消し、新たに「安全推進専門委員会」を設置しました。新委員会は保安委員会の実行部隊として、「安全文化(意識)」と「安全基盤(仕組み)」の連動を高め、経営方針と現場の実行施策を直結させる安全推進の役割を担います。富士工場の「荒川安全伝承館」や小名浜工場の「保安道場」での全社員教育、加えて高度専門人財である「安全技術者」の育成を継続し、積極的に外部による評価も活用するなど、保安力向上に向けた取り組みを追求してまいります。
詳細については、当社ウェブサイトに掲載しておりますのでご参照ください。
・第6次中期5ヵ年経営実行計画 https://www.arakawachem.co.jp/jp/ir/strategy.html
・サスティナビリティ https://www.arakawachem.co.jp/jp/csr/
・KIZUNA指標 https://www.arakawachem.co.jp/jp/csr/sdgs.html#KIZUNAindex
・サステナビリティ・リンク・ボンド https://www.arakawachem.co.jp/jp/ir/slb.html
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念「個性を伸ばし 技術とサービスで みんなの夢を実現する」のもと、「つなぐを化学する SPECIALITY CHEMICAL PARTNER」をビジョンとして掲げております。この理念とビジョンの具現化に向け、共有すべき価値観・行動指針である「ARAKAWA WAY 5つのKIZUNA」を全社員で実践し、企業価値の持続的な向上に努めています。
また、2021年には、2030年に向けた「ありたい姿」である『ロジンをはじめとする環境に配慮した素材を活かし、「つなぐ」技術の深化と新たな付加価値の創造に挑戦し続けることで、地球環境と社会の持続可能な未来に貢献する』を設定し、この実現に向け、社会課題の解決と持続的な成長の両立を推進しております。
(2) 目標とする経営指標ならびに中長期的な会社の経営戦略
①第5次中期5ヵ年経営実行計画(2021~2025年度)の総括
当社は「ありたい姿」の実現を目指し、グループの価値観・行動指針(ARAKAWA WAY 5つのKIZUNA)に基づいた経営(=KIZUNA経営)のもと、「V-ACTION for sustainability」のスローガンを掲げ、第5次中計を推進してまいりました。最終年度(2025年度)の連結業績は、親会社株主に帰属する当期純利益およびROEについては目標を達成いたしましたが、売上高、営業利益、経常利益については、千葉アルコン製造株式会社の稼働低迷の影響が大きく、目標を下回る結果となりました。
一方で、定性的には着実な成果を収めています。「働きがい」を高める施策を通じて組織力の向上が図られ、KIZUNA指標として掲げたイキイキ度(エンゲージメント指数)は高い水準を維持しております。また、設備面においても、成長事業である電子材料領域において、2030年の将来需要に見合う生産能力増強投資を計画通り実施し、第6次中計での飛躍に向けた強固な経営基盤を整えました。
②第6次中期5ヵ年経営実行計画(2026~2030年度)
第6次中計では、初年度の2026年度に創業150周年を迎え、この大きな節目に、新たな中計スローガン「V-ACTION for the Future ~心と技を磨き いのちと社会に輝きを~」を掲げました。第5次中計で掲げた「V-ACTION」の「5つのV」
中核方針として「事業ポートフォリオ改革の加速」と「生産性および資本効率の向上」を掲げ、挑戦・変革を通じた価値創造力の強化に取り組みます。
2030年度の最終年度においては売上高1,030億円、営業利益70億円、経常利益67億円、親会社株主に帰属する当期純利益44億円、EBITDA105億円、ROE7%以上、ROIC5%以上の達成を目標とします。
表1:連結業績目標
金額:百万円
| 2025年度 | 2028年度 | 2030年度 | |||
| 実績 | 目標 | 伸長率 | 目標 | 伸長率 | |
| 売上高 | 82,135 | 93,000 | +13.2% | 103,000 | +25.4% |
| 営業利益 | 2,500 | 5,000 | +100.0% | 7,000 | +180.0% |
| 経常利益 | 2,390 | 4,200 | +75.7% | 6,700 | +180.3% |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 2,201 | 3,000 | +36.3% | 4,400 | +99.9% |
| EBITDA | 8,088 | 9,200 | +13.7% | 10,500 | +29.8% |
| ROE | 3.6% | 5%以上 | ― | 7%以上 | ― |
| ROIC※1 | 2.0% | 3.5%以上 | ― | 5%以上 | ― |
| 自己資本比率 | 49.5% | 50%程度 | ― | 54%程度 | ― |
| 有利子負債 | 40,624 | 39,500 | ― | 37,000 | ― |
※1 税率は簡便的に30%として試算
表2:連結業績目標(セグメント別)
金額:百万円
| 2025年度 | 2028年度 | 2030年度 | ||
| 実績 | 目標 | 目標 | ||
| 機能性コーティング | 売上高 | 18,206 | 19,800 | 21,500 |
| セグメント利益 | 2,203 | 2,500 | 2,800 | |
| 利益率(%) | 12.1 | 12.6 | 13.0 | |
| 製紙・環境 | 売上高 | 20,666 | 24,000 | 27,000 |
| セグメント利益 | 1,381 | 1,300 | 1,650 | |
| 利益率(%) | 6.7 | 5.4 | 6.1 | |
| 粘接着・バイオマス | 売上高 | 28,435 | 31,700 | 33,000 |
| セグメント利益 | △1,400 | 600 | 1,900 | |
| 利益率(%) | △4.9 | 1.9 | 5.8 | |
| ファイン・エレクトロニクス | 売上高 | 14,748 | 17,000 | 18,500 |
| セグメント利益 | 895 | 1,200 | 1,400 | |
| 利益率(%) | 6.1 | 7.1 | 7.6 | |
| ライフサイエンス | 売上高 | ― | 500 | 3,000 |
| セグメント利益 | ― | 40 | 200 | |
| 利益率(%) | ― | 8.0 | 6.7 | |
| 合計 | 売上高 | 82,135 | 93,000 | 103,000 |
| セグメント利益 | 3,121 | 5,640 | 7,950 | |
| 利益率(%) | 3.8 | 6.1 | 7.7 |
(3) 会社の経営環境と優先的に対処すべき課題
第6次中期5ヵ年経営実行計画では、第5次中計でおこなった成長市場に向けた生産能力増強投資の成果を確実に収益・キャッシュに結びつけていきます。そして、当社グループの価値観・行動指針である「5つのKIZUNA」とのつながりを意識しながら、第5次中計の重要課題(マテリアリティ)を再編し、中核方針として掲げた「事業ポートフォリオ改革の加速」と「生産性および資本効率の向上」のもと、以下の施策を進めてまいります。
・集中投資:電子材料およびライフサイエンスへの重点資源投入
・グローバル展開:「かせぐ」事業の再構築と、海外市場における成長機会の追求を両立
・環境経営の深化:EBITDAをCO2排出量で除した「炭素利益率(ROC)」を新たな業績指標として導入し、
収益性向上と脱炭素を連動
・規律ある資源配分:成長性と収益性に加え、ROICも考慮した事業評価に基づき、低収益・非中核事業を
継続的に見直す
・企業体質の強靭化:全社横断プロジェクトによるプロセス変革をおこない、生産性とキャッシュ創出力
を高め、PBRの向上を目指す
注力事業に位置付けているライフサイエンス領域(ヘルスケア、アグリ、コスメ)では、事業化加速と収益貢献化を推進してまいります。ヘルスケア分野では微細藻類「オーランチオキトリウム」に関する事業を譲受し、これまでの「探索・共同研究」フェーズから「商用化・社会実装」フェーズへと移行し、早期の収益化を目指してまいります。また、松葉抽出物により、心と身体の健康とめぐりをサポートするサプリメント「Pino Fleur®(ピノフルール)」のEC販売を開始し、さらに機能性表示食品(サプリメント)やスキンケア化粧品を販売するナチュラルウェーブ株式会社を子会社化いたしました。アグリ分野では収量の向上や猛暑などの環境ストレス耐性の強化などに効果がある農業資材「EcoRosin®(エコロジン)」のEC販売を開始し、実証試験を積み重ねながら持続可能な農業の発展に貢献してまいります。これらの取り組みを通じて、BtoBを見据えた事業展開につなげてまいります。
品質保証に関しましては、従来の品質業務に加えて、成長事業と位置付ける電子材料領域において業務の高度化・複雑化が進み、注力事業であるライフサイエンス領域では、提供する製品・サービスの特性に合わせた専門性の高い品質管理・保証体制の確立が求められています。こうした状況を踏まえ、専門知見を備えた人材の育成と品質管理・保証体制のさらなる充実により、「顧客の信頼と満足が得られる製品とサービスの提供」をサスティナブルに実現してまいります。
安全につきましては、2017年12月1日の富士工場での爆発・火災事故の教訓を風化させないため、安全文化の醸成に注力し、安全を経営の最優先事項としています。2026年4月からは、グループ全体の総合的な「保安力」のさらなる向上を目的に、従来の「安全文化醸成専門委員会」を発展的に解消し、新たに「安全推進専門委員会」を設置しました。新委員会は保安委員会の実行部隊として、「安全文化(意識)」と「安全基盤(仕組み)」の連動を高め、経営方針と現場の実行施策を直結させる安全推進の役割を担います。富士工場の「荒川安全伝承館」や小名浜工場の「保安道場」での全社員教育、加えて高度専門人財である「安全技術者」の育成を継続し、積極的に外部による評価も活用するなど、保安力向上に向けた取り組みを追求してまいります。
詳細については、当社ウェブサイトに掲載しておりますのでご参照ください。
・第6次中期5ヵ年経営実行計画 https://www.arakawachem.co.jp/jp/ir/strategy.html
・サスティナビリティ https://www.arakawachem.co.jp/jp/csr/
・KIZUNA指標 https://www.arakawachem.co.jp/jp/csr/sdgs.html#KIZUNAindex
・サステナビリティ・リンク・ボンド https://www.arakawachem.co.jp/jp/ir/slb.html