有価証券報告書-第107期(平成30年1月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/27 15:54
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有報資料

当社及び出光興産株式会社は、2019年4月1日付で出光興産株式会社を株式交換完全親会社とし、当社を株式交換完全子会社とする株式交換を実施することにより、経営統合を行いました。また、来たる2019年7月1日を効力発生日として、当社を吸収分割会社とし、出光興産株式会社を吸収分割承継会社とする吸収分割を行う予定です。
吸収分割の実行により、本経営統合を推進し、両社の組織及び事業のさらなる一体化を図り、統合新社グループとして、以下に記載する経営方針に基づき、今後の対処すべき課題に一丸となって取り組んでまいります。
(1) 経営方針
私たちは、ダイバーシティ&インクルーシブネスをもとに、環境・社会と調和を図りながら、お客様・ステークホルダーとともに、新たな価値創造に挑戦し続ける日本発のエネルギー共創企業です。
・ 多様なエネルギー・素材を安定的に届けます。
・ 培ってきた課題解決力を、世界に展開します。
・ 変化への適応性に富む、レジリエントな企業体を作ります。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
① 環境認識
国内経済は、雇用・所得の環境が改善するなか、個人消費の回復基調が継続しています。一方で、中国経済の減速に加え、一部先進国での保護主義的傾向の高まりや米中の貿易協議の停滞により、世界的な景気低迷が懸念されています。また、中東・アジア・南米等での地政学リスクは前年度より増してきている状況です。
石油製品の需要について、国内市場は、電気自動車やプラグインハイブリッド車(PHV)の普及や省エネルギーの進展に伴い、中長期的な需要の減少が避けられませんが、海外ではアジアの新興国を中心に、当面は堅調な需要の伸長が見込まれています。
② セグメント毎の課題
統合新社のセグメント毎の具体的な課題は以下の通りです。
ア.燃料油セグメント
(ア)石油精製の最適化
石油精製については、長期的なコスト競争力向上と設備信頼性向上のために、継続的かつ効率的に投資を行っていきます。それにより、アジア・太平洋地域の新鋭製油所に伍する精製競争力を有し、引き続き社会に必要とされる製油所群であることを目指します。既に、統合LP(リニアプログラミング)も活用し、富士石油株式会社を含めた7製油所における最適生産計画を策定できる環境を整備しています。なお、東亜石油のコーカー、富士石油のユリカ装置を最大限活用するとともに、千葉事業所における装置改造等により、グループ全体での重油生産比率を低減することで、2020年に予定されているIMO規制への対応を進めています。
(イ)燃料油事業の海外展開
今後も需要が拡大するアジア・太平洋地域におけるトレーディング事業、ベトナムにおけるニソン製油所の操業(2018年11月14日付で商業運転を開始)とSSの展開、北米における卸事業、豪州における卸小売事業の展開を通じて、引き続き海外での燃料油事業の拡大を進めていきます。
(ウ)特約店、販売店のネットワーク強化
特約店、販売店ネットワークは、燃料油、ガス等の、地域で必要となるエネルギー供給の担い手です。特約店、販売店の経営力の安定化のため、また、地域の抱える課題の解決に貢献するために、今まで両社で培ってきたリテール施策を通じて、コンサルティング、情報処理、商品・サービスの開発・投入を行い、より一層強固な関係を構築していきます。両ブランドの6,500店のSSネットワークは、立地上の補完関係にあります。お客様には両ブランドのネットワークを最大限活用していただけるよう、価値提供を行います。
また、デジタル技術(ICT)を活用した出荷予測、SS在庫情報、船舶、ローリー運行状況等の情報をリアルタイムかつ双方向に高度に連携することで、物流システムの最適化、サービスの向上を実現しつつ、物流需要密度低下と現場人材不足に対応していきます。
イ.基礎化学品セグメント
国内事業の収益基盤の安定化をさらに進めるため、千葉、四日市、山口のコンビナート顧客と連携し、事業環境に応じた安定生産と最適化、原料多様化によるコスト競争力強化を図ります。
燃料油事業と一体となった「Fuel to Chemical」の推進により、効率的な装置稼働と収益力向上に取り組むとともに、需要伸長が大きいアジアマーケットでベトナム・ニソン製油所から生産される製品(ベンゼン・パラキシレン)の販売拡大を確実に進めます。統合新社として、供給ソースが増える製品を軸に事業拡大とポートフォリオの選択幅を広げ、オレフィン、アロマ製品の事業基盤の安定化と収益の拡大を目指します。
ウ.高機能材セグメント
(ア)潤滑油
国内外の内燃機自動車の省燃費化に貢献するとともに、生産効率の向上につながる工業用潤滑油の開発に取り組みます。また、電気自動車、ロボット等の最新技術製品に対応する新油の開発を行います。さらに、海外生産拠点を拡充し、国内外自動車メーカーへの供給力を向上させていきます。
加えて、シェルブランドの潤滑油に関しては、シェルルブリカンツジャパン株式会社において、シェルグループと協働し事業を進めていきます。ガソリンエンジン油、ディーゼルエンジン油、自動車用ギヤ油、工業用潤滑油、グリースの各分野にて、高機能・高付加価値型潤滑油商品の開発に取り組み、車両や装置の省エネルギー化及び安定稼働への貢献に努めます。また、車両向け潤滑油については、国内外の自動車メーカーや建設機械メーカーと共同で技術開発を進めていきます。
(イ)機能化学品
エンジニアリングプラスチック、粘接着基材などの独自技術をベースに、国内外の成長市場や需要拡大が見込まれる用途での販売拡大を進めます。技術革新が速い自動車・電装部品や情報通信機器、アジアを中心として需要が拡大している生活消費財などが主なターゲットとなります。市場のニーズに応えながら安定生産と事業規模拡大を進めるため、水添石油樹脂の海外生産を2019年度から開始し、シンジオタクチックポリスチレン樹脂の海外生産の検討も進めていきます。
(ウ)電子材料
市場拡大期に入った有機EL材料需要への対応のため、さらなる性能向上を実現できる研究開発体制を整備し、海外製造拠点を増強することで、ユーザーの期待に応えます。
(エ)高機能アスファルト
国内唯一の総合アスファルトメーカーとして、これまで培ってきた独自の技術力とノウハウを活かし、環境にやさしい商品を開発、提案していきます。特に施工後の長寿命化や、施工性改善を通して、国内外の社会インフラ強靭化に貢献していきます。
(オ)アグリバイオ
食の安全と農業の生産性向上を目指し、生物農薬の開発を進め、将来的な環境規制強化に対応し得る新たな農薬市場の開拓に取り組みます。
(カ)全固体リチウムイオン電池向け固体電解質
全固体化による電池性能向上によって、充電時間の大幅短縮や蓄電能力向上が図られ、EVをはじめ、リチウムイオン電池の活用範囲を広げることが可能となる全固体電池向け固体電解質の製品化研究を早め、2020年代の上市を目指します。
エ.電力・再生可能エネルギーセグメント
これまで国内で整備してきた競争力ある自社電源を基盤としつつ外部調達を最適化することで、お客様に電力を供給します。また、当社は、風力、太陽光、バイオマスといった多様な再生可能エネルギー電源を有しており、今後も積極的に開発を推進するとともに、低炭素化社会のニーズに適応した販売メニューを展開します。ソーラーパネル事業においては、独自の薄膜系太陽電池技術を活かした製品を供給し、かつ、分散型電源として自家消費型モデル等の開発に取り組みます。さらに、海外におけるガス火力発電事業、再生可能エネルギー事業、バイオマス事業等に取り組みます。加えて、マイクログリッド等の次世代のエネルギーマネジメント事業の開発に取り組んでいきます。
オ.資源セグメント
世界的なエネルギー需要拡大を踏まえ、既存の石油、石炭の資源資産価値の維持・向上とアジア圏でのガス田開発に取り組みます。石炭については、安定かつ低廉なエネルギー源として資源開発を継続するとともに、環境負荷低減を図るため高効率燃焼技術の提案や石炭への混焼比率を高めることができるバイオマス燃料の製造技術を確立します。また、地熱開発については、大分地熱事業の維持・継続とともに、新規事業の調査・実証を進めます。
カ.研究開発及び新ビジネス開発
当社は有機化学、無機化学、環境負荷物質の低減における知見、技術的強みを有しており、これらを高めることで新たな素材やプロセスの開発につなげてまいります。社会的課題の解決に向け、コーポレート研究や各事業に属する製品研究で培ってきた技術をクロスファンクショナルにテーマ化し、国内外の大学、研究機関と連携するオープンイノベーションを推進します。
同時に、内外にインキュベーション機能を持ち、ベンチャー企業との提携、資本参加の積極的推進により、研究開発を加速するとともに、新たなビジネスを創生していきます。さらに、デジタル技術(ICT)を取り入れ、次世代(Society5.0)のエネルギーインフラ構築と新たなビジネスモデル型事業の開発に取り組みます。
③ サステナビリティへの取組み
化石燃料を事業の中心とする統合新社にとって、地球環境への配慮・貢献や、SDGsの達成に向けた社会課題解決への貢献は必須であると考えております。以下の活動を通して、持続可能な地球環境と社会を実現しつつ、企業としての持続的成長を目指します。
・ 事業活動上排出する温室効果ガス(GHG)を削減する。
・ 外部機関の評価を積極的に活用し、事業活動目標に結びつける。
・ 当社グループの事業にかかわる全ての人々が活き活きと仕事に取り組める職場環境を整備する。
・ 当社グループの持つ事業資産と低炭素化技術を組み合わせ、課題解決につながる新たな事業創出を行う。
なお、具体的な数値目標及び行動計画については、2019年秋に発表する予定の中期経営計画で示します。
④ 財務上の課題
統合新社の経営目標の達成に向け、成長市場での事業展開を積極的に推進していきます。そのためには、リスク対策及び海外展開の強化に向けた資金調達力の向上の観点からさらなる財務基盤の強化が必要と考えております。

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