有価証券報告書-第134期(2025/01/01-2025/12/31)

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2026/03/24 14:45
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184項目
③人的資本の戦略
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当社は、長期経営戦略「R.I.S.E. 2035」のもと、「ゴムから生み出す新たな体験価値をすべての人に提供し続ける」ことを掲げ、事業ポートフォリオ変革と持続的な価値創出に向けた取り組みを進めています。これらの戦略を実現するうえで、当社の強みである「ゴム・解析技術力」と「ブランド創造力」を発揮し、①ゴム起点のイノベーション創出、②ブランド経営の強化、③変化に強い経営基盤の構築を担う人材の確保・育成は、重要な経営課題と位置づけています。
2025年には、プレミアムタイヤの拡販や次世代オールシーズンタイヤ「SYNCHRO WEATHER」のラインアップ拡充など、技術とブランド力を生かした取り組みが事業成果に寄与しました。また、外部環境の変化に対しては、価格対応やコスト効率化など組織横断の取り組みを進めることで、変化に左右されない事業運営に取り組んでいます。これらを支えるのは、専門性を持ち、変化に応じて最適な判断を行う人材一人ひとりの力です。
さらに、欧州・北米・オセアニア地域における四輪タイヤのDUNLOP商標権等の取得により、グローバルで統一されたブランド運営体制を整えました。今後は、地域横断で価値提供を最適化し、新領域の成長を加速させるためにも、多様な市場でリーダーシップを発揮できるグローバル経営人材の育成が一層重要となります。
こうした経営戦略を人的資本の観点で捉え直すと、持続的な価値創出には、①グローバルで一貫した意思決定と収益責任を担うリーダー、②ゴム・材料・センシング等の技術を基点に新たな価値を創出するイノベーション人材、③データドリブンで業務・収益を最適化するデジタル革新人材の確保・育成が不可欠です。また、多様な価値観を尊重し、挑戦を後押しする制度・風土に加え、ウェルビーイングと安全を基盤とした働く環境の整備を、組織能力強化の前提と考えています。
そのため当社は、人的資本戦略を経営戦略と不可分のものとして位置づけ、①成長を導くリーダーの確保・育成(グローバル経営・イノベーション・デジタル革新を担う層の強化)、②個の成長の支援(リーダーシップ向上サイクル、エンゲージメント・ウェルビーイングの向上)、③基盤整備(挑戦を評価する人事制度、DE&I推進、企業理念浸透)を三位一体で推進しています。
これらの取り組みにより、技術・ブランド・人材を結びつけた一貫性のある価値創造プロセスを強化し、外部環境の変化に対応しながら、2035年に向けた持続的成長の基盤確立を目指してまいります。
具体的には次の3つの戦略を掲げています。
(戦略1:成長を導くリーダーの確保・育成)
事業環境の不確実性が高まる中、当社は、グローバルで一貫した意思決定を推進し、持続的な成長を牽引できるリーダー層の強化を最重要課題のひとつと位置づけています。
主要ポストに対する後継者プールの整備、計画的人材育成、全社横断でのタレントマネジメントを通じ、経営・事業リーダーの早期育成を図っています。
イ. グローバル経営人材の育成
当社グループは、急速に変化するVUCA環境において、柔軟で迅速な意思決定と、地域横断で組織を導くリーダーシップを備えたグローバル経営人材の育成を重視しています。役員層には外部専門家によるエグゼクティブコーチングを継続的に実施し、意思決定の質とリーダーとしての行動力を高めています。また、次世代経営人材に対する育成プログラムを提供するとともに、幹部役職に対するグローバル統一基準の職務評価を進めており、役割基準に基づく公正な登用につなげています。
さらに、世界各地域の幹部が戦略を共有する「タイヤグローバルサミット」や、後継者プールやハイポテンシャル人材を審議するタレント会議を通じ、グローバル全体で一貫した後継計画と人材配置を可能とする体制を整備しています。
ロ. イノベーション人材の育成
当社は創業以来、ゴム技術を基盤に新たな価値を創出してきました。現在も「Smart Tyre Concept」「水素エネルギーを活用したタイヤ製造」「高減衰ゴムを用いた制振技術」など、多様な革新技術を生み出しています。こうした価値創造を継続するため、当社はイノベーション人材の育成強化に取り組んでいます。
具体的には、「イノベーション人材育成プログラム」および「イノベーションアカデミー2025」を通じて技術・発想・事業化スキルを体系的に学ぶ機会を提供し、スペシャリストコースやフェロー制度により高度専門人材を明確に評価・活用しています。特に研究開発においては、産学連携と社内育成を両輪としたイノベーション人材育成を進めています。世界的研究者との共同研究・議論を継続し、若手を含む研究担当者が直接海外研究者と交流する仕組みを整備したことで、国際的な技術動向へのアクセスと研究者の成長を促しています。さらに技術革新や社会価値創出に寄与した取り組みの表彰制度など、挑戦する文化の醸成にも取り組んでいます。
ハ. デジタル革新人材の育成
ビジネスモデルや業務プロセスの変革を実現し、データに基づく高度な意思決定を全社で行うためには、デジタル技術の知識に加えて、ビジネスへの応用力や価値創出力、変化に対応するリーダーシップが不可欠です。当社は、こうしたデジタル革新人材の育成に向け、基礎から実践まで体系的な育成体制を整備しています。
全社的なDXリテラシー教育を強化し、DXに必要な3領域(ビジネスコア・プロフェッショナル・データエンジニア)に対応した育成体系を構築しました。2024年末までにスタッフ系全従業員約3,500名が研修を受講し、全社の基礎デジタル能力を底上げしました。2024年5月からは知識・スキル・経験を証明する「オープンバッジ」を導入し、e-learningに加えて実践機会を広げることで、社員同士の学び合いや社内講師の育成を促進し、学習と挑戦が循環する仕組みづくりを進めています。
取り組み事例の詳細はウェブサイト「継続的成長を支える人材の育成」をご参照ください。
「継続的成長を支える人材の育成」のページ
https://www.srigroup.co.jp/sustainability/social/dei.html
(戦略2:個の成長支援)
社員一人ひとりの「個の成長」を、持続的な価値創出の重要な要素と捉えています。当社の人的資本経営では、「成長支援施策」と「エンゲージメント向上施策」を両輪とし、個々の成長を押し上げる仕組みを整備しています。
成長支援施策としては、階層・職種に応じた体系的な学習機会や、実務に直結する課題解決型の学習、デジタルスキル向上の取り組み、社内コミュニティーによる学び合いなどを通じて、能力向上と挑戦行動を後押ししています。一方、エンゲージメント向上施策としては、外部ベンダーのサーベイによる客観的な職場課題の把握と対話の促進により、働きがいを高める職場環境を整備しています。 さらにウェルビーイング向上施策として、健康経営の推進に加え、安全な設備づくり・人づくりを軸とした労働安全衛生の取り組みにより、社員が安心して能力を発揮できる土台を整えています。
これらの施策が相互に作用し、個人の成長実感と貢献意欲を高めることで、挑戦が生まれる組織風土の醸成と、将来のリーダー層の育成につながることを目指しています。
イ. リーダーシップ向上サイクル
組織のマネジメント品質向上、管理職をはじめとする管理監督職のリーダーシップ行動の内省、成長支援、そして、健全な組織風土醸成による従業員エンゲージメント向上のため、360度フィードバックを毎年実施しています。360度フィードバック結果は、重要ポストへの任用時の参考情報としても活用しています。現在、住友ゴム本体と一部の国内/海外関係会社で実施していますが、多面的に人材を見て、将来の幹部人材を任用していく仕組みの構築を目指し、海外拠点でのさらなる拡大を進めていきます。
また、2025年より 後述のエンゲージメントサーベイ結果とのクロス分析も実施し、各管理職の発揮するリーダーシップと社員エンゲージメントの関係性を紐解き、組織全体の活性化に繋げていきます。
ロ. 組織健康度と従業員エンゲージメントの向上
2020年より組織体質アンケートを定期的に実施し、その結果を従業員に開示するとともに、改善に向けた取り組みを継続してまいりました。一方で、事業環境の変化や人材の多様化が進む中、組織風土の状態把握に加え、従業員一人ひとりの意欲・貢献意識・成長実感といった「個人のエンゲージメント」を起点に、職場単位の課題をより明確に特定し、施策の優先順位付けと効果検証につなげる必要性が高まっております。2025年度からは従来の社内調査を見直し、外部ベンダーのエンゲージメントサーベイへ移行しました。これにより、設問設計や分析手法の標準化を通じて、統計的な観点からの因果分析・ドライバー分析等を含む、より客観的かつ多面的な把握が可能となります。また、国内外で共通の枠組みで測定することで、グループ横断の比較・課題抽出を行うとともに、社外ベンチマークにより当社の位置付けを把握し、エンゲージメント向上に向けた施策の実効性を一層高めてまいります。製造拠点を中心とした「はたらきたい未来の工場プロジェクト」や各部門の取り組みを通じ、働きがいを実感できる組織風土の醸成を進めるとともに、2026年以降は国内外のグループ会社へ展開し、グローバルでのエンゲージメント向上を図ります。
取り組み事例の詳細はウェブサイト「人材パフォーマンスを高める施策の実行」をご参照ください。
「人材パフォーマンスを高める施策の実行」のページ
https://www.srigroup.co.jp/sustainability/social/engagement.html
ハ.健康経営の推進
当社では、社員およびその家族の心身の健康が一人ひとりの幸せ、そして会社の持続的な成長や発展に不可欠であると考え、健康経営を推進しています。2017年に健康管理室を設置、2022年7月には会社、従業員、労働組合、健康保険組合が協力し、全社をあげて健康経営を実現するため、2018年に制定した全社の「健康経営宣言」を企業理念体系「Our Philosophy」に基づいた宣言に改訂しました。
健康管理室と健康保険組合は、健康施策について協議するコラボヘルス会議を定期的に実施するなどコラボヘルス体制を強化するとともに、健康管理部門(本社および各拠点)、健康保険組合、労働組合が参加する健康会議も実施しています。
取り組み事例の詳細、社外からの認定・評価はウェブサイト「健康経営の推進」をご参照ください。
「健康経営の推進」のページ
https://www.srigroup.co.jp/sustainability/social/health.html
ニ.労働安全衛生
当社グループは、全社員が幸せで安全に働ける職場の実現を目指し「安全衛生は全てに優先する」というスローガンのもと、「安全な設備づくり」と「安全な人づくり」を軸に活動を進め、これを支える健康的で快適な衛生環境の整備を推進しています。また、全員が参加できる安全文化を育てることで、事業の発展と社会的責任の両立を図り、変化する環境にも柔軟に対応しながら、継続的な改善を続けています。
取り組み事例の詳細はウェブサイト「労働安全衛生」をご参照ください。
「労働安全衛生」のページ
https://www.srigroup.co.jp/sustainability/social/safety.html
(戦略3:基盤整備)
挑戦が日常的に生まれ、多様な人材が力を発揮できる組織を実現するためには、制度・環境・価値観を一体で整える基盤づくりが重要と考えています。制度面では、役割・成果に根差した公平な運用へと見直しを進め、自律的なキャリア選択や社内公募・越境機会などの仕組みにより、挑戦の機会を広げています。環境面では、ダイバーシティ(D:多様性)、エクイティ(E:公平性)&インクルージョン(I:包摂)を浸透させ、多様な人材が個々に能力を最大限発揮し、互いに尊重しながら力を結集できるよう、環境整備や柔軟な働き方の拡充などの基盤を構築しています。さらに価値観の面では Our Philosophy のグローバル浸透により、共通の判断基準を共有し、挑戦を後押しする文化を育みます。
これら制度・環境・価値観の3つの基盤が相互に機能することで、「挑戦を評価する文化」と「能力を発揮できる環境」を両立させ、個人と組織の持続的成長を下支えします。
イ. 人事制度改定によるイノベーション基盤の構築
多様な人材が公平だと感じ、挑戦を促す人事制度改革を段階的に進めています。2021年には管理職の人事制度を刷新し、従来の職能資格制度から役割等級制度へ移行し、仕事基準の処遇を導入しました。キャリアパスを「マネジメント職」と「スペシャリスト職」に分け、専門性を活かしたキャリア形成を可能にしました。
さらに、2025年にスペシャリストコースの上位に「フェロー」を設置、2名を任用しました。高度専門人材を戦略的に評価・活用し、イノベーションの創出に繋げます。
加えて、2025年10月には一般層の人事制度も大きく見直しました。広く経験をすることで仕事の基礎を形成していくことと、専門性を高め職責・成果に応じた公平な処遇を実現することを両立するため、オフィス業務従事者(企画系・技術系・実務系)の一部に管理職同様に役割等級の仕組みを導入しました。これまでの年功的な運用から転換し、早期抜擢を可能とし、挑戦と成果に応じて処遇を適切に行うことで社員の一層の挑戦を促しています。
ロ. ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DE&I)
当社グループが掲げる7つのマテリアリティのうちの1つに「多様な人材」があります。「多様な個性をもつ仲間とともに成長する企業」を実現するためにDE&Iの取り組みを力強く進めています。多様性を尊重することはもちろん、多様性を力に変えるインクルージョンの実践も重視しています。社長の確固たるトップコミットメントのもと、多様な力を人的資本経営に取り込み、全員が大切な戦力として組織の持続的な成長につなげる施策を打ち出しています。2025年4月には、長期経営戦略を支える人的資本経営の実行に向け、全取締役がDE&Iの重要性を認識し、担当範囲のありたい姿を実現するためDE&Iトップコミットメントを策定し、公開しました。個人が能力や強みを存分に発揮し、互いを尊重し合える組織風土を育み、果敢に挑戦し続ける取り組みをますます活性化させています。組織と個人がともに成長し続けることで、組織の企業価値と社会的価値を相乗的に引き上げてまいります。
取り組み事例の詳細、社外からの認定・評価はウェブサイト「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」をご参照ください。
「ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン」のページ
https://www.srigroup.co.jp/sustainability/social/dei.html
ハ. Our Philosophyのグローバル浸透活動
2020年に策定した「Our Philosophy」を、認知・理解・共感・実践の4フェーズで浸透させています。2030年までにフェーズ3「共感」達成率80%、全従業員が理念を体現する状態を目指し、オンラインセミナーやワークショップを継続的に実施し、着実に浸透を進めています。
グローバルでの浸透は、世界各拠点が同じ価値観を共有し、一体感を持って迅速に意思決定できる体制を築くために不可欠です。2025年には海外拠点の浸透度調査と浸透担当者へのインタビューを実施し、課題を把握したうえでワークショップを開催しました。今後は、国内外の人事担当者が情報共有や議論を行うコミュニケーション基盤「Global HR Hub」を活用し、企業理念を基盤とした意思決定の質向上や現場での行動変革を促す取り組みを拡充していきます。

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