有価証券報告書-第88期(2025/04/01-2026/03/31)
(2)戦略
当社は、「温室効果ガス(GHG)の削減」「製品品質・安全」「従業員エンゲージメント・ダイバーシティ&インクルージョン」「サプライチェーンマネジメント」の4つのESGマテリアリティを特定し、各マテリアリティに対する取組を進めています。
気候変動問題においては、TCFD提言に基づくシナリオ分析に基づき、気候変動に関するリスクおよび機会の特定と財務インパクトを評価のうえ、その対応策の策定、実施の取組を進めています。
気候変動:
重要性に鑑み、TCFD開示におけるリスク・機会の分析はビジョンケア事業部(メガネレンズ)とMD事業部(ハードディスク用ガラスサブストレート)、オプティクス事業部(光学レンズ・ガラス)の3事業部を対象としています。当該3事業部のCO2排出量の合算で、HOYAグループ全体の88%を占めています。なお、当社として重要な気候変動リスクと考えている物理リスク(洪水)に関しては、全事業の製造拠点を分析対象としています。
シナリオ分析では、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)といった専門機関が想定する1.5℃ならびに4℃のシナリオに基づき、移行リスク・物理リスク・機会の3つの側面から分析を行い、重要度を発生可能性と財務的影響度から3段階で評価しました。なお、期間としては短期(1~3年)、中期(2030年)、長期(2050年)を設定し、ここでの記載は2030年時点での影響を想定しています。
※TCFD提言に基づくシナリオ分析の詳細は、「TCFD提言に基づく情報開示」をご参照ください。
URL:https://www.hoya.com/wp-content/uploads/2024/05/TCFD-Disclosure-J_Final-2024.pdf
表1 ビジョンケア事業部のリスクおよび機会の一例(3段階評価の内、中程度以上を抜粋)
表2 MD事業部のリスクおよび機会の一例(3段階評価の内、中程度以上を抜粋)
表3 オプティクス事業部のリスクおよび機会の一例(3段階評価の内、中程度以上を抜粋)
a) 水リスク評価
気候変動に伴う自然災害の増加や激甚化、感染症の発生、及び水不足は自社拠点における操業だけでなく、原料調達、顧客側の生産・販売などサプライチェーンなどへも影響を与えるおそれがあります。HOYAグループでは国際環境NGOの世界資源研究所(WRI)によるAqueduct Water Risk Atlasのツール等を用いて、また拠点のヒアリングも行いながら生産拠点の洪水リスク及び水ストレスリスクを評価しています。当社グループはグローバルな視点で効率的な企業運営を行うため、最適地での経営判断、研究開発、生産、販売を推進しており、特に生産は東南アジアを中心に拠点を構えています。リスク評価の結果、ベトナム・タイ・インドネシア等の東南アジア生産拠点の洪水リスクが比較的高い結果となり、これらの拠点を中心に対策を実施しています。
b)-1 水リスク対策
リスクの高い拠点については、本社環境・安全衛生部が現地を訪問し、洪水・水ストレス・排水(汚染)といった水リスク全般に対する対応策の実効性を確認しています。
具体的な対策としては、BCP(事業継続計画)の初動対応や生産再開の復旧計画の確認・見直し、洪水リスクに対する設備の床上げなどの浸水対策、水不足を想定した対策などを進めています。特に、2011年にタイの生産拠点で経験した洪水被害を教訓に、BCP構築・定期的な見直しや、従業員の安全確保に向けた体制整備・訓練を推進しています。さらに、洪水リスクの比較的低い拠点への生産分散や、サプライチェーン寸断を想定した適正在庫の確保など、多角的な観点から水リスクの低減に継続的に取り組んでいます。
b)-2 感染症対策
COVID-19流行以前より、新型インフルエンザ等の新興感染症のパンデミックを想定した「新型インフルエンザ等行動計画ガイドライン」を策定し、積極的に新興感染症のリスク対策に取り組んでいます。当ガイドラインでは、HOYAグループ感染症危機管理対策チームの設置、事業継続計画の策定、情報収集および伝達‧共有ルートの整備に加え、社員やその家族、関係者等の安全確保を最優先として、健康被害を最小限に抑えながら製品等を安定供給できるよう、体制を整備しています。
人的資本:
人的資本においては、HOYAグループは、人材を最優先すべき資本の一つと位置付けており、継続的な投資を行うことで、継続的な競争優位性を確保することを目指して人材戦略を策定しています。
HOYAグループは多様な事業の最適地生産・最適地販売をグローバルで推進しています。その中で当社において人材の多様性は強みであり持続的な価値創造の源泉であると考えています。そのうえで、経営理念と経営基本原則に記されたHOYAグループの基本的な理念と価値観に従って、HOYAグループの従業員が業務を遂行する中で遵守すべき基本的な指針として定めた「HOYA行動基準」を27言語でグループ内に周知徹底させており、多様な従業員へHOYAグループ従業員としての一体感を醸成しております。
一方、個人の尊重を経営基本原則の一つに据えており、個人の自主性と創造性を最大限に発揮できる機会の拡大と、安全で働きやすい環境の確保で、従業員のゆとりと豊かさの実現に最大限努力しております。
なお、新たな価値創造を目指して、従業員のウェルビーイングを重視した、多様な人材が活躍できる環境作りに努めることは、HOYAグループにおけるサステナビリティ方針の一つです。優秀な人材確保の世界的な競争激化がリスクとして存在する一方、多様な人材の確保・育成による価値創造イノベーションの機会は増加していると考え、国内外投資家を含むステークホルダーの意見・フィードバックを参考にした総合評価で「従業員エンゲージメント、ダイバーシティ&インクルージョン」をHOYAグループのマテリアリティの一つとして特定しています。

a) 人材育成方針
HOYAグループは多様性を尊重して受け入れ、その「違い」を積極的に活かすことで、変化し続けるビジネス環境や多様化する顧客ニーズに柔軟に対応し、ひいては企業価値の創造に繋がると考えています。ライフケア事業と情報・通信事業の更なる成長に向けて、多様な人材を採用するとともに、育成・活用していくことを人材戦略の要として位置づけています。
すべての人が持てる力を最大限に発揮して、切磋琢磨しながら組織や事業に貢献する、これがHOYAの目指す従業員像です。従業員の多種多様な能力開発ニーズにこたえ、また業界に必要な専門知識やスキルを習得してもらうため、HOYAグループでは、事業部や地域ごとに最も適した人材育成を進めています。
多様な人材の採用
必要な時に必要な人材を採用するという考え方のもと、当社はこれまでも国籍・性別等にとらわれず各個人の能力に基づく採用を進めてきました。従業員の約9割が日本以外の拠点に属しており、また現地の優秀な人材を積極的に登用し活躍の機会を増やすことで、グループ全体のグローバル化を進めています。その結果、現在では海外現地法人の約9割で日本人以外が責任者を務めています。今後も多くの優秀な人材に機会を均等に提供していきます。
多様な能力開発ニーズに応えるためのキャリア開発プログラム
企業の競争力を維持するうえで、継続的な知識のアップデートやリスキリングが重要であると考えています。HOYAグループでは、オンデマンドによるオンラインの学習プラットフォームを提供し、HOYAの成長戦略を支える従業員の再教育、従業員の生涯学習の活性化などの様々なキャリア開発ニーズをサポートしています。
事業・地域に最適化された人材育成プログラム
HOYAグループでは、事業部門や地域ごとに最も適した人材育成プログラムを個別に展開しています。例えば、「コンタクトのアイシティ」を運営するコンタクトレンズ小売事業では、店舗で販売業務に従事するスタッフ“アイ-コンシェルジュ”の接客スキル向上とホスピタリティマインドの醸成などを目的とした育成プログラムを事業部内で設計し、内容の充実に取り組んでいます。
b) 社内環境整備に関する方針:
多様な人材が能力を発揮して活躍できる環境と、より生産性高く効率のよい働き方を可能とする制度を整えることで、仕事のやりがいと個人の成果の充実を実現し、企業価値との両立を図っていきます。
HOYAグループでは、基本的人権を保護し、人種、国籍、性別、宗教、信条、出生、年齢、心身の障がい、性的指向、その他の法的要件による差別やハラスメントを行わず、従業員が最大限に能力を発揮できる職場環境を提供することを「HOYA行動基準」に明文化しています。私たちはこれに基づき従業員の安全と健康に配慮するとともに、人権を尊重し、差別やハラスメントがなく、多様な人材がそれぞれの能力や専門性を最大限に生かし自律的かつ柔軟に働くことができる職場環境の整備をしていきます。
HOYA行動基準の浸透
全ての従業員が本行動基準を理解していることを確認するために、HOYAグループでは年に一度、各国において適切な方法で、本行動基準についての見直しと確認を実施します。多様な従業員への周知徹底のため、27言語で作成のうえ、年に一度所属グループでの読み合わせやオンライン教育・確認テストなどを実施しています。また、内部監査を実施して、上記の手順が実施されていることを確認します。当連結会計年度のグループ全従業員対象の本行動基準の順守に関する確認書の提出率は99.5%でした。
従業員エンゲージメントサーベイ
「HOYA」という職場が、会社が「求める行動」を従業員個人が体現しつつ、個人をより一層成長させていける“フィールド”であるために、エンゲージメントサーベイを通して改善点を見出し理想とする職場に近付けていくことが、従業員・会社の双方にとって重要な取組と捉えています。HOYAでは、グローバル全従業員を対象に定期的な調査を実施しており、サーベイの結果を受けて各職場でディスカッションを行い、結果をより深く理解した上で改善点を特定して行動計画へとつなげています。
パフォーマンス・マネジメント(業績評価制度)
従業員の能力発揮を促すには、成果を公正かつ客観的に評価できる仕組みの整備が不可欠であると考えています。そのためにこれまでのHOYAグループのパフォーマンス・マネジメント(業績評価制度)のフレームワークを発展させ、グローバル共通の仕組みとして運用しています。業績評価で得られた結果を報酬に反映させていくことのほか、人材育成のための定期的かつ効果的なフィードバックへとつなげています。
健康経営
HOYAグループでは、「従業員の健康保持・増進に関する取組は経営上の“投資”である」との認識にたち、会社の支援とすべての従業員の協力により、健康経営に取組んでいます。
CEOによる健康経営宣言とともに、「HOYAグループ社員が守る7ヶ条」が従業員へのメッセージとして配信されています。 HOYAグループでは、従業員の豊かなライフプランと企業の永続的な発展の実現を目指し、従業員が健全な心身で生き生きと働けるように、生活習慣病予防及び重症化予防対策、メンタルヘルス対策、喫煙対策など施策を通じて、健康の保持・増進にグループ全体で取組んでいます。2017年に「健康経営優良法人認定制度」が開始されて以降、連続して認定を取得しています。
人材戦略に関しては「従業員の状況等」(1)人材戦略に関する基本方針等にも記載しております。ご参照ください。
当社は、「温室効果ガス(GHG)の削減」「製品品質・安全」「従業員エンゲージメント・ダイバーシティ&インクルージョン」「サプライチェーンマネジメント」の4つのESGマテリアリティを特定し、各マテリアリティに対する取組を進めています。
気候変動問題においては、TCFD提言に基づくシナリオ分析に基づき、気候変動に関するリスクおよび機会の特定と財務インパクトを評価のうえ、その対応策の策定、実施の取組を進めています。
気候変動:
重要性に鑑み、TCFD開示におけるリスク・機会の分析はビジョンケア事業部(メガネレンズ)とMD事業部(ハードディスク用ガラスサブストレート)、オプティクス事業部(光学レンズ・ガラス)の3事業部を対象としています。当該3事業部のCO2排出量の合算で、HOYAグループ全体の88%を占めています。なお、当社として重要な気候変動リスクと考えている物理リスク(洪水)に関しては、全事業の製造拠点を分析対象としています。
シナリオ分析では、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)といった専門機関が想定する1.5℃ならびに4℃のシナリオに基づき、移行リスク・物理リスク・機会の3つの側面から分析を行い、重要度を発生可能性と財務的影響度から3段階で評価しました。なお、期間としては短期(1~3年)、中期(2030年)、長期(2050年)を設定し、ここでの記載は2030年時点での影響を想定しています。
※TCFD提言に基づくシナリオ分析の詳細は、「TCFD提言に基づく情報開示」をご参照ください。
URL:https://www.hoya.com/wp-content/uploads/2024/05/TCFD-Disclosure-J_Final-2024.pdf
表1 ビジョンケア事業部のリスクおよび機会の一例(3段階評価の内、中程度以上を抜粋)
| 内容 | 対応策 | |
| 移行リスク | ・消費者の気候変動に対する意識向上への対応遅滞による市場シェア低下と売上減少 ・顧客のサプライヤー選定に気候変動対策/情報開示が導入され、これに遅滞した場合の顧客喪失、売上減少 ・CO2排出量削減や水リサイクル等の環境関連課題への不十分な対応によるレピュテーション低下と売上減少 | ・製品へのCO2排出量表示検討 ・マーケティング戦略の見直し:製品イノベーションを通じた気候変動影響低減、情報発信強化 ・顧客をはじめ、外部ステークホルダーに対するESGの進捗状況の定期的な報告 ・TCFDやCDP開示など、気候変動関連の情報開示の拡充 |
| 物理リスク | 異常気象をきっかけとした感染症の発生による生産活動やサプライチェーンの乱れ、ロックダウン等の行動制限による顧客であるメガネ小売店の営業制限による需要減 | ・自社工場に関するBCPの策定とアップデート ・生産拠点の分散化 |
| 異常気象による生産や販売活動の停滞、洪水による生産拠点の水没や損壊 | ・生産拠点分散と個々の水害対策の推進 ・材料や在庫の確保をはじめとするBCPの策定 | |
| 機会 | 低炭素製品へのニーズが高まり、製品開発にいち早く成功することで売上が増加 | ・カーボンフットプリントの表示 ・環境負荷低減のマインドセットの製品を開発戦略へ組み込む ・材料メーカーとの連携 |
| リサイクル/リユースが容易な製品へのニーズが高まり、製品開発にいち早く成功することで売上が増加 | ・サプライヤーや顧客との協業を通じた循環型社会に焦点を当てた製品戦略構築 | |
| DX等による製造工程の効率化の実現 | ・生産効率向上によるCO2削減と関連コストの削減 ・DXならびにDXトレーニングへの投資 | |
| BCP策定、自社生産拠点と仕入先の多様化 | ・BCPの導入と訓練 ・各工場の改修、拠点の地理的分散など |
表2 MD事業部のリスクおよび機会の一例(3段階評価の内、中程度以上を抜粋)
| 内容 | 対応策 | |
| 物理リスク | 異常気象をきっかけとした感染症の発生による生産活動やサプライチェーンの乱れ、顧客の工場稼働低下による需要減 | ・自社生産拠点に関するBCPの策定とアップデート ・生産拠点の分散化の推進 ・顧客での気候変動リスクを低減するプランの検討 |
| 機会 | ESGや気候変動への取組と情報開示により金融市場での評価向上、資金調達コスト低減 | ・TCFDでの開示とESG開示への展開 ・CDPでの開示とランクアップ |
| 低炭素製品へのニーズが高まり、製品開発にいち早く成功することで売上が増加 | ・カーボンフットプリントの表示 ・製品戦略の見直し ・技術開発予算の増額 ・材料メーカーとの連携 | |
| 地球温暖化による水資源不足の結果、水の再利用・使用量削減技術を開発し費用削減 | ・使用水量の少ない製造方法の確立 ・水の高度処理技術導入、再利用増 | |
| DX等による製造工程の効率化の実現 | ・生産効率向上によるCO2削減と関連コストの削減 ・DXならびにDXトレーニングへの投資 | |
| BCP策定、自生産拠点と仕入先の多様化 | ・BCPの導入と訓練 ・各工場の改修、拠点の地理的分散など |
表3 オプティクス事業部のリスクおよび機会の一例(3段階評価の内、中程度以上を抜粋)
| 内容 | 対応策 | |
| 物理リスク | 異常気象・自然災害による原材料調達先の操業停止に伴う納期遅延・生産量減少 | ・在庫の確保(特に調達先が限定される重要部材の場合) ・重要部材の複数調達先の確保 |
| 異常気象をきっかけとした感染症の発生による生産活動やサプライチェーンの乱れ、顧客の工場稼働低下による需要減 | ・自社工場に関するBCPの策定とアップデート ・他拠点での生産バックアップ体制の整備 | |
| 異常気象による生産や販売活動の停滞、洪水による生産拠点の水没や損壊 | ・生産のバックアップ体制と水害対策の推進 ・材料や在庫の確保をはじめとするBCPの策定 |
a) 水リスク評価
気候変動に伴う自然災害の増加や激甚化、感染症の発生、及び水不足は自社拠点における操業だけでなく、原料調達、顧客側の生産・販売などサプライチェーンなどへも影響を与えるおそれがあります。HOYAグループでは国際環境NGOの世界資源研究所(WRI)によるAqueduct Water Risk Atlasのツール等を用いて、また拠点のヒアリングも行いながら生産拠点の洪水リスク及び水ストレスリスクを評価しています。当社グループはグローバルな視点で効率的な企業運営を行うため、最適地での経営判断、研究開発、生産、販売を推進しており、特に生産は東南アジアを中心に拠点を構えています。リスク評価の結果、ベトナム・タイ・インドネシア等の東南アジア生産拠点の洪水リスクが比較的高い結果となり、これらの拠点を中心に対策を実施しています。
b)-1 水リスク対策
リスクの高い拠点については、本社環境・安全衛生部が現地を訪問し、洪水・水ストレス・排水(汚染)といった水リスク全般に対する対応策の実効性を確認しています。
具体的な対策としては、BCP(事業継続計画)の初動対応や生産再開の復旧計画の確認・見直し、洪水リスクに対する設備の床上げなどの浸水対策、水不足を想定した対策などを進めています。特に、2011年にタイの生産拠点で経験した洪水被害を教訓に、BCP構築・定期的な見直しや、従業員の安全確保に向けた体制整備・訓練を推進しています。さらに、洪水リスクの比較的低い拠点への生産分散や、サプライチェーン寸断を想定した適正在庫の確保など、多角的な観点から水リスクの低減に継続的に取り組んでいます。
b)-2 感染症対策
COVID-19流行以前より、新型インフルエンザ等の新興感染症のパンデミックを想定した「新型インフルエンザ等行動計画ガイドライン」を策定し、積極的に新興感染症のリスク対策に取り組んでいます。当ガイドラインでは、HOYAグループ感染症危機管理対策チームの設置、事業継続計画の策定、情報収集および伝達‧共有ルートの整備に加え、社員やその家族、関係者等の安全確保を最優先として、健康被害を最小限に抑えながら製品等を安定供給できるよう、体制を整備しています。
人的資本:
人的資本においては、HOYAグループは、人材を最優先すべき資本の一つと位置付けており、継続的な投資を行うことで、継続的な競争優位性を確保することを目指して人材戦略を策定しています。
HOYAグループは多様な事業の最適地生産・最適地販売をグローバルで推進しています。その中で当社において人材の多様性は強みであり持続的な価値創造の源泉であると考えています。そのうえで、経営理念と経営基本原則に記されたHOYAグループの基本的な理念と価値観に従って、HOYAグループの従業員が業務を遂行する中で遵守すべき基本的な指針として定めた「HOYA行動基準」を27言語でグループ内に周知徹底させており、多様な従業員へHOYAグループ従業員としての一体感を醸成しております。
一方、個人の尊重を経営基本原則の一つに据えており、個人の自主性と創造性を最大限に発揮できる機会の拡大と、安全で働きやすい環境の確保で、従業員のゆとりと豊かさの実現に最大限努力しております。
なお、新たな価値創造を目指して、従業員のウェルビーイングを重視した、多様な人材が活躍できる環境作りに努めることは、HOYAグループにおけるサステナビリティ方針の一つです。優秀な人材確保の世界的な競争激化がリスクとして存在する一方、多様な人材の確保・育成による価値創造イノベーションの機会は増加していると考え、国内外投資家を含むステークホルダーの意見・フィードバックを参考にした総合評価で「従業員エンゲージメント、ダイバーシティ&インクルージョン」をHOYAグループのマテリアリティの一つとして特定しています。

a) 人材育成方針
HOYAグループは多様性を尊重して受け入れ、その「違い」を積極的に活かすことで、変化し続けるビジネス環境や多様化する顧客ニーズに柔軟に対応し、ひいては企業価値の創造に繋がると考えています。ライフケア事業と情報・通信事業の更なる成長に向けて、多様な人材を採用するとともに、育成・活用していくことを人材戦略の要として位置づけています。
すべての人が持てる力を最大限に発揮して、切磋琢磨しながら組織や事業に貢献する、これがHOYAの目指す従業員像です。従業員の多種多様な能力開発ニーズにこたえ、また業界に必要な専門知識やスキルを習得してもらうため、HOYAグループでは、事業部や地域ごとに最も適した人材育成を進めています。
多様な人材の採用
必要な時に必要な人材を採用するという考え方のもと、当社はこれまでも国籍・性別等にとらわれず各個人の能力に基づく採用を進めてきました。従業員の約9割が日本以外の拠点に属しており、また現地の優秀な人材を積極的に登用し活躍の機会を増やすことで、グループ全体のグローバル化を進めています。その結果、現在では海外現地法人の約9割で日本人以外が責任者を務めています。今後も多くの優秀な人材に機会を均等に提供していきます。
多様な能力開発ニーズに応えるためのキャリア開発プログラム
企業の競争力を維持するうえで、継続的な知識のアップデートやリスキリングが重要であると考えています。HOYAグループでは、オンデマンドによるオンラインの学習プラットフォームを提供し、HOYAの成長戦略を支える従業員の再教育、従業員の生涯学習の活性化などの様々なキャリア開発ニーズをサポートしています。
事業・地域に最適化された人材育成プログラム
HOYAグループでは、事業部門や地域ごとに最も適した人材育成プログラムを個別に展開しています。例えば、「コンタクトのアイシティ」を運営するコンタクトレンズ小売事業では、店舗で販売業務に従事するスタッフ“アイ-コンシェルジュ”の接客スキル向上とホスピタリティマインドの醸成などを目的とした育成プログラムを事業部内で設計し、内容の充実に取り組んでいます。
b) 社内環境整備に関する方針:
多様な人材が能力を発揮して活躍できる環境と、より生産性高く効率のよい働き方を可能とする制度を整えることで、仕事のやりがいと個人の成果の充実を実現し、企業価値との両立を図っていきます。
HOYAグループでは、基本的人権を保護し、人種、国籍、性別、宗教、信条、出生、年齢、心身の障がい、性的指向、その他の法的要件による差別やハラスメントを行わず、従業員が最大限に能力を発揮できる職場環境を提供することを「HOYA行動基準」に明文化しています。私たちはこれに基づき従業員の安全と健康に配慮するとともに、人権を尊重し、差別やハラスメントがなく、多様な人材がそれぞれの能力や専門性を最大限に生かし自律的かつ柔軟に働くことができる職場環境の整備をしていきます。
HOYA行動基準の浸透
全ての従業員が本行動基準を理解していることを確認するために、HOYAグループでは年に一度、各国において適切な方法で、本行動基準についての見直しと確認を実施します。多様な従業員への周知徹底のため、27言語で作成のうえ、年に一度所属グループでの読み合わせやオンライン教育・確認テストなどを実施しています。また、内部監査を実施して、上記の手順が実施されていることを確認します。当連結会計年度のグループ全従業員対象の本行動基準の順守に関する確認書の提出率は99.5%でした。
従業員エンゲージメントサーベイ
「HOYA」という職場が、会社が「求める行動」を従業員個人が体現しつつ、個人をより一層成長させていける“フィールド”であるために、エンゲージメントサーベイを通して改善点を見出し理想とする職場に近付けていくことが、従業員・会社の双方にとって重要な取組と捉えています。HOYAでは、グローバル全従業員を対象に定期的な調査を実施しており、サーベイの結果を受けて各職場でディスカッションを行い、結果をより深く理解した上で改善点を特定して行動計画へとつなげています。
パフォーマンス・マネジメント(業績評価制度)
従業員の能力発揮を促すには、成果を公正かつ客観的に評価できる仕組みの整備が不可欠であると考えています。そのためにこれまでのHOYAグループのパフォーマンス・マネジメント(業績評価制度)のフレームワークを発展させ、グローバル共通の仕組みとして運用しています。業績評価で得られた結果を報酬に反映させていくことのほか、人材育成のための定期的かつ効果的なフィードバックへとつなげています。
健康経営
HOYAグループでは、「従業員の健康保持・増進に関する取組は経営上の“投資”である」との認識にたち、会社の支援とすべての従業員の協力により、健康経営に取組んでいます。
CEOによる健康経営宣言とともに、「HOYAグループ社員が守る7ヶ条」が従業員へのメッセージとして配信されています。 HOYAグループでは、従業員の豊かなライフプランと企業の永続的な発展の実現を目指し、従業員が健全な心身で生き生きと働けるように、生活習慣病予防及び重症化予防対策、メンタルヘルス対策、喫煙対策など施策を通じて、健康の保持・増進にグループ全体で取組んでいます。2017年に「健康経営優良法人認定制度」が開始されて以降、連続して認定を取得しています。
人材戦略に関しては「従業員の状況等」(1)人材戦略に関する基本方針等にも記載しております。ご参照ください。