- #1 サステナビリティに関する考え方及び取組(連結)
事業については、現在、売上収益の8割を占める内燃機関に関連する事業が大きな変革を迫られており、一方で、脱炭素社会の実現に向けて、水素関連をはじめとして新たなニーズや市場が期待されることから、「2030 長期経営計画 日特BX」において、今後注力する事業分野の一つに「環境・エネルギー」を掲げ、2040年に向けて事業ポートフォリオ転換(売上収益構成比率:内燃機関事業40%、非内燃機関事業60%)を推進しています。2024年3月期において事業ポートフォリオ転換進捗は(売上収益構成比率:内燃機関事業82%、非内燃機関事業18%)です。
検討対象とした事業 | 製品 | 今後の事業リスクと事業機会への対応 | 財務面の影響 | 長期経営計画での売上収益目標 |
自動車関連事業 | スパークプラグ、グロープラグ、センサ | 2℃シナリオ下では、内燃機関を有する自動車への規制が厳しくなることで、将来、内燃機関部品の売上減少が想定される。一方で、電動車市場などの新市場への機会が生じる。4℃シナリオ下では、内燃機関のさらなる省エネと有害ガスの排出抑制が求められるため、高性能化への対応を行う。 | 売上収益の一部に影響※1 | 4,500億円(2029年度) |
燃料電池事業 | 燃料電池 | 2℃/4℃のいずれのシナリオ下においても非化石エネルギーの需要拡大が予想されるため、当該市場への対応を引き続き強化。2℃シナリオにおいては、水素インフラの普及が予想され、加速的に市場が増える可能性がある。 | 2,000億円規模の市場が予想され、水素インフラの普及状況によっては上振れの可能性あり | 3,000億円(2029年度) |
その他の事業 | 半導体製造装置用部品、半導体パッケージ、酸素濃縮装置、ベアリング用ボールなど | 2℃/4℃のいずれのシナリオにおいても、リスク及び機会への影響は小さい。 | 小さい |
自動車関連事業では2℃シナリオ下において、規制強化により将来的に売上減少が見込まれるため、事業ポートフォリオ転換が必要です。その他の事業については、2℃及び4℃いずれのシナリオ下においても、市場の動向を注視し、柔軟かつ戦略的に事業を展開しており、中・長期の観点からも高いレジリエンス性を有しています。
※1 内燃機関事業の財務面の影響額について
2024/06/25 14:04- #2 保証債務の注記
発債務
当社グループは、自動車関連事業における過去の一部の取引において競争法違反の疑いがあるとして海外の当局による調査を受けています。これに関連し、顧客からの損害賠償の交渉、民事訴訟も提起されています。当社はこれらについて国及び競争法当局の調査の状況、和解交渉の進展状況及び担当弁護士からの意見聴取等を踏まえて個別にリスクを検討し、将来発生する可能性がある和解金等の損失見込額を費用計上しています。損失見込額は現時点において入手可能な情報に基づいていますが、見積り特有の不確実性があるため、今後新たな事実が判明した場合等には追加の損失が発生する可能性があります。
2024/06/25 14:04- #3 従業員の状況(連結)
2024年3月31日現在
セグメントの名称 | 従業員数(名) |
自動車関連 | 12,503 |
セラミック | 2,723 |
(注) 従業員数は就業人員を記載しています。
(2) 提出会社の状況
2024/06/25 14:04- #4 注記事項-セグメント情報、連結財務諸表(IFRS)(連結)
したがって、当社グループは、社内カンパニーを基礎とした製品別のセグメントから構成されています。
その上で、セグメント情報では製品の内容、市場等の類似性を勘案して、複数の事業セグメントを集約し、「自動車関連」、「セラミック」及び「新規事業」を報告セグメントとしています。
「自動車関連」は、スパークプラグや排気ガスセンサ等、主として自動車に組み付けられる部品の製造販売を行っています。「セラミック」では、切削工具、産業機器部品、半導体製造装置用部品、半導体パッケージ及び医療用酸素濃縮器等の製造販売を行っています。「新規事業」では、環境エネルギー分野等の新規事業に関する製品の製造販売を行っています。
2024/06/25 14:04- #5 注記事項-企業結合、連結財務諸表(IFRS)(連結)
② 企業結合を行った主な理由
当社は、被取得企業が手掛ける自動車メンテナンス及び修理に係るオンライン予約サービス等を当社グループ内に取り込むことにより、当社グループの自動車関連事業におけるビジネスポートフォリオの拡大を目指し、当該企業結合を実施しました。
③ 取得日
2024/06/25 14:04- #6 注記事項-偶発債務、連結財務諸表(IFRS)(連結)
訴訟等
当社グループは、自動車関連事業における過去の一部の取引において競争法違反の疑いがあるとして海外の当局による調査を受けています。これに関連し、顧客からの損害賠償の交渉、民事訴訟も提起されています。当社はこれらについて国及び競争法当局の調査の状況、和解交渉の進展状況及び担当弁護士からの意見聴取等を踏まえて個別にリスクを検討し、将来発生する可能性がある損失見込額を費用計上しています。競争法関連費用引当金の残高は、前連結会計年度末において0百万円、当連結会計年度末において2百万円です。損失見込額は現時点において入手可能な情報に基づいていますが、今後新たな事実が判明した場合は追加の損失が発生する可能性があります。なお、IAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」に従い、当社の立場が不利になる可能性があるため、訴訟等に係る詳細な内容を開示していません。
2024/06/25 14:04- #7 注記事項-報告企業、連結財務諸表(IFRS)(連結)
当社の連結財務諸表は、2024年3月31日を期末日とし、当社及びその子会社(以下、「当社グループ」という。)並びに関連会社に対する持分により構成されています。
当社グループは、自動車関連製品、セラミック製品及び新規事業に関する製品の製造販売を主な事業としています。
2024/06/25 14:04- #8 注記事項-売上収益、連結財務諸表(IFRS)(連結)
前連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
| | (単位:百万円) |
| | 合計 |
自動車関連 | 443,980 |
| プラグ | 285,121 |
(注) 上記には「顧客との契約から認識した収益」の他、「その他の源泉から認識した収益」を含めています。
当連結会計年度(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)
2024/06/25 14:04- #9 注記事項-売却目的で保有する資産、連結財務諸表(IFRS)(連結)
(注) 前連結会計年度において、売却目的で保有する資産及び直接関連する負債に分類したものは、当社の連結子会社において工場再編の意思決定を行ったことから分類した自動車関連セグメントに係る資産です。
また、当社とIMC International Metalworking Companies B.V(以下、「IMC」という。)との間で2023年4月3日から開始した当社連結子会社の合弁会社化による合弁事業を開始するに当たり、当社の機械工具事業を連結子会社であるNTKカッティングツールズ株式会社に承継するセラミックセグメントに係る資産及び負債です。なお、当連結会計年度において、当社が保有するNTKカッティングツールズ株式会社の株式の一部をIMCへ譲渡しています。この結果、所有持分は100%から49.0%に減少し、同社に対する支配を喪失したことから、同社は当社グループの持分法適用会社となっています。
2024/06/25 14:04- #10 注記事項-非金融資産の減損、連結財務諸表(IFRS)(連結)
前連結会計年度において、自動車関連セグメントの一部の資金生成単位について収益見込みの低下等に伴い、割引後将来キャッシュ・フローの見積額が、資産グループの帳簿価額を下回ったため、2,506百万円の減損損失を計上しました。なお、当該資産グループの回収可能価額は主として使用価値により測定しており、使用価値の見積りに用いた割引率は、税引前加重平均資本コスト(18.5%)を使用しています。
また、新規事業セグメントにおける円筒形SOFC燃料電池事業の資金生成単位について事業環境の変化等により想定していた将来キャッシュ・フローが見込めなくなったことから、3,701百万円の減損損失を計上しました。なお、回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値で測定しています。公正価値のヒエラルキーはレベル3です。
2024/06/25 14:04- #11 略歴、役員の状況(取締役(及び監査役))(連結)
1977年4月 | 当社入社 |
2003年2月 | 当社自動車関連事業本部営業本部海外市販部長 |
2005年7月 | 米国特殊陶業株式会社社長 |
2024/06/25 14:04- #12 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(連結)
2030 長期経営計画 日特BX』及び中期経営計画(2021年度~2024年度)
当社グループは、セラミックスをコアとしながらもセラミックスを超えた事業を展開し、自動車関連事業を中心とした事業ポートフォリオからの転換を大きな戦略テーマに、当社グループの「2040年に目指す姿」として、「これまでの延長線上にない変化」、そのビジョンとして「Beyond ceramics, eXceeding imagination セラミックスのその先へ、想像のその先へ。」を掲げ、そのマイルストーンとなる2030年をターゲットにした長期経営計画『2030 長期経営計画 日特BX』を2020年度に策定しました。『2030 長期経営計画 日特BX』では、行動指針“Change with Will”のもと、「経営革新」「権限・責任の厳格化」「『志』『共生』の意識醸成」を具体的な施策として推進することで、自動車関連事業で得た収益を源泉として成長事業及び新規事業への投資を加速させ、事業ポートフォリオの転換を図ってまいりました。
また、『2030 長期経営計画 日特BX』で目指す姿を見据え、2021年度から2024年度までの4年間を「変えるために、壊す。」「変わるために、創る。」として、組織を変革する期間に位置付けた中期経営計画を策定し、本中期経営計画においては、次の基本方針及び重点課題を掲げ、各種取組みを実行してまいりました。
2024/06/25 14:04- #13 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(連結)
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
自動車関連 | 514,024 | +11.6 |
セラミック | 91,343 | △19.9 |
(注) 1 金額は売価換算により計算されています。
2 生産高には委託生産高を含んでいます。
2024/06/25 14:04- #14 設備の新設、除却等の計画(連結)
翌連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)における設備投資は448億円を計画しており、その資金は自己資金等で充当する予定です。内訳は以下のとおりです。
会社名 | セグメントの名称 | 設備等の主な内容・目的 | 投資予定額 |
総額(百万円) | 既支払額(百万円) |
提出会社 | 自動車関連 | 増産及び研究開発設備 | 18,559 | 6,871 |
セラミック | 増産及び合理化設備 | 3,912 | 478 |
新規事業 | 増産及び研究開発設備 | 1,542 | 114 |
国内連結子会社 | 自動車関連 | 増産及び合理化設備 | 155 | - |
セラミック | 増産及び合理化設備 | 8,477 | 33 |
新規事業 | 増産及び研究開発設備 | 36 | - |
海外連結子会社 | 自動車関連 | 増産及び合理化設備 | 12,030 | - |
セラミック | 増産及び合理化設備 | 174 | - |
新規事業 | 増産及び合理化設備 | 0 | - |
(注)上記の金額には、消費税等は含まれていません。
2024/06/25 14:04- #15 重要な会計方針、財務諸表(連結)
④競争法関連費用引当金
自動車関連事業において競争法違反の疑いがあるとされた過去の一部の取引に関する和解金等の支出に備えるため、将来発生する可能性がある損失見込額を計上しています。
⑤ 債務保証損失引当金
2024/06/25 14:04