有価証券報告書-第83期(2025/03/01-2026/02/28)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念である「顧客第一」「合理追求」「人倫遵守」を実践し、顧客満足を追求することを通じて社会の発展に貢献することを事業の目的としております。
また、売上高と利益の成長を志向し、経営資源の拡大を目指します。経営資源の拡大を通じて、お客様に提供可能な製品やサービスを拡充し、顧客満足を高めることで社会に貢献してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、第8次中期経営計画(2025~2027年度)において利益率の改善・安定を目的としたReform戦略、成長投資を適切に組み合わせて管理・実行していくことを目的としたAdvance戦略を柱とした「TAFCO Reform & Advance」を策定し、実行してまいりました。
基礎事業の成長を実現していくためには、適切な成長投資を組み合わせて実行していくことが重要であります。また、投資を継続していくためには、投資原資=利益を安定的に創出していくことも必要になります。第8次中期経営計画(2025~2027年度)は、利益率の改善・安定を目的としたReform戦略、成長投資を適切に組み合わせて管理実行していくことを目的としたAdvance戦略を柱としております。
第8次中期経営計画においても引き続き財務の安定性向上に取り組み長期的な目安として自己資本比率30%に向けて取り組んでまいります。
収益性指標につきましては、「自己資本利益率(ROE)」を重要指標と位置付け、株主資本コストを上回る自己資本利益率を目標として収益性の向上に努めてまいります。
(3) 経営環境
日本経済の概況につきましては、雇用・所得環境の改善や政府の経済対策等により、景気は緩やかに回復しておりますが、エネルギー価格や原材料価格の高止まりによる物価上昇の継続に加え、米国の通商政策の動向や地政学リスクの影響など世界経済および日本経済に与える影響は非常に不透明な状況であります。
全国のコンクリートパイル出荷量は、前年度を若干下回って推移いたしました。当社の主力商圏であります関東および静岡県では、上半期は前連結会計年度を上回って堅調に推移いたしましたが、下半期は大きく下回る結果となりました。主力商圏における需要量の低下は、競争激化を伴い、当社グループの基礎事業に対して大きな下押し要因となりました。
今後の経済見通しにつきましても、消費や設備投資といった内需が主導する形で緩やかに回復していくものと想定しております。直近の経済統計、経済見通しなどを踏まえますと、個人消費は、家計の所得環境の改善にあわせて緩やかに回復するものとみられます。また、設備投資につきましても、好調な企業業績、省力化、デジタル化、サプライチェーンの強化などのニーズを背景として堅調に推移するものと思われます。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、中期経営計画の達成に向け、売上高と利益の成長を志向し、経営資源の拡大を目指します。経営資源の拡大を通じて、お客様に提供可能な製品やサービスを拡充し、顧客満足度を高めることで社会に貢献してまいります。
1.経営戦略の基本的な考え方について
当社グループの経営戦略の目的は、売上高と利益の均衡の取れた成長を実現することにあります。経営戦略は、経営理念と社是を基礎として、3カ年計画として策定される「中期経営計画」、単年度の業績目標として策定される「予算計画」、中期経営計画と予算計画を橋渡しする「年度中計」と、目的・時間軸に応じて複数の枠組みを使い分けています。これらが一体となって、当社グループの経営戦略を構成しています。
短期(1年間)の経営戦略については、年度中計および予算計画を基礎としています。年度中計とは、中期経営計画を単年度の実行計画に具体化したものです。予算計画は、向こう1年間の経営環境の予測に基づいた業績目標および管理の枠組みです。これらを元にして、投資家の皆さまには「連結業績予想」として定量的な業績ガイダンスを開示しています。
また、四半期ごとに更新する「IR社長メッセージ」では、経営環境の認識や見通し、経営戦略に基づく施策の考え方、取り組みや成長投資の事例などを定性的なガイダンスとして開示しております。
中期(3年間)の経営戦略は、中期経営計画を策定して開示をしております。現在は、第8次中期経営計画「TAFCO Reform&Advance」を実行中です。第7次中期経営計画「TAFCO Reform&Restart」から、計画のタイトルを通じて戦略のコンセプトを表すようにしています。Reform戦略とAdvance戦略については、後ほどご説明いたします。
中期経営計画は3カ年の計画ですが、3カ年で独立した計画というよりは、次の3カ年、つまり3+3=6年間の時間軸に対応できるように策定しています。3~6年間となりますと、経営環境の予測においても不確実性が大きくなります。
これを踏まえて、中期経営計画では、経営環境の正確な予測と最適化された戦略というよりは、経営環境の大局的な見通しを基本シナリオとして、現実に生じる差異を許容できる戦略的な幅を持たせた計画を策定しております。
2.第8次中期計画における経営環境の認識について
中期経営計画における経営環境の見通しは、計画策定時の基本シナリオと考えています。基本シナリオを基準点として、中期経営計画の想定と実際の経営環境に大きな差異が生じていないかを中期経営計画の実行中も適宜検証しております。
はじめに、日本経済は、消費や設備投資といった内需がけん引する形で緩やかな回復基調を維持すると予想しております。日本経済のリスク要因については、海外経済の動向、地政学的リスクといった海外の動向に注意が必要と考えております。特に、資源・エネルギー価格、為替レートなどによる輸入インフレの再燃がリスクと見ております。
国内の要因については、物価の状況に注意が必要と考えております。2025年3月時点では、インフレ率は2%程度で安定して推移するという予想が多いと見ておりますが、上下方向に大きく振れる場合は、景気の下押し要因になるものと思われます。内需が回復する下で、インフレ率が2%程度で安定した場合は、日本経済が順調な回復過程にあるため、当社の経営環境においてもメリットが大きいと想定しております。
建設市場につきましては、需要と供給の双方から見る必要があると考えております。まず、潜在的な建設需要は、内需の回復に支えられる形で堅調に推移するものと予想しております。一方で、供給側は、人手不足や労働時間規制などが、供給制約として残るものと思われます。したがいまして、顕在化する仕事量については、引き続き厳しい環境が続くものと予想しております。
もっとも、需要不足による仕事量の低迷とは構造が異なり、上述したとおり潜在的な需要は底堅いものと思われます。したがって、稼働率の減少に臨機応変に対応しつつ、これまで積み上げた技術・ノウハウ・設備を基礎とし、事業競争力(バリューチェーン全体)をバランス良く強化することを通じて、お客様にご提供する付加価値を増やし、事業の成長を実現する機会は十分にあるものと考えております。このような戦略を実行するための枠組みが、後述するReform戦略とAdvance戦略となります。
事業領域につきましては、基礎市場の潜在的な需要は底堅いと予想されること、基礎市場において競争力を強化するために必要な投資額、当社の財務状況などを踏まえますと、現在のところ基礎市場に経営資源を集中していくことが、当社の成長という目的に対して最も合理的であると考えております。
3.Reform戦略とAdvance戦略について
基礎事業の成長を実現していくためには、適切な成長投資を組み合わせて実行していくことが重要となります。また、投資を実行するには、投資原資=利益を安定的に創出していくことも必要になります。第8次中期経営計画は、利益率の改善・安定を目的としたReform戦略、成長投資を適切に組み合わせて管理・実行していくことを目的としたAdvance戦略を柱としております。
まず、Reform戦略は、上述したとおり利益を増やし、安定させるための戦略的な枠組みです。戦略の時間軸は、短期(1年間)としております。1年先の経営環境については、例えばシンクタンクによる景気や建設投資の見通し、社内におけるデータを活用した予測など、経営環境を予想する手段の多いことが特徴です。これらの情報に基づき経営環境を予測し、環境変化に対して有効な施策を組合せで立案・実行しいたします。Reform戦略は、第7次中期経営計画から戦略の柱として、これまで着実に効果を上げてきております。
一方、Advance戦略は、事業を中長期的に成長させるための成長投資を管理する枠組みです。Advance戦略においては、各部門において中長期的な事業競争力に資する投資項目を抽出し、これらの投資項目を全社で統合的に管理いたします。例えば、投資項目の事前評価として成長戦略全体との整合性、投資対効果、財務的な検討などを行い、投資実行後には定期的に事後評価をいたします。
加えて、中期経営計画を策定する3カ年ごとに重点領域を定めております。第8次中期経営計画においては、①技術開発、②人的資本、③事業基盤の強化の3つに注力いたします。第7次中期経営計画までに、工場の基幹設備更新、基幹システムの全面刷新、本社屋建て替えなどの大型の投資に目途を付けることができました。
第8次中期経営計画においては、これらの投資の着実な回収をはかるとともに、技術開発や人的資本といった無形資産領域の強化に注力します。同時に、設備の改修、デジタル化、省エネ化といった事業基盤を支える投資についても計画的に実行してまいります。
Reform戦略とAdvance戦略という異なる時間軸の戦略を組み合わせて、投資原資の創出と成長実現に向けた有効性の高い投資ポートフォリオの構築および実行という好循環を回すことを目指しております。
4.財務戦略の考え方について
財務につきましては、株主資本コストを上回るROEを実現することを目標としております。株主資本コストの推計値は変動するため、ホームページのIR社長メッセージにおいて適宜株主資本コストを開示しております。ROEを高める方法としては、利益率の改善と適切な財務レバレッジの二点が重要であると考えております。
利益率につきましては、経営戦略の最も重要な指標の一つと認識しております。社是に「当社は、売上高と利益の成長を志向する。」とありますように、売上高の成長と適切な利益率の確保をバランス良く実現していくことが、経営戦略の目標であります。
次に財務レバレッジにつきましては、少ない自己資本を効率的に活用するという点でROEに対してメリットがある一方で、過度な借入金は財務の安定性を損なうリスクがあるものと認識しております。このような財務レバレッジのメリット・デメリット、当社グループの財務状況などを踏まえますと、以前から開示しておりますとおり、当面は自己資本比率30%を目標として、内部留保を蓄積することが適切であると考えております。
財務の安定性という点につきましては、自己資本比率だけではなく、流動比率、インタレスト・カバレッジ・レシオ、総資産回転率、固定長期適合率などの指標にも留意し、自己資本の効率的な活用と適切な財務の安定性の両立に努めてまいります。
5.株主還元の考え方について
株主還元は、配当を基本に考えております。加えて、個人投資家様に向けた株主還元として、株主優待制度も導入しております。配当につきましては、業績の振れをならして見たときに、配当性向が30%以上となるようにしてまいります。
配当について補足しますと、まず「業績の振れをならして見る期間」につきましては、あらかじめ具体的な年限を定めているわけではありません。業績の振れは、その時々の経営環境によって単年度で大きく振幅する場合もあれば、そうでない場合もあります。したがいまして、期間についてはその時の経営環境などを総合的に判断することになりますが、目安としては3~5年間の変動と業績見通しなどを考慮しております。
配当性向につきましては、業績の振れをならして見たときに、配当性向が30%以上となることを目標としております。「30%以上」とあるように、30%は平均的な配当性向の下限値と考えております。30%に対してどの程度上積みするかという点につきましては、財務戦略との整合性などを総合的に考慮して判断しております。
株主優待につきましては、主として個人投資家の皆さまへの追加的な還元策であると同時に、当社グループが本社を置きます静岡県沼津市の魅力を発信し、お楽しみいただければと存じます。優待品を定期的に入れ替えるなど、株主の皆様には「選んでいただく楽しさ」もお届けできればと考えております。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念である「顧客第一」「合理追求」「人倫遵守」を実践し、顧客満足を追求することを通じて社会の発展に貢献することを事業の目的としております。
また、売上高と利益の成長を志向し、経営資源の拡大を目指します。経営資源の拡大を通じて、お客様に提供可能な製品やサービスを拡充し、顧客満足を高めることで社会に貢献してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、第8次中期経営計画(2025~2027年度)において利益率の改善・安定を目的としたReform戦略、成長投資を適切に組み合わせて管理・実行していくことを目的としたAdvance戦略を柱とした「TAFCO Reform & Advance」を策定し、実行してまいりました。
基礎事業の成長を実現していくためには、適切な成長投資を組み合わせて実行していくことが重要であります。また、投資を継続していくためには、投資原資=利益を安定的に創出していくことも必要になります。第8次中期経営計画(2025~2027年度)は、利益率の改善・安定を目的としたReform戦略、成長投資を適切に組み合わせて管理実行していくことを目的としたAdvance戦略を柱としております。
第8次中期経営計画においても引き続き財務の安定性向上に取り組み長期的な目安として自己資本比率30%に向けて取り組んでまいります。
収益性指標につきましては、「自己資本利益率(ROE)」を重要指標と位置付け、株主資本コストを上回る自己資本利益率を目標として収益性の向上に努めてまいります。
(3) 経営環境
日本経済の概況につきましては、雇用・所得環境の改善や政府の経済対策等により、景気は緩やかに回復しておりますが、エネルギー価格や原材料価格の高止まりによる物価上昇の継続に加え、米国の通商政策の動向や地政学リスクの影響など世界経済および日本経済に与える影響は非常に不透明な状況であります。
全国のコンクリートパイル出荷量は、前年度を若干下回って推移いたしました。当社の主力商圏であります関東および静岡県では、上半期は前連結会計年度を上回って堅調に推移いたしましたが、下半期は大きく下回る結果となりました。主力商圏における需要量の低下は、競争激化を伴い、当社グループの基礎事業に対して大きな下押し要因となりました。
今後の経済見通しにつきましても、消費や設備投資といった内需が主導する形で緩やかに回復していくものと想定しております。直近の経済統計、経済見通しなどを踏まえますと、個人消費は、家計の所得環境の改善にあわせて緩やかに回復するものとみられます。また、設備投資につきましても、好調な企業業績、省力化、デジタル化、サプライチェーンの強化などのニーズを背景として堅調に推移するものと思われます。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、中期経営計画の達成に向け、売上高と利益の成長を志向し、経営資源の拡大を目指します。経営資源の拡大を通じて、お客様に提供可能な製品やサービスを拡充し、顧客満足度を高めることで社会に貢献してまいります。
1.経営戦略の基本的な考え方について
当社グループの経営戦略の目的は、売上高と利益の均衡の取れた成長を実現することにあります。経営戦略は、経営理念と社是を基礎として、3カ年計画として策定される「中期経営計画」、単年度の業績目標として策定される「予算計画」、中期経営計画と予算計画を橋渡しする「年度中計」と、目的・時間軸に応じて複数の枠組みを使い分けています。これらが一体となって、当社グループの経営戦略を構成しています。
短期(1年間)の経営戦略については、年度中計および予算計画を基礎としています。年度中計とは、中期経営計画を単年度の実行計画に具体化したものです。予算計画は、向こう1年間の経営環境の予測に基づいた業績目標および管理の枠組みです。これらを元にして、投資家の皆さまには「連結業績予想」として定量的な業績ガイダンスを開示しています。
また、四半期ごとに更新する「IR社長メッセージ」では、経営環境の認識や見通し、経営戦略に基づく施策の考え方、取り組みや成長投資の事例などを定性的なガイダンスとして開示しております。
中期(3年間)の経営戦略は、中期経営計画を策定して開示をしております。現在は、第8次中期経営計画「TAFCO Reform&Advance」を実行中です。第7次中期経営計画「TAFCO Reform&Restart」から、計画のタイトルを通じて戦略のコンセプトを表すようにしています。Reform戦略とAdvance戦略については、後ほどご説明いたします。
中期経営計画は3カ年の計画ですが、3カ年で独立した計画というよりは、次の3カ年、つまり3+3=6年間の時間軸に対応できるように策定しています。3~6年間となりますと、経営環境の予測においても不確実性が大きくなります。
これを踏まえて、中期経営計画では、経営環境の正確な予測と最適化された戦略というよりは、経営環境の大局的な見通しを基本シナリオとして、現実に生じる差異を許容できる戦略的な幅を持たせた計画を策定しております。
2.第8次中期計画における経営環境の認識について
中期経営計画における経営環境の見通しは、計画策定時の基本シナリオと考えています。基本シナリオを基準点として、中期経営計画の想定と実際の経営環境に大きな差異が生じていないかを中期経営計画の実行中も適宜検証しております。
はじめに、日本経済は、消費や設備投資といった内需がけん引する形で緩やかな回復基調を維持すると予想しております。日本経済のリスク要因については、海外経済の動向、地政学的リスクといった海外の動向に注意が必要と考えております。特に、資源・エネルギー価格、為替レートなどによる輸入インフレの再燃がリスクと見ております。
国内の要因については、物価の状況に注意が必要と考えております。2025年3月時点では、インフレ率は2%程度で安定して推移するという予想が多いと見ておりますが、上下方向に大きく振れる場合は、景気の下押し要因になるものと思われます。内需が回復する下で、インフレ率が2%程度で安定した場合は、日本経済が順調な回復過程にあるため、当社の経営環境においてもメリットが大きいと想定しております。
建設市場につきましては、需要と供給の双方から見る必要があると考えております。まず、潜在的な建設需要は、内需の回復に支えられる形で堅調に推移するものと予想しております。一方で、供給側は、人手不足や労働時間規制などが、供給制約として残るものと思われます。したがいまして、顕在化する仕事量については、引き続き厳しい環境が続くものと予想しております。
もっとも、需要不足による仕事量の低迷とは構造が異なり、上述したとおり潜在的な需要は底堅いものと思われます。したがって、稼働率の減少に臨機応変に対応しつつ、これまで積み上げた技術・ノウハウ・設備を基礎とし、事業競争力(バリューチェーン全体)をバランス良く強化することを通じて、お客様にご提供する付加価値を増やし、事業の成長を実現する機会は十分にあるものと考えております。このような戦略を実行するための枠組みが、後述するReform戦略とAdvance戦略となります。
事業領域につきましては、基礎市場の潜在的な需要は底堅いと予想されること、基礎市場において競争力を強化するために必要な投資額、当社の財務状況などを踏まえますと、現在のところ基礎市場に経営資源を集中していくことが、当社の成長という目的に対して最も合理的であると考えております。
3.Reform戦略とAdvance戦略について
基礎事業の成長を実現していくためには、適切な成長投資を組み合わせて実行していくことが重要となります。また、投資を実行するには、投資原資=利益を安定的に創出していくことも必要になります。第8次中期経営計画は、利益率の改善・安定を目的としたReform戦略、成長投資を適切に組み合わせて管理・実行していくことを目的としたAdvance戦略を柱としております。
まず、Reform戦略は、上述したとおり利益を増やし、安定させるための戦略的な枠組みです。戦略の時間軸は、短期(1年間)としております。1年先の経営環境については、例えばシンクタンクによる景気や建設投資の見通し、社内におけるデータを活用した予測など、経営環境を予想する手段の多いことが特徴です。これらの情報に基づき経営環境を予測し、環境変化に対して有効な施策を組合せで立案・実行しいたします。Reform戦略は、第7次中期経営計画から戦略の柱として、これまで着実に効果を上げてきております。
一方、Advance戦略は、事業を中長期的に成長させるための成長投資を管理する枠組みです。Advance戦略においては、各部門において中長期的な事業競争力に資する投資項目を抽出し、これらの投資項目を全社で統合的に管理いたします。例えば、投資項目の事前評価として成長戦略全体との整合性、投資対効果、財務的な検討などを行い、投資実行後には定期的に事後評価をいたします。
加えて、中期経営計画を策定する3カ年ごとに重点領域を定めております。第8次中期経営計画においては、①技術開発、②人的資本、③事業基盤の強化の3つに注力いたします。第7次中期経営計画までに、工場の基幹設備更新、基幹システムの全面刷新、本社屋建て替えなどの大型の投資に目途を付けることができました。
第8次中期経営計画においては、これらの投資の着実な回収をはかるとともに、技術開発や人的資本といった無形資産領域の強化に注力します。同時に、設備の改修、デジタル化、省エネ化といった事業基盤を支える投資についても計画的に実行してまいります。
Reform戦略とAdvance戦略という異なる時間軸の戦略を組み合わせて、投資原資の創出と成長実現に向けた有効性の高い投資ポートフォリオの構築および実行という好循環を回すことを目指しております。
4.財務戦略の考え方について
財務につきましては、株主資本コストを上回るROEを実現することを目標としております。株主資本コストの推計値は変動するため、ホームページのIR社長メッセージにおいて適宜株主資本コストを開示しております。ROEを高める方法としては、利益率の改善と適切な財務レバレッジの二点が重要であると考えております。
利益率につきましては、経営戦略の最も重要な指標の一つと認識しております。社是に「当社は、売上高と利益の成長を志向する。」とありますように、売上高の成長と適切な利益率の確保をバランス良く実現していくことが、経営戦略の目標であります。
次に財務レバレッジにつきましては、少ない自己資本を効率的に活用するという点でROEに対してメリットがある一方で、過度な借入金は財務の安定性を損なうリスクがあるものと認識しております。このような財務レバレッジのメリット・デメリット、当社グループの財務状況などを踏まえますと、以前から開示しておりますとおり、当面は自己資本比率30%を目標として、内部留保を蓄積することが適切であると考えております。
財務の安定性という点につきましては、自己資本比率だけではなく、流動比率、インタレスト・カバレッジ・レシオ、総資産回転率、固定長期適合率などの指標にも留意し、自己資本の効率的な活用と適切な財務の安定性の両立に努めてまいります。
5.株主還元の考え方について
株主還元は、配当を基本に考えております。加えて、個人投資家様に向けた株主還元として、株主優待制度も導入しております。配当につきましては、業績の振れをならして見たときに、配当性向が30%以上となるようにしてまいります。
配当について補足しますと、まず「業績の振れをならして見る期間」につきましては、あらかじめ具体的な年限を定めているわけではありません。業績の振れは、その時々の経営環境によって単年度で大きく振幅する場合もあれば、そうでない場合もあります。したがいまして、期間についてはその時の経営環境などを総合的に判断することになりますが、目安としては3~5年間の変動と業績見通しなどを考慮しております。
配当性向につきましては、業績の振れをならして見たときに、配当性向が30%以上となることを目標としております。「30%以上」とあるように、30%は平均的な配当性向の下限値と考えております。30%に対してどの程度上積みするかという点につきましては、財務戦略との整合性などを総合的に考慮して判断しております。
株主優待につきましては、主として個人投資家の皆さまへの追加的な還元策であると同時に、当社グループが本社を置きます静岡県沼津市の魅力を発信し、お楽しみいただければと存じます。優待品を定期的に入れ替えるなど、株主の皆様には「選んでいただく楽しさ」もお届けできればと考えております。