有価証券報告書-第122期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、創立の精神である『高級特殊鋼を製造し、産業界に貢献する』に基づき、特殊鋼素材開発、製造、精密部品加工、熱処理、表面処理から成るバリューチェーンを活かした特徴ある商品をお客様に提供しております。また、お客様とのコラボレーションによる新たな商品開発も含め、多方面で新しい技術開発に取り組んでおります。さらに、海外での生産活動も積極的に進め、タイとインドの生産拠点と連携し、グローバルに広がるお客様の多様なニーズに応えております。
2021年度は「チームで挑戦、価値生む進化」をスローガンに掲げ、これまでの活動を強化するとともに、多様化するお客様のニーズを先取りした開発商品を市場に提供することで、これからも産業界の発展ならびに人々の豊かな暮らしに貢献できるよう挑戦し続けてまいります。
(2)経営環境及び対処すべき課題
新型コロナウイルス感染症は世界経済全体へ大きな影響を及ぼしており、その拡大の範囲や収束時期は依然見通せない状況にあります。今後のワクチンの普及や政府の経済支援策等により、世界経済は回復基調に向かうことが期待されるものの、依然として不透明な状況にあります。
当社の主要顧客先である自動車産業は、100年に1度と言われる大変革の最中にあり、当社においてもEVなどの次世代自動車化への対応や、国内における海外材料メーカーとの競争激化等、直面している課題は多くあります。
このような状況下、当社では新型コロナウイルスの感染防止の観点からすべての関係者の皆様や従業員およびその家族の安全を最優先し、WEB会議、会議体の見直し、テレワーク、時差出勤等を実施しております。将来に向けては、競争力強化に繋がるコストダウン活動、戦略商品のマーケティング活動、オンラインでの営業活動を推進し、事業活動拡大の可能性を切り開いてまいります。
次期中期経営計画につきましては、10年後のあるべき姿に向け、「技術変革の激流をも力に変え、社会の期待を先取りし応え続ける『機能会社』への進化」を基本コンセプトとして4つの領域(特殊鋼事業、海外事業、新事業・新商品、事業基盤)で重要施策を決定しました。事業環境を見極めながら臨機応変に方向付けする柔軟性を保ちつつ、年度ごとに実行計画を策定し着実に実行してまいります。
①特殊鋼事業
昨年度下期から主要向け先である従来型エンジン市場における鋼材需要は回復局面にあり、生産能力を強化してお客様のご要望にお応えしていきます。その一方で、将来的には国内の同市場が縮小するリスクはあるため、人材流動性を確保するなど下方生産弾力性も高めてまいります。
海外事業においては、従来型エンジン市場のアジア圏集約需要を捕捉するとともに、次なるグループ成長を担保するための活動に取り組みます。具体的には、タイの加工事業では新規品を量産化し次期主力商品の受注活動を継続します。インドの鋼材事業では現地の顧客向けに製販体制を整備し、収益基盤を早期に安定化いたします。
新事業・新商品につきましては、当社独自の技術を駆使して開発した磁歪材・拡散接合材の商品化を推進するとともに、オンリーワン・グローバルニッチな商品を生み続けるための人材育成と開発体制の増強を図ります。
これらの取組みの下支えとして、企業風土改革とデジタルトランスフォーメーションを加速させ、厳しい環境を乗り越えるための体幹となる事業基盤の強化を推し進めてまいります。
②不動産賃貸事業
旧長町工場用地に建設した商業施設の一層の充実を図るほか、ビルメンテナンス部門におけるスキル・品質を高い水準に維持し、事業基盤を強化することが課題であります。
新型コロナウイルス感染症の拡大抑制や収束に向けた自粛要請が続くなか、一層の「安全・安心・快適」な施設作りとビルメンテナンスの提供を行ってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、産業のグローバル化を背景に厳しい価格競争を強いられる事業環境のなか、さらなる経営基盤の強化・持続的発展に向けた戦略投資に向けて積極的に資源配分しつつ、収益確保を目指しております。
直近策定の中期計画では、最終年度の2024年3月期において連結売上高210億円、連結経常利益21億円を目標としております。