有価証券報告書-第76期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/29 11:01
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当社グループは、鉄鋼事業を中核とした資源循環型事業を通じて社会と共生し、日本経済と地域社会の発展に貢献することを経営理念に定めています。この理念の実現を目指し、安全とコンプライアンスを徹底する経営風土を作り出すこと、進取と変革に挑戦する企業風土を醸成すること、メーカーの原点である現場重視の経営体制を構築することを行動指針とし、グループ一丸となって取り組んでいます。
当社は「100年企業」に向け、創業の精神である“Spirit of Challenge”という経営理念の下、社会やお客様などステークホルダーからより一層信頼され、評価される「質の高い」企業づくりに取り組んでいます。具体的には、「世界のインフラ・環境づくりに貢献する企業」「利益水準を向上しステークホルダーに還元する企業」「コンプライアンス・品質を重視する企業」「働きがいのある安全で働きやすい職場」という当社グループのあるべき姿の実現を目指します。
これらを実現するため、当社は2018年10月に、2020年度を最終年度とする中期経営計画「Quality Up 2020」(以下、「本中期計画」といいます。)を策定しました。本中期計画のスローガンとして「未来への挑戦 より強い共英製鋼グループを目指して」を掲げております。
① 経営計画
本中期計画の最終年度である2020年度の達成目標として、連結売上高2,800億円、連結経常利益140億円、製品出荷量400万トン(国内180万トン、海外220万トン)、ROS5%以上、ROE6%以上、配当性向30%程度を設定しております。設備投資・事業投資額については、2018年度から2020年度の3年間で450億円の実施を計画しております。
② 基本方針
ステークホルダーから長期的に信頼、評価される企業を実現するために、本中期計画期間中に「経営力・現場力・社員力」の向上という3つのQuality Upに取り組みます。
・経営力: ガバナンス体制の強化、コンプライアンスの重視、品質管理体制の向上
・現場力: 操業技術力や営業力・顧客サービス力の質的向上
・社員力: 自立型人材の育成、多様な人材の採用・登用
③ 具体的施策
事業セグメントごとに、国内鉄鋼事業は「競争力の強化・生産性の向上」、海外鉄鋼事業は「出荷量の増加・収益力の強化」、また、環境リサイクル事業と鉄鋼周辺事業は「収益機会の拡大」に取り組みます。同時に、その取り組みを支える「経営基盤の強化」を進めます。
1) 国内鉄鋼事業の競争力の強化・生産性の向上
・国内出荷量180万トン体制の確立とトン当たり利益の改善を目標とします。
・生産面では、より効率的な生産体制の構築、操業技術力の向上等により製造コストの削減を進めます。
・営業面では、営業部員一人ひとりの営業力、顧客サービス力の向上を図るとともに、購買・販売・出荷業務の改革を進めます。
・工場設備の老朽化対応・強靭化対策に取り組みます。また、建築工法の多様化等に対応した新製品の開発に努めます。
・引き続き、国内電炉業界が適正な競争環境の下で健全に発展していくため、業界再編や業務提携に前向きに取り組みます。
2) 海外鉄鋼事業の出荷量の増加・収益力の向上
・海外出荷量220万トン体制の構築とトン当たり利益の改善により海外鉄鋼事業の利益を全体の3割程度まで引き上げることを目標とします。
・ベトナム・米国の拠点において、設備投資による増産・増販とコスト削減、生産効率の改善に取り組みます。
・ベトナムでは、北部2社の一体運営、及び南部の鉄鋼事業と港湾事業との連携強化を図ります。
・引き続き、米国事業の拡大や新たな地域での事業展開を検討します。
3) 環境リサイクル事業および鉄鋼周辺事業の収益機会の拡大
・環境リサイクル事業および鉄鋼周辺事業の利益を安定的に全体の1割程度とすることを目標とします。
・環境リサイクル事業については、電気炉での無害化溶融処理による質の高い廃棄物処理に努めるとともに、管理体制の強化を図り、顧客からの信頼とブランド力を高めます。また、廃棄物処理設備の投資や他社との
連携・提携、加えて、海外での事業展開を検討します。
・鉄鋼周辺事業については、子会社群の収益力の強化を図るとともに、新製品の開発や事業の多角化、新規事業への展開を検討します。
4) 経営基盤の強化
・ステークホルダーから長期的に信頼、評価されるようガバナンス体制を強化し、コンプライアンスの重視と品質管理体制の向上に取り組みます。
・当社グループの成長を担う自立型人材の育成や多様な人材の採用・登用、働きがいのある安全で働きやすい職場環境の実現に取り組みます。
・国内事業所や国内外の子会社間の連携を強化し、グループ総合力を最大限に発揮できる体制を構築します。
・操業の機械化・自動化による安全の確保と作業の省人化・無人化やAI・IoTを活用した次世代操業に向けた取り組みを始めます。
・省エネやCO2削減への取り組みを強化するとともに、社会貢献活動の拡充を図ります。
・資本コストを意識しつつ、健全な財務内容の維持・構築のために、最適な投資戦略や財務戦略を立案・実行します。
④ 中期経営計画の進捗状況と優先的に対処すべき課題
本中期計画の2年目となる当連結会計年度においては、連結売上高2,550億円、連結経常利益105億円、製品出荷量363万トン(国内178万トン、海外185万トン)、ROS4.1%、ROE4.8%を目標として設定し、売上高は若干未達となったものの、経常利益については190億円と目標値を大きく上回り、最終年度の目標である140億円を前倒しで達成することができました。ROS、ROEにつきましても、それぞれ7.9%、7.8%と大幅に改善しました。
経営力・現場力・社員力の向上を目指す「3つのQuality Up」については、社外役員の増員などガバナンス体制の強化、コンプライアンス意識調査の継続的な実施(経営力)、製造現場における自動化・省力化への取り組み、営業部門の全社システム改革(現場力)、人事制度改革の実施、教育・研修制度の拡充、福利厚生施設の充実などの職場環境整備(社員力)など、各方面でテーマを掲げ、具体的な取り組みを進めています。
以上の通り、定量面、定性面とも概ね順調に進捗しておりますが、その内容については課題も残しています。特に、海外鉄鋼事業については、本中期計画において「利益を全体の3割程度まで引き上げる」との目標を掲げていますが、当連結会計年度においても達成には至っておらず、優先的に対処すべき最重要課題と位置付けております。
当社グループの鉄鋼事業は日本・ベトナム・北米の「世界3極体制」の下で進めておりますが、ベトナムにおいては、依然として需要は堅調であるものの、供給能力過剰による価格競争が続いており、事業環境は厳しい状態です。また、北米エリアにおいては、2016年末に橋頭保としてビントン・スチール社を取得後、事業規模等の観点から、事業拡大を模索していました。
その意味で、本年3月のアルタ・スチール社買収は、当連結会計年度における特に重要な施策です。同社の買収により、当社のグローバル戦略の柱である「世界3極体制」はより強固なものとなり、海外の製品出荷量目標220万トンを目指す布石となりました。アルタ・スチール社は、カナダ西部唯一の電炉工場として60年以上にわたり事業を行ってきた優良な電炉メーカーです。同社の運営面での速やかなグループ化を進め、米国のビントン・スチール社と連携を取りつつ、北米での鉄鋼事業を強化してまいります。
日本・ベトナム・北米の各拠点が地域に根差した事業を展開して強さを発揮する「グローカル・ニッチ戦略」の下、互いに切磋琢磨することにより、グループ全体の企業価値向上を目指してまいります。
2018年度2019年度2020年度
中期計画実績中期計画実績中期計画
売上高2,350億円2,423億円2,550億円2,393億円2,800億円
経常利益70億円86億円105億円190億円140億円
出荷量326万トン327万トン363万トン337万トン400万トン
(国内)174万トン175万トン178万トン165万トン180万トン
(海外)152万トン152万トン185万トン172万トン220万トン
ROS3.0%3.6%4.1%7.9%5%以上
ROE3.5%4.6%4.8%7.8%6%以上
配当性向28.9%26.7%24.8%28.4%30%程度

⑤ 2020年度の重点推進施策
以上のように、当社グループは本中期計画の下、海外鉄鋼事業の収益力強化を優先的に対処すべき課題として企業価値の向上に努めていきますが、今般の新型コロナウイルス感染拡大は、世界経済に甚大な影響をもたらし、当社グループを巡る経営環境は、不確実性が高まっております。当社グループの中核事業である鉄鋼事業においては、国内外ともに、建築・土木工事の中断や延期などによる鋼材需要の減少により、市況悪化や出荷量の減少が予想されます。国内では、2019年度第4四半期より需要の減少が見られる中、経済活動を再開させた中国の影響により、原材料である鉄スクラップの価格が上昇基調にあります。ベトナムでは新型コロナウイルス感染症の抑え込みには成功しているものの、当局の指導による厳しい移動制限や、工事の中断等事業活動に制約がありました。米国やカナダでは景気の減速により鉱山向け鋼材の需要が低迷しています。世界における新型コロナウイルス感染拡大は継続しており、今後の影響の程度について、定量的に想定することは困難な状況です。
当社グループとしましては、今回の新型コロナウイルス感染症の影響により、グローバル経済の今後に大きな変化が生じるとともに、我が国においては、人口減少時代に対応した働き方改革、情報技術の進歩やそれに伴う購買行動・流通構造の変化、ESGに関する意識の高まりなど、社会の構造的変化が加速化すると考えております。
従いまして、2020年度におきましては、新型コロナウイルスショックなど当社グループを取り巻く外部環境の大きな変化やリスクに対応し、次の5点を重要推進施策として取り組みます。
・国内鉄鋼事業の最適な生産・販売・購買体制の構築
・海外鉄鋼事業の現地化ならびに「グローカル・ニッチ戦略」の推進
・ポストコロナ時代に対応したグループ総合力の強化
・サステナブルな社会の実現に向けた取り組み
・ワークスタイルの変化に対応した職場づくり・人づくり
これからは、人をつなぎ、時をつなぎながら持続的成長を続けていくとともに、イノベーションにも挑戦していかなければなりません。
今後の成長を見据えた次期中期経営計画の策定を視野に入れつつ、上記施策に取り組んでまいります。
なお、文中における将来の事項については、有価証券報告書提出日(2020年6月29日)現在において判断したものです。

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