有価証券報告書-第82期(2025/04/01-2026/03/31)
③ 戦略
当社グループは、1.5℃および2℃未満と4℃のシナリオにおける、2050年の当社グループを取り巻く社会の変化を定義し、それぞれのシナリオにおけるリスクと機会を、経営への影響度および顕在化する可能性と併せて分析・特定しました。さらに、特定した1.5℃および2℃未満シナリオ15項目、4℃シナリオ10項目のリスクと機会を、「カーボンコスト」、「エネルギーコスト」、「原料高騰」、「製品市場」、「自然災害コスト」、「労働環境」の6項目に整理しました。
これらの課題に対し、下表の取り組みを進めています。
<参考レポート>●IEA / World Energy Outlook (2020)
●IEA / Energy Technology Perspectives (2020)
●IEA / Iron and Steel Technology Roadmap
●IMF / World Economic Outlook Database (2021)
●ILO / Working on a warmer planet
●IEA / World Energy Outlook (2023) 等
当社グループは、1.5℃および2℃未満と4℃のシナリオにおける、2050年の当社グループを取り巻く社会の変化を定義し、それぞれのシナリオにおけるリスクと機会を、経営への影響度および顕在化する可能性と併せて分析・特定しました。さらに、特定した1.5℃および2℃未満シナリオ15項目、4℃シナリオ10項目のリスクと機会を、「カーボンコスト」、「エネルギーコスト」、「原料高騰」、「製品市場」、「自然災害コスト」、「労働環境」の6項目に整理しました。
これらの課題に対し、下表の取り組みを進めています。
| 重要なリスク・機会 | 項目 | 中期経営計画「NeXuSⅡ 2026」での対応策 | ||||
| 1.5℃および2℃ 未満 | 移行リスク | 政策・法 | 脱炭素政策の躍進 | ①カーボンプライシングの導入、再エネ賦課金の増加、温対法の強化による事業コストの増加 | カーボン コスト | ・省エネルギーの推進 ・重油・灯油から都市ガス・LNGへの転換推進 |
| ②石油燃料の使用制限によるCO2低排出燃料への移行によるLNGの争奪、価格高騰 | エネルギーコスト | |||||
| 技術 | 脱炭素・省エネ技術の要請 | ③脱炭素・省エネルギーへの対応技術がニーズに追従できないことによる操業の困難化 | カーボン コスト | ・脱炭素・省エネルギー技術の開発推進 ・重油・灯油から都市ガス・LNGへの転換技術開発 ・リサイクルに適した鉄スクラップを収集・選別し、ロスなく鉄鋼製品にする技術の向上 | ||
| ④高炉から電炉への生産移行による鉄スクラップ・電極の争奪、価格高騰 | 原料高騰 | |||||
| 市場 | 社会における脱炭素意識の高まり | ⑤脱物質主義、人口減少による市場の縮小、製品・サービスの需要減少 ⑥高炉から電炉への移行による競争の激化 ⑦デベロッパーの価値観変化に伴うコンクリートから木材への切替による需要減少 | 製品市場 | ・高強度鉄筋やPC工法など新たな建築工法に対する新製品の開発 ・顧客ニーズを踏まえた加工品事業などの新事業への積極的な取り組み | ||
| ⑧バリューチェーンでの脱炭素の要求に追従できず販売機会の喪失 | カーボン コスト | |||||
| エネルギー コストの高騰 | ⑨発電の電源構成における再エネ拡大による電力コストの増加 | エネルギーコスト | ・製品価格転嫁と省エネルギーの推進 ・太陽光発電・自家消費の推進 | |||
| 物理的リスク | 急性 | 自然災害の 増加 | ⑩台風や洪水などの自然災害による事業所や各拠点の操業停止 ⑪自然災害の発生による原材料調達の困難化 | 自然災害 コスト | ・物理的な影響に備えた事業継続マネジメント(BCM)体制の構築と第三者へのリスク移転 ・原材料安定調達のためのサプライチェーンの拡充 | |
| 機会 | 製品・ サービス | 製品市場の 拡大 | ⑫「資源循環型事業」に対するさらなる貢献への評判による新たな製品市場の形成 ⑬CO2排出量の低い製品としての需要増加、販売機会の増加(電炉による鋼材製造、グリーン鋼材やカーボンフットプリントのラベリング製品) ⑭自然災害に対する「国土強靭化」製品としての需要増加、販売機会の増加 ⑮平均気温上昇により現場施工の省人化につながるネジ節鉄筋やPC工法などユニット製品の需要の高まり | 製品市場 | ・ESG情報の積極的な開示によるESGレーティングなどの外部評価向上 ・高強度鉄筋やPC工法など新たな建築工法に対する新製品の開発 ・顧客ニーズを踏まえた加工品事業などの新規事業への積極的な取り組み | |
| 重要なリスク・機会 | 項目 | 中期経営計画「NeXuSⅡ 2026」での対応策 | ||||
| 4℃ | 移行リスク | 政策・法 | 国土強靭化の推進 | ①「国土強靭化」製品への要求の高まりに対する建築・土木基準の改定対応の遅れによる販売機会の喪失 | 製品市場 | ・顧客ニーズを踏まえた加工品事業などの新規事業への積極的な取り組み |
| 技術 | 国土強靭化の要請 | ②災害対策の観点からより高強度の鋼材が求められるが、技術開発の遅れによる販売機会の喪失 | ・高強度鉄筋やPC工法など新たな建築工法に対する新製品の開発 | |||
| 市場 | 石油燃料の 枯渇 | ③石油燃料枯渇によるエネルギー、原材料コストの増加 | エネルギーコスト | ・製品価格転嫁と省エネルギーの推進 | ||
| 物理的リスク | 急性 | 平均気温の 上昇 | ④平均気温上昇による労働環境の悪化(人的安全確保の困難化) | 労働環境 | ・操業のロボット化・自動化のための設備投資の充実 | |
| 自然災害の 激甚化 | ⑤台風や洪水などの自然災害による事業所や各拠点の操業停止 ⑥自然災害発生による原材料調達の困難化 | 自然災害 コスト | ・物理的な影響に備えた事業継続マネジメント(BCM)体制の構築と第三者へのリスク移転 ・原材料安定調達のためのサプライチェーンの拡充 | |||
| 機会 | 製品・ サービス | 製品市場の 拡大 | ⑦自然災害に対する「国土強靭化」製品としての需要増加、販売機会の増加 ⑧平均気温上昇により現場施工の省人化につながるネジ節鉄筋やPC工法などユニット製品の需要の高まり ⑨生活環境悪化による医療の進展から、医療系廃棄物が増加し、また災害廃棄物の増加からリサイクル事業のニーズ拡大 ⑩経済発展と国際的需要増加により、グローバルで販売機会の増加 | 製品市場 | ・高強度鉄筋やPC工法など新たな建築工法に対する新製品の開発 ・顧客ニーズを踏まえた加工品事業などの新規事業への積極的な取り組み ・北米事業強化のための設備投資 | |
<参考レポート>●IEA / World Energy Outlook (2020)
●IEA / Energy Technology Perspectives (2020)
●IEA / Iron and Steel Technology Roadmap
●IMF / World Economic Outlook Database (2021)
●ILO / Working on a warmer planet
●IEA / World Energy Outlook (2023) 等