有価証券報告書-第28期(2024/04/01-2025/03/31)
有報資料
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りであります。
尚、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
現在の航空機需要は激減したコロナ禍から回復し、成長軌道へ転じております。また、長期化しているウクライナ情勢を発端に再編された航空機向けチタンのグローバルサプライチェーンによる代替需要が加わり、中長期的なスポンジチタンの需要は堅調に推移することを想定しております。しかしながら、足元ではボーイング社の品質問題やストライキ等の影響により、同社民間航空機の増産計画が遅延する等、一時的にスポンジチタン需要が減少しております。加えて一般産業用途向けスポンジチタン需要は、中国経済の減速等の影響を受け減少傾向であります。
一方、コスト面では、チタン鉱石等の各種原材料価格やエネルギー価格はピークアウトしているものの、資機材価格や人件費は年々上昇しております。更に米国の追加関税や各国の報復関税による影響等、事業環境の不確実性がより一層高まっています。
このような事業環境において、スポンジチタンの工場稼働率は、一定の販売財源を確保したことから、期中の販売数量増加への対応能力は維持しつつ、販売数量見合いに引き下げております。また、チタン事業の収益性を確保するためにお客様の理解を得ながら販売価格の適正化を進めると共に、生産諸元の改善や操業条件の最適化等による徹底したコスト削減に取り組んでおります。これらの活動と併せて、各工程の自動化や生産効率の向上を図り、更に将来の生産改革に繋げていくためAIやIoT技術等の先端技術を駆使したスマートファクトリー化を推進しております。
航空機の中長期的な需要は持続的な成長が予想されることから、米国チタン展伸材製造各社は生産能力の増強を実施し、量産に向けた準備を進めています。中長期的な需給逼迫の可能性を見据えて、チタンサプライチェーンより高品質スポンジチタンの安定供給を強く要請されており、当社チタン事業の成長とチタン業界発展への貢献の観点から、本社・尼崎工場における既存のインフラを活かし、スポンジチタンの生産能力を増強することといたしました。現在、計画通りの工事完遂、早期戦力化に向けた取り組みを進めております。
一方、二つ目の中長期経営課題である事業構造の強化を図り、将来の経営ビジョンとして描く事業ポートフォリオの変革に向け、従来の商品群に積層セラミックコンデンサ(MLCC)市場に繋がる四塩化チタンを加えて一括管理する高機能事業部を新設し、高機能材料事業の育成、強化に鋭意取り組んでおります。高機能材料事業の製品群である高純度チタンや球状チタン合金粉末(合金TILOP)は今後、大きな市場成長が期待される半導体や積層造形市場に上市しており、特長ある製品や技術を武器に市場におけるプレゼンスを高め、事業成長を促進して参ります。
一方、リチウムイオン電池用SiO負極材をはじめとする当社の強みを発現できる新規事業の創出にも継続して取り組んでおります。これらの活動によってチタン事業を主軸とする成長戦略を補強し、安定成長のための経営基盤の強化を着実に推進して参ります。
現在、以下の中期経営課題に鋭意取り組んでおります。
それぞれの事業セグメントにおける課題は次のとおりであります。
1.チタン事業
①収益基盤の強化
・事業の継続的成長の基盤となる収益力を確保する水準への販売価格及び販売構成の適正化
・革新的な技術開発によるコスト構造の改質と環境負荷低減への貢献
・安定かつ競争力ある原料調達体制の維持とトータルコスト最適化の追求
②最適生産体制の追求
・炉当たり生産性の改善による生産能力の最大活用
・職場環境改善(自動化、業務負荷低減)による労働生産性の向上
・生産技術の高度化のためのAI等の数理工学的アプローチの積極導入
③スポンジチタン生産能力の増強
・計画通りの工事完遂(2027年度末完成)
・設備稼働に合わせた操業要員の採用と育成
・増強設備の早期戦力化に向けた客先認証の取得促進
2.高機能材料事業
①高純度チタンの顧客対応力強化による事業拡大
・技術営業による顧客対応力の強化と戦略製品によるシェア拡大
・先端ニーズを先取りした特長ある製品の開発と継続的な成長機会の捕捉
・高付加価値品の拡販とロスコスト削減による収益力の更なる強化
②四塩化チタンの事業拡大
・独立した事業体としての収益力維持
・現有設備能力における販売数量と利益の最大化
・成長が見込める積層セラミックコンデンサ(MLCC)需要の捕捉
③球状チタン合金粉末(合金TILOP)の事業基盤の強化
・合金TILOP専用工場の戦力化による事業基盤の構築
・高収益が見込める市場への参入やロスコストの削減による利益の最大化
・プロセス技術の継続的な開発と差別化製品の市場投入
④リチウムイオン電池用SiO負極材料の事業化加速
・商業生産の開始と拡販及び高付加価値市場への参入による事業基盤の構築
・品質安定化とコスト削減による高コストパフォーマンスの実現
・新製品の開発と事業拡大の検討
⑤高付加価値メニュー創出に向けた取り組みの継続
・オープンイノベーションを活用した当社保有コア技術による新規事業の探索と事業化検討
・経営資源の投入による新規事業候補の事業化検証の推進
・当社の強みを発現できる案件の追求
3.全社的取り組み
①技術開発力の強化
・省人/省力化、合理化開発により労働生産性の向上を推進
・DX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)を
含めた革新的技術開発をイノベーション開発として推進
・事業ポートフォリオの変革に向けた新たな製品や事業のための探索活動の継続
②人的資本の強化
・「採用」、「育成」、「職場環境改善」を重点テーマとした人的資本強化推進
プロジェクトチームの活動継続と成果出し
・従業員が働く自信と誇り、喜びを感じられる魅力ある職場づくり
・持続的成長に向けた中期課題解決のための採用・育成計画及び人事施策の充実
③DX(デジタルトランスフォーメーション)への対応推進
・蓄積データの効率的な活用による更なる品質安定化と生産効率の向上
・スマートファクトリー化全体構想の立案と推進
・基幹システムの刷新による業務改革の推進
④ESG取り組み
・環境負荷低減への貢献
・安全で健康な職場環境の構築
・人材育成とD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の推進
・ガバナンスの充実による持続的成長
・先端素材の開発、提供によるサステナビリティ社会への貢献
尚、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
現在の航空機需要は激減したコロナ禍から回復し、成長軌道へ転じております。また、長期化しているウクライナ情勢を発端に再編された航空機向けチタンのグローバルサプライチェーンによる代替需要が加わり、中長期的なスポンジチタンの需要は堅調に推移することを想定しております。しかしながら、足元ではボーイング社の品質問題やストライキ等の影響により、同社民間航空機の増産計画が遅延する等、一時的にスポンジチタン需要が減少しております。加えて一般産業用途向けスポンジチタン需要は、中国経済の減速等の影響を受け減少傾向であります。
一方、コスト面では、チタン鉱石等の各種原材料価格やエネルギー価格はピークアウトしているものの、資機材価格や人件費は年々上昇しております。更に米国の追加関税や各国の報復関税による影響等、事業環境の不確実性がより一層高まっています。
このような事業環境において、スポンジチタンの工場稼働率は、一定の販売財源を確保したことから、期中の販売数量増加への対応能力は維持しつつ、販売数量見合いに引き下げております。また、チタン事業の収益性を確保するためにお客様の理解を得ながら販売価格の適正化を進めると共に、生産諸元の改善や操業条件の最適化等による徹底したコスト削減に取り組んでおります。これらの活動と併せて、各工程の自動化や生産効率の向上を図り、更に将来の生産改革に繋げていくためAIやIoT技術等の先端技術を駆使したスマートファクトリー化を推進しております。
航空機の中長期的な需要は持続的な成長が予想されることから、米国チタン展伸材製造各社は生産能力の増強を実施し、量産に向けた準備を進めています。中長期的な需給逼迫の可能性を見据えて、チタンサプライチェーンより高品質スポンジチタンの安定供給を強く要請されており、当社チタン事業の成長とチタン業界発展への貢献の観点から、本社・尼崎工場における既存のインフラを活かし、スポンジチタンの生産能力を増強することといたしました。現在、計画通りの工事完遂、早期戦力化に向けた取り組みを進めております。
一方、二つ目の中長期経営課題である事業構造の強化を図り、将来の経営ビジョンとして描く事業ポートフォリオの変革に向け、従来の商品群に積層セラミックコンデンサ(MLCC)市場に繋がる四塩化チタンを加えて一括管理する高機能事業部を新設し、高機能材料事業の育成、強化に鋭意取り組んでおります。高機能材料事業の製品群である高純度チタンや球状チタン合金粉末(合金TILOP)は今後、大きな市場成長が期待される半導体や積層造形市場に上市しており、特長ある製品や技術を武器に市場におけるプレゼンスを高め、事業成長を促進して参ります。
一方、リチウムイオン電池用SiO負極材をはじめとする当社の強みを発現できる新規事業の創出にも継続して取り組んでおります。これらの活動によってチタン事業を主軸とする成長戦略を補強し、安定成長のための経営基盤の強化を着実に推進して参ります。
現在、以下の中期経営課題に鋭意取り組んでおります。
| <中期経営課題>(チタン事業) ・生産能力増強と収益構造の強化によるチタン事業の持続的成長 (高機能材料事業) ・新規事業の開拓を含む高機能材料事業の拡大による事業ポートフォリオ変革の促進 (全社共通) ・人的資本の強化とフル活用のための環境整備 ・データサイエンス等を駆使したスマートファクトリー化による DX(デジタルトランスフォーメーション)の更なる推進 ・財務体質の健全化による安定成長基盤の構築 ・カーボンニュートラル対応をはじめ環境負荷低減に向けた多面的な活動の推進 |
それぞれの事業セグメントにおける課題は次のとおりであります。
1.チタン事業
①収益基盤の強化
・事業の継続的成長の基盤となる収益力を確保する水準への販売価格及び販売構成の適正化
・革新的な技術開発によるコスト構造の改質と環境負荷低減への貢献
・安定かつ競争力ある原料調達体制の維持とトータルコスト最適化の追求
②最適生産体制の追求
・炉当たり生産性の改善による生産能力の最大活用
・職場環境改善(自動化、業務負荷低減)による労働生産性の向上
・生産技術の高度化のためのAI等の数理工学的アプローチの積極導入
③スポンジチタン生産能力の増強
・計画通りの工事完遂(2027年度末完成)
・設備稼働に合わせた操業要員の採用と育成
・増強設備の早期戦力化に向けた客先認証の取得促進
2.高機能材料事業
①高純度チタンの顧客対応力強化による事業拡大
・技術営業による顧客対応力の強化と戦略製品によるシェア拡大
・先端ニーズを先取りした特長ある製品の開発と継続的な成長機会の捕捉
・高付加価値品の拡販とロスコスト削減による収益力の更なる強化
②四塩化チタンの事業拡大
・独立した事業体としての収益力維持
・現有設備能力における販売数量と利益の最大化
・成長が見込める積層セラミックコンデンサ(MLCC)需要の捕捉
③球状チタン合金粉末(合金TILOP)の事業基盤の強化
・合金TILOP専用工場の戦力化による事業基盤の構築
・高収益が見込める市場への参入やロスコストの削減による利益の最大化
・プロセス技術の継続的な開発と差別化製品の市場投入
④リチウムイオン電池用SiO負極材料の事業化加速
・商業生産の開始と拡販及び高付加価値市場への参入による事業基盤の構築
・品質安定化とコスト削減による高コストパフォーマンスの実現
・新製品の開発と事業拡大の検討
⑤高付加価値メニュー創出に向けた取り組みの継続
・オープンイノベーションを活用した当社保有コア技術による新規事業の探索と事業化検討
・経営資源の投入による新規事業候補の事業化検証の推進
・当社の強みを発現できる案件の追求
3.全社的取り組み
①技術開発力の強化
・省人/省力化、合理化開発により労働生産性の向上を推進
・DX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)を
含めた革新的技術開発をイノベーション開発として推進
・事業ポートフォリオの変革に向けた新たな製品や事業のための探索活動の継続
②人的資本の強化
・「採用」、「育成」、「職場環境改善」を重点テーマとした人的資本強化推進
プロジェクトチームの活動継続と成果出し
・従業員が働く自信と誇り、喜びを感じられる魅力ある職場づくり
・持続的成長に向けた中期課題解決のための採用・育成計画及び人事施策の充実
③DX(デジタルトランスフォーメーション)への対応推進
・蓄積データの効率的な活用による更なる品質安定化と生産効率の向上
・スマートファクトリー化全体構想の立案と推進
・基幹システムの刷新による業務改革の推進
④ESG取り組み
・環境負荷低減への貢献
・安全で健康な職場環境の構築
・人材育成とD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の推進
・ガバナンスの充実による持続的成長
・先端素材の開発、提供によるサステナビリティ社会への貢献